突然のきっかけ
正直言って神戸は心情的に遠く、そのため行く機会がありません。避ける気はなくてもあまり行かない都市、それが神戸。
積極的に行く気になったのは、@katsumi_451さんとおっしゃるワイン愛好者のツイートがきっかけ。
カツミ on Twitter: "これ欲しい😍" / Twitter
特殊な商品なので、現地で買うのがいろいろな意味で良いだろうと、思い切って摩耶山に登ることにしました。
主目的は買い物になりますが、おそらくこれは上辺のこと。こういう商品に関心ができることは、自分の意識が変わりかけている証拠です。この機会を逃さず神戸理解の旅に出かけます。
週末は羽田へ
空いているし、安いし、一日を有効に使えるしと、伊丹への始発便。そしてとりあえず声にしてみたい言葉「修行僧の朝は早い。」
全く修行ではありませんが...。
COVID 対策の解除へ向かう気配が出てきた DP ラウンジ。朝のトマトジュースを。
ついでに世の人を少し煽ります。
30分ほど滞在してゲートへ向かいます。夏は日が昇るのが早く、外は普通に朝です。
7:40には、伊丹到着。
移動は普通こうなる
最初にメリケンパークを訪問して、気分を整えることに決めたので、伊丹市営バスに乗ります。
目的、目的地、軽装であること、費用を考えると、三宮行の高速バスより良い選択でしょう。
移動手段を調べていて、その存在を知った地下鉄海岸線。みなと元町が最寄り駅。この路線は2001年に開通したそうです。メリケンパークが神戸を代表する観光スポットであることを考えると、20年間の関心の低さがわかります。
海に向かって歩いて行くと、妙な再開発が進んでいます。遠景のホテルは昔からありました。
精神の高揚は重要
前回来たのは地震の翌年。この辺りも液状化の影響を受けて、ポートタワーに向かう歩道が波打っていました。
もちろん現在は平らです。タワー自体が修繕中であること以外、記憶とそれほど変わりません。
海洋博物館は見ておくべきですが、開館時刻前。本日は開館を待つ時間はありません。気分を神戸モードにするのがここへ来た目的。あたりをうろついて引き上げます。
大阪でも神戸でも「地元大好き」人間は多いのです。関東平野でもその傾向はありますが、それを遠慮せず表現するのがこちらのお土地柄。
♬お仏壇の浜屋~は、神戸にもありました。実はこの言い方は失礼で、調べてみたらここが本拠地。
苦しくなくても神頼みはデフォ
さて次の目的地は、この地では心のよりどころ?生田神社。
茅の輪があるのは季節柄。くぐり方は神社によって微妙に異なるようですね。
言いまでもなく、ここは縁結びの一大中心。人気抜群です。常時人も雇えるし、神事も頻繁に行えます。式の打ち合わせのような集団も見ました。神社らしい雰囲気にあふれています。
SNS でも縁や出会いを求める声は多いのはご存じの通り。神社を賑やかにするためには、時代に合った「縁結び」が鍵になりそうです。
後背地は森になっており、明らかに気温が下がります。神秘的であり、この地が特別であることを参拝客に納得させるには十分です。
主目的への道
三宮駅にもどり、市営バス18系統で本日の主目的地へ向かいます。三宮から新神戸駅を経由、東西の主要道路の内、最も山側の道路を東に向かいます。
途中、神戸精養軒を通ります。ここは、上野精養軒からのれん分けした形になるのでしょうか。
神戸高校前は通過。この県立高校からの眺めは非常に良さそうです。こんな高校に通いたかったという妄想が一瞬よぎります。
基本的には住宅地の中を進んで、摩耶ケーブル下が終点でした。
古くから開けた「神戸」は灘から須磨の部分ですが、南側が海、北側が山です。山と海は連続、境界は絶壁ではなく、山の裾野が海面下まで広がる地形となります。つまり海岸線まで土地は南北方向に傾斜しており、海に近づくほど傾斜は緩やかになります。
摩耶山のケーブルカーの地図が神戸の地形を伝えます。
この土地の傾斜は、訪問者向けの基礎知識。これを知っているだけで、神戸の道に迷いにくくなります。
