PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

外航の上級会員は試練の時

 

6月に入って日も長くなりましたね。対 COVID 体制はどう終息させるかだけの問題となり、昨年と比べると世の中はずいぶん明るくなりました。旅行熱にうなされている皆さんも多いことと思います。

 

航空会社も状況の終息に加え、攻めの体制をとるようになっています。例えばカタール航空は、2週間前にマレーシア航空

Qatar Airways and Malaysia Airlines expand partnership – Business Traveller

と、昨日はアメリカン航空

American Airlines: extension des accords avec Qatar Airways

コードシェア運航の大幅拡大などの包括提携を発表しました。BA とはしばらく前に提携を深化させたようで、LHR の発着ターミナルの移動、会員プログラム相互の乗入れの形で顧客も意識することができます。カタール航空の攻勢は、同社の名物社長 Akbar Al Bakar がワンワールド Governing Board Chairman に就任したことと無関係だとは思えません。カタール航空ドーハ国際空港ワンワールドの中心となりそうな勢いです。

 

しかしながら、今年もかなりの期間が過ぎてしまいました。海外の航空会社の会員は COVID 前と比較して、資格の更新に困難を感じていると思います。

 

2022年初頭から北米、西欧では社会を元に戻す動きが活発になり、現在はほとんど制限が撤廃されました。北米、西欧の域内移動は日本の国内線のように回復。大西洋路線もこの夏が一つの目安になることでしょう。

 一方でアジアの回復は遅れているため問題が生じます。タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポールインドネシア等が 4月以降にほぼ開国、日本、韓国あたりが何とか制限緩和に入りつつあり、中国、台湾は先が見えないという状況です。

 こうなると北米、西欧の会員プログラムでは会員資格に特別措置が行われない一方で、アジア域内の移動には制限があるという状態が半年程度は続くことが予想されます。

 

日欧、日米、日亜の国際線もとりあえず飛んでいますが、航空会社はサービスを展開できず、シンプルなものにならざるえません。細かい料金設定をする余裕がないのです。するとどういうことになるかと言うと、エコノミークラス普通料金を中心に少し変化をつける程度に収まってしまいます。上位キャビンクラスが設定されても、全てのキャビンで割引運賃の種類が限られてしまうのです。個人客としては、使いにくい状況です。

 

例えば AF-KLM のフライングブルーで12月31日までに資格更新しなくてはならない方は、どういう搭乗を行うのでしょうか。COVID 前なら、大韓航空中華航空、マレーシア航空のアジア便ビジネスクラスを比較的低価格で購入、搭乗してまずますの xp が得られました。今、短期間の韓国入国は難しく、台湾入境はほとんど無理、マレーシア航空もディスカウント料金がないとなると、道はかなり険しいのではないでしょうか。

 AF や KL の欧州便ビジネスクラスを飛ぶという COVID 前から「安上がりな」方法が現在有効なため、欧州修行を決行するのでしょう。営業開始したばかりの ITA も低料金を提示しています。東欧に目を向けると、タロムは回復が遅れており、ビジネスクラスをほとんど設定しないようです。

 

BA のエグゼクティブクラブはどうでしょうか。4搭乗は何とか欧州まで行って、域内のBA 便で済ますのが確実なようです。BA は東京便を 5月下旬に再開すると発表していましたが、ろくすっぽ運航していないようです。JAL が週 7 便ロンドン便を飛ばせることと大違いです。これは明らかに日本人の欧州入境にほとんど問題がないのに対して、欧州から日本入境が難しいという非対称性が原因です。さらには ANA も 7月からロンドン便を週 7 便にするそうです

日本人の JALANA への傾倒も大したものです。

 BA の Gold、GGL 会員の継続は、欧州まで何とかたどり着かなくてはなりませんが、料金は安くなく、JALANA のエコノミークラスで我慢して飛ぶのでしょう。各種プログラムから JAL 便の特典航空券を使うのも一手です。現在、HEL、FRA 便が取りやすいようです。

 

これとは別に、航空機燃料の値上がりが出費を増やします。これもかなり足を引っ張ります。

 

来年の今頃になったら、中華系の航空会社以外はほとんど元に戻っていそうです。今年(あるいは現在の会員年度)をどう乗り切るかは大問題です。