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多言語化のチェック:アメリカの3大会社の場合

アメリカには、文化覇権国家のイメージがあります。世界を自分色に染め、文化を売りまくるという国家戦略。このイメージのためか、英語でゴリ押ししそうな気がします。一方でアメリカはカスタマー第一主義。多言語化は、金儲けに有効なイノベーションのはずです。そしてあらゆる金儲けをビジネスと呼び、ドライに接する点はアメリカの良いところ。

 

相反する二つの先入観が交差しているので、多言語化チェックの第二弾はアメリカ3会社にしました。まずRichard Andersonの改革により、すっかり強くなったデルタ航空(DL)から見てみます。

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DLの国・言語の選択画面は世界地図が現れ、北米中米、南米、欧州、アフリカ、アジア太平洋の地区別にサイトを選択します。それとは別に別格扱いの国が5つあります。アメリカ、ブラジル、中国、日本、ドイツです。別格扱いされて嬉しいような気もしますが、確かに日本は重要な拠点です。ともかくその5つの国の言語は、英、西、葡、中、日、独の6つ。

 

次に、いろいろな言語が出てくる可能性が高い欧州から覗いて見ます。

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別扱いの6言語に加わるのは、仏、伊、露の3言語。

 次にDLにとって重要な市場であり、様々な言語がそれなりに存在感があるのはアジア。アジア太平洋地区を見ると、

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となり、韓国朝鮮語が加わります。他の地区も開けてみましたが、これ以上の言語は加わることはありません。結局DLの言語は、

英、西、独、日、仏、中、伊、朝、葡、露

でした。依然述べた6大言語(英語、スペイン語、ドイツ語、日本語、フランス語、中国語)は全てあり、それ以外ではイタリア語、朝鮮語ポルトガル語、ロシア語がくわわり、あわせて10言語。

 

コカコーラ帝国の首都の住民にしては、かなり柔軟にビジネスをしている感じです。自分にとっての大切な顧客群を別枠にしている点にも工夫が見られます。

 

次は、FFP改革でDLの後追いをやったユナイテッド航空UA)。サイトにアクセスすると、最初に国と言語の選択をしなくてはなりません。

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私の調査に都合がよいプログラムです。最初に世界5地域から該当地域を指定し、国-言語の組合せを選択します。デフォールトで欧州-中東が表示されますが、ここに現れる言語は

英、独、西、仏、葡

の5言語です。当然次はアジア太平洋を見ますが、日本語、中国語、韓国朝鮮語以外は英語です。

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北米、中南米を選んでも新しい言語が加わることはありません。結局UAの提供する言語環境は、

英、独、西、日、仏、中、朝、葡

の8言語。6大言語は全て含まれるので、「グローバルネットワーク」の担い手として不足ありませんが、それ以上の言語サービスはブラジル人と韓国人に対してのみ。DLに比べるとかなり落ちます。

 

ちなみにアフリカの画面は面白く感じました。

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「アフリカからは電子商取引が実行できません。この地区の言語は利用できません。」とは、書いてあることがぎこちないのですが。

 

最後に見るのはアメリカン航空(AA)。国の選択を行おうとすると、ABC順にずらりとリストが出てきます。探すのが面倒なパターンです。

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この画面はフランス語。さらに英語には対応しているはずなので、ドイツ語、

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スペイン語、

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日本語、

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中国語、

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中国語その2

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の順に表示させます。これで6大言語は全てチェック。世界路線網を維持するのに最低限の言語対応は行っています。他にどんな言語があるのか調べてみたところ、

葡、朝、露、伊

にも対応。なかなか優秀です。さらに調べてみました。驚いたことに

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とか、

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などのサイトがあります。フィンランド語とオランダ語です。多分これで全てですが、

英、独、西、日、仏、中、伊、露、朝、葡、フィ、蘭

の12言語は優秀です。良い意味で予想を裏切られました。でもなぜフィンランド語なのでしょうね。AA-BA-IB-AYの共同事業のついでに整備したのでしょうか。

 

以上をまとめると、

・DL, UA, AAとも、ウェブサイトは分散型。国の選択→言語の選択と進む。

・DL, UA, AAとも、6大言語(英、独、西、日、仏、中)には全て対応。

・その他の言語では、

     UAが朝、葡

     DLが朝、葡、伊、露

     AAが朝、葡、伊、露、フィンランド、蘭

に対応しています。

 

思ったより、世界に迎合している米3大会社でした。中でも多言語化に最も熱心なのは、ダラスのAA(12言語)、中庸なのがアトランタのDL(10言語)、最もサボっているのがシカゴのUA(8言語)という結論になります。中南部の方が保守的で、世界が見えなくなっているかと思いしや、さにあらず。

 個人的にはこれらの会社とのやりとりに英語を使っているので、今まで気にしたことがありませんでした。そういう人が多いと思います。しかし言語はサービスの基盤。多言語化は、会社が国外の顧客を向いているかどうかを表すバロメーター。注目の価値はありそうです。

 調べてみるものですね。AAの印象がだいぶ変わりました。