バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

Fernwehを悪化させるメール広告

夏休みになって、ヨーロッパからの広告メールが減りました。これはバカンスの季節が通常通り訪れたことを示唆するので、良い兆候です。しかしこちらもそこそこ暇。メールの数が少ないことも手伝って、ついつい読んでしまうのですね。これが大変な毒。

 

あまり変わらない頻度で送ってくるのは、ドイツ鉄道 Die Bahn。

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まだまだ売り上げが悪いのでしょうか。さすがに8月も後半戦にかかろうかという時期なので、近場=ドイツ国内への旅行が提案されます。この辺は常識的な鉄道会社。で、写真はギリシア神殿風の箱モノ、ベルリンの Alte Nationalgallerie。「ベルリンにいても、ギリシャで休暇中の感覚になる」などと、センスのない言い回し。さらにリンクへのボタン、Jetzt Deutschland neu entdecken という単語の組合せは、使い古されたボロ雑巾のよう。ドイツに住むドイツ人には全くアピールしないでしょう。旅行業者は明らかに新奇な言い回しが必要です。

 

とは言っても、遠くに住む者では事情は変わってきます。この写真を見て、美術館島(Museumsinsel)へ突然行きたくなったので、個人的には訴求力十分でした。どうでも良いのですが、Hätten Sie's gewusst? なんて TV 番組のようだなんて思ったら、かつて実際に存在したようです。このメールでは、かけ言葉として使ったわけではないと思います。

 

同じドイツでもオペラの広告は下火です。伝統的に夏休みの時期は、演奏家も愛好家も音楽祭へ引越し。オペラハウスは事実上空になるので、広告や連絡も一時消滅します。今年の場合、Bayreuther Festspiele を含めてほとんどの音楽祭は中止

Bayreuther Festspiele 2020 - umfangreiches Alternativangebot | Der Neue Wiesentbote

ですが、オペラハウスの空白期間はそのまま温存されているようです。新しい常態に対応しようにも、やり方がわからないのでしょう。6月下旬以来、メールは無し。

 

久しぶりに届いた Deutsche Oper Berlin の宣伝。近々行うプログラムです。

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社会活動が戻りつつあると言っても、感染予防には気が抜けず、オペラの苦しい時期は続きます。ただガストロノミーの関係者と異なり、彼らの社会的な身分は高いので、大量閉鎖、大量失業は考えにくいのが救いです。

 

9-10月の Deutsche Oper Berlin では、Nina Stemme が Brünhilde を演じるのですが、どこまで歌えるでしょうか。公演に駆け付けるのは、少々無理。

 

海外旅行を今計画するなら、アグレッシブとオプティミスティックは同じ意味になりますが、それでもいつのフライトを予約したらよいのか、判断は簡単ではありません。

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Die Spezialität meiner Oma(嘘)

渡航先はベルリン?

コンコルドルームカード送付の謎

仏英同舟で

フランスの金融機関からの郵便2通に交じって、The Concorde Room のロゴ入り封筒が到着。予期せぬ封書です。たぶん有効期間が延長された新カードか挨拶を兼ねたお知らせでしょう。

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サイズ、デザイン、紙質のすべてにわたりおなじみの封筒です。ただ手触りで、カードが入っていることはわかりました。

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コンコルドルーム閉鎖とありえる BA の措置

BA は LHR のラウンジを 3月22日頃から 7月 3日頃まで全部閉鎖していました。その後、半分ぐらいオープンしましたが、The Concorde Room は現在も閉鎖を継続中です。Terminal 5 の Galleries First の一部が Terrace として区別され、同ターミナルを出発するファーストクラス利用者と The Concorde Room Card 保持者が利用できる空間になりました。 The Concorde Room は代替ラウンジが設けられたことになります。

 

