PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

エールフランスによる飛行機恐怖症の「治療」プログラム

 

前書き

今年のソメイヨシノは植わっている条件(ワイン評論家が好きなミクロクリマというやつ)によって開花にずいぶん差があるのですが、気のせいですか?早くは 3月27日に満開。しかし 4月 9日でもほとんど花が残っている木があります。

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暖かくなってきて、旅行の気分も出てきます。入国に陰性証明が要らない国が増え、条件は整ってきています。

https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html#Germany2

 

GW は航空券価格の高止まりに、記録的な円安が逆風となっています。しかし旅行を我慢してきて予算に余裕がある人が多いはずで、旅客数は伸びそうです。

 

Pechedenfer も今週は国際線の予約をいくつか入れました。

 

航空会社は、マスクをしないと搭乗不可との条件を課します。その他はワクチン未接種、感染証明なしの場合は陰性証明が必要だと多くの国の入国と同じでした。

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かなり先の予約でも、現在の警告文が表示されます。

 

パンデミック終息を見据えて再開する旅行は、勝手知ったる渡航先が安心です。以前とは異なる状況になる一方で、渡航前にできる準備は限られます。現地で知識の精密化が行いやすいとか、不測の事態への対応がやりやすいとかはメリットになります。

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移動でも、以前使った経験がある航空会社の方が良さそうです。できるだけ感染を避けるため、いつも空いている会社や客をキャビンに詰め込まない会社を選ぶというのも一つの考え方です。

 

本論

エールフランスは、一般人のためにユニークな教育プログラムを用意しています。それは

フライト恐怖症克服講座

です。

Peur en avion, gérer la phobie de l'avion : stages de gestion de la peur en vol - Air France | Air France

単純に「飛行機に乗るのが不安」という人のためのプログラムで、毎週月曜日と金曜日にオルリー空港とシャルルドゴール空港にあるエールフランス操縦士訓練センターのどちらか(un des deux centres techniques de formation des pilotes Air France)で開催されます。

 プログラムは三つのパートからなります。(1) 最初に専門カウンセラーの面談を受けます。自身のストレスとその原因をよく理解するためです。(2) 次に飛行機を理解するための理論的、実践的な教育がなされます。これは 3人のグループ単位で行われ、7時間30分に及びます。(3) 訓練の後には個人にパーソナライズされたフォローがあります。

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詳しい内容は以下の通り。

 

(1) 申込時に調査票に記入します。飛行機を利用すると考えた時に発生する恐怖の原因を探ります。訓練の開始日前に、抗ストレスセンターのカウンセラーが 45分以上の面談を行います。これにより心配を克服する戦略を決定します。この面談は任意ですが、強く推奨されます。

 

(2a) エールフランスの三分野のプロが登場し、飛行機をよりよく理解するための理論が展開されます。航空ストレスの専門家はストレスの生理的、心理的なメカニズムを説明して、それを緩和する呼吸、運動、心の持ち方の実践を指導します。客室乗務員は彼らの仕事、彼らの訓練、さらにフライトを安全、確実にするための彼らの役割を説明します。パイロットは航空動力学の原理を教え、航空術の手ほどきを行います。エアポケットの正体を暴き、乱気流の現象を説明し、飛行機がどのように飛ぶのかを説明します。これらすべての職員が質問に答えます。

 

(2b) 理論の後は、得たばかりの知識をシミュレーターで実践します。利用するのはエールフランス訓練センターにあるエアバス A320 のフライトシミュレーターで、コクピットを正確に模しています。雷、雨、乱気流のシミュレーションで現象をよく理解することができます。あらゆるフライトの条件を体験でき、全てが予想されることであると確認できます。

 

(3) 訓練を終えるにあたり、センター職員が質問に答えてくれます。毎回電子メールでの請求が必要ですが、エールフランスならフライト毎に乗務員へ特別配慮が伝えられ、実際にフライト中は気づかってもらえます。またお渡しする書籍「どのようにして飛行機で恐怖心を持たないか」(仏語版のみ) が、次の旅行では寄り添ってくれるでしょう。

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良さそうではありませんか?

これだけのサービスを受けて、費用は 690 €。正直に言って、破格の料金だと思います。企業の社会貢献という意識なのでしょう。

 

(4月11日加筆ここから)

スターフライヤーがフライトシミュレーターの体験、FFS Dream Flight を 5月中に6日間12回(1日2回転)開催します。客室乗務員とパイロットによるブリーフィングがついて、費用は 130,000 円。

スターフライヤー、フルフライトシミュレーター体験プランを5月にも設定 - TRAICY(トライシー)

エールフランスのプログラムとは直接比較はできませんが、恐らく内容はかなり簡単なもの。エールフランスのプログラムの料金が際立ちます。

(4月11日加筆ここまで)

 

なおこの講座は仏語または英語で行われます。また一日では終わらないので、少々パリに滞在、あるいはパリにすぐ出られる都市に滞在しないといけません。

 

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真面目に困っている人ではないと受講しづらいオーラが出ていますが、(2) の理論と実践の部分は面白そうです。