バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

ロンドンの状況

社会が活動を再開した途端、感染の勢いが増しましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。新しい情報に多くの方が敏感になっていることと存じます。さてYahoo!のニュース一覧に見つけた奇妙なヘッドライン。

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「闇修行?飛行機マイルの誘惑」ではありません。「第2波来れば別の道?宿主の志」の方です。宿主(しゅくしゅ)という学術用語が使われていますが、どういう修辞が控えているのか、興味がわきませんか?

 しかし開けてみたら「しゅくしゅ」ではなく、「やどぬし」でした。「第2波来れば」でコロナウイルス感染拡大に主題を限定、すると宿主はウイルスがとりつく生物と読むのが筋ですがね。珍妙な修辞を期待したのですが、残念。

 

さて今日はロンドンの話題をまとめてみました。

 

(1) Heathrow 空港では 7月 7日、アメリカン航空が Terminal 5 に移ります。このターミナルはブリティッシュエアウェイズ専用なので、大きな出来事。

American Airlines moves into Terminal 5 at London Heathrow – Business Traveller

この引越しの背景には、おそらく

・大西洋ジョイントベンチャーの効率化

・BAの路線、運航便をしばらく削減

があります。AA は LHR から、DFW, JFK, ORD, MIAへそれぞれ毎日運航。この設定はこのままでしょう。

 今までAAが利用していた Terminal 3 には、Terminal 5 とは異なる雰囲気があります。BAを使っても AA を使ってもいつも同じターミナルでは、飽きそうな気がします。ロンドンから北米へ飛ぶ日本の方はあまりいないと思いますが、Terminal 3 のキャセイラウンジ(現在閉鎖中)や BA ラウンジ(こちらも確か閉鎖中)へ現れるアメリカ人が激減することで変化を感じられそうです。JALも Terminal 5 へ引越しなんてことがないことを祈ります。

 現在 Terminal 5 では、Galleries South Club, First Lounge とファーストクラス客のために Concorde Terrace が営業しています。The Concorde Room は閉鎖中。

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The Concorde Room Cardは、閉鎖期間に等しい期間の有効期限延長を行うべきだと思います。閉鎖期間が確定してから、措置を発表するのでしょうか。

 

(2) 7月10日より、日本を含む 59 の国と地域、14ものUKの海外領土からイングランドへの入国に際して、自己隔離による14日間の健康観察が不要になります。入国14日前から別の国を訪問したり、滞在していないことが条件です。

Coronavirus (COVID-19): travel corridors - GOV.UK

これは6月にブリティッシュエアウェイズ、ライアンエア、イージージェットが当局を相手取って訴訟を起こしていた件ですね。係争の大きな部分が解消します。

British Airways, Ryanair et Easyjet attaquent en justice la quarantaine britannique | Les Echos

訴訟の行方はわかりませんが、イングランドも大陸欧州並みになりました。国内の感染状況が EU より悪いことを反映し、国のホワイトリストEU よりだいぶ長くなりました。今や日本から直接渡航するなら、大手を振るって EUイングランドに入国できますね。ただし現状では「行きはよいよい、帰りは恐い」ですので、ご注意を。

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(3) コロナウイルス感染症が下火になっても、数年間移動の低迷は避けられないと予想するエコノミストは多いのですが、当面のところ感染拡大が続きそうなので、航空会社の経営陣が暗い未来を心配するには及ばないようです。要は数か月先までのオペレーションをどうするかに注力していればよく、それは報道にも表れています。

 ブリティッシュエアウェイズは、全短距離便を Gatwick から Heathrow に移すようです。9月の終わりまではその運用が続くと発表しました。

British Airways switches all short-haul flights from Gatwick to Heathrow until at least September

便利な Heathrow に欠航が多く、空きが十分できた一方で、短距離便はビジネス客が拾えるし、国内線は感染防止に関する制限が少なく、運用が機動的に行えるということなのでしょう。

 

Gatwick発の長距離フライトも再開しているので、BA が Gatwick を撤退または大幅縮小するわけではないようです。

British Airways restart long-haul flights from Gatwick - but all short-haul routes move to Heathrow

ご存じの通り、BA 長距離便のレジャー・バカンス路線は Gatwick に集まっています。イギリスあるいはヨーロッパからのバカンスの予約状況は、悪くないということです。

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今の世の中、人が現地へ行くのは困難でも、ニュースは変わず届きます。便利な時代です。

