PECHEDENFERのブログ

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Miles & More のステータス・スター

 

二つのライフタイムメンバーシップ

全然気がつかなかったのですが、ルフトハンザグループの顧客プログラム Miles & More には2つの生涯会員制度があります。ひとつは Status Stars。プログラムの名称であると共に、ランクを表す星そのものの名称のようです。

 

Miles and More lüftet Geheimnis um Status Stars

 

資格基準は、Miles & More の上級会員でいる日数を元に計算されます。1日あたりのポイントが、

 

Frequent Flyer 1

Senator 2

HON Circle Member 3

 

で、5段階ある基準は

 

一つ星 5,000 points

二つ星 10,000 points

三ツ星 15,000 points

四つ星 20,000 points

五つ星 25,000 points

 

です。そして注目の特典は、

 

・特典マイルで参加できる Status Stars メンバーのみの VIP イベントへ招待

・(おそらく星の数が明示された)ステータスカードと荷物タグの提供

 

となっています。

 

通常のフライトに伴うサービスの一部を特典として提供するという考え方ではありません。特典に関しては、JAL の亀タグ制度に専用イベントへの参加資格を加えたプログラムだと言って良さそうです。

 エコノミークラスの旅行でもビジネスクラスのサービスの一部を享受できるという形の「上顧客向け」サービスは、Miles & More では上級会員制度でカバーし、これとは全く違う形で生涯搭乗実績に報いることを考えたのでしょう。別のベクトルを向いたサービスを展開することになるので、サービス業としてはチャレンジングです。

 

日本国内のみならず、この界隈では「お得」ばかり注目されるので、Miles & More のこのプログラムは見向きもされないことでしょう。しかし個人的にはなかなか良い展開に思えます。

 

達成は確かに一生かかりそう

一方、基準の高さは相当なものです。大雑把に言って Senator は ANAJAL のダイヤモンド会員と同等の搭乗実績が必要です。そして Senator を5,000 日(13年255日)続けて、ようやく一つ星に仲間入りです。JALANA で13年以上ダイヤモンド会員となると、かなり限られますね。

 仕事がら出張が多いという人生を送る人でも大抵 Senator どまり。そしてそんな出張だらけという人生のフェーズが20年以上続くことは稀でしょう。二つ星以上は極めて限られるはずです。

 HON Circle 会員は senator の三倍以上の搭乗実績が要求されます。大陸間をしょっちゅう移動するという変わった人生を送っているはずですが、それでも五つ星になるためにはこれを22年304日間続けなくてはなりません。

 

ほとんど実現不可能なレベルに基準を設定、夢を見させることが目的のようです。JAL の亀タグと同様、おそらくステータスカードと荷物タグに注目が集まるのでしょう。

 

やはり気になるのは、「お得」にしか関心がない連中の割合が侮れないことです。結局 JAL もファイブスターの特典では、多くが通常の上級会員向けの特典と同じ方向を向いています。ANA のミリオンマイラーも同様。これらのプログラムの場合、何とか重複を避けて新鮮味をだそうという努力の跡が見られます。

 

Miles & More がどこまで頑張れるのかは要注目です。

 

他のライフタイムメンバーシップ

なお Miles & More には、Status Stars とは別にライフタイムメンバーシップがあります。すでに記事にしています。確か実施が COVID のため延期され、2022年からスタートしたはずです。

LHライフタイム・セネターメンバーシップへの道 - バス代わりの飛行機

Lifetime の Frequent Flyer と Senator があり、多くのプログラムと同様、単純に会員資格が永続化します。ただし Status Stars との関係からすると、ライフタイムになればその後は一切搭乗しなくても毎日 Status Stars のためのポイントが得られるので、上記計算より「飛ぶ期間」は短くなります。例えば毎年ギリギリで Senator 会員を続けているような会員も 21年続ければライフタイムセネターになります。この時点で一つ星になっており、その後 6、7 年生きていれば二つ星です。

 毎年 Senator 基準の 1.5 倍飛ぶ会員は ANA の 150,000 PP ダイヤ会員に匹敵します。この場合、一つ星については何も変わらず、二つ星については飛ぶ期間は減り、必要な年数は変わりません。やはりタフですね。

 

JAL のファイブスターにしろ、ANA の2Mマイラーにせよ、ルフトハンザのライフタイムセネター + Status Stars にせよ、生涯会員資格を複数会社で獲得するのは大変です。並外れて搭乗する人でも、中途半端なものを複数とるか、一つのプログラムで頑張るかは判断の分かれるところです。奥が深いとも言えるし、アホを極めるのは大変とも言えます。それなりにお金がかけられる人たちには、ゲームにもなるし、思い出にもなるし、生涯特典以上のものがあるとは思いますが。