PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

メルキュール京都ステーション

今年ではなく昨年 9月16日に開業したそうです。節約派には見逃せないメルキュールブランドの新ホテル。様子を見てきました。以下、いろいろ言いたい放題書いていますが、大変機能的で良いホテルです。

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1階エレベーターホール近く

七条油小路の交差点から一筋下って西側。碁盤の目の計画都市にしては、駅からのアクセスが分かりにくい気がします。メルキュール京都駅前は無理があるし、メルキュール京都駅では直結みたいだし...といろいろ迷ってこの命名になったのでしょう。

 新選組ファンの巡礼地 (?) が至近と言うか、まさにその歴史の地ですが、一般市民にもメルキュール油小路(あぶらのこうじ)の方が親しみやすいと思います。

 

内部はアコーが提供するビジネスホテル。

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キングサイズ

金はかかっていませんが、照明や装飾が印象的な部屋に仕上げます。

 

今回滞在してみて、このホテルの最大の欠点だと思ったことを最初に挙げます。腰かける場所は、部屋の奥に背もたれが無い椅子が一つあるだけ。幅は小柄な大人が2人並んで座れるぐらい。奥行きは赤ん坊のおむつ替えにも不十分。クッションは役立たず。長時間座るには、辛いものがあります。

 要はこの部屋でリラックスできる場所は、ベッドの上だけ。極端にものぐさか、極端に活動的な人間でないと、居心地が悪いのではないでしょうか。出合茶屋のような使い方をするなら良い感じですが、そういう需要を狙っているのですかね。

 部屋にはデスク無し。パブリックスペースで作業してくれということです。こういうホテルは増えています。部屋の設計から、開業までの間にパンデミックが発生したのは最悪でしたね。テレワークやワーケーション需要が全く取り込めません。このホテルに限りませんが、絶望的です。

 

客室は今回利用した23平方メートルのタイプ以外に30平方メートルのタイプがあります。広い部屋だと椅子がソファーになるようなので、少しマシかもしれません。どちらのタイプでも空の冷蔵庫は備えています。

 

枕と逆側の壁のしつらえ。素材はチープですが、「平安京、貴族の遊び」(ホテルのコンセプト)の具象化はそれなりに頑張っています。

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テレビはほとんど見ていないのですが、BBC は映りました。Heute や Aktuelle Kamera は視聴できないと思います。

 

枕元の様子。サイドテーブルにはコンセントがあります。

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水回りは普通。トイレは標準的な日本の多機能便器。

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暖房便座は反 SDGs  なので廃止というホテルチェーンがそろそろ出現しそうな気がします。

 

バスタブは無しでシャワーだけ。レインシャワーもあります。

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バスタブよりレインシャワーの方がうれしいので、この仕様は私向け。

 

チープな素材を「上品を保った斬新さ」に昇華させるのがアコーの真骨頂。客としては調和を重んじる他ありません。コンセプトが「貴族の遊び」なら、手軽なところでシャンパーニュ。何と都合の良いことに Canard-Duchêne(注1)を近所で入手できます。

注1:日本での小売価格はともかく、フランスだと 20 €ぐらい。

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汚れ防止に新聞を敷き、部屋のタンブラーで飲むというチープな演出をしました。さらに袋入りポテチを添えれば完璧でした。

 

このホテルはお披露目期間中なのか、やたらとお土産をもらいました。

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京都新聞の朝刊が、客室ドアに無料で届けられます。他の新聞(日経、FT、読売、朝日、中日(注2)、毎日、産経、どうしん、FAZ、Neues Deutschland....)が available かどうかまでは確かめませんでした。

注2:中日新聞は抜群に売れる地方紙ですが、ついに発行部数で毎日を抜き去りましたね。北海道新聞も産経の背中が見えてきたし、地方紙の方が新聞離れに抵抗力があるのかもしれません。

 

一つしかないレストランはイタリアンです。今回はチェックイン時に、夕食 10% OFF のクーポンをもらいました。このレストラン、夕飯を簡単に済ませたい時には重宝します。

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朝はビュフェ会場になります。朝食を付けなかったので様子は分かりません。

 

一階のロビーホールには共用テーブルがあり、スタバ風に作業を行うことができます。

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他に地下1階が共用ラウンジになっていて、同じような使い方ができます。地下ラウンジは電子レンジを備えており、飲食禁止。これらの空間にある椅子、ソファーは、客室のものよりずっと寛げそうでした。

 

このホテルは油小路が正面玄関で、車寄せもあります。駅からタクシーで来るには近すぎますが、駅周辺の喧騒からは無縁というロケーション。(注3

 車+運転手を使った京都観光の拠点としても使えます。いろいろな手配については、一通りのことができそうな感じでした。例えばチェックインの日、地下ラウンジ貸切の告知がありました。テレワーク用の家具も借りられるかもしれません。この辺は要照会です。

注3:夜の治安が少し気になるかもしれません。この辺の事情は、京都駅周辺で宿をとると同じです。このホテルに限りません。

 

しかし一人で滞在するにしても、二人で滞在するにしても、お籠りは考えず、活動的な計画を持っていた方が良さそうです。ベッドから出るのはトイレ、シャワーだけというなら、満足のいく滞在もできそうですが...。

 

外国人が蒸発した京都は空部屋が多く、値崩れを起こしています。そのため今関西では、たぶん最も宿泊しやすい都市です。京都に用は無くても、京都駅に近いホテルなら移動はスムーズ。かなり使えます。昔(注4)と違い、駅周辺に大型商業施設が増え、利便性も良好です。次回も候補になりそうなホテルでした。

注4:応仁の乱の頃ではなく、市電が走っていた頃。ポルタ開業前は確か近鉄百貨店しかなかったはず。1,000年以上も都だったため歴史が重層的であり、単に「昔」と言われると必要以上に色々考えてしまうので混乱の元。特に年寄りはそうなので、時代は特定した方がコミュニケーションがスムーズになります。

 

本日の土産はこちら。

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東京でも見つかるかも。マーケットより質を追求した感じがするポン酢醤油の高級品。九州の醤油の「甘い」という性質は問題になりません。

 

notre verdict:☆☆☆☆☆

あらかじめ特徴を知った上で利用するなら、使い勝手は良好。京都駅近くは大きな長所で、用務地が近江、大阪、奈良方面でも良い選択肢。少なくともインバウンド需要の復調前は、抜群の費用対効果になる可能性が高い。