摩耶山のケーブルカーは古くからあることは知っていましたが、もうすぐ100年になるのですね。
5分も乗っていると、虹の駅なる摩耶山頂上へ向かう中間点(小さな山の頂上付近)に到着します。
全国的に有名な廃墟である旧摩耶観光ホテルは、駅のごく近所にあります。見学はできません。
ケーブルカー駅から少し歩くと、同じ名前のロープウエイ駅に着きます。途中見かけたイノシシ注意の看板。
ロープウエイ駅構内待合場所に、ハメチャレがありました。
身長50cm ぐらいの子供用です。
ケーブルカーも 5分程度の旅程。
ロープウエイのゴンドラの内部には30 kg の重りが後部に5つ、前部に3つおいてあります。風による揺れを防止するためでしょう。
山頂にて
頂上近くの星の駅に到着。その標高は695mと言うことでした。
駅舎二階がカフェ兼、売店となっています。Monte702という団体が運営しているとのことでした。そこで目的のブツを入手。
神戸の方、特に灘区や東灘区の住民か、廃墟マニアのための商品に見えます。ただ不思議な魅力があります。
これ以外にも摩耶観光ホテルの用品を模した商品がいくつかありました。
今回は買い物だけ。頂上滞在時間は10分程度。胸を張ってタッチと言うことができます。修行僧の皆さんにはおなじみの行動パターンでしょう。
冷静に外を観察すると、広場になっています。
レンタサイクルもあるところを見ると、自転車で走れる程度には平坦で数キロ以上の道があるはずです。
摩耶山は夜景で有名。当然のことながら昼も港町が良く見えます。東側は六甲アイランドがはっきり分かります。
夏の盛りにこれだけはっきり見えるのですから、冬場はきれいな写真が撮れることでしょう。
摩耶山には登山道もあります。夏は草も虫も気になりますが、秋以降の人気はどうなのでしょうか。
水道橋と混同するべからず
さてさっさと麓の駅に戻り、二番目に重要な目的地である水道筋商店街へ向かいます。摩耶ケーブルカー下との標高差は100 mありますが、下りだから無問題。
恐らく地元では有名な桜の通り抜け。もちろん季節柄、濃い緑。
海に向かって下れば到着するので、道に迷うことはありません。
ここで来た道を振り返ると、こんな感じです。踏切は阪急。山に向かってずっと続く坂道。ゆっくりと大きくなる傾斜。個人的に思う神戸らしい風景です。
アーケードの商店街は地元の店が多く、なかなか賑やか。写真を撮る瞬間を見つけるのが難しいほどです。
アーケードの東の端。
アーケードの西の端。
大変元気な商店街ですが、明らかに観光地ではありません。地理的な要因から、夏場は涼しい風が通りやすく、気持ちのよい場所でした。
市民による摩耶山を利用したイベントは結構盛んです。イベントカレンダーも月ごとに発行されるようです。
大阪や神戸は市民による市民のための市民の活動が盛んですが、ある拠点を軸にこれだけ多彩なことを行っていることには驚きました。山ひとつ分なので、自治体が作った多目的ホールよりスケールは大きいのですが、背景の説明としては説得力がありません。
こうなると神戸は想像していたより、ずっと魅力的に見えてきます。
言葉は播州弁の影響を受けているとされます。確かに耳にするアクセント、特に音便は異質で、それゆえとっつきにくい連中という印象を持ちがちにでした。ところがずっと聞いていると普通の人たちに思えてきます。慣れは重要ということでしょう。
少しだけ阪急について
昔の西灘駅が今の王子公園駅。阪神電車に同じ駅名があるので変更したそうです。それならば、阪急西灘、阪神西灘にすればよいと思いませんか?駅名選択に大胆なのはこの会社の伝統。東の東急ほどではありませんが、イメージ重視が露骨です。
それに加え、この会社は頻繁に駅名を変更します。ざっと思いつくだけでも、大阪梅田、京都河原町、神戸三宮、西向日、東向日、服部天神、石橋阪大前、中山観音は以前の駅名と異なります。服部天神なんて、一度変えたものを元に戻しているのです。
阪急は全体としては良い鉄道だと感じていますが、駅名変更だけはいただけません。