前回のまとめ
・フライングブルーでは、AF-KLM、他のスカイチーム加盟会社(全19社)の他、13もの航空会社の搭乗で上級会員になれ、AF-KLMを含む特定航空会社の搭乗は義務付けられていません。
・JAL国内線だけでも、上級会員になれます。
・JAL国内線ファーストクラスはファースト、特便割引のクラス J はビジネス扱いですが、先得割引のクラス J は対象外で、xp もマイルも積算されません。
フライングブルーの誤記か
前の記事の公開後、フライングブルーの記述が言語によって異なることが分かりました。信じられません。JAL搭乗の部分です。記事はフランス語の説明
を元にしたのでしたが、英語、オランダ語、日本語のサイトでは重要なところで記述が全く違うではないですか。
英日蘭語版によれば JAL 国内線だけを手配すると、ファーストクラスは F だけ、クラス J はおそらく J だけが加算対象になります。すると
普通運賃、特別乗継割引、往復割引、JALビジネスきっぷ
だけが対象となり、少々お高くなります。多数決ではありませんが、フランス語のサイトが間違っていると考えた方が安全。
今日はJAL国内線にどの程度搭乗したら、フライングブルーの上級会員になれるのかを検証します。BA のエグゼクティブクラブを比較対照してみましょう。
ファーストクラス利用の場合
JAL国内線ファーストクラスで距離が短く、価格が安いのは羽田ー伊丹なので、それを使います。搭乗1回で 10 xp 加算されます。航空券価格はビジネスきっぷで 25,000 円ぐらい。xp 単価は 2,500 円となりますが、これは JAL 会員がJALカードで決済した時しか購入できません。ここは潔く往復割引を考えましょう。この場合 33,000 円で xp 単価は 3,300 円となります。さすがに往復割引で買う人は少ないらしく、入手は楽です。
フライングブルーだと JAL 搭乗だけで上級会員資格を獲得、維持できるので、それがどの程度のものになるか計算してみました。BA のエグゼクティブクラブを利用して上級会員資格に必要な TP を得る場合と比較してみましょう。
AF-KLMでは Ultimate を除き、JALへの搭乗だけで上級会員資格が得られます。ただし一段階ずつしか上がれず、そのたびに xp は基準値が減算されます。会員資格の期間は1年間です。レベルが上がるとそこで会員年度はリセットされます。
BAの表は特便割引の安値(1搭乗 20,000 円)で計算してあります。回数も少ない上、単価も安いので、AFより数字は低く出ます。ただし GGL、ゴールド、シルバー会員になるためには BA の4搭乗が要求されています。ブロンズ会員は2搭乗です。この搭乗は上の表で無視しているため、現実には JAL の搭乗回数はこれより少なくて済む一方、BA 搭乗の費用が必要です。会員資格は一年で、維持のためには毎年 BA への搭乗が必要です。会員資格の期間は1年間です。レベルが上がると翌会員年度末までその資格が有効です。
細々とした事情が2社で異なるのですが、欧州渡航を加えても BA の方が圧倒的に有利です。純粋な修行僧が BA4搭乗を安く済ませるなら、航空券10万円、宿泊費2万円程度で欧州に渡り、BA は別切で手配するでしょう。するとブロンズは20万円、シルバーは30万円、ゴールドは60万円ぐらいで可能。もっとも BA なら、JALはクラス J 先得割引で乗った方が価格は抑えられます。搭乗回数はざっと1.5倍になりますが...。
クラス J 利用の場合
羽田ー伊丹の JAL 国内線クラス J では、ビジネスきっぷは 18,000 円ぐらい。xp 単価は 3,000円。往復割引だと 25,000 円ぐらいで、xp 単価は 4,170 円。なお搭乗1回で 6 xp 加算されます。入手は楽でしょう。ただし計算するまでもなく、ファーストクラスの方が圧倒的に有利です。
ちなみにエコノミークラスでも、往復割引はクラス J より 1,000円安いだけです。獲得 xp はわずか 2。考慮に値しません。
なお上での計算は、会員レベルを一段上がるか、維持するかという時の比較です。フライングブルーをエントリーレベルから、プラチナまで上がるためには 580 xp 必要です。一方、エグゼクティブクラブではエントリーレベルから 1500 TP 獲得すれば、ゴールド会員です。AFではゼロから成り上がる時、すでにその世界にいる人より余計に 280 xp が必要なのです。
生涯会員については...
BA も生涯会員については BA 搭乗を要件に入れていません。形の上では日本に籠って JAL ばかり乗っていてもBAの生涯会員になれます。欧州へ行かなくて良い分費用は削減されます。しかしながら AF で必要な xp の総量は極端に小さいので、ファーストクラスを利用するなら、AF生涯プラチナ vs BA生涯ゴールドでは AF の圧勝。BAでは先得割引のクラス J 利用だと、AF の費用よりおそらく安くなりますが、搭乗回数は結構な数になります。
ただし AF の「3,000 xp で達成」は10年間制度が変わらなければ、という仮定を意識せざるを得ません。10 年間、制度不変を期待するのは虫が良すぎます。xp を貯めこむのはハイリスク。
一方、BA の生涯ゴールドは数年で獲得できます。BA の制度改変リスクは、その人次第で下げられます。