バス代わりの飛行機

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

Les moines japonais s'entassent dans la cabine éco, tandis que leurs confrères français prennent la première (4)

xp を提供する会社が多すぎ

航空会社会員プログラム改革には、原点回帰の傾向があります。自社利用の程度に応じて、客を優遇するという本来の目的が復活してきたようです。振り返ってみると bilateral な提携を元に、提携他社利用でマイルが貯まる仕組みは早かったのですが、エリート会員になるために他社搭乗も算入するのは、航空連合時代の発想ではないでしょうか。

 Miles & More がスターアライアンス各社の搭乗で良かったのに、Lufthansa+Swiss+Austrian の搭乗が半分必要になったのは良い例です。航空連合の開拓者さえ自社利用を重視するようになっています。

 

そんな中、全く逆をやったのがフライングブルー。幅広い提携会社の利用でエリート会員になれるように制度を変えてしまいました。他社の構成は、SkyTeamの全15社、SkyTeam外が12社です。航空連合の意味が希釈しました。

SkyTeam 15社 ⇦ FB 6 社 (AF, KL, KQ, RO, SB, Transavia) ⇨ その他の提携会社12社 

エールフランスはかつて共和国の翼でした。各国の航空会社との提携はフランス外交の色彩が強く、その頃の提携は今でも残っています。良い例は JAL や Malaysia 航空ですね。金額制導入前は相互の利用でマイルが加算され、この2社の場合、この点については oneworld 加盟はあまり影響していません。フライングブルーには SkyTeam 外にマイル加算対象の会社がいくつかあったのですが、全て資格マイルでは対象外でした。xp の時代になって SkyTeam 外にマイル対象会社が増え、さらにそれらのほとんどで xp が加算されるようになりました。

 

LH とやったことは正反対ですが、航空連合への傾倒が弱まったのは同じ。共に旗振り役だったはずですがね...。幅広い提携会社の搭乗でも、自社の上顧客として迎えるなんてとても独創的です。AF はビッグデータ処理を自前で行なっており、思いつきでこんな改革はしないはず。会員の搭乗パターンが他社と異なるのか、提携会社との関係に特殊な傾向があるのか、公にされることはないと思いますが、会社ー顧客の関係がユニークなことを匂わせます。

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上級会員になる方法が多いのは、歓迎すべきこと。目立たないプライングブルーの長所です。

 

JAL国内線キャビンを俯瞰すると

JALの客といえば、JGC、ダイヤモンド、亀タグなどが連想されます。言うまでもなく、これらは JAL 自社会員に関するキーワード。一度頭の中をブリーチングして、機内に多様なプログラムの会員がいるという視点で眺めてみると、面白い現象が起きていることが分かります。

 まず JAL 自社会員。純正修行僧だろうが、社畜ダイヤモンドだろうが、JAL国内線ではほとんど普通席利用です。背後には航空券販売の工夫があります。JALの場合、価格、自由度、FOP のバランスが秀逸で、クラス J やファーストクラスの利用は見合わない支出に感じられるようになっています。また企業にとってみれば、社員のほとんどは上級キャビンに載せる意味がなく、この傾向はさらに促されます。つまり JMB-JGC 会員を普通席へ押し込めるメカニズムが存在しているのです。しかしこれは大変洗練されたメカニズムになっており、プレーヤーたる会員たちは機内ヒエラルキーの最下層だとか、十把一絡げにされていると感じることがありません。メインキャビンでも快適に移動できますし。

 

JALにとってこのメカニズムは、座席を安定して埋め、路線網を、そして経営を安定させるために不可欠です。よく国際線のフライトではエコノミーで運航経費を出し、ビジネスで儲けを出すと言われますが、国内線でも前者の部分を大がかりな仕組みでなし遂げているように見えます。

 

さてごく僅かの他社会員。事情は全く異なります。搭乗実績が気になるエグゼクティブクラブの会員には、普通席利用は費用も時間もかかります。それが愚かな選択になる様にできています。確かに価格は上でも、クラス J 以上の利用が合理的。1,000 円は施設利用税ほどにも感じません。そしてクラス J の効率が良いのでファーストではなく、クラスJ に専ら乗るようになります。

 そしてさらに少数になる xp 目当てのフライングブルーの会員。ファースト利用で費用最小という構造になっています。支払いの絶対値は大きくても、そのキャビンの利用が最も節約していることになります。実は、Qantas のフリークエントフライヤーの会員も同じ状況で、このようなファーストクラスの利用を行っています。恐ろしいことですね。

 もっと恐ろしい事は、所属の会員プログラムによって客が押し込められる搭乗クラスが違うことです。しかも自発的に行うよう仕向けられており、誰も疑問に思うことがありません。

 

現地の平民は自然に三等客室を使い、他所からくる異質な連中は超過料金を物ともせず二等客室を利用し、降って来るような稀な輩は(二等、三等の客には)理解しがたい金を払い一等客室に収まる。どうしてこういう支払い行動になるか。それが各人に合理的だからである...19世紀以来、見飽きた構図です。

 

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昔と異なる点は、一歩空港から出るとこの階層社会は霧散することです。何だかレガシーキャリアって凄いぞと思います。

 

JAL 利用時にファーストクラスが当然となる AF の会員。プログラムのフレームワークが強要するのでは仕方ありません。ただしフライングブルーの特典は使えません。noblesse oblige ではなく、一見さんだからです。