2021年の夏の旅行者は、2019年の半分ぐらいだそうです。向こう見ずだろうが、慎重に感染防止ができようが、旅行なんて気分になれない人が多いような気がします。半ば義務の様に気分転換に出るのが関の山ではないでしょうか。価格が下落している東京の高級ホテルを経験するなんて、今ならではの「旅行」とかもしれません。
一方、毎年盆暮れ関係なく、国内線で修行していた人は、コロナ禍でも例年どおりの旅行で問題ないはずです。沖縄タッチを孤独に繰り返す非喫煙者という典型的なパターンだと、東京の街をふらふら歩くより感染する可能性は低いだろうし、人に感染させる可能性も低いのです。いつも徒党を組んで搭乗し、「タッチ先」で乾杯して2時間ほど騒いでから、リターンという修行スタイルだと行動を改めないといけませんが、修行団なんて言葉は耳にしないので、こんな連中は例外中の例外でしょう。かつては話題を提供したラウンジオフ会も、パンデミックの前にすでに下火になっていました。
修行なんて、旅行のスタイルとしてはあだ花。まともな感覚を持つ人たちから後ろ指を指されるようなカルトな連中という感覚でしたが、コロナ禍では航空会社や空港の赤字削減に貢献します。これらの会社には、客層の多様化が重要だというレッスンになったことと思われます。
Pechedenfer の夏休みは昨年に続き、今年も霧散しました。
海外では今まで被害が小さかった南アジア、東南アジアで感染爆発を、国内では大型小売店で複数の集団感染を起こしました。TV に出演する芸能人に感染が相次いでいます。変異株の感染力がある閾値以上になったため、今まで例を見なかった感染が次々起きる、そんな感じを受けます。
変異に影響され、感染爆発は順番に世界中を周るのでしょう。北京五輪は半年後です。その頃、全世界が落ち着いているという予想は極度に楽観的であり、無観客開催が現実的な発想です。五輪では共産党の情報統制がいくら強力でも、世界中からメディアが集まります。開催に向けて国内の感染蔓延を誤魔化しても、五輪関係者が入国すると一瞬で馬脚を現すことでしょう。理想を言えば、多数の人民が熱狂するシーンを世界に放映したいところでしょうが、東京で前例ができたので、無観客でも党の面子は保てます。どの辺で調整してくるかは、五輪そのものより興味あるところです。
こう考えてくると、年末年始も海外渡航は容易には見えません。まだお預けですかね。
ところでフランスに旅行したいという日本人も多いかと思います。コロナに関係なく現地制度は旅行者にも適用されるという原則はともかく、前の記事で取り上げた le pass sanitaire は外国人旅行者にも有効です。これがなければ、バーやカフェで一杯やることもできません!!
旅行者に対しては、請求によって政府が QR コードを発行するという形をとります。
条件が羅列されていますが、往復の航空券をすでに持っていなくてはならないこと以外には特に目を引く項目はありません。いずれにしても電子メールで問い合わせる形になっています。
外国と言っても、EU諸国とスイスの住民にはほとんど影響がありません。これらの国はフランス同様の QR コードによる共通プラットフォームを 7月 1日より使っています。
それぞれの国の感染状況は、チェックする必要があります。幸い日本は現在「緑の国」なので、フランスにとって低リスク国の一つです。
Coronavirus : les réponses à vos questions - Ministère de l’Europe et des Affaires étrangères
したがってフランス国内の le pass sanitaire の基準を満たせば、所定の手続きで問題なく QR コードは発行されるはずです。
現在、フランスは緑の国からの入国規制も緩めていて、ワクチンの接種証明(ワクチンの種類、回数、最後の接種からの日数に条件あり)の提示ができれば、面倒な手続きは何もないようです。
フランスでは夜間外出禁止が完全解除されたのが 6月21日。規制は週単位で変わりますが、人的交流はダイナミックに始動しました。世の中の雰囲気はずいぶん明るくなったのではないかと想像できます。人の気分はその人がおかれた状態の level ではなくて、gradient が支配します。フランスが少々羨ましいところ。
日本在住の場合、行くのは良いとしても、帰りの入国時には政府の水際対策に関わる各種措置(出国72時間前検査証明書の提示、14日間の公共交通機関の不使用、自宅等での待機、位置情報の保存・提示、接触確認アプリの導入等について誓約等隔離)の対象になります。
フランスを含め、世界中ほとんどの国の感染症危険レベルは 3であり、渡航中止勧告が発出したままである点には要注意です。
日仏で感染の高リスク国、低リスク国が全然違うのは、情報の分析がまるっきり異なるからでしょう。コロナ禍については説明が難しいことが数多く起きますが、これ以上不思議なことはありません。