国内旅行は観光を外して

遊び上手、人生の達人、引き出しが多い奴などと呼ばれるためには、限られた条件の下で人生を最大限楽しむことができなくてはなりません。むしろ制約を新しい何かに変える剛腕*が必要です。

 稼ぐ、貯める、増やすしか能がない人は多いのですが、十万円なら十万円なりに、千円なら千円なりに充実した時間を過ごす術*を知らないと、心のよりどころは数字という人生になってしまいます。”Was hülfe es dem Menschen, wenn er die ganze Welt gewönne und nähme doch Schaden an seiner Seele?" ではありませんが、自分が知る者たちの十倍を貯め込み、自分が知る者たちの十分の一の経験で迎える死は、その逆よりはるかに惨め。海外に出るのが困難でも、国内で新しい経験や発見ができないようでは、先行き思いやられるというものです。

*:これらはまさに l'art de vivre。

 

「自分にとって」新しい物事を見つけることは、国内旅行ならではの体験。こんな落書きも、普段の生息域で見ることができない人間には新鮮。

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リアルに迫るのは感動モノでしょう。おそらく全国レベルでは日常的な犯罪であり、問題視するのが良識というものですが、例えば日本漫画オタクの外国人には感激アイテムになりうることを思えば、観光資源になるのも無理ありません。

 

「新鮮」は人によるという話です。夜露死苦を見つける旅はバカバカしく感じる人も、B級グルメのための旅なら理解できると思います。

 

ネーミングが強烈なベトコンラーメンは、赤ミシュランの星とは別の意味で "vaut le voyage !" つまり、わざわざ食べに出かける価値あり。

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こんな命名が可能だった時代**から続くメニューですが、内容にも個性が光ります。B級グルメでならす某都市辺境で発生し、今でも一定の人気を保つはずですが、あまり耳にしません。パスタデココは訪ねる場所として聞いても、ココイチがそういう形で話題に上らないことと同じ?

**満州時代を思い出させる懐かしいラーメンに出会ったことがきっかけで、その味を元に昭和44年に考案されたというエピソードが今日に伝えられます。モデルは85年前に遡り、実歴が50年あるというラーメン。現代だったらデモシストラーメンなんて命名するようなものなのですが、どんな時代だったのでしょうか。

 

いなりはかたち、ありさまの、優れたらんこそあらまほしかるべけれ。東(あずま)勢が巾をきかす世の中です。この形が珍しくなっていることに気がついたのですが、これも時代。

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しかしこれは東京文化が恰好いいとか、縁起いいという感覚が起こす文化の浸蝕ではなく、ロジスティクス重視の結果でしょう。俵型は積み重ねに適しており、輸送が簡単、輸送から展示へのモードチェンジも簡単。彼の地でゆっくり進行した納豆の侵入***とは事情が異なり、むしろ amazon.com の影響です。

***:今も拒絶する老人の視点ならこんなところ。それ以外の人には、納豆の普及が適当な言葉遣い。いずれにしても彼の地の朝飯は白パン

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Weizenbier が飲める空港ラウンジ。後で調べてみたら、季節販売の商品。今季出荷前に供されていたようです。

青い空と海のビール « ヘリオス酒造株式会社

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原料は国産ではありますまい。ともあれ酸が強くて軽いという Weizenbier の特徴が穏やかに出ていて、爽やか。夏向き。太陽の下で味わうにはピッタリです。一般には7月13日より出荷されます。空港ラウンジは、現物によるプロモーションをよく行います。

 

コロナ禍のおかげで、エメラルド会員資格が丸々一年間延長され、しばらくは国内線出発前はビール飲み放題。

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もっとも夏ですから、外でビアガーデンの方が何倍も良い体験。ラウンジでワイワイガヤガヤはできません。

 

待ち時間は、旅行を機に郷土史を勉強するのがおすすめですが、海外のガイドブックにて夢想の旅も悪くはありません。読書なのか、下調べなのか曖昧になります。

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現実に田舎めぐりなんか行ったら、反中感情から石が飛んできます。どうせ連中には中国人と日本人の区別がつきません。自粛警察と同じ心理が働く蛮行ですが、旅行者は避ける以外、良い選択肢はありません。海外に出られたとしても、田舎はしばらくおあずけ。

夏には間に合いそうにありません。

昨日 7月 1日は富士山開き。観光では節目となる日ですが、今年はあらゆる面で例外的。山開きはなく、全登山道、施設が閉鎖されています。今年の夏は霊峰富士には登山できません。

富士登山オフィシャルサイト

 

一方この日 EU は、日本を含む15カ国に対して国境を開けました。アルジェリア、オーストラリア、カナダ、ジョージア、日本、モンテネグロ、モロッコニュージーランドルワンダセルビア大韓民国、タイ、チュニジアウルグアイが対象です。

Réouverture des frontières : Maroc, USA, Japon, quels sont les touristes autorisés ou non en Europe ?

