バス代わりの飛行機

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北米三大手ミリオンマイラープログラムの比較

緑字は2021年7月に追加しました。デルタ航空スカイマイルのダイヤモンドメダリオンにライフタイム・メンバーシップが追加されたためです。

 

シリーズ「ライフタイム・メンバーシップへの道」の補遺です。ユナイテッド航空アメリカン航空デルタ航空の北米三大手は、全てミリオンマイラー・プログラムを持っていますが、その特典内容の大部分はライフタイム・メンバーシップです。

 三大手はそれぞれ三大航空連合の創始者であり、各社の(ライフタイムではない通常の)メンバーシップはしばしば連合内共通の会員ティアと関連付けて紹介されます。この辺の事情や、その価値は皆さんご存じのはずです。そのため三大手のミリオンマイラー・プログラム同士の対照比較は重要だと考えました。

 

JALANA が横並びでサービスを開発するのと同様、北米三大手も他社のやることをすぐ真似する傾向があります。会員プログラムのティアの設定も同じです。細かいサービスにはかなり違いがあるものの、到達要件やレベルと言った大枠が共通するため、三大手の会員プログラムの比較は容易かつ効果的。ミリオンマイラー・プログラムもメンバーシップそのものが特典、しかも永久化された特典になるので比較が簡単です。

 

ミリオンマイラー・プログラムのうち、ライフタイム・メンバーシップの部分を一覧表にしました。

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なおデルタ航空ではダイアモンド・メダリオンにもライフタイム・メンバーシップが追加されました。必要なMQMは 6M、6,000,000 マイル!です。このスケール感。著しく長距離海外出張が多い方で、せいぜい年間30万マイルです。そのキャリアを20年間なんて、人並み以上に体力と精神力があり、孤独に強い人でないと達成は難しそうです。

 

なお2021年6月30日、アメリカン航空アドバンテージでは、プラチナ・プロ会員はワンワールドでの会員レベルがサファイアからエメラルドにアップグレードされました。この変更点も追加し、上の表を改訂すると次のようになります。

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これら2つの改訂は、米3大会社の比較においては大きな違いにはなりません。

 

表を見ると大判振る舞いの程度は、明らかに

UA >> DL > AA

ミリオンマイルの数字の伸びやすさは、いろいろな会社の格安エコノミークラスで旅行する場合、

AA > DL > UA

いろいろな会社のビジネスクラスで旅行する場合

DL > AA > UA

プログラムの会社しか使わないなら、

DL > UA = AA

です。

 

提供されるメンバーシップの水準は、ユナイテッド航空が圧倒的に優れています。他二社は比べ物になりません。UAではパートナーへのメンバーシップ付与の特典もなかなか太っ腹。自社の搭乗しか算入されないという点は、他の二社に比べて厳しい条件です。一方で安いエコノミークラスでも、マイル加算対象なら飛行実距離が積算されます。自社のみという制限は、「ユナイテッド航空は嫌いだけれど、ミリオンマイラーは楽に獲得できてスターアライアンス・ゴールドになるので絶対欲しい」なんてふざけた発想をする者*以外には問題にならないでしょう。

*英米にはこんな都合の良い、ふざけたことを言う人間がかなりいます。そうした人を自分の立場に関係なく非難する人は稀です。

 

アメリカン航空は、提携他社の格安エコノミーの搭乗でもマイル積算対象だったら、実距離が積算されます。したがって、費用をかけずにミリオンマイルの数字を上げるには有利です。長距離エコノミーの航空券を並外れた格安料金でいつも販売している会社は、ワンワールドにあるのでしょうか。

 為替の混乱があり、国全体の航空券が異常な低価格になることもしばしば起きます。それはその年のメンバーシップ獲得には貢献するかもしれませんが、ミリオンマイラー・プログラムに対しては一瞬の出来事。効果は微小です。

 一方でアメリカン航空のミリオンマイラープログラム自体は貧弱です。他の2社同様何千万マイルになっても、100万マイル毎に特典は用意されているのです。しかしライフタイム・メンバーシップの授与に比べると、どうでもよいような特典です。メンバーシップに関しては、アメリカン航空は 100万と 200万マイルのみが関係し、しかもそれらは最下位2つのティア。

 

デルタ航空は MQM でミリオンマイルを測るため、提携他社の搭乗 OK でビジネスクラス重視、格安エコノミー軽視です。デルタ以外(AF, AZ, KL, KE, GA etc.)でも算入されて便利という客は大勢いると思います。特典の方はアメリカン同様に渋く、客に強く欲せられる「ラウンジアクセス」**が付与されるレベルには、200万マイル必要です。さらにその上のプラチナ・メダリオンまで特典になっている点は良いのですが、400万マイルが必要。あまりに遠い到達点です。

 デルタ航空のミリオンマイラー・プログラムでは、かつてメダリオン資格の付与は1年だけでした。200万マイル、300万マイルでそれぞれゴールド・メダリオン資格1年間という特典だったのです。ここ5年ぐらいのことですが、1年ぽっきりだった特典がすべてライフタイム・メンバーシップに変わりました。現在でも200万マイル、300万マイルでゴールド・メダリオン資格が与えられるのですが、意味が分かりません。表で300万マイルを書かなかったのはこのためです。

**:世界中でタダ飯、タダ酒は人気が高いようです。写真でラウンジを紹介する時は、みんな取り放題の食物が並ぶ絵を撮りますね。

 

近未来を予言するなら、アメリカン航空が400万マイルでライフタイム Platinum Pro メンバーシップを与えるかもしれません。デルタ航空に対抗する一手になります。400万マイルだとそうそう達成する会員もいないでしょうし、最初からライフタイム・ワンワールド Emerald メンバーシップを考えている人間は、AA を選びません。導入のバリアは低めです。4 M マイラーが増え過ぎたら Platinum Pro をまた Sapphire に戻せばよいことですし。

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このゲートを一生タダで通れるようになるなんて、UAの 1 Million Miler は素晴らしい...とまあ、そういう事ですね。