コロナ禍のため世界中でフライトが大幅減便~ゼロになり、空港ラウンジ等の地上サービスも大幅削減。各社とも自社マイレージ会員へ補償措置をとりましたが、BAの場合、

・会員資格の1年延長

・次回の会員資格更新に必要な tier points は通常の75%に削減

・獲得したアップグレードバウチャー等は6ヶ月間有効期限を延長

が発表されています。バウチャーや GGL Redemptions、5万 Avios 獲得のために必要な tier points は割引されないようです。

 過去の例を見ると、The Concorde Room Card はゴールド会員にならなくても、年間の tier points が 5,000 に到達すると送付されるようです。したがって会員資格ではなく、バウチャー類の扱いです。すると今現在も獲得・更新に 5,000 pts 必要で、このコロナ禍においては恐ろしく高いハードルです。

 

BA はこのカード向けのサービスを3ヶ月間提供しませんでした。JFK では全 BA ラウンジの閉鎖が続いており、カードは相変わらず無意味です。こうした状況を考えると、2020年3月に有効で7月も有効なカードを持つ会員には、最低でも3カ月の期間延長が欲しいところ。会員資格と同様、ざっくりと12ヵ月延長という処置もできますが、会員資格の場合、多様なサービス、他社への会員流出の阻止などが影響する一方、このカードについてはそれらの因子を考える必要がありません。

 

御開帳

さてどんなカードを送ってきたのかと、封筒を開けました。有効期限は2022年2月末になっています。

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7月の文書が何故今頃届く?という疑問はもっともです。フランスからの郵便も 7月16日付でした。ヨーロッパからでも郵便物は3週間必要なのが現状です。

 

現有カードから 1年間の延長となりました。会員資格延長と同じ処理です。

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19カ月も有効な The Concorde Room Card なんて、イミフと言うか、かなりの珍品。

 

しかし腑に落ちない点が多すぎます。第一に別の処理があった会員が存在すること、(下記のとおり、コメントを頂きました。) それからこの処理に関して BA の発表はなく、メールの事前連絡もないこと。そして送り状がその体を成していないことを指摘できます。

 Congratulations で始まる送り状。この一語で十分変です。このカードの新規獲得者には良いでしょう、更新*でも違和感があり、補償では全く不適当です。本文を読んでも、このカードを送る理由が分かりません。内容のほとんどは閉鎖中の The Concorde Room のサービスの紹介であり、あたかも正常営業中のよう。この点は明快に偽りです。どうも昨年まで使っていた新規獲得者向けの文書を送ったようです。「手紙ぐらいちゃんと書けよ」と言いたくなりますが、疫病対策で会社が大混乱、少数会員のために起草する余裕はないのでしょう。

*: 更新ならば、ロイヤルティへの感謝を述べるのが典型ですが、それはありません。なお本年度の搭乗実績は 5,000 tier pts からほど遠く、通常更新はありえません。

 

謎はそのまま

GGL 会員資格については、有効期限を延長したカードは受け取っていません。BA は電子データの更新で済ますようです。しかし The Concorde Room はカード提示必須のアナログ世界。カードを受け取らないと、何も起きません。

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そういう性質の特典なので、同じ条件の会員全員に送ったのかどうかも不明です。公にはできない基準で会員を選んで、送付しているという可能性もあります。

 

もっとも文句があるわけではありません。手に入れたらこっちのモノ。有効活用させてもらいますが、それはいつから可能になるのでしょうか。

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新しい伊丹空港北ターミナル

長らく改装工事を行っていた伊丹空港も、8月 5日にグランドオープン。客が出入りする場所は工事が終わったようです。新装開業なら見学する他ないと、行ってきました豊中市蛍池西町 3丁目555番地。

 北ターミナルのチェックインホール。大阪(伊丹)―大分という路線をアピールするために作成したポスター?

