バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

賑やかな買収と共同事業、影が薄くなる航空連合

航空会社が他社と協業するにあたっては、買収、ジョイントベンチャー、航空連合の結成・加盟などの方法があります。おおむね「親密な」方から、緩い関係に並んでいます。

 

買収、統合・吸収、資本参加など

昨年10月、ブリティッシュ・エアウエイズ (BA) の親会社 IAG は、エア・ヨーロッパ (UX) を買収することで Globalia Corporacion Empresarial S. A. と合意しました。スペインではすでに大手イベリア航空 (IB) は IAG 傘下。さらに同じスペインからフルサービスキャリア大手の UX が加わることになります。言ってみれば、スペインの空は IAG のものに。

 IAG は他にアイルランドエア・リンガス (EI) も有しており、支配圏がヨーロッパの西側から島嶼部に広がる大きな航空グループになります。

f:id:PECHEDENFER:20200103135044j:plain

 

内情は BA、IBが oneworld 加盟会社、EI はoneworldから脱退の後、独立していました。IAG傘下になるも現在は加盟予定なし。UXは Skyteam です。IAG の意向が報道されていますが、現在のところ

エア・ヨーロッパのブランドは維持

・LATAMが oneworld を脱退することにより空白化する南米路線の強化

・Iberia と合わせて路線の整理

マイレージプログラムの整理

を考えているようです。IAG は スペインの LCC Vueling (VY)、LEVEL (LV) の2社も有するスペインの会社。本社所在地はマドリッド。大胆な改革が暗示されます。

 

UX は2007年に Skyteam のアソシエートメンバー、2010年から正規メンバーになった歴史を持ちます。もともとエールフランスー KLMの一派でした。マイレージプログラムもフライングブルー (FB) でした。ところが FB のマイル金額制への移行が内部で固まった頃に FB を離れ、独自のマイレージプログラム SUMA を立ち上げています。

フライングブルーの縮小 - バス代わりの飛行機

SUMA は発足当初から金額制でしたが、マイルの換算比率は他に例を見ないぐらい低いもの (2 miles/euro) でした。後日修正され、FBより少し良くなりました。この経緯を見ると FB に留まっていても良さそうなものです。AF-KLMにうんざりして、独自路線を敷きたかったのでしょう。

 

この脱退4年後には、UX は IAG 傘下つまり BA の一味になるのですから、AFはしてやられたりというところ。その期間、自分たちの経営状態が一向に芳しいものにならないので、子分がとられることなど気にしている場合ではありませんが...。

 

航空会社の勢力図の塗り替えは世界中で起きていますが、資本に国境がなくなったEU圏内で買収・統合が盛んです。ルフトハンザグループは、スイス、オーストリアそしてブリュッセル航空と経営統合。接尾辞はドイツ航空から大ドイツ航空に変えた方が良さそうです。西では IAG が拡大を続けます。間に挟まれた AF-KLM は アリタリア に接近して痛い目に会い、その後元気がありません。最近になって MH の49%を買うとマレーシア政府に提案したようです。AF-KLMはどこを向いて走っているのでしょうか。

 

北米に目を向けると、2010年代前半がフルサービスキャリア再編の時代でした。Northwest が消え (2010 by DL)、Continental が消え (2012 by UA)、US Airwaysが消え (2015 by AA)、一段落ついています。今は「Alaska と Hawaiian との合併だ」などと大胆に予想する人もいます。

 

共同事業、共同運航

他地域でのビジネス拡大を容易にするための手段として、買収、統合は普通ではありません。どの国も航空会社に関しては、ほぼ確実に外資規制があります。米国の会社も、国内の統合・再編が一段落ついた後は、JV や共同運航を活発に進めます。Deltaと大韓航空中国東方航空との協業は東アジアでは印象的でしたが、今は南米路線がビッグ3の競争場所。

 日本では JAL が近年 JV に熱心です。新生 JAL は欧州路線で AY、BAと、北米路線で AA と JV を行っていました。昨年10月には太平洋路線でハワイアンとの JV が DOT に却下、再申請したようです。マレーシア航空との JV は、日マ当局の独占禁止法適用除外の認可を受けました。25%の資本参加の裏付けもあるようです。ただしここにきて AF-KLMの「横やり」提案が入り、話が怪しくなってきました。ガルーダインドネシア航空との間でも JV を進めています。一方で自社運航による路線網拡大については、ANAより慎重に見えます。

 その ANA もヴァージンオーストラリアと広いコードシャアを行うことを発表。それに加えシンガポール航空との JV も噂されています。過去には10億円を出資*、ベトナム航空のパートナーをJALから自社へ替えさせたように、ANAも必要な場所ではしっかり協業を行います。

