バス代わりの飛行機

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

ルフトハンザは Oktoberfest 仕様

 

明日 9月17日 (土) から10月 3日 (月) まで (バイエルン人には) 一年で最も盛大な祭り、Oktoberfest が催されます。会場はミュンヘンの Theresienwiese。ミュンヘン市民は昔からこの広場を Wiesn' と略して呼びますが、最近ではこの固有名詞が国際的に通じるようになっています。ただしそれは Oktoberfest のサイトを指し、少々意味合いが異なってきています。

 

Oktoberfest 2022 • Oktoberfest.de - Die offizielle Website zur Wiesn

 

 

どういう経緯なのか、日本でも Oktoberfest の名を冠したイベントが秋に行われます。全てビールを売り物にしており、高名な祭典の名を勝手に利用しているわけではなさそうです。

OKTOBERFEST 2022 日本公式サイト

横浜オクトーバーフェスト2022|横浜赤レンガ倉庫

杜の都のビールまつり | SENDAI OKTOBERFEST

名古屋オクトーバーフェスト

てんしばオクトーバーフェスト オフィシャルサイト

ミュンヘンの 7 しかない姉妹都市ボルドーシンシナティエジンバラキエフ、ベローナ、ハラレ、札幌)である札幌が開催するのはオータムフェスト。札幌でもビールは名物ですが、それ専門のお祭りでもありません。

https://www.sapporo-autumnfest.jp/

札幌は日本国内ではオクトーバーフェストの名を独占利用しても良いところ。何とも奥ゆかしいことです。

 

なぜか日本人がよく覚えるドイツ語の単語、Hauptbahnhof(中央駅)の南西にこの広場は位置します。駅からも遠くありません。

 

16年前からドイツ・ルフトハンザはこのバイエルン民族祭典の期間中、(長距離フライトの)乗務員にバイエルン民族衣装を下敷きにデザインされた制服を用意します。加えて食事のメニューやインテリアの飾りつけを Oktoberfest 仕様とします。一部のフライト、一部のラウンジだけに限られるものの、まずは面白い企画となっています。

Oktoberfest 2022 – Lufthansa Crew mit neuer Tracht - Lufthansa Group

この民族衣装の女性用を Dirndl といいますが、Lufthansa Dirndl で画像検索すると、さまざまな衣装が表示されます。制服は時々変わるのです。今年は 5年ぶりに新調されたとのこと。

 

最近は Angermaier というバイエルン民族衣装の専門業者がデザインと製作を担当しており、新作も彼らの手によります。今回の制服は初めてエコ認証 "Standard 100 by oeko-tex" を得ました。製造プロセスに伴う移動距離削減のためオーストリアで生地は織られ、ヨーロッパで生産されています。

コスプレや仮装パーティーは本ブログのテーマではないので詳細は述べませんが、Angermaier の品ぞろえは抜群。ただし重要アイテムである靴と帽子がありません。

 

民族衣装チームによるフライトは15日、MUC-GIG、MUC-SAN へ飛ぶ予定をしています。MUC-BOS、MUC-JFKは26日のフライト。

 

MUC 空港のターミナル 2 のルフトハンザ地上係員も伝統衣装ユニフォーム(女性はDirndl、男性は Lederhosen)を着用して旅客を迎えます。

 

FRA 発とMUC 発の 33就航地、800便以上のフライトで、ビジネスクラスとファーストクラスの機内食バイエルン郷土食を意識したものになります。

 MUC 空港のターミナル 2 のサテライトラウンジでは Leberkäse, Brezen, Weißwürste などが振る舞われます。ファーストクラスラウンジではスターターに Festtagssuppe、メインに Bauernente、デザートに Apfelstrudel mit Vanillesauce, geröstete Mandeln & Rum Rosinen が用意されます。料理は大抵いつでもそうですが、どういう皿か知りたい場合、画像検索は有効です。

 

 

一層のこと MUC ベースのサービスを通年 Oktoberfest 仕様にした方が良い気がします。アジア各国の航空会社は、露骨に民族文化を売り物にして成功しています。しかも客はそれをアトラクションと考えるより、自分に波長が合うものを選ぶようです。Oktoberfest に集うアメリカ人観光客の数やすそ野の広さを考えると、バイエルン風が性に合う外国人はかなり多いはずなのです。

 実施には労働協定をはじめとするテクニカルな問題以外に、連邦の一体性が問題にされるかもしれません。しかしドイツ連邦内の客だけを相手にしていてはルフトハンザの持続が危ぶまれるのは明らかであり、多少政治的なリスクを負っても試してみる価値があると思います。