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大分へはANAJALも飛びます。

この写真、夕日のようですが、広い水面の先に水煙に霞む山影が見えます。こんな場所が大分にもあるのですね。意外さを突いたことがポイント。

 この壁は北ターミナルの南端です。2階部分に昇るエスカレーターを挟んで、こちら側は国際線乗継ぎカウンター、自動チェックイン機が並びます。利用客はほとんどおらず、閑散としています。8月の多客期がこれですから、コロナ禍の影響は大したもの。

 

ちなみに北ターミナルの中央部分は一般的なチェックイン。北側部分は団体受付。さらに北側、改装前に到着ホールだった場所は現在レンタカー業者が集積しており、レンタカープール(と呼んだ方がそれっぽいかも。レンタカー駐車場。)を挟んで、その前が長距離バス乗り場となりました。長距離バス乗り場には待合室も完備。その周辺から先にかけて、レンタルバイク、カーシェアリングの施設があります。

フロアマップ | 大阪国際空港(伊丹空港)

近隣へのバスは、北ターミナル、中央ブロック、南ターミナルの前にずらりと並ぶ12もの乗場から出発します。モノレール駅は中央ブロックに直結。

 総合すると「地上の足」に関しては、北ターミナルの方が明らかに便利です。南ターミナルでは、近隣へのバス乗り場の先に国交省の施設があり、それは一般人には無関係。ターミナルの面積は南北で変わらないようですが、南ターミナルは北より混雑が激しいようです。

 地方空港では、ANA 利用客は相変わらず不便かつ窮屈な状態を強いられています。ANAは羽田だけ熱心という批判が当たっているのか、国交省のさじ加減に問題があるのか...。たぶん両方でしょう。

 

近隣へのバス路線は、ほとんど復活しました。

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近距離バスの timetable

田辺に行っても同志社大学ぐらいしかなく、どうせ大学はほぼ休みなのでこの路線の運休は理解できますが、関空行が運休というのはどういうことですか。

 

さて北ターミナルに到着すると、1階でチェックイン。その後2階に昇り、体温計測と保安検査を受け、問題がなければ搭乗ゲートへ行くことができます。JGCのおっちゃん・おばちゃん、ダイヤ様、そして F客は2階に専用チェックインエリアがあります。南ターミナルも基本的には同じ構造をしています。

 

保安検査入口前にも、商業施設があります。

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The GIFT HALL

The GIFT HALL というエリアに、本屋(map 224)と土産屋(map 226)が同居しています。本屋はHMV大垣書店ではありません。「ふんっ!」なんて思っても、顔には出さないように。

 土産屋は諸国屋という名。空港の近所(伊丹、箕面豊中)の特産品も置いています。その他の商品も、なかなかディープな感じがするものばかりでした。

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特産品各種

551 を売る店ばかりでも困るので、これは良い傾向。それから「ある時~、ない時~」は、家帰ってからやって下さい。

 

体温計測+保安検査の直前に一休みしたければ、上島珈琲店(map 223)があります。からふね屋とか、イノダはありません。「ふんっ!」なんて思っても、顔には出さないように。

 他には本格的な靴修理の店(http://resh.tv/ map 225)ができていました。このターミナルの2階は改装前、ビンテージワインの専門店がありましたね。趣味に走っています。

 

保安検査後、フードコートに出ます。美々卯(map 289)も入っています。南ターミナルでも同じようなフードコートが設けられたようですが、スタバ(map 262)が入ります。北ターミナルでこれに相当するのは、MAISON KAYSER の喫茶(map 286)。ANAJAL の客層の違いを意識して出店が調整されたことは明らかです。

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なお空港はフードコートとは呼んでおりません。

この一角には物販店もいくつかあります。写真奥に見える TABITUS+(map 285)は、JALグッズや模型の販売。今のうちだけかもしれませんが、10万円超の大型模型も販売されています。2009年発売の oneworld エコバッグは売れ残りでしょう。

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TABITUS+ と MAISON KAYSER

土産品を扱う旅・SORA(map 280)内に宇治茶専門店の出店もありましたが、そんなものより ITAMI Marché BLUESKY(map 283)でパインアメに目を奪われました。改めて調べてみたら、この穴あき飴は 1951~53 年頃からあるようです。

 

フードコートの先は JAL ラウンジの入口。その先には総菜弁当販売のSORADELI(map 291)、高級バー兼食品販売所の Grand Bleu(map 292)、天然本マグロありそ鮨し(map 293)が並んでいます。