こういう話は厳密さが要求されるので、この数の外にアンドラモナコバチカンサンマリノが含まれることははっきりさせておかなければなりません。中国は相互入国可の条件付きです。

 

すでに EU はどの国の観光客に対して国境を開けるかについて、2つの方針を発表しています。一つは新規感染件数がその時の EU の数に比べて低いこと。もう一つが2週間に一度見直すことです。

 

つまりここで上がった15カ国はヨーロッパが認めた COVID-19 低汚染国。逆に言うと、これらの国の住民はヨーロッパに出かけたら、新型肺炎に罹患する確率が上がります。住民百万人当たり二週間で 160 件という EU の感染発生数が現在の基準です。日本の新規発生数が、再び 100 を超えたと大問題になっていますが、それでも百万人当たり一日1人です。(6月30日) つまり二週間では14人にしかなりません。

 インフルエンザよりはるかに厄介な病気に11倍も感染しやすい土地が観光に向いていると思いますか?

 

彼我の汚染度の違いは、外務省の渡航情報にも反映されます。EUは全域レベル3(渡航中止勧告)のままです。彼らがどう判断し、どう行動しようとも、数字で判断する限り、行ってはならない土地という事実は変わりません。先方は歓迎してくれるかもしれませんが、日本に戻ってきたら14日の自宅謹慎による経過観察が要請されます。自主性に任されているとはいえ、社会的な圧力が強いため、ほとんど強制されることはよく知られる通り。

 

日本も自粛要請が引き上げられ、感染を避けながら社会活動を元に戻すことが強く求められるようになりましたが、新規感染者の数が増えています。しかしヨーロッパと比べると一桁小さいのが現実。彼らがリスクをとって社会活動を戻しているのに、はるかに安全な日本が自粛するのは無理筋でしょう。むしろ抜群に衛生的な国であることの恩恵を受けて頑張る方が建設的な気がします。

 

いずれにしても、ヨーロッパが日本並みに新規感染件数が小さくならないと、渡航はほとんど無理。さらに日本が感染爆発を起こさないことも必要。大陸は人の流動性が大きいし、EUが(渡航するには)手軽な訪問地になったことから、とても2、3か月で感染が収束するとは思えません。

 

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Gott hat die Erde nur einmal geküsst, genau an dieser Stelle, wo jetzt Deutschland ist.

 

オーストラリア、ニュージーランドベトナム、タイなどは日本よりも清浄なので、こちらから行くには問題ありませんが、先方が入れてくれません。近所の台湾、中国、韓国とは協議を始める段階で、しかもビジネス客の流動化が当面の目標。

 また渡航を認めると言っても、健康証明が入国条件になったりして、観光にはハードルが高めです。Lufthansa は Frankfurt/Main 空港での感染検査を始めました。渡航先における隔離監禁を避けるための健康証明を得るためです。またドイツ入国にあたっての健康証明としても使えます。

Corona Testcenter

このサービスは、各社・各国が追従するかもしれません。

 モルディブは 7月半ばに感染検査なしで入国できるようになりそうですが、観光地にCOVID-19が蔓延するかもしれません。多島列島であり、観光地が一般国民の生活から隔離できるという特殊性から可能になる政策ですね。

Les Maldives rouvriront leurs hôtels aux touristes mi-juillet

 

新しい動きは次々出てきますが、正常化への道は遠い気がします。夏季の海外渡航はあきらめた方がすっきりして、良いシーズンを過ごせるかも知れません。今年は10 万円のお小遣いを手にして、国内に出かけるのがよろしいようで。

海外渡航再開には不都合なデータばかり

政府による自粛依頼も解除されました。大手を振るって遊びに出かける人、新たな流行を恐れて縮こまっている人、いろいろな反応があるようです。メディアのように恐怖心を煽るのは本意ではありませんが、事実は事実。不都合なことも紹介しないといけません。

