PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

ベルリン到着

 

2年ぶりの国外脱出=2年ぶりの長距離移動ともなると、ずいぶん緊張するものです。ベルリンの新空港 BER は昨年10月に開港していますが、初めての利用。遅れに遅れている工事中の頃から心持ちが変わっていません。到着は感無量でした。

至る所に方型が目に入ります。これが基調のようです。90° では落ち着いたデザインにならざる得ません。

 

入国審査は以前と同じで、滞在期間を聞かれてスタンプを押されただけ。結局検疫に関する手続きは、羽田のチェックインカウンターでワクチン接種証明を見せ(内容、つまり真偽は確認されず)、口頭で接種済みを確認されただけでした。あっさりしたものです。

 

預入手荷物の受取りの頃には慣れてきて、これを目にした時には疲れが意識されました。

 

ターンテーブルの「べからず」ピクトグラムが独特なのがドイツ。じわじわと可笑しさがこみあげてくるものが多いのです。

 

手荷物にはトラブルはありません。市内への移動は、新空港開港に合わせて開業した新線、新たに設定されたアクセス特急 FEX を体験。

ベルリンは東京や大阪のように鉄道の環状線があります。新空港はそこから20 km 離れています。羽田空港から山手線は 10 km なのでその倍。今時の新空港としては遠いわけではありません。

 FEX の新線は運転区間のごく一部で、高速仕様ではありません。停車駅が Ostkreuz-(Ostbahnhof)-Gesundbrunnen-Berlin Hbf-(Zoologischer Garten)-(Potsdam Hbf) と少ないため、今までの S-bahn よりアクセス時間はかなり短縮されました。例えば Berlin Hbf までは30分。今でも引続き運行する S9 を利用すると約60分なので半分。

 

料金は市内 ABC ゾーンが 3.8 €。一枚で BVG の各駅、停留所が使えます。これは羽田空港から東京23区+浦安市内の全駅、全停留所に 520円でアクセスできることに相当します。大都市空港のアクセス料金としては、かなり安い方の部類です。

 到着時には疲れていると思うので、BER が初利用なら最初の目的地までのアクセスは調べておくのがコツだと思います。もちろんタクシーが嫌いという人ばかりではないので、タクシーでダイレクトに目的地へ向かうのも賢いやり方です。

 

Berlin Hbf が多くの FEX の終着駅。到着ホームは地下階。立体的な建物の構造上、エスカレーターで迷うことになります。目的駅へ向かう列車もいろいろなホームから出発します。しかし3つあるエレベーターのうちの1つ(BERから到着すると一番前)は、高架階の S-bahn 用ホーム(15,  16番線)へ直行します。そして S-bahn は運航頻度が高い短距離列車。慣れるとスムーズに乗換えられそうです。

 

ろくすっぽ調べなかった Pechedenfer は、なんとなく移動し、無駄に乗り換えが増えました。Ostkreuzで乗り換えていたら、荷物を担いだ上下動はだいぶ減っていました。

 

イギリスは長さがインチ、フィート、面積がヤード、エーカー、重さがポンド、ストーンと面倒な国であることが知られていますが、ドイツにも奇妙な度量衡が存在します。ここベルリンの距離の単位は、類を見ないユニークなものでした。

変な単位と指摘したところ、BVG には「シャンパンのケースでは小さ過ぎるだろ」と至極もっともなご返答をいただきました。

 

翌朝は名物カレーソーセージをスタンドで。クローズアップしてジャンクっぽさを強調してみました。

ラードを使うロンドンの chips(揚げ芋)よりずっと軽く、見た目ほどではありません。もっとも一般にソーセージは脂が多いので、それなりにというところ。ドイツで平均的な食事をすると、油脂の摂取量は日本の生活の4倍ぐらいになりそうです。

 

カレーといってもカレー粉のトッピングであり、スパイス調合なんてレベルではありません。ベルリンに南アジアからの移民が増えると、この名物も幅が広がると思いました。

 

さて Pechedenfer が BA の GGL 会員だからか、JAL メタル会員から「ベルリンで待つ」宣言を受けていました。航空会社の上級会員になると、いろいろと特典があるものです。

 

 

果たし状にも読めるので、メタル会員の顔を立てて現場に向かいます。事実としては、Schloss Bellevue 前の芝生には誰もおらず。

「恐れをなして逃げ出したか、臆病者め。JGC の風上にも置けぬわ。」というお約束の様な台詞を呟き、ここを後にします。

 もっとも宣言の通りに実行されていたら、当局が保護したことは間違いなく、Pechedenfer は身元引受人に仕立てられていたことでしょう。そしてシェルター内で GGL meets Metal となっていました。これは忘れえぬ体験になったはず。今回は可能性だけで終わりましたが、FFP の「明文化されない特典」とは、航空会社が会員に対して直接何かを行うとは限りませんね。

 

以下はまじめな話。「裸で待つ」の意外性の評価です。ドイツ、特に旧東独地方では裸という状態を礼賛する文化(Freikörperkultur, FKK)が根強く存在しています。これは原始的な発想や信仰を背景を持ち、中世以降の社会規範では排除できませんでした。

 神からアダムへの最初の問い(神から人への最初の質問で最初の双方向コミュニケーション、念のため指摘しておきます)

Wo bist du ?

へのアダムの答えは、

Ich hörte dich im Garten und fürchtete mich; den ich bin nackt, darum versteckte ich mich.

だったので、二つ目の神の質問は

Wer hat dir gesagt, dass du nackt bist ?

となりました。これらの質問は哲学者が大いに議論していますが、ドイツでは特に盛んなようです。FKK は自己 vs 神、自己 vs 世界、自己 vs 社会の根源にかかわる問題なのでした。

 

現代人の注意点としては FKK の「実践」者は一部であり、そうでない大多数の人間からは怪しげな行動として敬遠される傾向があることです。また信者が直接神に対峙するプロテスタントと、代理人が信仰を仲介するカトリックでは FKK の受容が異なりそうですが、勉強不足で全く知りません。

 

Schloss Bellevue から離れながら、そんなことを思いました。