PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

言語あれこれ

いろいろな国を飛び回っていると、言葉の違いに関心が高くなるので当たり前かもしれませんが、界隈は言語の学習に熱心です。

 

旅に現地語?

ある土地を訪問する時、その言葉を使いますかという問いかけです。

 実用とする人、つまり現地の言葉で一次情報を得、一次情報を発信し、医療、法律などの日常的なサービスを一通り受け、銀行や不動産などの一般的な契約を行うような人はどうでしょうか。公私で使ってる人たちですね。そこまで現地語を利用する方だと、その土地へ行くのは一般的な観光とは異なるはず。仕事だったり、調査だったり、知人訪問だったり、しっかりした目的があるのが普通です。この問いかけを行う時、普通こういう人達は考慮しません。

 問題はこんな生活臭プンプンの方々ではなく、大学で勉強したとか、中級まで学習したとかいう場合。このぐらいの習熟レベルの現地語が、旅を最も豊かにするのだろうと思います。一般的な英語で過ごすより、あらゆる体験が立体的になります。そして「土地の短所 < 土地の長所」の段階で旅を終えるでしょう。人によっては邦人相手に「〇〇を旅行するなら〇〇語もできないと」などとマウントするネタにできます*。絶対に近寄って欲しくないタイプですが...。

*:土地の言葉が十分できる人間なら、旅行者を捕まえてこんな発言するはずはありません。無料で通訳させられるのがオチですから。それからヨーロッパ人にはこんなマウントをする人はまずいません。複数言語を使う人が多いのは事実ですが、それはその人の生まれ育ちと密接に関係します。プライベートなことなのです。一般的には打ち解けないと、どの言葉をどういうふうにどのぐらい使うのか見当がつきません。それから人対人で最も重要なことは、相互理解ができることであり、そのためには言語は道具に過ぎません。これも共通認識としてしっかり根付いています。件の日本老人、これらの感覚を持ちあわせていないことから、言語、文化、習慣の消化の程度がわかります。

 

旅に限らず準備が膨らめば膨らむほど、実現した時の喜びは大きいのは一般則です。旅行を考えると、そのための言語習得は最高レベルの準備。実は旅の上級者なのかもしれません。リタイヤ組にも良さそうです。イタリア語を一年間かけてみっちり勉強した後、4週間の南イタリア旅行に出かけるのは、一年間しっかり節約して資金をしっかり貯め、4週間かけて「豪華に」世界一周するよりも充実した旅行になるでしょう。遊びには、金よりも努力の方が有効であることも多いのです。

 

界隈は多言語環境

もっともこの界隈、実用レベルで多言語を使っている人が多いのも事実。 Twitterを見ていると、日本語に交じってドイツ語やフランス語はおろか、マンダリン、マレー(マレーシア、インドネシア)などが平気で使われます。現地で生活した経験があるなら、言葉を使うのは不思議ありませんし、文字制限がある twitter で対訳併記ができないのも自然です。

 

加えて皆さん、学習熱心です。新しい言語への取り組みにも努力される姿をよく拝見します。今は東京にお住まいの @oimohorihor1 氏と言えば、有名な方ですが、最近 Twitter

あいおじ(=アイスのおっさん) on Twitter: "フランス語って、形容詞も活用するのね。。。うぇぇぇ。。。"

と投稿されていました。

 これを見て「形容詞って活用したっけ?」と一瞬考えてしまいました。ドイツ語形容詞の活用(déclinaison)とは違い(、普通 accord = 一致として整理し)ますが、確かに数と性で変化し、いくつものパターンがあるので活用と表現されてもおかしくありません。目の前に現れた法則が包括的であればあるほど、言葉に関する知識は茫漠となるものだと再認識。

 

何かに火が付いたように、形容詞の変化にぐるぐると考えが巡り始めました。整理しようとすると、意外と複雑な部分があることに気づきました。詰められないことが出て来たので、小一時間勉強してしまいました。一つの tweet をきっかけに文法で放置していたことがクリアになりました。きっかけを作ってくれたあいおじに感謝です。

 

なお文法や綴りにうるさいと、多くの場合嫌われます。子供の頃から苦い思い出が積み重なっている方が多いので。したがって知識を増やしてもフランス人相手にマウントを試みるのは禁忌です。

 一方で @oimohorihor1 氏の関係者の

NaOmi ✈︎ on Twitter: "「通じれば文法や発音が間違っても良いんですよ」という人の英語はちゃんと伝わってないことが98%くらいなので、無視して文法や発音の勉強をして大丈夫です。"

という投稿も全く正しいのです。確かに「通じれば、文法は間違ってもよい」は暴言です。自分のエラーを他人が見逃すことを前提に生きるようなもので、そんな生き方を他人に勧めてはいけません。

 結局(英語でも仏語でもあるいは日本語でも)文法は「自分には厳しく、他人には寛容に」を心がけるのが正解。

 

あまり関係ありませんが...

2018年9月に、成田の JAL ファーストクラスラウンジで出ていたワインのミレジム違いが見つかりました。2か月後に開けるとして、収穫と消費の時間のずれは JAL ラウンジでの体験より半年長くなります。あの時はやや冷たい方が良かったので、10℃ぐらいで出すことにしましょう。ワインの記録はブログ向き。後日非常に役に立ちます。

MH71:NRT-KUL ビジネス - バス代わりの飛行機

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東京で購入。熟成を狙うような appellation でもなく、今飲むのにちょうど良いはず。