 

イスラエルが感染の第二波に見舞われています。日々更新される統計

Coronavirus Update (Live): 9,438,358 Cases and 482,022 Deaths from COVID-19 Virus Pandemic - Worldometer

の感染認知件数世界ランキングで、いつしか日本を追い抜いていたので、データを見たところ驚きました。

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これ以上ないというほど、見事なぶり返しです。原因は常に複合的なはずですが、この国は5月の終わりから都市閉鎖を徐々に解除しています。感染拡大の第二波と時期が一致します。自由になるほど、一日の感染者が増えると言う有り様。

Coronavirus : vers une deuxième vague de l'épidémie en Israël ? - Le Point

3月から5月にかけての流行と異なる点は若者の感染が多く、死者はそれほど出ないだろうと楽観視する向きもあるようです。

 

日本の流行は2月から3月半ばまでは、春節を中心とした中国人観光客が持ち込んだもの、それ以降は外国から帰国した駐在員が持ち込んだものと大まかに把握されていますが、ウイルスのタイプも違うと言われていて、ここで第一波、第二波と考える方が多いようです。確かにそう考えるとすっきりします。すると今は第二波が収まった段階。自粛が解除されてからは、新規感染の報告は若干増えていますが、社会活動に変化を及ぼすほどではないと判断されています。

 厚労省は東京23区から感染が少ないと予想できる3区をわざわざ選び、バイアスがかかった抗体検査を実施、結果を公表しましたが、当然検出されたケースは僅か。しかしいろいろな団体による独自の結果を見ても、欧米の感染流行地より一桁小さい検出数です。日本人は知らぬ間に感染して、免疫が「確立」していたのではなく、そもそも感染していないのでした。駐在員の帰国が盛んだった頃、連日のように帰国者の感染検出が報道されていましたが、PCR検査の陽性率も十分高かったはずです。したがって日本人が感染しにくいというわけでもありません。すると日本は十分衛生的、欧米は著しく非衛生的だとするのがもっとも筋が通った考え方になりそうです。これは喜ぶことではありません。不用意に鎖国を解くとイスラエルと同じ事態になります。いつまでたっても海外に出かけるのは困難だということです。

 もっともインフルエンザの様に、感染が次回の感染を防ぐことに役立たないかもしれません。抗体を持っていることやワクチンが開発されることは、期待するほど大きな意味を持たないかもしれません。しかし集団として経験が積み重なり、ノウハウもできたことから、武漢肺炎をかつてのように恐れる必要はないのも事実です。

 新感染症で亡くなる方は、悲劇としか言いようがありません。今記録されている1000弱の死の一つ一つに重い事実があります。しかし1年間に肺炎で死ぬ人は10万人を超え、毎年の変動が数千人~一万人だという事実を忘れては片手落ち。良くも悪くもコロナウイルス感染は注目を浴び、大多数のその他の肺炎による死は見向きもされません。コロナ対策をするなら、その他に力を入れるべき分野が医療、公衆衛生の世界にはいくらでもあるはずです。

 

なお世界全体の感染発生は増え続けています。2月の小さな山が中国や韓国を中心とした流行、3月から4月にかけての山が欧米の流行。今は第三の波ですが、感染拡大の勢いは伸びる一方(=加速中)で、死亡件数も再上昇しています。

 

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地域的に見ると、南米、南アジア、中央アジアが相当な勢いで感染拡大し、北アフリカも収束が見えていません。(スウェーデンも新規感染者数が増大気味。)

 

そんなこんなで視界は不良です。むしろ数字の上では悪くなる一方です。人類が不自由なことに我慢できなくなると同時に、このウイルスに慣れ、いつしかパンデミックは霧散という結末がもっとも確からしい気がします。

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ただし個人レベルでは今、感染すると決して良いことはないので、感染防止に努力を続けた方が良いのは確かです。

エーゲ航空:自社搭乗の獲得マイルに変更

エーゲ航空マイレージプログラムは、かつてスターアライアンスゴールド会員になるのが最も容易ということで、世界中で話題になっていました。とても持続性がないようなプログラムでした。しかしエーゲ航空はそれで自社会員を十分集め、突然ほどほどの改悪を行い、プログラムに持続性を持たせたうえで、大量の自社会員を定着させました。どうもアライアンス加盟当初から、そういう魂胆だったようです。老獪なギリシャ人。その時、プログラムの名称も Miles & Bonus から Miles+Bonus に変わったのですが、新旧プログラムのけじめをつけた印象を与えました。

