特別記事と題しましたが、多くの人にはおそらくどうでもよい記事です。
パリは汚いと街角の写真が次々SNSにアップされ、現在の左派政権に対して中傷キャンペーンがなされていると Anne Hidalgo 市長が声明を出しました。2週間ほど前、日本でも報道されました。
確かに街角の写真であり、事実は事実でしょう。ある意図の下、選択されただけです。どんな大都市でも汚い所はあります。東京のごみごみした街角(地区よりも小さい単位で一角というレベルーーーこういう場合に具体例で説明すると文句が出るのが東京)を想像し、それが都市全体だと考えるとパリの日常の姿に近いと思います。
パリと言えば、犬のフンを連想する人が多いのは故無きことではありません。以前はピカピカに磨かれた石の床の上にさえ、犬のフンが見られました。ところが現在のパリにはほとんど落ちていません。Delanoë 市長時代 (2001-2014) に罰金を取ることになって、地表からほとんど消滅しました。
昔はフランスのどの都市でも犬のフンが落ちていたものです。パリは取り組みが早く、かつ熱心だったので、あっという間にきれいになりました。Pechedenfer がフランスで最後に犬のフンを踏んだのは 2005年、Nantes でのことです。その時は雨が上がったばかりで、油断していました。
ただしパリでは
(1) 以前より騎馬警察が幅を利かせるようになったおかげで、馬糞なら落ちています。騎馬警察が映えそうな場所に行く時は要注意です。
(2) ヒト(おそらく主に♂)の立小便(立った状態で行うという意味ではなく、便器などそのために用意されている物、場所以外に向けて放尿を行うこと)は無くならないらしく、屋内外で悪臭を放っています。地下道、駅施設、狭い路地、非常通路などが狙われやすいようです。
(3) 鳥のフンは特筆するほどの差を感じません。追っ払うのが上手なのか、清掃が行き届いているのか、建物が鳩のフンで汚れている頻度は東京より少ない気がします。
全てはコロナ禍が過ぎ去った後ですが、「汚いパリ」観察の際には参考にしてください。
犬のフンを踏むことこそ、パリの醍醐味という個性的な方もいらっしゃるようです。そういう旅行者が現地で花の都を実感することは、もはや容易ではありません。どうしてもと言うなら、犬のフンの代わりに馬のフンを踏んで擬似体験するしかないようです。ヒントになるかどうかわかりませんが、前回行った時はシテ島周辺で馬糞を見かけました。
了