*:Airbus の A380 のカタログ価格は 600億円。商売道具1つの60分の1の金額で、パートナー会社はライバルに取られます。モノの値段が良くわからなくなるような話でした。

 

IAG も買収大好きと言うわけではありません。上の例でも BA は JAL, AY, IB (日本に再就航した時追加) と日欧線 JV を行っているし、大西洋路線ではAA, IB, AYと同様のJVを行っています。カタール航空中国南方航空ともそれぞれ個別にJVを行っています。

Our partnership between Europe and Japan | Information | British Airways

Our partnership across the Atlantic | Information | British Airways

Our partnership with Qatar Airways | Information | British Airways

Our partnership with China Southern | Information | British Airways

ルフトハンザグループの LH, LX, OS は大西洋で AC, UA と、日欧で ANA と、東南アジア・西太平洋で SQ と、中国で CA と JV を行っています。

Lufthansa Group: Joint Ventures

f:id:PECHEDENFER:20200103134926j:plain
 

航空連合

ロイヤルエアモロッコoneworld 加盟は、2020年4月1日と発表されました。oneworldはアフリカに初の足掛かりをつくることになります。三大航空連合での新規加入は、ほぼ6年ぶりです。

 一方で脱退は頻繁に起きています。アビアンカ・ブラジル (2019)と アドリア航空 (2019) が Star Allianceから、エア・ベルリン (2017)が oneworldから、中国南方航空 (2018)が Skyteamからと、最近3年間に4社も消え去っています。このうち最初の3社は会社が破綻したケースですが、中国南方は十分元気。つまり「Skyteam は不要」と出て行ったわけですから、問題は深刻。さらに近い将来 LATAM の oneworld 脱退も確実視されています。これは デルタ航空の資本参加 ⇒ デルタとの協業 ⇒ oneworldが邪魔というconséquence。

 寡占を伴わなわずに世界中の都市を滑らかに結ぶというグローバル航空連合の発想は素晴らしく、21世紀初頭から15年ぐらいは機能したようですが、どうも逆風が吹く時代になったようです。

 

f:id:PECHEDENFER:20200103135625j:plain

3大航空連合がこのままジリ貧になるかどうか、第二幕ですね。

Vieux renards qui hurlent avec les loups

DRKの足跡がウィーンで見つかっていますが、そこには Die Presse の一面が写り込んだ tweet。表題を見ると、トランプ*がダボスに来る(あるいは来た)のかなと誰しも思いますが、ウェブサイトで続きを読むと確かにトランプの主張に関する記事でした。

f:id:PECHEDENFER:20200123181530j:plain

https://twitter.com/limken21/status/1219917169854644226

*:「象」に定冠詞が付いていますから、そういう人物との定評があるのでしょう。現職米国大統領がドイツ語圏でどう見られているかが、表題から伝わってきます。常々主張していますが、現地新聞はその言語能力が低い人にも有益。

 

この「陶磁器店の(中の)象」という表現。よく (sich) wie ein Elefant im Porzellanladen (benehmen) と整理されますが、派手というか、大げさ過ぎて記憶に残るものの、使う機会はなさそうだと思っていました。それをツイッターの写り込みで見るとは、わからないものです。こういう「良く知られるけれども滅多に使わない慣用表現」は意外に多いのですが、記事の表題、商品の名前**、お店の名前向けですね。

**:調べてみたら、Elefant im Porzellanladenというカードゲームが見つかりました。

 

象と言えば、

aus einer Mücke einen Elefanten machen

はフランス語

faire d'une mouche un éléphant

とそっくりで、意味が同じ(=針小棒大に言う)ようですが、蚊がライン川を境にして蝿に変身しています。...fand sie sich an der Grenze zu einem ungeheueren Ungeziefer verwandelt.ご愁傷様。

 

本日は会員資格の話

f:id:PECHEDENFER:20200124141235p:plain

フルサービスキャリアはブランド商売の性格が強く、高級なイメージをまといたがります。鉄道やバス路線と比較すれば、明らかに際立った性格です。高級イメージがつきまとう場には、他と違う扱いを受けることに価値を感じる者が特に集まるらしく、商売人たちはオマケや会員資格を与えたりと、本質ではない「付加価値」の開発に知恵を絞ります。この点で高級車販売とか、ブランドショップなどと似ています。

 国(や集団)の所得がある程度以上になると、客層が膨大になるのがこうしたブランド商売の特徴。自分たちでは高級と言ったり、言わせたくても、客層は大衆以外の何者でもありません。ここが商売のポイント。会社としては膨大な数のターゲットを相手に、大衆の発想を大切にすることが肝要。一方で平凡、平均的な人が他と違う扱いを受けることに価値を感じるのは自然です。いつも大勢の中に埋もれていますから。

 