 

他のプログラムと同様、Miles+Bonus もちょくちょく小規模な改悪が行われます。特にスターアライアンス加盟各社の搭乗によるマイル加算は、予告なく悪くなっています。これは必ずしもエーゲ航空の問題ではないかもしれません。

 

今度の変更は自社で閉じた話です。やはり改悪とみるべきでしょうね。

 

エーゲ航空は近距離路線がほとんどで、国際線もせいぜい欧州線どまり。したがってマイルの加算は、国内線と国際線の2本立て、搭乗クラスによる区分がビジネスクラスと、3種のエコノミークラスと4区分。単純でした。数年前に欧州他社と同様、エコノミークラスにサービスを簡略化した商品 GoLight を設定、エコノミークラスは FlexとGoLight の二本立てとなりました。

 いよいよその区分がマイル加算に反映されます。

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多くを支払う人のマイルは増加し、少ししか支払わない人のマイルは減少するという常識的な線に沿った変更がなされました。6月16日以降の予約、再予約に対して新しいマイルが適用されます。

 

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いままでは GoLight でも Flex でも予約クラスに応じて一律同じマイルが獲得できたのですが、航空券価格の差はかなり大きく、それが補正された形です。

 

この方向でのマイレージプログラムの改革は、他社に比べて2、3年遅れています。また加算率の違いもそれほど露骨ではありません。同業他社比では、Miles+Bonus は相変わらず貧者の味方です。 

 

6月15日前後から、欧州の航空会社からは盛んにメッセージが届きます。移動再開にあたり、あたかも「私たちのことを思い出してくれ」と言わんばかりです。そんな中、一番爽やかで好感が持てたのが、ここエーゲ航空

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EUは人口当たりの新規感染者の数が、域内と比較して十分小さい国・地域からの渡航を認める方向で動いています。疫病の恐怖は後退し、経済のことがいよいよ心配になってきたようです。しかしこのスキームだと、原理的に旅行者は帰国後、(自主)隔離、経過観察が要求されることになります。日本から観光目的の渡航は早いうちに可能になるでしょうが、日本に帰国後、自宅謹慎が必要になります。

 逆に日本が調整しているオーストラリア、ニュージーランドベトナム、タイからの入国に関しても同じことが起きます。まだまだ不自由なのでした。

 

世界はこんな段階を経て、元通りになっていくのでしょう。

 

笑えるような笑えないような各社からのメッセージ

昨日の日蝕は、皆様ご覧になったでしょうか。昨日は夏至でもありました。例年この日は梅雨の最中ですが、今年は晴天だった場所が多く、暑すぎず、一日が長いと、旅行には最適でした。夏至日蝕が重なりましたが、この組合せを強調する理由はなさそうです。至点は日蝕が起きている時間からずれていましたし...。

 

夏至は solstice d'été。solstice(至、至点)は英語でも solstice だから、夏至は summer solstice のはず。この単語、母語話者はわかる人が多いのですが、そうでないと英語が相当できる人でも通じないことが多いようです。しかし概念は平易。結局、中等教育を何語で受けるかという問題ですが、これは後々まで多大な影響を及ぼしているのでした。

 春分秋分の「分」にあたる日本語は知りませんが、仏語では équinoxe と言います。今調べたら、仏和辞典には分点や昼夜平分点と出ていました。前者は可能だとしても意味が広すぎ、後者は少し正確さに欠けます。日本語では、春分(équinoxe de printemps)と秋分(équinoxe d'automne)は広く通用するのに、共通する概念(équinoxe)になると言葉が未整備です。こういう点は面白いところです。「至と分」などという使い方なら可能かもしれませんが、極度に難しい言い回しになります。

 

さて夏至を過ぎると多くの国で旅行シーズンが間近。北欧ではバカンスの開始です。各国とも疫病による移動の落ち込みを挽回しなくてはなりません。しかし消費者は、感染リスクが一時期より下がっただけということを理解しているのか、航空便の予約は V 字回復には至っていないようです。航空会社はあの手この手で、客を呼び込もうと躍起になっています。

 

マレーシア航空からも昨日メールが届きました。ここに限らずどの航空会社も「衛生面での対策は完璧だから、安心してご利用を」というメッセージを顧客に送ります。取り上げる内容や量が会社によってずいぶん異なり、相場感が全くありません。