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改装の目玉、Grand Bleu

Grand Bleu については、数日前記事で紹介しましたが、ドリンクメニューは必見。

https://grandbleu.jp/data/drink.pdf

 

空港でひと山当てようと考えているのかどうか、ありそ鮨しは羽田空港第3ターミナルにもあります。福井の旅館が母体のようです。

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ありそ鮨し

本マグロにぎり寿司と空港出店という組み合わせは、10~30年ぐらいで推移する流行を読んだ賢いやり方かもしれません。外国人が戻るともっと繁盛するでしょう。

 

フードコートに連続する和食・甘味の京出汁おいなり釣狐(map 290)は、Grand Bleu や ありそ鮨し を向いて店が開いています。しかも専用席が多数あるので、これらの高級ダイニングと共に高級な一角を形成しているように感じられます。

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おいなり釣狐

 

工事中の区域も残っています。8月5日グランドオープンの直前まで BLUESKY が営業していたエリアです。

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BLUESKY@ITM, aujourd'hui.

BLUESKY は、フードコート付近にある ITAMI Marché BLUESKY(map 283)に進化したようです。南ターミナルでも、ANA Festa が新装開店(map 254, 265)しています。BLUESKY も ANA Festa も保安検査後のエリアにありますが、出発前に両方回ることも一応可能です。

 

保安検査後のエリアでは、長らく休業していた靴磨きコーナーも営業再開していました。従来通りの「仮設」です。

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クラシックな靴磨き

こういうニュースは新装オープンと同じぐらい、あるいはそれ以上にうれしいもの。「仮設」だからか、フロアマップには掲載されません。15-16番ゲートへ向かう通路と14番ゲートの間でゲートとは逆側の壁に沿って設置されていました。

 

愛好家以外は目に入らないだろう「例のあれ」も健在です。靴磨きコーナーの横、人目につかない片隅に置かれていたことは残念です。

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例のあれ

最近 #ハメチャレ hashtag on Twitter も活動報告がなく、この種のアトラクションは歴史的な役割を終えつつあります。伊丹の「例のあれ」は大阪くらしの今昔館(大阪市北区天神橋 6丁目4-20)に収納される日まで、現役で活躍して欲しいものです。

専門の壁が厚く高いドイツ

ベルリンの Gleisdreieck 地区には、公園扱いされる広大な空き地 (Park am Gleisdreieck) があります。Potzdamer Platz から来る S-bahn が地下から出現する直前の土地なので、建築が制限されているのかもしれません。Gleisdreieck の駅名が線路の交差に由来すること、そしてこの土地の形状から、かつてこの一帯は鉄道施設だったようです。更地にした後、放置されているようにも見えます。

 ベルリンには奇妙な空き地がいくつかあり、調べてみると亡霊のような歴史が出て来ることも稀ではありません。それは別の機会に記事にしたいと思います。というか、そのために写真を撮りたいのですが、COVID-19/武漢肺炎のせいでベルリンへ行けません!

 

話を Gleisdreieck 公園に戻します。それはどんよりと曇った冬の朝でした。工事のため、普段は通行できる場所が通行止めになっていました。そこに掲げられた立て札。

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A3ぐらいの大きさの紙をパウチしてあります。現地現状に則して説明がなされ、それは簡潔かつ親切です。問題は距離の数字の上に鋲が打ってあること。これは市の告知書の数字をマスクするという暴挙です。外国人には、余りにも粗雑な仕事に見えます。

 

なぜこうなったかを想像するに、複数の専門家がなした仕事だからでしょう。正しく効果的なドイツ語の文章を作成、フォント、文字サイズ、改行幅、レイアウトを最適化した「御触書」を作成する事務員。季節と掲示場所から最適な立看板を選択し、滅多な事では外れないよう「御触書」をガッチリ固定、最適な位置・方向に配置する用務員。共同作業では各人の任務と責任が明確であり、他人の能力に敬意を払うことは基本。口を挟むなんてあり得ません。あらゆる分業はかくあるべきドイツ。文書作成の専門家は掲示物の留め方に興味を持たず、立看板鋲うちの専門家は文字に興味を持たず、それぞれ完璧な仕事をします。その結果が出来損ない。これぞドイツ。

