独語話者はベルリンの何に惹かれるのか調べていたら、ベルリンで何が何でも見ておくべきもの10 と題したブログ記事を見つけました。
10 Dinge die man unbedingt in Berlin gesehen haben muss - Anders reisen
「ベルリンっ子 (♀) が明かす旅のTop-Tips」だそうです。つまりインサイダーお薦め十選。
紹介される場所に説明が付記されていましたが、淡白に感じられました。そこで項目はそのまま引用し、説明文は Pechedenfer が自由に書くことにしました。
1. Potsdamer Platz ポツダム広場
言われてみて初めて気づく、「どこへ移動するにも通る」場所。住民らしい説明だと感心しました。東西分割時代は「どこへ移動するにも通らなかった」らしいのですが、この辺の事情はその時代を知る方に聞いてください。
ベルリンっ子もベルリンの中心広場として意識するようです。現代的な都市景観で賑やかですが、商業施設が多いわけではありません。Pechedenfer にはどちらかと言うと復興の象徴。Haus Vaterland は再建して欲しかったなと今でも思います。
2. Reichstag 帝国議事堂
単語としての Reichstag は ①帝国議会、②帝国議会を開催する建物(たぶん固有名詞)の両方の意味があります。ドイツは連邦制に変わり、帝国議会は連邦議会(Bundestag)に代わられました。ところが議事堂は改称されていません。固有名詞だとしても、不整合が著しいと思うのですが、何故でしょうか。「...政治に関心がなくても訪問は "Muss"(英語の must)。そして入場無料!」
3. Museumsinsel 博物館島
独語では美術館と博物館を区別しないので、日本語で美術館島なのか、博物館島なのか、調べる必要がありました。ブログでも書かなければ、日本語名は覚えられないことを再認識しました。
1830年代に最初の博物館が建てられ、1840年代から集積が始まったようです。現在5つの強力な博物館・美術館が集まっています。もちろんしっかり収蔵品を見て回るべき場所ですが、それなりに時間がかかります。
東京でこれに相当する地区は、上野のお山。1881年に東京国立博物館(の前身)の本館が建ちました。文明開化の初期、列強に40年遅れていると言っていた日本ですが、都市計画や文化政策も同じぐらいの時間差です。
4. Checkpoint Charlie チェックポイントチャーリー
冷戦中存在した3つの国境検問所のうち最も有名な場所。劇的な脱走が数多くあったそうです。他の2つ、Checkpoint Alpha と Checkpoint Bravo は外国公館員と軍人が利用。個人的にはそれほど関心が持てないのですが、検問所に由来する土産物は、数多く開発されています。
5. Berliner Mauer ベルリンの壁
歴史遺産として街の中に意図的に残され、ストリートアートに絶好のキャンバスを提供しています。East Side Gallery (Mühlen-Straße) として延々と続く壁。ブレジネフとホーネッカーの口づけ(Der Sozialistische Bruderkuss = 社会主義的な友愛キス)は有名です。
Westin Grand Berlin のメインエントランス近くに、ただのコンクリートの塊にしか見えない壁の一部が設置されていました。恒久展示だったのでしょうか。
6. Kurfürstendamm クーダム
Damm はあの辺りの方言。通り、車道のこと。東西分割時代、西側の繁栄を見せつけるために整備された 3 km にわたる商店街です。西欧の生活ショールーム。現在でもその雰囲気が残っているのは良いことですが、それがために元気がないダウンタウンに見えます。政治的な意義が失われ、30年以上になりますから。
それでは東側には何があったかと言うと、森鴎外の舞姫にも登場する Unter den Linden。これは戦前からの目抜き通り。しかし紹介されておりません。こちらの方が首都の基軸に相応しいのですが、一般のベルリンっ子は関心がないのかもしれません。
7. Berliner Unterwelten ベルリンの地下世界
Berliner Unterwelten e. V. という協会があり、ベルリンの地下構造物の管理、維持、保全工事、セミナー開催、出版を行っています。Bunker-Touren, Tunnel-Trips といった地下巡りは Berlin.de にも案内があります。
Berliner Unterwelten: Bunker-Touren, Tunnel-Trips und mehr – Berlin.de
8. Fernsehturm テレビ塔
DDR(ドイツ民主共和国、東ドイツ)が何やらいろいろ建てていた時代(1970年前後)の遺産。東西統一後も残され、現在ではベルリンを代表する景観を作ります。しかしこれはおそらく外国から来た観光客の視点。
記事ではベルリンっ子らしく、上に昇って楽しむ都市パノラマを推しています。「夕暮れ時に昇り、下のレストランでのディナーがロマンティック。」
9. Alexanderplatz アレクサンダー広場
この広場の名がついた駅を挟んで、テレビ塔の反対側に位置します。ポツダム広場に匹敵する求心性を持ち、いつでも若者と観光客が溢れています。百貨店の Galeria Karstadt Kaufhof や家電量販店の Saturn などが広場に面しています。
この広場にある Weltzeituhr(世界時計)は、テレビ塔完成の 4日前に公開されました。両者共に宇宙時代の幕開けという時代の息吹が感じられるデザインです。DDR が建造したモニュメントの代表的な存在。Weltzeituhr は小さい構造物なので、現地では探すと思います。雨宿りに良い高さになっていると考えてください。
10. Brandenburger Tor ブランデンブルグ門
1791 年に完成した凱旋門。アクロポリスのプロピュライアに着想を得ています。東西分割期には壁の一部と言うか、東西境界で通り抜け不可。現代ではいろいろなイベントがこの門の周囲で行われます。新年のお祝い(Silvesterparty am Brandenburger Tor で画像検索)とか、大道芸とか、パレードとか、デモ・集会とか。
最近はこんなこともありました。
最後に
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Berlin WelcomeCard | Berlins offizielles Touristenticket
対応言語から想像すると、欧州からの観光客向けなのでしょうか。Pechedenfer は最初にベルリンに行った時に使いました。