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いろいろと客にお願いすることが多く、その連絡も兼ねます。特設サイト

Fly with confidence and peace of mind

では、説明リーフレットと旅行準備のチェックリストのダウンロードもできます。

 

防護したサロンケバヤの写真は、アジアの住民には大変だとか、滑稽だとかいう印象を与えるでしょう。しかしエキゾチックな要素をさんざん売り物にしていた欧米では、イメージの棄損になる気がします。下心を刺激して航空券を買わせていたとまでは言いませんが、煽情的な要素がなかったとは言えません。そのツケが回ってきそうです。

 シンガポール航空はその点賢く、女性客室乗務員の防護眼鏡、マスク、シリコンゴム手袋装着の写真はなかなか出てきません。新聞では報道されています。

Singapore Airlines rolling out a host of measures to reassure travellers, Transport News & Top Stories - The Straits Times

わざわざ客室乗務員の防護姿を撮影、自社サイトで使ってイメージダウンを招きかねないマレーシア航空。そんな抜けているところが、彼ららしくて良いのですが...。

 

JALはちなみにこんな感じ。メールで送ってきたメッセージ。色調が凝っています。黒髪が美しく見えます。

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化粧直しいらず、昼飯ニンニクOKのマスク姿。最近JALを利用した皆さんにはおなじみでしょう。サイトでは、予防対策をわかりやすく説明して、利用を喚起します。

安全・安心な空の旅をお届けするために - JAL

 

ビデオまで作ってしまいました。

youtu.be

日本語ビデオで日本人向け。制服に妄想を膨らませる嗜好のある者にどう映るかはわかりませんが、健常な者には単なる情報の伝達。マレーシア航空の立像と異なり、現れる姿は全て業務中という点も作用します。

 

メールと特設サイトには、会社の取り組みも紹介しています。宣伝は宣伝に過ぎないとはいえ、ANAには真似できない取り組みもしっかり説明されています。

 

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コロナ禍でも交通インフラとしての使命を果たすために。JALの感染防止対策の舞台裏 - OnTrip JAL

先の写真では黒髪の美しさを意識してフォトショップを使ったと考えられますが、この写真では、照明の加減で髪の分け目が光っており、しばらく白髪染めをしていない妙齢の女性の頭頂部のようです。

 

感染防止のための隣席ブロックは 6月30日までです。搭乗した方はご存じだと思いますが、ゆったりしていて贅沢な旅になります。以後は元の詰め込みにもどりますが、予約が取りやすくなると前向きな気持ちになりましょう。

 

メールの最初にまじめな感染防止対策の宣伝、それ以降は新制服の裏話、国内航空券、ツアーのあれこれ7件と、結局はいつもの広告メールでした。2つに分けた方が企業イメージの向上には良かったと思いました。

 

欧米の航空会社もマスク着用に踏み切りました。旅客にも義務付けますが、なかなか大変そうです。Air Franceというか、フランスは搭乗客にサージカルマスクの着用を義務付けました。それを受け、同社は機内でのマスク着用の FAQ (Foire aux questions、仏語でもFAQです。)のサイトを設けました。

https://www.airfrance.fr/FR/fr/common/page_flottante/information/faq-coronavirus.htm

極めて限定されたテーマですが、11項目もあります。中にはサージカルマスクと普通のマスクの違いとか、サージカルマスクの装着方法とかもあり、この新デバイスに馴れていないことが明らか。

 

"Combien de temps puis-je porter le même masque chirurgical?"

「同じサージカルマスクをどれだけの時間着けていてもよいか?」

"Il est recommandé de ne pas porter le même masque chirurgical plus de 4 heures et de le changer après avoir bu ou mangé. Il est donc utile d'en avoir plusieurs avec soi selon la durée du vol. Pour en savoir plus, veuillez consulter la notice d'utilisation du fabricant.

