おめでとうございます。めでたい年の初め。
30年間増えなかった賃金、悪い円安、スタグフレーションなど、経済ニュースは暗い話題ばかり。だからこそ、とある銀行アプリのサンプル画面を貼っておきます。どうだ明るくなつたろう。 pic.twitter.com/QAWDhNBqyO
— ミュンヒハウゼン男爵 (@BaronHorafuki) October 28, 2021
のように景気の良い話*にしたかったのですが、ネタがなく、ちんまりとした話になってしまいました。国内線の価格とマイレージとの関係なので、JGC の頂点を極めし輝きの 1,250 分の 1 の光量しかありません。
*:男爵、90年以上前の風刺画をご記憶のようです。
言いたいことは、JAL(でも ANA でも)国内線の利用では、
マイルが支払金額制になると、現状の何倍にもなる
場合が多いです。
世界中のプログラムで距離制が金額制に遷移しています。ゆっくりと段階的に、しかし確実な足取りです。
ゲームの要素が失われるマイレージプログラム(その 2) - バス代わりの飛行機
JAL がいつそうなってもおかしくないと若干心配している人もいらっしゃるかもしれません。しかし導入には、少々気がかりな問題があります。
距離制から金額制に変わると、同条件で得られる特典マイルは減少します。それが一般則。フライングブルーの改悪時に調べてみましたが、増えるケースは見つかりませんでした。影響が一番小さくて 20%ぐらいの減少、大きい場合は半分未満になりました。
そして金額制にする場合、相場があります。海外の大型プログラムでは、航空券購入に1$か1€ の利用に対して、平会員 5マイル、最上級会員 8~ 9マイルが獲得できます。相場を乱さず JAL 国内線に金額制が導入すると、得られるマイルがどうなるか見てみましょう。
感覚的に分かりやすくするために、100円利用で
平会員 5 マイル
クリスタル会員 6 マイル
JGP 会員 8 マイル
ダイヤモンド会員 9 マイル
を得ると仮定しましょう。やや多目にマイルは獲得できますが、実際に金額制になるなら、確からしい数字だと思います。
このレートを用いて、国内最重要幹線の羽田―伊丹で得られるマイルを試算してみました。各料金区分で料金は下限値にしましたが、料金はいくらでも変わるので大まかな数字です。
各運賃区分ともこれ以上のマイルが得られることになります。
現在はどうなっているかというと、同区間で獲得できるマイルは以下の通り。
金額制が導入されると、圧倒的に獲得マイルが増えることになります。その差を計算してみましょう。
国内線のマイルですから、一度乗ったぐらいで得られるマイルはたかが知れています。比で表示した方が、変化がドラスティックであることが分かります。
金額制を導入すると、普通席利用に係わる部分で得られるマイルが最大4.9倍、キャビンの追加料金に関わる部分で得られるマイルが最大3.0倍にもなります。税金、諸手数料の扱いが問題にならないほどの違いです。
国内線の航空券が(諸外国の航空会社に比べて)高いことが原因です。国際線では他社との競争があるため、価格は相場からそれほどズレるわけではありません。もし金額制を導入するなら、国内線で得られるマイルは半分にするのでしょうか。それも顧客の反発を招きそうです。この観点からは、金額制導入にハードルが存在しているようです。
恐らく羽田―那覇が、料金の割には距離が延びると思いますが、ウルトラ先得で9,200 円~13,000円ぐらいです。この場合、得られるマイル(JMB会員ボーナスなし)は、
現行の距離制 738マイル
金額制導入 460 ~ 650 マイル
となり、何とか金額制の方が低くなります。金額制の基準が上記に上げたような形なら、JMBのステータスに関係なく金額制の方がマイルは少なくなります。
しかしこの路線ぐらいでしょう。JAL も国内線の収益はかなり重要なようなので、現在の距離制によるマイル計算は JAL にとって悪くなく、しばらくは温存されると思います。