上級会員制度は、まさにその辺を狙った商売の典型。航空会社が平凡な発想をする人間を想定していることに注意し、会社の側なら何をしたくなるのか考えてみれば、警戒すべき点が浮かび上がってきます。

 

Flying Blueの生涯プラチナ会員

Flying Blueはマイルの金額制を導入すると同時に、上級会員資格のハードルを相当下げました。その時は上級会員が漸減していたのかと思いましたが、今では客離れそのものを恐れていた気がします。プログラムに合う新規会員を欲しがった跡もあります。例えば提携クレカをつくると、一年間ゴールド会員というキャンペーンを日本でも行っていました。

 AF-KLMの客の大部分は欧州にいます。そしてレガシーキャリアは中短距離では LCC に押されっぱなしなので、困るほど上級会員が増えることはないはずです。そもそもそういう設計になっています。問題は生涯プラチナです。ゴールド会員に比べれば圧倒的に数は少ないはずですが、それでもこのまま2029年を迎えると、生涯プラチナ会員は途方もない数になります。ハードルを上げてくることが予想されます。言葉は悪いのですが、一見良さそうに見える条件で飛びつかせておいて、抜けられないようにし、じわじわ搾取するのはラテン社会の常套手段。

 2005年の発足から2018年の金額制導入までプラチナ会員の基準は70,000 miles/年でした。当初はエコノミークラス利用でもほとんど100%換算だったので、東京—欧州5往復程度で維持できました。最後の10年ぐらいは25%まで換算率が落ちていたので、エコノミークラスの利用では、上級会員資格の維持が相当難しくなっていました。このブログでも2014~2015あたりは回数で、2016~2017あたりはマイルでゴールド会員を維持していました。少しマイル加算率が変わるだけで、維持が不可能になりました。有利な方法は頻繁に変わります。

 生涯プラチナ会員には、10年連続のプラチナ会員資格維持が要求されます。本気で考えるならいろいろな事態に対応できる心の準備が必要な気がします。2020年4月で新制度2年です。微調整はちょくちょく入っているので大きな変更はなさそうですが、小さな条件変更が大きな変化をもたらしてきたのがFlying Blueの歴史。注視しておく価値はあります。

 

JALのメタル会員

基準が非公表の招待制会員ですが、そのために話題となりがち。他と違う扱いを受けることに価値を感じる客には、垂涎の的。こういう人たちは受け身な発想をしがちですが、こういう訳の分からないモノを探る場合、客の立場は忘れて相手の立場から考えることが有用ではないでしょうか。

 航空会社にとっては多様なサービスを提供することが善なので、安定、充実した最上級会員サービスは実力の一面です。ざっと考えただけで、JL, AA, UA, DL, BA, AY, AF-KL, LH, SQ, EK などがそういう制度を持っています。明確な基準を持つプログラムもあるし、招待制で公表基準がないプログラムもあります。しかし次の2つの傾向に気がつきます。

 

・基準非公開の招待制から基準公表へ変わるプログラムは多いのに対し、逆はほとんどないこと

・基準非公開の招待制プログラムは、サービス内容も大部分非公開か、よく変化すること

 

つまり招待制で会員基準がはっきりしないプログラムは、制度調整中、サービス開発中なのではないでしょうか。最終段階で実地試験をやっている状況に見えます。そういう段階を想定すると、招待については

・既存の会員とは異なる基準で決める

・想定する上級会員をカテゴリー別にして、各カテゴリーに割当て数を設ける

・会員属性(職業、性別、年齢、居住都市など)を基準とする

・基準は流動的で、毎年変わる

など、試験らしいことを行なっているはず。しかしこんなことが表に出たら、他と違う扱いを受けることに価値を感じる客は平等に扱われていないと騒ぎ出しそうです。

 

しかし JAL を責めても仕方ありません。サービスを確立するに至っておらず、客相手に実地試験をしている状態なのですから。あくまでも彼らの能力不足。

 JAL国際線ファースト・ビジネスクラスを多用して年間1,000万円以上も落とす個人客とか、JAL国内線で東京と選挙区を週3回も往復する大物国会議員だとか、他の客とは一線を画すようなお得意様(=JALが興味を持つモルモット)だとメタルが降ってくるでしょうが、一般人がダイヤモンド修行の延長で取りに行くのは容易ではなさそうです。

f:id:PECHEDENFER:20200124141726j:plain

 

結局

上級会員制度は他と違う扱いを受けることに価値を感じる客向けのサービスとはいえ、違うことを追求するがあまり、極端なレベルを狙う時には注意が必要。大勢と一緒に、一般に言われることを復唱している方が安全、安心、安価なようです。

