週末までに日本路線をどうするか発表すると言っていたフィンエア-。意外と早く決まったようです。追加発表があるかもしれません。
フィンエアー、成田3/9再開へ ロシア迂回で週4往復、飛行時間13時間に
3月9日より週4便でヘルシンキ―成田を運行。スケジュールは以下の通り。
AY073 ヘルシンキ 17:30 → 成田 13:30 (+1) /火・木・金・土
AY074 成田 22:40 → ヘルシンキ 05:00 (+1) /水・金・土・日
フライト時間は、従来の 10時間15分が13時間20分に延びるとのこと。成田発は昼便から夜便に変更になります。ヘルシンキでの接続を重視したものと考えられます。
北極海経由で約 6,780 マイル
中央アジア経由で約 7,070 マイル
となります。空域制限の下で最短経路に沿うように適当な空港を中継地に設定して、空港間の距離を足し合わせて計算しました。290 マイルは微妙な差。一般的に言えば、気象条件によりルートを変えた時に生じる差、空港混雑による空中待機で増える差でもすぐ300マイルぐらいになります。
北極を飛ぶのと、アジアを飛ぶのでは準備も違うのでしょう。風向きで変えるというほど簡単ではないのかもしれません。
報道では中央アジア経由だと想像しています。西への 5,000 マイルを含む 7,000 マイルを13時間20分で飛ぶのは大変そうです。
疫病禍終息後、フィンエアーはヘルシンキから成田、羽田、中部、関西、福岡、札幌への6路線を運航したはずでした。公式サイトにある2月18日現在の2022年夏期運航計画は、以下の通りでした。
- 東京(成田):一部を除き週7便運航予定
- 東京(羽田):2022年7月に就航予定
- 大阪(関西):2022年夏期スケジュール期間中に段階的に増便予定
- 名古屋(中部):2022年5月より運航再開予定
- 福岡:2022年7月より夏期限定運航を再開予定
- 札幌(新千歳):2022年7月より初の夏期運航を開始予定
こんなに多数の日本路線をもつ欧州の航空会社は他にありません。言うまでもなく、ヘルシンキが(大都市としては)日本各地と欧州各地とのハブとして最適だからです。
ヨーロッパ人相手には、直行便より少し料金を下げれば、客は集まります。直行便が無い都市ではこの必要はありません。日本人にもこの価格戦略は有効ですが、「フィンエアーだけ知っていれば、ヨーロッパ各地へ行くのに便利」という点も魅力的です。直行便が無い都市へは早く着く場合が多いのです。そして一社で済むというのは、意外とメリットが大きいものです。
この点から日本在住者にはフィンエアーのプログラム、フィンエアープラスは、他社と比べてアドバンテージがありました。最寄りの空港にフィンエアーが就航していたら、他社に JAL と ANA を入れても構いません。それはアジアにおけるキャセイパシフィック、マルコポーロクラブに匹敵します。
フィンエアーの場合、フィンランドの文化を背景にしたイメージ戦略も悪くなく、コロナ前の印象だと、今後ますます日本に溶け込んでいきそうな気配でした。
2月18日の公式ステートメントは以下の通りでした。
「フィンエアーは2022年夏期スケジュールの運航計画を更新いたしました。今回の運航計画では、未だ終息が見えない新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、当初の予定より一部路線の減便や就航・再開時期を遅らせる等の調整を行っております。」
コロナ禍の終息を見越して攻勢に出ていたようです。ところが 2月24日に勃発したロシアのウクライナ進軍がすべてをひっくり返しました。直前の記事に書いたように、日本路線では「地の利」は失われています。6つの就航路線の未来は全く見えなくなりました。
日本支社に限らず、本拠地を含めた世界中の拠点でそうでしょうが、フィンエアーは今が頑張りどころ。
https://www.finnair.com/jp-ja/finnair-plus