PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

Ihr Mannsbilder hobbdoch alle an Schlooch.

表題は Ihr Männer spinnt alle. の意。IOCに「帰れ」とデモをするなら、生粋のフランケン人らしい Thomas Bach 会長に敬意を払い、Fränkisch の看板や横断幕を掲げては如何でしょうか。アメリカのジャーナリストがつけた「ぼったくり男爵」を真似して使うよりも、オリジナリティを発揮して歓迎するべきでしょう。

 残念ながらこの言語の発音を知る日本人は少ないので、シュプレヒコールは標準ドイツ語 "Thomas raus!,” ”IOK raus!" (IOK =Internationale Olympische Komitee )で妥協します。妥協しても世界中のニュースが映像として取り上げてくれることでしょう。

 

IOC は世界中で嫌われることが問題ですが、組織が機能している証拠でもあります。目下の日本ではオリンピック関係組織の機能不全が深刻です。

 五輪の華、開会式は明日(7月23日)です。直前になり楽曲担当者の辞任(7月19日)と演出担当者の解任(7月22日)が立て続けに起きました。共に五輪憲章に照らし合せて問題がある過去の言動が原因。最初から爆弾を抱えていたのでした。

 公式エンブレムのデザイナーから始まり、JOC のトップ、組織委のトップを経て、演出の総合統括者と続いた辞任劇もいよいよクライマックス。近代五輪史上、最も「穴だらけ」の運営になったこと間違いなし。人選のずさんさに驚きます。

 ここまで来ると偶然ではありません。一般に祭典ではお友達人事が普通。つまり同類を集めてしまったのでしょう。日本のスポーツやイベントを牛耳っている長老たちに、相当問題があることを示唆します。

 

仮に開会式が中止になったとしても、競技は行われます。前回の五輪(1964年)のために建設された競技場も使われます。今年 5月の文化審議会の答申を受けて、重要文化財に指定される競技場。今回の五輪では、ハンドボールが行われます。

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The Peanuts、みゆき通り、国立代々木競技場、銀座ニュー美松、コンテッサ1300、60年代

 

世界を驚かせた競技場は、アジア初の近代五輪の開催、鉄道のパラダイムシフトを起こした新幹線の開業と共に東京が輝いていた時代の象徴。写真はブログのために撮影しましたが、キャプションは今回の東京五輪にふさわしく、パロディを捧げます。元ツイートは、男爵は男爵でも育ちの良さが表れる東京の方によるものです。

 

ネガティブな事ばかり語られる東京五輪ですが、五輪開催に刺激されて人類は進歩します。特に思想への効果は絶大です。これを指摘しておかないと片手落ちになります。

 今回は体操、ビーチハンドボール、陸上の女子競技者が、競技服の規定や指示について声を上げ、再考する機運が生まれそうです。スポーツウェアについては、機能を超えた議論をすると何でも HNT 認定可能ですから要注意。今後世界は競技者の意向・嗜好を最大限尊重することでしょう。一般社会でも An közzern Rogg hozz gwiss ned gehn? (= Dein Rock ist zu kurz ! )なんて小言は時代遅れなのです。

 

Dai mächdmi ganz figgrich

これは Die macht mich nervös. の意。東京オリンピックのせいで発生した四連休、皆さん有効活用できているでしょうか。緊急事態宣言中なので、ホテルステイでしょうか。日本は 2回完了した成人の割合が23%と、ワクチン接種が遅れています。一人一人が感染に気を付けないと感染件数は高騰し、未接種ならば重症化する確率は以前と変わりません。旅行に出ても出なくても、以前通り要注意なのでした。

 

一方海外に目を向けると、ワクチン接種が進んだ国での変異株の感染拡大と国の政策が話題になっています。

 イギリス(人口の54%完了)は、COVID-19 をインフルエンザや感冒並みにし、生活を平常にもどそうとしています。確かに重症例、死亡例がこれらの感染症並みになれば、COVID を特別扱いする必要はありません。しかし感染爆発に対する恐れはまだまだ強く、疫学者は政府を非難しています。

 フランス(43%完了)は、ワクチン接種拒否が社会的に不利益になる制度を打ち出し、全国民に接種させようとしています。日本も昔そうでしたが、全員の予防接種により疫病を防止する時代に逆戻りです。しかし筋が通っているので、この政策は受容されると予想しています。

 一方、他の国は英仏ほどには大胆になれません。オランダ(46%完了)は規制をほぼ無くしたところ、感染者発生が何倍にもなったので、一部復活させました。接種率が高いスペイン(52%完了)もバルセロナでは夜間外出禁止などと、新たに規制する羽目になっています。この二つの国の政策は場当たり的であり、その点は日本とよく似ています。

 

初期の防疫に成功し、その後は極めて低い感染発生数なのに厳しい規制で疫病に臨んだ台湾、オーストラリア、ニュージーランドは、ワクチン接種がかなり遅れています。優等生として注目を浴びたのも束の間、今のフェーズではそれが仇となり、経済活動の足を引っ張りそうです。

 

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日本でもワクチンパスポートの発行が行われます。現在イタリア、オーストリア、トルコ、ブルガリアポーランド、韓国で入国時の隔離免除に有効ということです。帰国時に隔離措置が必要では意味がないので、もう一段踏み込んだ運用方法を考えてもらわないといつまでたっても海外旅行はできません。

 実はイギリスも同じような状況で、ワクチン接種完了者は、行くのは比較的簡単でも、帰国後は14日間隔離が必要な国が多いのです。国によって色分けされ、それぞれの分類色で、ワクチン接種の有無により帰国前とUK到着後の行動が細かく定められています。滞在中に色分けが変わることもあります。少なくとも気軽に海外旅行へ出かけるレベルにはなっていません。

 

ブリティッシュエアウェイズにしても、これでは旅客が戻らないはずです。現在、最初に来るクーポンや会員資格の期限は2022年2月末。1月末までに必要な搭乗実績を挙げ、クーポンを使い切らないといけません。これははっきり言って無理。皆さんは BA に搭乗できていますか?

 会員資格やクーポン期限には再延長が欲しい所です。