 職種により要求される能力が異なるのは古今東西どこでも同じですが、ドイツの場合は教育と経験が仕事内容と緊密に関連づけられます。例えば経営学士や経営学修士の取得者は、そのままでは一般秘書業務はできません。そういう社会なので、誰しも専門外=担当外の作業に関心がなく、また遂行能力もありません。一連の作業が終わると穴だらけとなる場合は、点検の専門家を置くことになります。

 

ドイツの鉄道は日本と比べるまでもなく、フランスに比べても定時性が劣り、信用できない公共交通手段となっています。鉄道の信頼性が低いのは、専門性への過度の依存が原因であるような気がします。

 

鉄道は高度な技術を複雑に組み合わせたシステムです。一人の人間が理解し、正確に遂行できる仕事の範囲は限られます。こうしたシステムでは、隣のセクションのことが気になって、相互に口出しするような組織の方が全体としてはうまく機能します。

 専門家もミスをします。専門家ならではの誤りもあります。ドイツではそういう場合、深刻な事態に陥ることが容易に予想できます。専門家が優れているセクターほど専門性へ依存が過度になり、fail-safety が機能しなくなります。そして個人を見ると、彼らは一般に専門(と自分が興味を持つこと)の知識に優れ、教養がお寒い気がします。

 保線車両の片付けが忘れられ、そこへトランスラピッドの車両が衝突、23人死亡したとか、200 km/h で走行中の ICE が車輪の断裂を起こし、脱線、衝突、大破、101人が死亡したとか、考えられないような鉄道事故が起こるドイツ。これは様々な作業をそれぞれの専門家が行い、相互に口出しないシステムの中、どこか一箇所でミスがあったためだろうとにらんでいます。

 

一方でドイツの鉄道では人間味を感じさせる対応を受けることが多く、助けられたとか、ほっとしたという経験は珍しくありません。人間的な対応と運行の正確さは大まかに言って相反しますが、その均衡点は国によって異なります。このため、外国の鉄道の評価は低くなるというバイアスはありそうです。

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しかしいつになったらドイツ国内を DB で旅することができるのでしょうか。いまだに見通しが立ちません。しばらく国立歌劇場にも行っていないし、Pechedenfer の拙いドイツ語は朽ち果てそうです。

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ヒースロー Terminal 5 でのサービス向上(追記)

COVID-19の日々の感染件数が記録更新したという「賑やかな」ニュースがまだまだ続きますが、皆様におかれましてはますますご健勝のこと、お慶び申し上げます。

 

さて前の記事を出した後で一杯やっていい気分になっていたら、はるか彼方から「あの写真はターミナル3 では?」と玉を転がすような声、続いて「懐かしい」とすすり泣きも聞こえてきました。

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あの写真

確かにこれは JAL42便の客がさんざんお世話になった Terminal 3 Galleries ラウンジです。JAL が Terminal 5 へ引越したため、JALの顧客が哀惜を覚えるラウンジです。

 そういう因縁のラウンジですので、前の記事にこの写真が使われても不自然ではありません。しかし改めて記事を眺めてみると Terminal 5 が主題なのに Terminal 3 の写真ばかりになっていました。さすがにこれは雑。写真を総入れ替えしました。

 

残念なことは、ちょっとやそっとのことでは LHR に行けないので、すべて 1~ 3年前の写真だということです。掘り出すには時間がかかりました。

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The Concorde Room

いつになったら LHR は正常化するのでしょうか。

 

実はCOVID-19の流行、より正確にはCOVID-19流行に起因する混乱は、急激に終息に向かうのではないかという気がしています。

 日本の状況は、検査数を増やすと検出数が増えるという当然の結果を確認している段階。知恵の足りないジャーナリストに餌をまいている最中です。一般人もメディアの本質を改めて意識し、トリックには慣れてきたようで、陽性率を気にする人が増えているようです。