MH71:NRT-KUL ビジネススイート

再び搭乗しました。ビジネスクラスの基準で考えると、快適至極。非常に分厚いサービスが提供されます。マレーシア航空のことですから、MHUpgradeでバシバシ売ることはあっても、特典航空券には回さないでしょう。そのため客層も大人しいものです。

 

ということでなかなか良い旅が期待できるビジネススイート。

 

出発は成田。成田空港と言えば、 JAL ラウンジご自慢の寿司カウンター。注目度が圧倒的に高く、いろいろな人が報告、界隈で情報共有されており、定点観測が実現しています。

 冬スケジュールでは MH71便の出発は22:30です。ここにたどり着く頃には、握りのサービスは終わっています。目的地到着時刻が常識的なバイオリズムに近づくことを考えれば、寿司の有無は大した問題ではありません。

f:id:PECHEDENFER:20200121192430j:plain

事が終わっても空間がストーリーを語る日本の美。ここは日本なので、そういうしつらえは容易とは言え、良い演出です。しかしそれだからこそ、プリント合板の安っぽさが際立ちます。

 

電灯はイカ漁でもやり出しかねないような趣。サイズや出力は全く異なるので、あくまでも雰囲気。

f:id:PECHEDENFER:20200121192641j:plain

後は Georgia のワインぐらいですか。見るべきものは。ヨーロッパブドウの原産地は、コーカサスだとする説が有力ですが、まさにその地のワイン。

f:id:PECHEDENFER:20200121192838j:plain

日本からは少し行きにくい国が多いのですが、大手は結構飛んでいます。アエロフロートが便利でしょうか。

 

ほどほどにしてラウンジを後にします。

f:id:PECHEDENFER:20200121193308j:plain

新しくなるごとに内装が一段とチープになるJALラウンジですが、不届きな客が長居しないように、居心地を悪くしているのでしょうか。

 

出発は98番だった気がします。とにかくサテライトの端。第二ターミナルを奥深く進みます。おなじみの連絡通路のコンベアは一方通行。

f:id:PECHEDENFER:20200121193858j:plain

 

進むにつれて、何だか調子が変になります。風景がいつもと違うような。

f:id:PECHEDENFER:20200121193952j:plain

 

サテライト側に来たら変調は明らか。床も天井もあちこち剥がしたままになっています。床は直にコンクリートなので、キャスターの転がりはいつもより良好

f:id:PECHEDENFER:20200121194032j:plain

 

解体中と思しき空間を通りぬけないとマレーシア航空の一角には到達しません。優雅な海外旅行を想像してきた客には、なかなかのサプライズですね。

f:id:PECHEDENFER:20200121194141j:plain

料金の安いゲートしか使わないマレーシア航空に、「お前ら後回しね」と成田空港が意地悪しているわけではないと思います。 

 

さて堂々と改装工事を行う空港当局はさておき、聖地クアラルンプールへ行かなくてはなりません。次に待ち受けるイベントは優先搭乗ですが、ビジネススイートの前には、プラチナもダイヤもエメラルドもないというのが成田空港での運用。払った金を最大限意識したいなら、イの一番に搭乗するのがよろしいようで。いつもより反り返って、ドヤ顔でゲートを通過するのもありだと思います。目立つのが嫌いな人は、搭乗ゲートにはあまり早く行かない方が良いかも知れません。

 

今日のシートは1Kにしました。サイドテーブルにグラスを乗せた時、右側に来るという理由からです。グラスの置き位置を重視するなら、1Aより1K。1Gより1D。

f:id:PECHEDENFER:20200121194620j:plain

 

最近見たい映画が見つからないマレーシア航空。KUL-NRT間は夜間飛行が多いので、問題にはなりにくいのですが、残念な点。

 

出発前。言えば Champagne でもビールでも出してくれるとは思いますが、調和の点でウエルカムドリンクはアルコール抜きで。当たり前のことですが、アルコールの摂取に関しては日本よりずっと制限が多い国ですから。

f:id:PECHEDENFER:20200121195214j:plain

 

ワインリストは前回から変わったような気がしません。

f:id:PECHEDENFER:20200121195440j:plain

相変わらず Comtes de Champagne 2006 が載っています。Rully も悪くありませんが、ファーストクラスの基準だと少し弱いレベル。赤の Beaune は面白そうでしたが、結局試せませんでした。

f:id:PECHEDENFER:20200121195539j:plain

 

離陸後、シートベルト着用サイン消灯後のサービス。無難に見える Champagne。

f:id:PECHEDENFER:20200121195757j:plain

ナッツは皿に。しかし中身はビジネスクラスのものと同一。移し替えただけでしょう。

 

