PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

JAL国内線利用で得られる Avios

(この記事は、元旦にすでに公開した今年最初の記事を二分割した後半部分です。長すぎるので分けました。)

 

つぎは改悪が続く BA エグゼクティブクラブの会員の置かれた状況についての話。主題は JAL 国内線利用です。2021年11月中旬以降、

 

搭乗で得る Avios より、航空券購入で得るクレカのポイントを Avois に変換した方が大きい

 

事態になっています。これは日本在住の BA エグゼクティブクラブ会員に広く見られるアメリカンエキスプレス・スカイトラベラーを利用した場合のお話です。

 

これも歪な点。ご存知の通り、提携クレジットカードを利用すれば、事実上全ての支払いでマイルや Avios が獲得でき、典型的には購入価格 1 USD ~ 1 EUR あたり、1 マイル/ Avios です。一般に換算レートはクレカの年会費に依存します。また航空券購入では倍のマイルになるクレカもあります。

 しかし支払 1 USD が支払金額制の最低ラインの 5マイルにもなるのは、経済が不安定な一部の国だけ。「搭乗によって得られるマイル」は、クレカ利用によるポイント=マイルの 5倍から 10 倍が相場なのです。

 

さて羽田―伊丹の航空券を購入したとします。100円=1 Avios で計算すると、

ウルトラ先得 75~、先得 90~、特便 110~、普通運賃 262

クラス J +10、ファーストクラス +80

Avios 得られます。これは現在の距離制の獲得 Avios の 50 ~ 125 %を超えることはなく、

支払のポイント< 搭乗の Avios

をなんとか保っています。

 

問題は昨年新規会員募集を停止したアメリカンエキスプレスのスカイトラベラー。JAL の航空券を購入すると、100円が 3 Avios になります。割引運賃では、普通席の搭乗で 50%(HND-ITMで140 Avios)、クラスJの搭乗で 85%(同238 Avios)しか獲得できません。150% ~ 560%の Avios が支払いによるポイントで獲得できるのです。圧倒的に

支払のポイント > 搭乗の Avios

です。

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BA エグゼクティブクラブのゴールド会員以上では、JAL 利用は100%の搭乗ボーナスが得られたので、問題は小さかったのでした。割引料金だとクラス J が85%、普通席だと 50%が普通ですが、ボーナスが付くとそれぞれ185%、150%です。羽田―伊丹でも14,000円以上で購入ということはあまりなく、得られる Avios は大抵

支払のポイント< 搭乗の Avios

でした。

 

しかしご存じの通り、昨年11月以来、BA は Avios ボーナスを付けなくなりました。そのため多くの場合でスカイトラベラーのポイントの方がウエイトが大きくなる事態に。

 

スカイトラベラーの年会費(税込11,000円)は、ショッピングプレミアムを付けない JGC の最低年会費と等しく、これでは航空券購入時のクレカ利用額 → マイル/Avios の換算レートは 6倍違います。(JGC はフライトボーナスが距離基準で35%ありますが、埋め合せは無理。)BA エグゼクティブクラブの二段階の改悪後でも、マイル/ Avios → 特典航空券のレートは JMB と対等。国内線のみを多頻度する客ですら、JGC になるより BA ゴールド会員+スカイトラベラーの組合せの方が有利になる場合が多かったのです。改めて考えてみると、JALにとっては由々しき事態が続いていました。

 

こういう抜け道は、利用する客が少ない限り放置されます。JALが手を下したのかどうかは分かりませんが、JAL国内線利用で BAゴールド会員の 100 % Avios ボーナスが廃止、スカイトラベラーも新規入会は中止となったことで、国内市場は JAL にとって正常化しました。BA エグゼクティブクラブは、すでに日本で人気あるプログラムなのでしょう。

 

2021年は2つのできごとにより、広い抜け道が塞がれました。日本のBA会員には大変悪い年だったようです。その副作用として、スカイトラベラー会員なら相対的に大きなポイントが得られることになっただけです。良くなったことは何一つありません。

 

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個人的には

JALANA の国内線の高価格は良いことだと思います。手が届くかどうかは別として、いろいろなレベルのサービスが提供されることは、資本主義社会では善です。既得権に甘んじることは悪なので、イノベーションの努力を怠らず、上にも下にもサービスの幅を広げてもらいたいところです。