PECHEDENFERのブログ

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BA とアメリカン航空との共同事業、会員サービス共通化

 

2020年 7月中にアメリカン航空 AA とカタール航空 QR のロンドンヒースロー空港 LHR の発着ターミナルは5になるはずでした。それまでターミナル5はブリティッシュエアウエイズの専用ターミナルであり、この移動は AA との大西洋共同事業、カンガルールートでの QR との共同事業をスムーズに進めるための方策に間違いありません。

ヒースロー Terminal 5 でのサービス向上 - バス代わりの飛行機

 

しかしいまだに AA、QR はターミナルを動く気配がありません。それぞれターミナル3、ターミナル4を以前と変わらず利用しています。

 

BA はニューヨーク JFK 空港では、ターミナル7を利用していました。昨年 2月に AA が発表したところによると、12月には AA と同じターミナル8に移動するはずでした。これは同ターミナルの AA ラウンジ刷新に合わせた改革でした。

ブリティッシュエアウェイズは12月から JFK ターミナル8を利用します - バス代わりの飛行機

 

ところが、BA も JFK の発着ターミナルを変更していません。

 

BA、AA がそれぞれ大西洋の両側で発表したことが起きていません。航空当局からストップがかかっているのでしょう。当局のちゃぶ台返しという可能性もありますが、彼らが勇み足だった疑いが濃いように思えます。

 

会員サービスの共通化はわずかに進展しています。LHR ターミナル5にある Concorde Room の利用者は現在、

"British Airways Executive Club Premier and Concorde Room card holders, American Airlines Concierge Key card holders"

となっています。https://www.oneworld.com/airport-lounges?location=LHR

一方、JFK ターミナル7の Concorde Room は(BAは廃止するつもりで今更変更の必要性を感じないのか)、 AA の Concierge Key 会員は対象になっていません。

 なおこの特別なラウンジは、かつては BA のファーストクラス利用者、Concorde Room Card 保持者、Premier 会員が利用可能でした。それがパンデミック末期に Concorde Room Card を廃止、今後は単なる GGL 会員も利用可というメール連絡を受取りましたが、oneworld のラウンジ案内では上記のように記述されています。

 

最近 AAdvantage の上級会員が獲得できる Systemwide Upgrades 特典の対象に BA 便が加わりました。

Systemwide upgrades − AAdvantage program − American Airlines

これは(欧州内の接続便を含む)大西洋便と関係したフライトに限定され、要件はいろいろと複雑になりそうですが、とにかく AAdavantage 会員の特典の拡大にはなるようです。

 一方で BA の Executive Club の会員の方では、AA のフライトがすでにゴールドアップグレードの対象になっています。2020年5月のことです。

ゴールドアップグレードはアメリカン航空運航便も対象に - バス代わりの飛行機

 

これらのアップグレードについては、電子的に完結します。ただし会員が自社便について希望しても対象は多くなく、どういう基準で対象が発生するのか分かりにくいのです。ましては他社との乗り入れでは、制度の違いも加わり、実際に機能するのかどうか、疑わしいところがあります。

 BA と AA でアップグレード特典を象徴的な意味で共通化したなら、労力が膨大で、サービス実施は極少という担当者にはやりがいのない仕事になりそうです。

 

パンデミック中~ポストパンデミックの時期に BA が発表した自社会員サービスの改革では、Concorde Room 利用資格のような齟齬が見つかります。一方 AA とのサービス共通化では、LHR, JFK の利用ターミナルの変更すら発表通りになっていません。AA との会員サービスの共通化も実施されているのかどうか見極める必要があるように思いました。