サテは個別にもってきます。ワゴンゴロゴロではありません。もっとも本日はビジネススイートのキャビンに客は一人しかいません。普段ワゴンサービスだったとしても、個人対応になったことでしょう。

f:id:PECHEDENFER:20200121200013j:plain

最近本数を聞かれることはありません。昔は牛鶏が6本ずつなんてこともあったのに、だいぶ減りました。

 

上空〇万フィートの饗宴とか言われがちのキャビアですが、(マレーシア航空に限らず)質は期待できません。これを選ぶ一番のメリットは、食べるのが面倒なことでしょうか。時間をかけて、手を盛んに動かざるえないので、たくさん食べたような気になることです。要はダイエット向け。

f:id:PECHEDENFER:20200121200259j:plain

 

そしてメインは、伊勢エビのテルミドール風を Chef on Call で。ここでの大きな問題はこの便で特別機内食を頼んだ記憶がないことです。

f:id:PECHEDENFER:20200121200430j:plain

かつては日本の結婚式披露宴での人気料理の一つ。大きな天火で一気に何十、何百と焼けますね。しかしこの皿は日本の披露宴とは似ても似つかぬものでした。どちらが良いか悪いかには関心はなく、とにかく違うことに驚きます。

 

homard à l'américaine には Corton-Charlemagne を、homard Thermidorには Le Montrachet を勧めている本*がありましたが、Le Montrachet なんて機内で出せません。自分で持ち込まない限り無理です。ビジネススイートだと、持込なんてわがままは聞いてくれるのでしょうか。

*:納得はいくものの、仰々しいワインと皿の組合せ。この本には110 Fr の値札が付いていました。そんな時代だったのですね。gastronomie françaiseです。

 

デザートは華麗に見せることを考えた方が良い気がします。おそらく低コストで客の満足度は格段に向上します。

f:id:PECHEDENFER:20200121201310j:plain

 

前回は無かったアイテムが置いてあるトイレで身づくろいをした後に、シートに戻ると、ベッドメイキングは済んでいます。これは当然。サービス2人に客1人ですから。

f:id:PECHEDENFER:20200121201747j:plain

 

不気味な感じもする夜のキャビン一人利用。一人ですから、いけない場所に忍び込んでいるような感覚が付きまといます。

f:id:PECHEDENFER:20200121201902j:plain

 

数時間眠ったら到着。到着前の食事はなし。

 

予定時刻は 5:25ですが、やはり早着しました。それでも5:00前後(日本時間6:00前後)ですからまだ常識的。夏スケジュールだと3時台(日本時間5:00前)に到着することが多いMH71便なので、これしきの早起きは大したことありません。

 

ロスバゲ対策

防止には全く役に立ちませんから、対策というより保険ですね。しかも精神面でのサポートになるかもしれないという程度。

f:id:PECHEDENFER:20200117125849j:plain

 

多くの皆さんは旅先で荷物と一緒に行動していると思います。しかし空港のチェックインまでは何とか同伴させたものの、そこから別行動という旅行になる方もいらっしゃいます。そういう時、荷物が現在どこにいるのか知ることができる装置。

 

Invoxiaが販売する GPS Tracker 。有効期限は3年。バッテリーは6か月持続するそうです。地球上の存在位置を特定することが可能です。専用のアプリを用い、スマホで表示させることができます。

 

99 euroを安いとみるか、高いとみるか。2回に1回は別行動などという自分勝手な荷物と付き合っている方には有用だと思います。

Invoxia GPS Tracker | GPS Tracker without SIM card

 

ロスバゲに限らず、一家に一個あると便利。旦那の浮気追跡にはどこまで役に立つのかわかりませんが、コンビニに行く感覚で海外に出てしまう同居人を持つ場合には、それなりに活躍できそうです。密かに旅行鞄に忍ばせておけば、グローバル徘徊の様子を時々刻々モニターでき、安心できます。もっともこのブログを読まれるようだと、追跡するより、追跡される立場にあるでしょう。いらぬ知識を周囲に授けることはないと思いますが。

f:id:PECHEDENFER:20200117132951j:plain

 

空港アクセス:Flying Blue関連の新事業やパリの試み

空港アクセスのお話を2つ。Air Franceの利用者にはどちらも重要な動きですが、たまたま重なっただけで相互には関係ありません。

 

マイルが貯まる空港アクセスサービス

Air France はすでに30年も提携している Hertz とともに、新たな空港アクセスサービスを開始します。名付けて Hertz Drive U。内容はハイヤーの手配です。

https://airfrance.hertzdriveu.com/fr/

もともと Hertz レンタカーの利用でマイルが貯まっていたし、一般にレンタカー会社では運転手の手配もできるので、今回の新事業にどこまで新規性があるのかわかりません。宣伝されているサービスは、

・客の名前を大書した札を持った運転手が空港の到着出口で待っている

・利用金額 3 euroあたり 1 mileが得られる

・支払いは前もって計算された金額のみ(つまり固定料金制)

