PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

アフリカとヨーロッパ

欧州の感染爆発

欧州では感染拡大が衰えを見せません。1月5日、フランスは 335,000人の感染者を見ました。つまり昨日感染が明らかになったのは、住民200人に1人です。

DIRECT. Coronavirus en France : 335 000 nouveaux cas, l'hôpital prend la vague

年末年始の影響なのか、オミクロン株の感染力なのか、凄まじい数です。日本の人口で考えると、62万6千人/日!

 

一時期一日100人を下回っていた日本でも、1月5日の発表では 2,638人の発生と顕著に増加しています。(先ほど1月6日の発表がありましたが、4,221人とのことです。)

新型コロナ 全国で2000人超感染確認 2000人超は去年9月以来 | 新型コロナ 国内感染者数 | NHKニュース

ほぼ単調に増大し、低値の20倍以上になったので、医師会会長に指摘されるまでもなく次の波の到来ですね。そしてまだオミクロン株は支配的ではないでしょう。今後劇的に数が増えることが心配されます。

 

おフランスでは現在の感染爆発は、オミクロン株の効果としています。

"sous l'effet du variant Omicron, la circulation de la Covid-19 connait une augmentation considérable", indique un décret présenté ce jour en Conseil des ministres.

感染拡大も先進の欧州。重症化の割合などは大変参考になります。

 感染の波が一足早く到来、収束に向かうかと思われたドイツでも再度上昇の兆しが見えています。12月に一日 75,000人もの患者が発生した時は「これは大変だ」と思いましたが、最近の英国やフランスの状況からインパクトが無くなりました。ここで盛り返すかもしれません。

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パン-アフリカン航空の創設

年配の方には PAN AMERICAN と紛らわしいかもしれません。

 

長らく経営が思わしくなかった南アフリカ航空は、パンデミックでとどめを刺されて運航停止。どうしようもないはずなのですが、何とケニア航空と包括的な提携を行い、2023年には一つのグループとして再出発することにしたようです。

Kenya Airways (KQ) et South African Airways vont créer Pan-african Airlines

本年1月1日にケニアの大統領が発表しました。先立つ11月24日に両社は調印を済ませています。名前は Pan-African Airline group と明らかにされたものの、提携、統合のレベルはわかりません。

 

ケニア航空も危機に陥っているものの、エアナミビアとは異なり規模が大きかったため、ケニア政府が救済しました。このことは以前記事にしました。

エアナミビアとケニア航空 - バス代わりの飛行機

2021年の上半期には、損失が114億8千万シリング(=1億USD)になったケニア航空。他社と比べてそれほど大きく見えませんが、ケニアにとっては巨額なのでしょう。

 南アフリカ航空の現状はというと、2020年3月に商業運航停止、2021年9月に運航再開しています。

 

日本の旅客は、南アフリカ航空スターアライアンスケニア航空スカイチームと違うアライアンスに所属していることが気になるのではないでしょうか。スターアライアンスにはエチオピア航空エジプト航空とアフリカの有力会社があります。南アフリカ航空が抜けても影響は限定的でしょう。南アフリカ航空ケニア航空の方から見ると、スターアライアンスは提携次第でいろいろなことができそうです。

 スカイチームにとっては、もしケニア航空が抜けるとアフリカはゼロになるので、少し困るかもしれません。ケニア航空南アフリカ航空の路線網を連れてくれる方が歓迎できるはずです。

 アライアンスはともかく、ケニア航空がフライングブルーを抜けて、南アフリカ航空と共通の顧客プログラムを開始する可能性は高そうです。フライングブルーの会員は要注意。

 

ちなみに Pan African Airlines という小さな航空会社(セスナ2,ヘリコプター3)が、ナイジェリアに存在します。名前の規模が会社の規模に釣り合っていません。それだけに今後、名前の重複が問題になりそうです。

Pan African Airlines - Home

 

33,000の運航キャンセルと18,000の無駄なフライト

ルフトハンザ航空の社長 Carsten Spohr は昨年末、1月、2月は 33,000 便の運航を取り止めると発表しました。これは冬スケジュールの約10%のフライトにあたります。

Lufthansa supprime 33 000 vols mais en opèrera 18 000 inutiles

1月中旬から2月にかけての予約が非常に少ないという理由でした。また北アメリカ便(ボストン、ヒューストン、ワシントン)は12月23-26日に欠航となりました。パイロットに感染が蔓延したからとのことです。

 

欠航する一方で、18,000 ものフライトを「無駄に」運航します。これはただ単に空港の良い時間帯の離陸と着陸の権利を維持するためです。パンデミック中でも「一定期間利用が基準に達しない枠は返還される」という EU の規則が適用されるため、こういう奇妙かつ無意味なことを行わなければならないのです。エコから程遠い欧州の面目躍如。

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欧州最優先のドイツを代表する航空会社としては、EUの規則は絶対なのでしょう。それにしても面倒な話です。