 陽性率が 5%程度で増加傾向にないなら、常時一定少数が感染して、同一割合が治っている定常状態(≠ 平衡状態)です。死亡率は下がる一方になり、ありふれた感染症に向かっています。大方の予想どおりの結末を迎えつつありますが、意外に早い展開という気がしました。恐ろしい感染症は多いのですが、凡人は要所要所に注意して*平然と暮らしているわけです。COVID-19に対する恐怖がそれ以下へランク落ちする日は、確実に近づいています。情報化の時代。汎世界的な意識変化が、過去に比べて桁違いに早くなっても驚くにはあたりません。

 少し心配なのはワクチンのこと。皆が感染症に馴れれば、ワクチンの需要は極端に収縮します。加えてその効果がインフルエンザ用のワクチン並みだと、興味が失せるでしょう。開発費用は回収できるのでしょうか。

 多くの命が失われ、四半期の死亡数に有意な差が出た欧米ではワクチン開発もやらざる得なかったのでしょうが、そうでない日本で取り組みが低調だったのは理知的でした。時には資本の論理が一番まともだったりします。

 次は医療資源の無駄遣いをなくすことですね。意識変化を加速することが有効ですが、拙速なことをやると、誰も政府のことを信用しなくなるでしょう。難しいものです。

*:行動がおかしな犬には近づかないとか、夏には近づくなと言われる藪には入らないとか、生活の知恵みたいな意識に感染予防の鍵があります。COVID-19 の流行期なら、都会で活発に活動する若者は祖父母に直接会わないとか、肥満や糖尿病でない個人はインフルエンザ並みの対策を続けるとか、そんなレベルのことを意識すれば、大方の悲劇は避けられるのではないでしょうか。

 

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ヒースロー Terminal 5 でのサービス向上

ロンドン・ヒースロー空港LHR)のターミナル 5(T5) は、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の専用ターミナルとして開業。途中経営統合した IB が入ってきたものの、基本的には COVID-19 の汎世界的流行(Tedros Pandemic)の前まで BA のターミナルでした。T5 も疫病禍のため 3月下旬には開店休業状態になり、BA ラウンジも全て閉鎖されました。7月に入り BA は運航の再拡大を始め、一部ラウンジの営業が再開されました。これは予想できます。しかし T5 には驚くべき変化も起きました。アメリカン航空(AA)、JALカタール航空QR)の移入です。そしてこの 2つの出来事はリンクしていたのでした。

 なお以下の写真は、全てパンデミック前のものです。

 

7月以降の T5 ラウンジと利用航空会社

T5 のラウンジでは、現在 Galleries South Club, Galleries North Club, Galleries First が営業しています。到着ラウンジも7月に再開したのですが、客が少なすぎて再閉鎖になりました。これらは BA のラウンジです。

 象徴的な空間 The Concorde Room(CR)は依然として閉鎖中ですが、ここにアクセスできる客(T5の出発客のうち、BAのファーストクラス搭乗客(F 客)、The Concorde Room Card(CRC)の保持会員、Premier 会員)のために、Concorde Terrace が Galleries First の一角に設営されました。

Welcome back on board FAQs | British Airways

 

Concorde Terrace は CR の代替空間ですが、後継になるかどうかはわかりません。CR は良い場所にあるので営業再開すると信じているのですが、BA は今後について何も語っていないようです。

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The Concorde Room, entrance

 

AA, QR, JAL の引越しは、それぞれ 7月7日、21日、29日と少しずれていますが、どう考えても一つのグランドプランが存在しています。そして フィンエア(AY)も 8月中旬の移動が予定されています。

American Airlines moving into Terminal 5 at Heathrow: Travel Weekly

Qatar Airways and Japan Airlines (JAL) to move to Heathrow T5

こうして T5 は BA 専用から、BA, IB, AA, QR, JAL, AY が集まる oneworld ターミナルへと変身を遂げます。ただし oneworld 他社の移動の予定はない模様です。