・運転手は客を90分まで待つ

・搭乗便の運航状況を追跡し、それに合わせてサービスを提供する

です。フライトの遅延はよくあること。最後の二つは機能的ですね。それからどうでもよい比較になりますが、得られるマイルは航空券購入で得られるマイルよりだいぶ少なくなります。

 

このサービスは、70カ国以上、300を超える空港で展開されます。搭乗が想定されているもののAir Franceである必要はなく、街—空港間の双方向の移動で利用できます。なお利用の3時間前までの予約が必要。

 Air Franceのファーストクラスを利用する場合は、このサービスは航空券価格の中に含まれます。ただし出発の24時間以上前に予約を行う必要があります。この辺の案内は出発前のメール連絡に含まれていそうな気がします。

 

実は Flying Blue には、昔から Driving Blueという配車サービスがあります。

https://www.drivingblue.com/book-a-ride-new/plan-your-ride

これは AF-KLM や Flying Blue とは独立した会社が提供するサービスのようですが、この会社が空港ごとに現地のハイヤー配車業者と契約しているようです。Pechedenferも何度か利用したことがあります。サービス内容は Drive U とほとんど同じ。キャラは完全に被りますが、これはこれで存続するようです。

 

さらに言うと、Flying Blueは 高級レンタカーの Sixt とも提携していますし、Sixt は運転手手配のサービスに力を入れています。(運転手付きの車で移動するなら、大衆車ではなく高級車を考えるのが人の心理ですから、これは当然。)ここでも被りますね。

 

こうしてみると Air Franceが Hertz Drive Uと他の提携業者によるサービスとの棲み分けを考えた気配はありません。Driving Blue や Sixt からも新しい提案があると、Flying Blueはますます使い甲斐のあるプログラムになります。

f:id:PECHEDENFER:20200117113245j:plain


パリの空港アクセスは自動運転に

Air France の本拠地 Paris-Roissy では、行政も新事業を考えています。Ile-de-France は Renault-Nissan および Waymo (Googleの子会社 Waymo – Waymo ) と協力して、2024年に CDG と La Défense 地区の間にシャトルサービスを開始すると発表しました。無人運転自動車によるシャトルです。

Une navette autonome entre Roissy et La Défense en 2024 - Le Parisien

 2024年の背景は、もちろんオリンピックです。自動車専用道路A1 と A86 に専用車線を設け、1日24時間のサービスを提供する予定。

 

自動運転は、一歩一歩実現に近づく近未来の交通。そのニュースに注目が集まるのは自然ですが、全区間に専用車線を設けるなら解決する技術的課題は大きくありません。実証試験としての価値は高いものの、一般にはオリンピックに花を添えるお祭り、アトラクション、パリとWaymoの宣伝、その程度のインパクトにとどまりそうです。

 

現在平均 40分ほど必要なこの区間は、毎日1,500 ~ 2,000 人が行き来しているそうです。この事業が計画通り実施されるなら、専用車線のおかげで所要時間は短くなり、遅延はなくなります。すると物見遊山の客に加え、ビジネスユースも増えます。オリンピック期間中の輸送量は、相当増えるでしょう。現在オペラ座が果たしている空港アクセスの拠点の役回りは、 La Défenseに移るかもしれません。記憶にとどめておくとよい情報でした。

 

Renault は 2018年にジュネーブのモーターショーで発表した Easy Go(6人乗り+その荷物の搭載)というコンセプトカーをベースにした自動車を提案しています。

f:id:PECHEDENFER:20200117104951j:plain

自動車専用道路に出没する強盗への対策など、パリならではの課題もありますが、大いに期待できます。


空港アクセスとは関係ありませんが、パリでは RATP も自動運転を導入しようとしています。Austerlitz 駅と L'hôpital de la Pitié-Salpêtrière (病院) との間に無人運転自動車によるシャトル路線を今年の夏から開業するようです。もちろんハードは RATP が開発したわけではなく、この事業はイスラエルの Mobileye の協力を得て実施されます。

Paris : des voitures autonomes entre Austerlitz et la Pitié-Salpêtrière dès 2020 - Le Parisien

RATPは、自動運転ではドアからドアへの移動を考えているようです。そのためバスやトラムとは異なり、小さな車両となるようです。

 

パリはこういう新技術実現の場になることには熱心です。都市ブランドの価値を高める方法をよく知っています。

2020年のアコーホテルの会員レベル

2019年の各会員プログラムでの活動状況と、2020年の会員資格については12月31日にまとめましたが、一つ残っていました。今年に関して言うと、年末年始にかけて起きうる2つの問題が、2つとも関係しました。

 

