PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

台湾の新星 Starlux Airlines

この業界では「Star 何とか」という名称は、大変多いのです。Star Alliance といえば地球規模の商業航空連合、StarFlyer といえば北九州空港を本拠地とする航空会社、Stargazy Pie といえば...これはちょっと違いました。すみません。

 

ということで、名称を聞いても印象が残らないスターラックス航空。ところがこの航空会社、本性が徐々に明らかになるにつれて興味がわいてきました。

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漢字表記では星宇航空。エバーグリーングループ創業者の跡目争いで分家したような形で2017年に会社発足、2020年に運航開始。ビジネスモデルの設計から始まり、万全の準備を整えて営業を始めた感があります。台北桃園国際空港をハブとするのは不思議ありませんが、最初はマカオ、ペナン、ダナンと3路線。競合しにくい路線を狙っての開業のようです。その後台中にも就航しています。LCCではなくフルサービスキャリア。

 現在の機材は A321neo が 3機だけ。これに加え発注済の機材は、A321neo が 7、A350-900 が 9、A350-1000 が 8 です。さらに最近 A330neo を 8 機発注したようです。いずれも燃費が良い機材で中華航空エバー航空には手強い挑戦者になるのではと思わせます。新しく立ち上げる航空会社は、こういう点では確実に有利です。

 日本へは今年7月、那覇に就航予定でしたが、パンデミックのためか実現していません。そのほかにもアジア中に逐次路線を拡大する予定(申請中)のようです。ラクジャリーがキーワードだとするなら、札幌就航なんて良さそうなのですがどうでしょう。ちなみに日本語サイトはすでに整備されています。

https://www.starlux-airlines.com/ja-JP/Book/FareRules/FareProducts

 

この航空会社に関して注目すべき点は、A350にファーストクラスを設定すると発表したこと。

Taiwan's StarLux Airlines rolls out first class in new A350s | The Standard

A350 では、ファーストクラス(およびそれ相当のプロダクト)は現在マレーシア航空しか運用していないようですが、Pechedenfer が何回か搭乗した経験から言うと、キャビンの幅が小さく、B777A380 用の幅が大きいシートを 1-2-1 の配置にし、進行方向に向けるのは無理です。1-1-1の配列にするとか、キールに対して角度をつけて配置するとかの工夫が必要です。

 ちなみに Air France も今後 A350 にファーストクラスを設定するようです。B777の新型ファーストクラスと比較して、簡素になったシートが登場しそうな気がします。

 

スターラックスが日本に就航するのはほぼ確実なので、日本の住民は注目しておいて損はありません。

 

スターラックス航空に関してもう一つの注目すべき点は、ステータスマッチに熱心なことです。彼らの会員プログラムは Cosmile という名で、会員レベルは上から Insighter、Explorer、Adventurer、Traveller=平です。まともに資格を獲得するなら、そこそこ搭乗が必要です。

https://www.starlux-airlines.com/en-US/Cosmile/TiersAndBenefits

 

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Status Matcher では、現在 94%の成功率。世界第2の寛大さ。マッチ成功例を調べてみると、

UAプラチナ、TKエリートプラス、CXダイヤ、BAゴールドが Insighter に

・SQゴールド、MHゴールド、JLサファイアJGP、NHプラチナ、DLプラチナ、AFゴールドが Explorer

でした。マッチ失敗例は、A3ゴールドからの請求でした。

 

なおステータスマッチは公式に募集しています。新しい会社なので、こういうことも必要なのでしょう。

https://www.starlux-airlines.com/en-US/COSMILE/CardTierMatch

近い将来を見据えて、会員になっておくのは悪くない気がします。特に中華航空にも、エバー航空にも興味がわかない方には一考の価値があります。行けなくなって初めて分かった〇〇ですよね、台湾は。