 

T5 利用客へのサービス向上

ラウンジについても革命が起きています。

Concorde Terrace は AAの F 客と Concierge Key 会員も利用可能

になりました。

American Airlines ConciergeKey Changes: Concorde Room Access And Extra Confirmed Upgrades - View from the Wing

CR が極めて排他的なラウンジだったことを考えると、大きな方針転換です。

 Concierge Key は招待制の AA 最上級会員。基準は非公表です。50,000 USD + 300,000 miles 利用しても招待が来なかったケース、45,000 USD 使って 100,000 miles しか飛んでいなくても招待されたケースが報告されています。

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AA@LHR T3

映画 Up in the Air の主人公の中年男は、Concierge Key 会員という設定ですが、映画の予告編(公式版)

https://www.youtube.com/watch?v=rTL1FmvVCuA

は、「会員カードを見せたら、ナンパ成功!」という風にも見えます。そんな神通力があったとは!ですね。

 

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LHR T3, waiting hall.

BA や AA の公式説明はないようですが、T5 への AA の引越しは、BA, IB, AA が行う大西洋横断のジョイントベンチャー(JV)の効率化以外の何物でもありません。航空券の販売会社や搭乗機の運航会社が違っても、一定のサービスが受けられることが JV の価値を高めます。Concierge Key 会員と AA の F 客を、相当する BA の顧客と同様に迎えるのは JV では質の向上。CR や Concorde Terrace の利用客拡大は、ほとんど論理的な帰結なのでした。

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Membership levels AA


日本の客、特にJALの会員が期待できること

BA と IB は JAL と AY と共にユーラシア横断の JV を行っています。そして T5 に JAL は引越し済み、AY も近々引越しと、AA との大西洋横断 JV と同一の処置がとられます。となると、JAL や AY の会員、それらの運航便の利用客には、AA の場合と同じ処遇が待っているはずです。すなわち高い確率で、

メタル会員、Platinum Lumo会員、JAL の F 客は、CR /Concorde Terrace へ招待

されます。oneworld のサイトで Concierge Key と Platinum Lumo は表示されるのに対して、メタル会員*のデータはないので心配ですが、JAL か BA が何とかしてくれるでしょう。JAL便の F 客については間違いないと思います。

*:この名称自体、通称だったように記憶しています。

 

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Membership levels JAL


ヒースローが世界一のプレミア空港であるとはいえ、日本の居住者には数ある大空港の中の一つに過ぎません。そしてこの記事で取り上げた T5 でのサービス向上はハイエンドの客だけが享受でき、大多数の客にはあまり縁のない話。しかし明るくなる話です。昨今の状況ではロンドンへの渡航自体が困難なので、なかなか確認できないことが残念です。

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LHR T5

 

相対的にはイメージ向上

SkyTeam ではデルタ航空、AF-KLM、アリタリアが大西洋横断 JV を行っていますが、T5 に見られるハイエンドの共通サービスは存在しません。Star Allianceでも Lufthansa mit seinen Knechten、ANAシンガポール航空が F 客および最上級会員への共通サービスを提供しています。しかしそれは oneworld ではエメラルド会員への共通サービスに相当し、oneworld の方が系統的で内容も充実しています。他の JV では、BAが提供する高いレベルのサービスはほとんど実現不可能なのです。

 もっとあからさまに SkyTeam と Star Alliance を引き離したと感じられる点もあります。LHR の T5 が JV の中心として格段に目立つようになったことです。「BA ばかり...」という批判はさて置き、SkyTeam と Star Alliance は LHR T5 のようにブランドイメージを牽引できる「世界の極」を持てそうにありません。Brexit も後押しした感がある T5 への集約。長距離便がより幅を利かすターミナルになり、UKの民にもかつての陽の沈まぬ帝国を想起させることになるでしょう。それはそれで、T5 を特別な場に仕上げます。この相乗効果は、BA にとってはもちろんのこと、AA, JAL, AY にとっても都合良く働きます。

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LHR T5, waiting zone.


