PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

JL48:HEL-HND プレミアムエコノミー

 

COVID 騒動後、初の JAL 国際線。前回から少なくとも2年10ヶ月以上経ちますが、それが何であったか全く思い出せません。

 

ヘルシンキ空港。以前ここに来たのは2015年年頭でした。その時ターミナルは絶賛工事中。

AY3269:HEL-BCN エコノミー転じてビジネス - バス代わりの飛行機

それが現代的な空港に生まれ変わっています。7年ぶりですから大きく変わってしまっても不思議はありません。乗り継ぎを徹底重視したらしく、Schengen内外でも MCT は35分。それなりに客に皺寄せが生じ、ターミナルビル内を走った経験がある方も多いようです。

 

到着階には飲食店がたくさんありますが、上階の出発階はチェックインホールだけで保安検査場を抜けるまで、何もありません。

 

ツイッターを見ていると、フィン語の広告が現れます。

 

チェックイン開始時刻も掲示される JAL。きちんと日本仕様。それは出発時刻のちょうど 3時間前で、従業員は時刻ちょうどに客対応を始めます。正面奥の保安検査場入口の隣、3つのカウンターを占めています。

 

チェックイン時に、MySOS の入力状況がチェックされます。

 

一方フィンエアは本拠地だけあって、いつでもカウンターは営業していて、かなり早い時間にチェックインができそうです。

 

JL48便のチェックインは保安検査場が込み合う時間帯にぶつかるらしく、客からすると非効率。この空港には優先レーンがフィンエアのチェックインカウンター近くにあり、そちらから入場して人ごみを大幅スキップ。それでも15分ぐらいはかかりました。

 

保安検査場を抜けると、Schengen 域へのフライトが出るゲートが並びます。

もちろん JL48 便羽田行は、Schengen域外へのフライト。ゲートにたどり着く前に出国審査を通るような構造になっています。確かに旅客の動線は単純。MCT 35 分の秘密はそこにあるようです。

フィンエア自慢のラウンジ、プラチナウイングも Schengen 区域外への発着エリアにあります。

 

ラウンジで 1時間ほど時間をつぶし、JL48便の待つゲートに向かいます。物品販売店も覗いてみます。トナカイの毛皮は、いろいろな意味でお土産に良さそう。

数枚買って、着られるように縫い合わせたら温かい毛皮の服になりそうです。文明以前のフィン人の気分になれそうだと妄想も膨らみます。

 

JAL のゲートでは、日本人客を対象とした過剰な至れり尽くせりは見つかりませんでした。

あっさり普通の表示。日本語も「東京 羽田」のみ。パンデミックの間に手のかかる客が滅んだとも考えにくいので、恐らく JAL は方針転換したのでしょう。

 

B787です。欧州便はまずまずの機材を使います。

 

予告通りの時刻に搭乗が始まります。プレミアムエコノミーのキャビンは2-3-2の座席配置が4列。隣席は不在でした。2席を除き満席と、まずまずの利用状況。

実は JAL のプレミアムエコノミーは二度目。前回はエコノミークラスからアップグレードされた「ラッキーな」搭乗でした。2015年頃までは、Y → PY のアップグレードは各社行っていました。最近は PY も定着、実質的に3クラス(C, PY, Y)の運用になっている路線が多いことから、無料アップグレードには渋くなっていると思います。

 MAGIC-VI ですが、ハードは古さを感じさせます。

 

座席の上に「何やらごちゃごちゃと置いてある」のが JAL 国際線の特徴。この感じです。


JALは機内誌を廃止していません。不思議なことに新幹線の記事。

旅客輸送を行う航空会社が宿命の敵である高速鉄道を記事にするのは、とてつもない違和感があります。最後まで読むと理由が理解できました。9月は短距離区間が孤立して開業、西九州新幹線を体験したければ、多くの人は飛行機で長崎に飛ぶのが便利というわけです。それで旅客を取り込めるという独創的な発想でした。なかなかやります。

 

定刻より 15分ほど遅れて出発したB787は、目的地とは反対の西へ飛んでいきます。

 

スウェーデンの Öland 沖で方向転換。南東に進路を変えます。

 

これはもちろんウクライナとロシアの空を避けるための措置で、この大回りのため、3時間近くもフライト時間が延びています。

そして地図を見ていればすぐ気がつきます。この国際状況下では、東京(を含めた北東アジア、東南アジア)から欧州へ飛ぶ時の良いハブ空港は、ヘルシンキではなくてイスタンブールだと。加えてトルコ航空の路線網は膨大。しばらくはトルコ航空がフィンエアの客を奪うことになるでしょう。

 

機内食メニューはエコノミークラスとほとんど同じ。

実質的には座席が大きいだけのエコノミークラス。最近は無理のない程度にいろいろなサービス(優先チェックイン、優先搭乗、預入手荷物の制限緩和など)を追加して、サービスが拡充されたエコノミークラス。しかし機内食はそのままですね。

 

アイスも出ますが、これはエコノミークラスのキャビンと同じものでしょう。

シートはエコノミークラス(3-3-3の配置)に比べれば確かに大きいのですが、ビジネスクラスと比べると作りに格段の差があります。たとえばキャセイパシフィックのリージョナルのビジネスクラスのシートでもこの PY のシートより格段に快適です。相場感で制限するような感じがします。

 

キャビン照明が落とされる前に配られた夜食を、アメニティと共に並べて夜を過ごす準備。

あられミックスはビジネスクラスの夜食と一緒でしょう。

 

到着2時間前、日本時間の11:00過ぎに軽食が出ます。どんぶりに入っていませんが、親子丼ということでした。

 

特に見たい映画も見つからなかったので、機内エンターテインメントシステムはずっとフライトインフォメーションにしてありました。長く退屈なフライトでしたが、運航自体はとても平和。目立った揺れもなく、羽田に到着しました。

泥臭くも着実に到着する感じが JALです。