イタリアの新しいフラッグキャリア ITA について、断続的に記事にしています。前回書いてから半月の間に起きたことをまとめて紹介。
ITA はスカイチームに加盟する
いろんな報道機関から一斉に出ましたね。想像するよりビッグニュースな模様。
スカイチームの社長 Walter Cho は、「アライアンスに加盟し、イタリアへ向かう何百万もの旅客へのサービス継続を確実にするという ITA の決定に心から敬意を表する」とコメントしています。
顧客プログラムは Volare という名になる
これは動詞ですか?
単純に FLY という名前。名前は確立しても、プログラムの内容は明かされません。ずっと待っているのですが、情報が増えません。現在、分かっていることは、
・1€ 利用するごとにポイントが加算される。
・2021年12月31日までに得られたポイントは、2022年3月1日より利用できる。
・獲得ポイントに応じて Smart, Plus, Premium, Excutive の 4種のクラブ会員になる。
・クラブの特典とサービスは、2021年12月31日から享受することができる。
・2021年11月15日までにプログラムに登録したら、10,000 pts ボーナスが得られる。
・ボーナスは一往復か二片道航空券を購入し、2021年12月31日までの搭乗が必要。
・ボーナスは12月31日までに記録されるが、利用は2022年 3月 1日から可能。
プログラムの内容を固める日程だけが決まっているようです。強調しても良いのは、Flying Blue や Miles & More にならって、支払金額制になったこと。移動距離=マイルによる評価は、もうノスタルジーです。
Volare では11月30日までステータスマッチを行っている
以下のプログラムの上級会員に対して、Volare の Smart, Plus, Premium, Excutive の 4種のクラブ会員へのステータスマッチを実施しています。
Aeroflot – Aeroflot Bonus
Aerolíneas Argentinas – Aerolíneas Plus
Air Europa - Suma
Alitalia – Millemiglia
Air France/KLM - Flying Blue
American Airlines – Aadvantage
ANA – Mileage club
British Airways - Executive Club
Czech Airlines – OK Plus
Delta Airlines – SkyMiles
Emirates – Skywards
Iberia – Iberia Plus
Korean Air - SKYPASS
Lufthansa - Miles and More
Middle East Airlines – Cedar Miles
Qatar Airlines - Privilege Club
Royal Jordanian – Royal Club
Saudia - Alfursan
Singapore Airlines – KrisFlyer
Swiss Air – Miles & More
TAP – Miles & Go
Tarom – Sky Team
Turkish Airways – Miles & Smile
United Airlines - Mileage plus
Tarom のプログラムが Sky Team になっているのはご愛敬。それはともかく、これらの航空会社は適当に選ばれた感じがして仕方ありません。
アメリカの三大航空会社、欧州の三大プログラムは網羅されています。しかし ANA があって、JAL はありません。Emirates, Qatar, Saudia, MEA, Royal Jordanian があって、Etihad はありません。同じ Miles & More でも、Lufthansa と Swiss Air はあって、Austrian や LOT はありません。
アフリカ、大洋州と大部分のアジアを外したという意思はかろうじて伝わります。このステータスマッチの発表(10月15日)は、スカイチーム加盟の話(10月30日)より早かったのですが、リストを航空連合別に分類するとスカイチームの会社が圧倒的に多いのです。
ステータスマッチの方法は以下の通りです。まずプログラムに登録します。次にstatusmatch@itaspa.com に以下のようにメールを送ります。
・表題は "オリジナルのプログラム"-”オリジナルのステータス"
・本文は、名前; 苗字; "オリジナルのプログラム”; ”オリジナルのステータス"
・現在有効なプログラム会員カードと身分証明書のコピーを添付。
結果は12月31日までに知らされます。新しい会員レベルが有効になるのは、12月31日からです。有効期間はそれから一年間。
アリタリア MilleMiglia は存続する
アリタリアの MilleMiglia (会員数620万人) は生き永らえることになりました。獲得したマイルも使えるし、スカイプライオリティも継続します。10月30日の報道。
理由は単純で、欧州委員会がイタリア政府に継続を命じたからです。
アリタリアの運航は終えても、今まで通り 60もの提携各社の利用でマイルを貯めて、使うことができることになりました。またスカイチーム内での利用も今まで通り。提携各社のサービスにおける上級会員の特典も変わりません。「610万人の会員の 450億マイルが霧散しないように...」
なお Millemiglia のマイルは ITA のフライトにも使えるようにしたいということですが、詳細はまだ決まっていないようです。
一方で欧州委員会は ITA が Alitalia から断絶するために、Millemiglia を自動的に引継ぐことは認めていません。EU には EU の理屈があるのでしょう。いろいろとややこしいことです。
MilleMiglia の売却については、時期も、買い手もまだわかりません。