街の商業施設ではもうクリスマスソングが聞けます。そろそろ年末なのですね。どこにも行けないうちに一年過ぎてしまいました。最後の国外脱出は昨年の3月。成田空港も3月以来見ていません。
日本では非常に低レベルになっている COVID 19の感染発生。最近は一日200人を切って、さらに減り続けています。感染総数の世界順位も落ちる一方です。死者は一日一桁になっています。(平時の)交通事故死を下回るぐらいですので、これが常態になるなら政府も COVID は医者に任せて、別のことに取り組んだ方がよいことになります。世界の中ではハッピーな国。
一方でユーラシア大陸の西側では、ドイツとオーストリアがそれぞれ最悪の感染爆発を見ています。ドイツでは以前の波でせいぜい一日最大 3万人だったので、一日 6万人はなかなかショッキングでした。日本の人口で考えると、一日 9万人を超える患者が発生するようなものです。さらに悲惨なオーストリアは最近 15,000人以上の発生を見ています。日本に置き換えると、一日21万人以上の患者が出ていることに匹敵します。ちょっと想像つかない数です。
重症患者も500人を超え、かなり逼迫してきたオーストリア。ついに国全体を対象にして、全面的な都市封鎖に踏み切ることになりました。11月22日から20日間です。
11月19日金曜日の発表で、ワクチン接種者も未接種者も共に対象になっています。12月12日が期限になりますが、感染状況によっては延長もありうるという住民にとって「痛みを伴う」政策。延長されると都市封鎖の中、クリスマスを迎えることになります。ミサも遠隔。
さらに驚いたことに来年 2月 1日にはワクチン接種が義務づけられます。違反者は罰金でしょう。現在ワクチン接種率66%ということですので、罰則適用の候補者は34%もいるのです。違反が続いている国民が3分の1もいて、猶予期間が約70日。かなり強引な政策です。
日本のメディアも「3週間後、東京はウィーンになる」などとは書かないと思いますが、Graben の来週の写真と今週の写真の比較は見てみたい気がします。
上記記事には COVID ハザードマップが掲載されています。各国が5段階のランク別に色分けされています。西側で最も深刻なのが、オーストリア、スロバキア、スロベニア、クロアチア。続くランクは、イギリス、オランダ、ベルギー、バルト三国、チェコ、ハンガリー、セルビア、モンテネグロ、ブルガリア、ギリシャ。ドイツはポーランド、スイス、デンマーク、ノルウェー、ルーマニア、ボスニアヘルツェゴビナと一緒に3番目のランクです。
感染の増大に驚いても、ドイツは欧州では中ぐらいのレベルです。
11月19日金曜日にドイツ連邦保健相は、状況次第ではいかなる対策も排除しないと述べています。オーストリアの都市封鎖突入を受けての発言でしょう。厳しい措置を講じる段階ではないものの、ワクチン接種の有無に関わらない都市封鎖もありうるということを言外にほのめかしています。
病床が飽和しそうな地域は、ワクチン未接種者に行動制限が課されるだろうと、Angela Merkel も前日の木曜日に述べています。確かにドイツは地方による差が激しく、ハンブルク周辺はかなり低い感染発生率です。一様に語るのは無理があります。
オランダは、ロッテルダムで行動制限に反対するデモが暴動になり、何十人もの逮捕者が出ました。
Pays-Bas : nouvelles manifestations anti-mesures sanitaires après la nuit d'émeutes à Rotterdam
路駐していた自動車が放火されたようで、まるでパリ郊外の新年のようです。
さてさてこの状態では、近未来の欧州旅行は諦めざる得ません。先日Avios の特典航空券を探していたら、12月25日東京発の JAL ファーストクラス LHR 行きが出てきたのですが、やはり無理筋。xp 2倍も、航空券30% OFF もさようならです。
疫病禍が永遠に続くはずないので、感染に注意して終息を気長に待つしかありません。ヤキモキするのは百害あって一利なしだと思うようになりました。