もっとも T5 の inauguration を行ったのは Queen Elizabeth II。格の違いが顕在化しただけなのかもしれません。

パリと大阪では復活の狼煙

Flying Blueのプロモアワード

8月 1日の記事で「この月替わりの特典航空券プロモーションは、おそらくその後実施されていません。今月も皆無。」と書いた特典航空券のマイル割引プロモーションですが、記事をアップロードしたとたんに復活しました。

キャンペーン - バス代わりの飛行機

今年の 3月以来死んでいた特典航空券のプロモーション。デスノートならぬ復活ノートとなった「バス代わりの飛行機」でした。

 

内容は、エールフランスのサイトで見ていただければわかりますが、

・CDG利用のフランス国内便とCDG利用のヨーロッパ便のみ

エールフランスのみ

です。中長距離路線はまだまだ復調から程遠いためか、プロモーションは皆無です。とは言うものの、国内線、欧州線のプロモとして見ると、対象路線はいつもの2、3倍にもなります。

Promotions billets Miles Flying Blue

伝統的にこのプロモーションは、

・月替わり

・月の終わりまでに予約

・次月から次々月に搭乗

という型がありました。今回に関していうと、8月31日までに予約という条件は型どおりですが、搭乗期間が2020年 8月 1日から2021年 3月31日までと、異例の長期間にわたっています。

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予約の期限が今月末ということは、来月は別のプロモーションが行われるのでしょう。少しずつ元に戻るようです。この感じは心地良いものです。det Uudslukkelige...

 

新装オープン

本日、ターミナルが全面オープンになったはずです。新生伊丹空港

GRAND OPEN | お知らせ | 大阪国際空港(伊丹空港)

ウエブサイトを見ると、フロアマップや商店・飲食店の案内がすべて更新されています。土産物では、地元自治体(確か箕面市伊丹市は見ました。)の特産品が並べてある諸国屋が面白そうでした。北ターミナル2階の保安検査入口の前にあります。

諸國屋 | ショップ | 大阪国際空港(伊丹空港)

北ターミナルの保安検査後は、JALラウンジ入口近くの Grand Bleu* が気になる存在。改装前の伊丹空港からは想像もできない空間が出現しています。

[公式]ラウンジ&バー グラン・ブルー伊丹空港店 | 伊丹空港(大阪国際空港)

酒のリストを見ると、ロンドン・ヒースロー並みなのです。今なら Dom Pérignon のボトルが特別価格で提供されるようですので、DPラウンジの酒に飽きたとか、金を持っているように見られたいとか、伊丹の再始動を祝わなくては気が済まないとかいう方はぜひご注文を。

 ナパのケンゾー農園のワイン7種飲み比べの他、灘五郷から限定流通品の蔵出し直送4種などと意欲的な試みも見られます。

 ウイスキー派は、響30年、山崎25年、竹鶴25年などをショットで。カクテルも一通り揃えているので、軽口が好きな方々の”Shaken, not stirred.”にもたぶん対応**してくれます。本格的なバーですが、このレベルが保てるかどうかは客次第。

*:今からでもいいから、定冠詞 Le をつけて欲しいところ。

**:刀を持たずして切り捨てる動作をすると、斬られた演技で応じる大阪。手拳銃で打つ動作をすると、射殺された演技で応じる大阪。この様式美が、カクテルの注文でも現れるなら尊敬します。もっともここは神戸のホテルの系列なので、この方面で過大な期待は禁物です。

 

なお南ターミナルの保安検査後のエリアには、スターバックスが開店します。SFCを持たない ANA の顧客も今後は過ごしやすくなります。客層をよく考えた店舗の配置で感心しました。

 

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空旅客の落ち込みはどん底を脱しましたが、復調にはしばらくかかりそうな伊丹空港。逆風の中の再出発には違いありません。空港利用客は、贅沢して応援ですね。