「同じサージカルマスクは4時間を超えて装着しないこと、飲食の後で交換することが推奨されます。したがって飛行時間に応じて複数のマスクを携帯することが有用です。詳しい情報は、製造者による利用の注意をご覧ください。」

 

と、客に過大な要求をしています。しかしながら、パニックは疫病蔓延の必然。そこまで必要かという指示にも素直に従う必要があります。もし日本からパリへ飛ぶなら、サージカルマスクは片道10枚ぐらい携帯する方が良いと思います。着用していないと搭乗拒否ですから。

 

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めんどくさい Air France ですが、たぶん欧米の会社は似たりよったりだと思います。

優先搭乗を中止するANA

ANAと言えば「ダイヤモンドサービス」メンバー、通称ダイヤモンド会員。そしてダイヤモンド会員と言えば、連想されるのは優先搭乗。さらに付け加えると、ANAの優先搭乗に不慣れだなんて、世界のビジネスパーソンにはありえないことです。読者諸氏も知らぬなどとシラを切ることはありますまいが、以降の話との対比のため、復習します。ANAでは、次の手順で搭乗が行われます。

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事前改札サービス

Group1

  「ダイヤモンドサービス」メンバー

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Group2

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Group3

    全てのお客様

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ところが6月19日以降、搭乗の順番は次のようになります。

 

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事前改札サービス

Group 1 後方窓側席

Group 2 後方中央席

Group 3 後方通路席

Group 4 前方窓側席

Group 5 前方中央席

Group 6 前方通路席

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搭乗案内方法について | 空港・機内で [国内線] | ANA

 

ダイヤモンド会員は、これを知って卒倒したかもしれません。「ダイヤはどこだ!」と。落雷直撃を受けた気分でしょう。心中お察しいたします。しかしよく読むと、完全ではないものの、優先搭乗は残されていました。

 

「各グループ内において、スター アライアンス・ゴールドメンバー専用レーンを設置してご案内いたします。」

 

Pechedenferはむしろこの記述を見て、卒倒しました。ANA利用なのに、ダイヤモンド会員がスタアラゴールド扱いされる屈辱……のためではなく、レーンの数のためです。各グループごとに会員専用レーンを設置するということは、レーンが12種類も出現します。12列の中から正しいものを選べなんて、一般客の能力を超えています。手元のチケットの表示と看板を対応させるのが第一の関門。列の最後尾と看板とを対応させるのが第二の関門。まさに de Charybde en Scylla という展開。

 

Group 1~6にはシート番号を表示せざる得ないでしょう。大きな空港ではゲートごとに機材が決まっているわけではないので、用意する看板、ボードの類は相当な数になります。使っていないボードがゲート脇の空間にごちゃごちゃと放置されるのは見ものです。

 そしてゲートの地上係員は、出発便ごとに縄張りを作り直す必要があります。作業量が数倍になって、てんてこ舞いの係員に、あらぬ場所であたふたしている年寄り一行。かなりエクセレントな状況になりそうです。

 

今週末は、羽田空港第2ターミナルのあちこちでカオスが発生しますね。見学だけなら面白そうですが、搭乗券がないと搭乗ゲートにたどり着けません。かといってカオスを構成する一員になるのは御免です。スターフライヤー関空にでも行きますか。

 

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もちろん今度の優先搭乗中止は、感染防止のためです。優先搭乗をしばらく中止して、ゾーンごとの搭乗に切り替える会社は他にもあります。Vistara、大韓航空、Finnair、Scoot、Air France などがすでに実施しています。しかし ANA は「日本の航空会社で初」。この枕詞は使うべきでした。

 

今のところ JAL は搭乗方法について、ほとんど何も対策を行っていません。前後の間隔を空けて並ぶことを搭乗客にお願いするぐらいでしょう。ANAは先進性が際立ちますね。

 新しい方法の採用では ANA は突っ走ることが多いので、降機に関しても感染防止策を導入する可能性があります。ただ搭乗時と真逆の順番、Group6 から Group1 の順番で出口に誘導すればよいので、これは簡単です。アナウンスだけで良いのも利点。空港の地上職員の要求とは異なり、機内での乗務員の指示には強制力があるので、従わざるえません。

 ANA は収益に影響がない対策には熱心に取り組みますが、JAL やデルタのように全便で隣席を空けるという抜本的な方法は採用しないようですね。コストがかかると言っても、余計に焚く燃料ぐらいなのですけれど...。感染防止に真面目に取り組むように見せかけ、衛生対策にちっともコストをかけない。これが8年連続

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の極意です。

 

さてさて、コロナ禍の影響でラウンジのサービスも、搭乗時のサービスも簡略化される一方。どや顔で他の客より先に搭乗するというささやかな喜びも奪われました。「それでもあなたはダイヤモンド修行を続けますか」なんて話も出てきそうです。 

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