PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

AYライフタイム・ゴールドメンバーシップへの道

北欧の国々の中でも、文化の特異性が際立つフィンランド。そのフィンランド文化をこれでもかと強調する航空会社、フィンエア。「○○○航空なら、機内に入ったとたん✖✖✖」というのは、日本における古典的な外航の宣伝ですが、この使い古されたコピーが一番ぴったりきます。成田ーヘルシンキ便では、森で偶然出くわしたフィン人という風情の乗客もおり、印象的。何と言うか、メルヘンの世界なのですね。日本人のファンも多いようです。

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基準

Finnair Plus では、フィンエアおよび ワンワールド各社の搭乗距離 (km) に応じて tier points (TP) と award points (AP) が獲得できます。これらの値は同じです。入会以来獲得した TP が

3,000,000 を超過するとライフタイム・ゴールドメンバーシップ

5,000,000 を超過するとライフタイム・プラチナメンバーシップ

獲得できます。それぞれ186万マイル、311万マイルに相当し、それだけ見るとまずまずの数字ですが、後で述べるようにこれらは最大半分にすることができます。すると93万マイルと155万マイルになり、他社のミリオンマイラープログラムと比べると穏やかな設定です。

 

どのぐらい大変か

ライフタイム・メンバーシップには、ある会員レベルを維持し続けていると永久化するという発想が基礎にあります。そのため何年続けるとその資格が永久化するか?という指数が難易度を表すわけです。

 Finnair Plus では毎年の TP の積算実績に応じて、次の年の会員レベルが決まります。一年間に必要な TP は、

 

Silver 30,000、Gold 80,000、Platinum 150,000、Platinum Lumo 450,000

 

です。回数基準や Platinum Lumo に要求される Finnair 搭乗の条件等は、Finnair Plus のページにまとめてあります。なおフィンエアには、 15,000 を単位として award points を tier points 5,000 に変換する制度があります。年間1度だけ利用でき、オンラインで行った場合 10 EUR、お客様サービスで変換した場合 20 EUR の費用が発生します。会員資格獲得、継続に認められる tier points のうち半分が変換の上限となります。award points は購入できる(最大 150,000 AP/年)他、提携各社の利用でも獲得できます。

 ところで各年の会員レベルを永久化するのに必要な年数ですが、

 

ゴールド会員を 38 年間続けられる搭乗でライフタイム・ゴールド

 

ですね。プラチナ会員を20年、またはプラチナ・ルモ会員を 7年継続してもライフタイム・ゴールドメンバーシップへは到達します。なおワンワールド内での会員レベルとの対応は、

 

Silver = Ruby 、Gold = Sapphire、Platinum = Emerald、Platinum Lumo = Emerald

 

です。Finnair のライフタイム・メンバーシップは、QF のライフタイム・ゴールド(Sapphire)、BA のライフタイム・ゴールド(Emerald)よりやや渋め。

 

ライフタイム・ゴールドメンバーシップを短期間で獲得するなら、次のような搭乗パターンが考えられます。

(1) HND-ITM JL クラス J 往復 1,600回。JAL 国内線は予約クラス A, E, F, I, J, Y のみ加算されるということから、普通運賃、往復割引等のクラス J になると思います。普通席 Y だと 2,000 往復。JGC 会員がこれらの搭乗を達成したら、ミリオンマイラープログラムの最上位に余裕で達します。方法としてはあまりよくないことを意味します。

(2) HND-OKA JL クラス J 往復 758回。毎日往復で2年。なかなかタフです。

(3) NRT-HEL AY ビジネスクラス往復 94回。少し穏やかになってきました。AY利用の場合、Silver 10%、Gold 15%、Platinum 25% の TP ボーナスが付きます。もしプラチナ会員だったら、75回まで減らせます。

(4) 日本から HEL 乗継ぎ北米ビジネスクラス往復 47回。プラチナ会員以上だったら、38回で、これは毎月1往復して3年2カ月。なんとなくゴールが近い感じが出てきました。

 

なお Finnair Plus に特有の AP から TP への変換も使えます。プラチナ会員だったら、毎年 75,000 TP は award points からの変換で賄えます。プラチナ・ルモ会員だと、購入やら提携会社の利用を広範に行って、675,000 AP も貯めれば、毎年225,000 TP* まで可能です。この変換は毎年の会員資格の更新では TP を半分に下げますが、ライフタイム・メンバーシップでは毎年 75,000 TPずつ(プラチナ会員)あるいは 225,000 TP* ずつ(プラチナ・ルモ会員)必要な TP を下げる効果にとどまります。短期決戦になればなるほど、期間を減らす効果はありません。例えば (4) のパターンでは頑張っても 38回を 30回にするのがせいぜいで、8か月短縮するだけです。

*:150,000 AP(上限)を購入、さらに提携各社を利用して 300.000 AP を得ないといけません。しかしここまで可能かどうかはっきりしません。Platinum Lumo には、350,000 TP は AY でのフライトという条件があるためです。

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フィンエアのライフタイム・ゴールドメンバーシップは、award points から tier points への変換をフルに利用しつつ、プラチナ・ルモ会員を維持し、6年ぐらいで獲得するというのが(とにかくフィンエアを使う人の)ベストなやり方という気がします。

 

ゴールド会員はワンワールドの Sapphire です。長い期間(20年~)をかけて獲得するなら、アメリカン航空のライフタイム・プラチナメンバーシップより楽でしょうが、短期間集中(<10年)だと同じぐらい大変です。どうも Sapphire レベルでは、カンタスのライフタイム・ゴールドメンバーシップに軍配が上がります。