会員資格の欠損期間

今は ALL というアコーホテルの会員プログラム。1月1日~12月31日の宿泊実績をもとに、次年1月1日~12月31日の会員レベルが決まります。毎年1月1日0時(パリ時間)に切り替わります。年末の実績は反映されないまま、新年の会員レベルが決まることがよく起きます。チェックアウト後、宿泊実績のアカウントへの記録には、数日かかることが多いからです。

 年末年始の休みを旅行に費やす方だと、この現象は身近かもしれません。Pechedenfer の2019年の宿泊実績は、32泊(とあまり多くない資格ポイントが)あったのですが、年末に宿泊した2つのホテルで記録が遅れました。その結果、年の切替わりにリセットされたら、シルバー会員(宿泊数0、資格ポイント数0)になりました。

 

1月6日、年末の宿泊が記録されたとたん、ゴールド会員に変わりました。

f:id:PECHEDENFER:20200106200218p:plain

 

問題は、1月1日から1月5日までの間、ゴールド会員の扱いされる可能性があったのに、シルバー会員の扱いになっていたことでしょう。記録が遅いことで、優待度に差が出てしまいます。

 

記録の間違いとか、処理の遅れはどうしても避けられず、こういう不公平は不可避です。ちなみに年の途中で会員レベルが上がる場合も同じことが起きます。ホテルチェーンの会員プログラムでは、アコーと同じシステムが多く、こういうことに起きがちです。大多数の航空会社のプログラムはこれを嫌ってか、実績の加算期間終了時から、新年度の会員資格が開始する日を1月~3月遅らせます。BAはほぼ2カ月、AFは3か月の調整期間があります。エーゲ航空はホテルチェーン型で、搭乗実績積算期日の次の日から新会員年度です。

 

年末年始をまたぐ宿泊の実績

年をまたぎ、一つのホテルに滞在した場合について、アコーはどういう処理をするのか述べていなかったと思います。例えば、2019年12月28日から2020年1月2日まで滞在した場合、5日分の滞在はどちらの年の宿泊実績に数えられるのでしょうか。それとも分割されるのでしょうか。

 こういう滞在は、年末年始にまとめて休みが取れる日本人にとって重要になります。他のホテルチェーンでも共通する方法だと思いますが、この滞在の記録は

 

・チェックアウト前日の年にカウントされる

 

ようです。Pechedenferの経験では、1月1日チェックアウトだと前年の記録、1月1日の宿泊が含まれる滞在だと当年の記録です。(1) チェックアウトがホテル利用を確定するため、(2) 支払い項目によっては、どの日の利用に帰属するのか明確にできず、分割できないことがあるためという2つの理由からそうなるのだろうと想像します。

 例えば2019年12月28日の時点で29泊の宿泊実績(とあまり多くない資格ポイント)を有する会員がいたとします。この会員が、

 

・12月28日から1月2日まで、アコーチェーンの一ホテルに滞在する場合、

 

2020年の会員レベルはシルバーになってしまいます。そして宿泊実績は5泊に。

 

・12月28日から29日までの1泊をアコーチェーンにし、12月29日から1月2日までの4泊をルーブルグループ*にする場合、

 

2020年のアコーの会員レベルはゴールド。宿泊が少ない方が一年間優遇されるという摩訶不思議なことになります。そして2020年にほとんど利用しなくても、2021年はシルバーになるかも知れません。

*Louvre Hotels Group | © copyright 2015

 

Flying Blueのように、過剰な利用実績は翌年に持ち越せるようにしないと、この問題は避けられません。

 

Pechedenferの場合、12月の宿泊分も2020年の実績になり、少し得をした気分。実は Miles+Points のALLとFlying Blue 間のリンク開設による宿泊実績ボーナスがなかったら、2019年の宿泊数が30に届きませんでした。幸運でした。

 

そして今年は...

テルチェーンを基本に宿泊施設を選ぶのは、安心できる考え方ですが、規格化されたサービスにならざる得なく、面白みに欠けます。今年は精神を解放、自由に考えたいと思います。

なんでもアンケート

流行ですか。フライトの後にはアンケートが送られてきます。恐らくすべての搭乗者に同じメールを送っているのでしょう。すると相当な規模になるはずで、各社ビッグデータの処理に力を入れているようです。今日、手に職をつけるなら、数理・情報科学、データサイエンス。そういう表現が適当な時代なのですね。

 

ロスバゲ対応に関するアンケート

一つは、ロストバゲージ(つまり預入手荷物の紛失・遅着)への対応についてのアンケートでした。先日のエールフランス便のロスバゲ発覚後の経験についていろいろ聞かれます。

 

