バス代わりの飛行機

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

ANA の"ステータスチャレンジ"追記

昨日、ANAのステータス獲得チャレンジを記事にしたのですが、ターゲットとする顧客がぼんやりとしか見えないので一晩考えてみました。

 

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一枚のクレジットカードで年間 400~600万円の決済を行うANAの顧客は僅かと言う見積はおそらく間違っていないのですが、これは個人消費に関して。会社の経費を含めるなら話は少し違ってきます。ANAの主な顧客は、サラリーマン(英語普通名詞/廃れた日本語)=労働者(左側用語)=被雇用者(行政用語)=ビジネスエリート(ANA 用語)。彼らが自分のクレカで落とせる大きな経費は出張旅費です。

 ただし国内出張組の年間経費は、飛び回る割には 200~300万円でしょう。国内線はPP が高いので、それでも自然にダイヤモンド会員に到達してしまいます。今回のキャンペーンがうれしい出張要員はほとんどいないはずです。問題となるのは、航空券が高い割に PP が低い欧米出張組。NY 出張なんて P(70%) で飛んだら往復 10,212 PP にしかなりません。Z(125%) でも 17,606 PP。旅費の方は一回 60~80万円ぐらいになるのではないでしょうか。こういう出張が年に 4、5 回あると決済は 240~400万円にもなる一方、ステータスの方はせいぜい SFC かプラチナ。240~400万円も下駄を履かせてもらえれば、年収1,000万クラスでも年間 400~600万円を一枚のANAカードで落とすことは難しくありません。そしてそういう会員には、ANAの上位ステータスは魅力的でしょう。NY出張、London 出張をダイヤモンドサービス会員ステータスに。これですね。

 しかしそれだけでは、一人あたり100~200万程度の決済が増えるだけ。ANAにしてみれば、それほど実入りはありません。そこでその余計に消費する分を副業のサービス利用に誘導しようなんて、いかにもANAらしい「ありあわせのもので間に合わせました」。泥臭さが漂ってきますが、商売はそういうものでしょう。ANA の問題は客にもその泥臭さが伝わることです。

 

すでに米国のプログラムは支払金額要件が当然になり、少しずつ改訂される中、ステータス維持が難しくなってきている人も多いようです。日本のサラリーマン=労働者=被雇用者=ビジネスエリートがそこでどこに向かうかというと、ANAでしょう。ステータス会員への道をいろいろ用意して、上手に取り込みたいところです。

 United の新しい基準では、24,000 USDを航空券に使い、旅行すれば1Kです。高い航空券を購入すれば、あっという間に達成します。上で試算したよく飛ぶ方の NY 出張組では 1K に達しそうです。これは脅威ですね。ANAにとって一番重要な「会社の金を納める」客を取られます。ここで防戦する必要があったと思います。

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このANAのキャンペーンがありがたい顧客は他にもいるはずです。ひとつ思いついたので、的外れに終わりそうとは言えなくなりました。