PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

Aus der neuen Welt

最近アメリカで起きた 3 つのことを紹介します。

 

アメリカン航空アドバンテージ上級会員の格上げ

6月30日のことです。プラチナ・プロ会員はワンワールド内における tier がサファイアからエメラルドへ変わりました。

 昨年アメリカン航空は、2021年の早いうち(= early )に変更するとアナウンスしましたが、一年の半分を過ぎる直前に実施しました。これは故意でしょう。経費削減、経費削減。

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ちなみにアプリ、Fly oneworld のデータはまだ更新されていないようです。

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プラチナ・プロのエメラルド化と前後して、アメリカン航空は優先搭乗を見直しました。現在は

コンシェルジュキー会員

ファーストクラス、エグゼクティブ・プラチナ(Gruop 1)

ワンワールド・エメラルド(Group 2)

ワンワールドサファイア(Group 3)

の順番になります。エグゼクティブ・プラチナ会員の格を上げ、メリハリをつけたようです。しかし乗る順番にこだわりが強い人以外には、どうでもよい変化に見えます。

 

ワンワールド・エメラルド会員は、ファーストクラスと同じ優先搭乗が基本だったのですが、保証されているわけではありません。公表されていることはシンプルに Priority Boarding です。じわじわと特典内容が下げられている気もします。これはスカイチームAir France でも顕著で、通常でいう最上位のプラチナ会員の優先搭乗は、ビジネスクラス(+Ultimate, Club 2000, Skipper)の後だったりします。

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なおプラチナ・プロ会員は、年間搭乗が 75,000 miles 級なので、JALJGCプレミア会員と同水準。

 

もともと年間搭乗が100,000 miles 級だったワンワールド・エメラルド会員。今ではアラスカ航空が 75,000 miles と 90,000 miles、JAL が 80,000 miles と 100,000 miles、そしてアメリカンが 75,000 miles と 100,000 miles にエメラルド会員を設定しています。(AS の 90K は予定。)このような下への拡充は、今後も続くでしょう。

 メンバーシップ、爵位、公的地位などの基準や水準が時間と共に下落する傾向は、人間社会の本質。歴史を見れば明らかです。授与する者には、ぶら下がる者たちに言うことを聞かせるための一手段に過ぎません。いろいろ苦しいと簡単に濫発するのですね。ワンワールドで起きている変化は至極順当です。

 

デルタ航空スカイマイル超弩級の基準設定

遂に登場したライフタイム・ダイヤモンドメダリオン。到達基準は 6,000,000 MQMs (medallion qualifying miles)。メンバーシップの基準に 600万マイルは、史上最大ではないでしょうか。

 アメリカ大手 3社のライフタイム・メンバーシップを整理し直すと、下の表のようになります。

f:id:PECHEDENFER:20210729125738j:plain3社の横並び根性が幸いして、各社の会員 tier は対応できます。サービス内容には各社の特徴が少し出ますが、毎年の到達基準は似たり寄ったり。しかしメンバーシップを永久化する時は、ずいぶん違います。

 

利用者にとって断然有利なのはユナイテッド航空。日本でもこのことはよく知られており、1M マイラーや 2M マイラーの方が結構いらっしゃいます。実距離で1,000,000 miles 飛べばスターアライアンス・ゴールドなので、実現はまあまあ容易。対応するレベルで比較すると、アメリカン航空ワンワールドサファイアも、デルタ航空スカイチーム・エリートプラスも 2,000,000 miles 必要と、基準は倍になります。

 ユナイテッド航空の 1K はデルタ航空のダイヤモンドメダリオンに匹敵しますが、ライフタイム・メンバーシップに必要な搭乗は 300万マイル。デルタ航空の半分です。圧倒的ですね。このレベルのライフタイム・メンバーシップは、アメリカン航空では未整備なので論外ということになります。

 3社を比較すると、アメリカン航空はライフタイム・メンバーシップが非常に貧弱です。

 

年間搭乗実績を要求する通常のメンバーシップでは、アメリカンが少し有利、ライフタイム・メンバーシップではユナイテッドが圧倒的に有利と、個性があるのは良いこと。アメリカの航空会社に興味がない人たちには、あまり関係ありませんが...。

 

デルタ航空スカイマイルのメンバーシップは1年再延長

2023年 1月末まで延長されました。

Extended SkyMiles Member Benefits - COVID | Delta Air Lines

パンデミックで飛行機の利用が困難な会員が広範に発生し、その期間が長期化していることから、航空各社はメンバーシップの無条件更新を含む特典の有効期間延長を行っています。アメリカ大手 3社は 1年延長+メンバーシップに要求される搭乗基準の緩和という措置をとりましたが、このほどデルタ航空はメンバーシップを 1年間再延長することにしました。

 ユナイテッド航空アメリカン航空は追随するのでしょうか。

 

ヨーロッパも状況は似ています。ほぼすべてのプログラムでメンバーシップが 1年延長され、2021年 8月現在その延長期間に入っており、更新の搭乗基準が緩和されている状態になっていると思います。

 さらに追加延長を行い計 2年のメンバーシップ延長になったのは、例えば Air France - KLM と Finnair。

 

21 世紀の COVID-19(比較対象と同一基準を適用すると「中国肺炎」または「武漢肺炎」)の流行は、20 世紀のスペイン風邪の流行程度に長引きそうです。メンバーシップの追加延長は今後もありえます。DL、AF-KLM、AY 以外の会員の人たちは、あまり期待しないで待ちましょう。