仏文・英文並記のメールが誘導します。

 

f:id:PECHEDENFER:20200108210525j:plain

イレギュラー対応に関するアンケートは初めてです。メールのボタンは、アンケートトップページへのリンクになっていますが、Je donne mon avis ボタンをクリックすると英語の説明文が現れます。このルーティンには改良の余地あり。

 

f:id:PECHEDENFER:20200108210647j:plain

国旗を選ぶと、Your survey is going to show in English. ...の部分がその言語に変わります。少し新鮮味があります。9言語対応です。おそらく全搭乗客の使用言語の上位なのでしょう。

 

もっともな質問が並びますが、思いもよらない回答選択肢が並び、エールフランスが何をやっているのか知ることができます。

 ロストバゲージが起きたら、空港のカウンターで手続きするものと当然のように考えていましたが、電話しないといけなかったり、キヨスク端末が対応したり、ウェブサイト・アプリで申し立てる必要があったりと、5つの方法が併用されているようです。

f:id:PECHEDENFER:20200108211223j:plain

 

 

手続き後、状況を追跡したくなるのは自然ですが、連絡方法が多様です。いろいろなチャンネルを残しているから、経費がかかるのではと思いました。コストカット進行中の過渡期なのかもしれません。

f:id:PECHEDENFER:20200108211609j:plain

昔ロスバゲでウィーンからパリへ電話をかけて、状況を尋ねたことを思い出しました。いきなり切れまくっている係員が出てきました。心を病んでしまう仕事のようで、(社内ではそういう仕事だということもわかっていて、そういう仕事を与えられる人間だということもなんとなく見えてくるので)気の毒になりました。

 

 「あなたの経験したことを鑑みて、エールフランスを(他の人に)勧める心構えはありますか?」と来ます。「事故対応がしっかりしているから、他人にも勧められる」と客が発想することを期待したのでしょう。「ロスバゲ起こしておいて、他人に勧められるかだと。どこまでツラの皮が厚いんだ。」と思う客が多いことには思いが至らないようです。

f:id:PECHEDENFER:20200108211755j:plain

 

最後に、さらなる詳細を聞くためにアンケートの回答に名前を合わせてエールフランスに報告してよいかという質問。もちろんアンケートは専門業者が実施、回答者の個別情報は報告されず、結果の集計データのみがエールフランスに渡るわけです。ここで Oui を選んで初めて、エールフランスに意見を伝える可能性が生じます。

f:id:PECHEDENFER:20200108212244j:plain

 面倒が嫌なら Non

 

利用が滅多にない事実に目をつぶるLH

ルフトハンザも利用すると必ずアンケートを送ってきます。片道でも1回、往復でも1回です。アンケートは、スターアライアンスの利用に関しての質問も並びます。盟主としての自意識が強烈。メールのリンクをクリックすると、メッセージの画面。英語です。

f:id:PECHEDENFER:20200108212956j:plain

ルフトハンザに自分の使用言語は伝えていないので、考えられる理由は、

・英語が国際語だから

・航空券が英語で発券されているから

ぐらいです。最初の理由だと一般にメール自体が理解できない客が出るので、回答率が低くなります。すると2番目の理由でしょうか。つまりある段階で何気なく使用した言語が、後々まで影響します。個人データが自動リンクされる典型例です。概ね便利ですが、Pechedenferは危険性を嗅ぎ取ってしまいます。

 それはともかく、アンケートで選択できる言語は19。大したものです。

 

工夫しているなと感じたのは、途中で出てくるこの場面。f:id:PECHEDENFER:20200108213954j:plain

 

全部回答を終えた時に出てくる次の場面が対応しています。

f:id:PECHEDENFER:20200108214049j:plain

たぶんアンケートのために撮影しています。エールフランススカイチームより頑張っているという印象を与えます。

 

しかし客室乗務員のユニフォームは、スカイチームの方が多様ですね。スターアライアンスはエアインディアが異彩を放っています。

 

一方で、質問の構成はこなれているとは言えない感じでした。ほとんど初めに出てくるこの質問は「他人にルフトハンザの利用を勧めるか。」

f:id:PECHEDENFER:20200108214538j:plain


最後近くに出てくるこの質問は、「自分が再び搭乗する気になるか」です。これら2つは並びそうなものです。

f:id:PECHEDENFER:20200108214621j:plain

 

そして最後の質問は、「過去の異なった加盟会社を利用した経験から、周囲の人間にどのぐらいの可能性でスターアライアンスを勧めるか?」でした。過去1年間にたった4社しか使っていないと回答しているのに、スターアライアンス全体のことなんてわかるはずがありません。

f:id:PECHEDENFER:20200108214834j:plain

何だか変です。

 

ともかくこういうアンケートは航空会社が何を考えているのかを伝え、情報源としても機能しています。実は双方向のコミュニケーション。真面目に取り組む価値があります。