バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

JALのドリンクメニュー崩壊版

国内線ファーストクラスのお品書き

JAL国内線ファーストクラスの機内食では、選べる皿はありません。食べるか食べないかの選択だけ可能です。その反面、乗る便によって種類は細かく変わり、

(1) 常に羽田発と羽田着で2種

(2) それは洋食と和食

(3) 朝昼晩で別メニュー

(3) 10日で内容変え

となっています。同じ便を毎日利用するとか、1日に6本搭乗するとかしない限り、同一メニューには出会わないようになっています。

 

時々、国内の優れた旅館等とタイアップします。その期間には旅館のパンフも配られています。意欲的な試みです。確かにそこに行ってみる気が起きます。

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飲料もタイアップに合わせます。旅館が岡山だと、岡山の日本酒がリストに載ります。(ちなみに和食の場合、米の産地も都道府県を一致させるようです。)またどういう頻度かわかりませんが、ドリンクの入れ替えもかなり激しいようです。

 そういう状況で、いちいちメニュー冊子を作るのは大変立派。立派なのですが、編集、校正が追いついていないようです。

 

1月中旬のドリンクメニューです。英語版。

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ANAではないので、これを手にした時、ネタ探しを考えていたわけではありません。しかしよく見ると、JALも惨憺たる状態。

 ここでは一部の客がこれぞとばかり注文するシャンパンに限り、しかも目立つところだけ指摘します。複合的に壊れていて、指摘にはキリがありませんから。

 

パッと見ても、1つ目のNicolas Feuillatte Brut Réserve 200 ml では、accent aiguが正しく入っているのに、2つ目のCuvée Royale Brutでは抜けていることが目につきます。cuvéeは綴り間違いが起きやすい語ではなく、少なくとも仏語では珍しい誤植です。

 実はこれが、メニュー冊子準備不足疑惑の始まりでした。

 

わずか9行の中に...

壊れている文だというバイアスを持って読んでみると、Nicolas Feuillatte Brut Réserve 200 ml の第一文からやらかしています。

 

"Number one share in France 11 years in a row after only 30 years in business Established in 1976, Nicolas Feuillatte enjoys a marvelous place as the number one champagne maison in France."(原文のまま)

 

先行する名詞句は主語と同格。提示される情報(Number one)も主節で言っていることと同じ。「取扱量フランス一番であるNicolas Feuilatteは、フランス一番のメゾンという名を欲しいままにしている」ということ。書く先から何を書いたか忘れている作文。2つの number one の内容が大きく乖離すれば、問題はやや小さくなりますが、ここはどう見ても同じ。

 第ニ文を it で始めて、前後のつながりを悪くしています。この代名詞の内容がそれ以前の文に出現しないためです。第一文は作り手、itはその生産物です。どこに it の正体が隠れているかと探すと、表題でした。これは分かりにくい構成です。こういう場合、第二文の書き出しは、生産物を明示した形で主語にし、短く煌びやかな形容を添えます。そうして読者の関心の的を、作り手からその作品へ素早く、確実に変えます。これが紋切り型の形式。

 本文最後の this high-quality cru も意味不明。cruは土地の区画(Champagne地方では村だったりしますが...)を指します。この文章のどこに土地区画を特定する情報がありますか。

 

なお Nicolas Feuillatte は union de coopératives(農業組合連合会)です。CV-CNF (Centre viticole-Champagne Nicolas Feuillatte) という略号が使われる全82組合、5,000以上の農家から構成される巨大組織。シェアトップとは「物は言い様。」どうせ彼らの自己紹介をそのまま持って来て、変に加工したのでしょうと、仏語を話す人間は推察できてしまいます。こうした巨大組織は、広域から原材料を集め、品質を平準化し、安定した生産量を保証します。価格も抑えられます。cru 限定と真逆の取り組みなので、なおさらこの呼称の利用に違和感があります。それに maison も詐称になりませんか。大丈夫ですか。

 

それから2つ目のシャンパンでは、名前に欠落がありそうです。作り手を特定する情報がシャンパン名に示されない*のは、許容範囲を越えます。本文を読むとJoseph Perrierのものだということが分かります。

*Champagne大手でこの名前で出しているのは、Joseph Perrierだけですが、Cuvée Royaleという名前がありふれている点に問題があります。Champagne地方で排他的に使えるかどうかという問題ではありません。

 Nicolas Feuillatte Brut Réserve 200 ml の説明に比べて、本文が著しく短く、スタイルも異なり、メニュー全体のバランスを欠きます。

 

全体として、冊子のスペース不足に対して、どこを削るか十分検討せずに切り詰めた印象を受けました。

 

無理はほどほどにした方が...

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上に書いたことは英語の文法、綴り、語法の誤りではありません。それらは別途存在します。編集の時間不足が原因なのは間違いありません。この任務に従事する人間の数に比べて、改訂が頻繁過ぎるようです。

 機内食とドリンクの高頻度な交代は、確かに強力なアドバンテージ。これはそのままで、メニューの編集は簡素化してはいかがと、要らぬ世話を焼いてしまいます。Les Confréries du Champagneには悪いのですが、このクラスのシャンパンなんて、代り映えしません。いっそのこと名前と容量だけの表示にすれば良いと思います。おそらくそうした方が、JALに好ましい客層を引き寄せ、JALに好ましい客を育てる気がします。

 

立派な修行僧の皆さんは

搭乗中にドリンクメニューの説明のあら捜しなんかしない方が、精神衛生上良いと思います。Pechedenferは本当にため息が出たので、客室乗務員に声をかけられるところでした。

BAエグゼクティブクラブのGGL会員(その4)

記事を順番にアップしているうちに新しい会員カードが届きました。ついに5年目に突入したExecutive Club。例年1月に新しい会員カードを送ってきますが、今年は種別が異なりました。

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GGLへのインビテーション・レター。光背マークとGLの組合せはここにも、封筒にも見えます。金色の包み紙には、2枚のシートが入っています。金紙のシールは皺のより方から、手で貼り付けたようです。

 

2枚のシートのうち、黒い台紙には会員カードとThe Concorde Room Cardが収められています。当然のことながら、後者はGold 会員には送付されません。British Airwaysのファーストクラス客「専用」ラウンジへの年間パスです。

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年間パスと言えば、浦安の某巨大施設が連想されますが、The Concorde Roomは、Emerald 会員向けの Galleries First Lounge と全く違う世界を演出するこの会社ならではの空間。浦安の施設とも全く違う世界。特権感の強い空間です。

 もう一枚のシートには、GGL会員の特典とGolden Ticketの内容が説明されています。Golden Ticketの紹介は、GGLだからといって変わった点はありません。

 

それぞれ裏面があり、同じように並べてみると、

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荷札2枚はいつもと同じパターン。Golden Ticketは2枚に増えています。これはBAのWeb siteからでも入力可能。必ずしも実体を必要としていないので、数を増やすことの意義が曖昧です。もらったBA関係者は、紙に手で記入されたチケットの方がうれしいのでしょうか。

 

上級会員の荷札なんて、その航空会社を利用する時にしか使えません。GGLは日本では、知る人ぞ知る程度の知名度でしょうが、本拠地では知っている人数はずっと増えそうです。この荷札は目立ち過ぎるので、使うには勇気がいります。後ろ指を指されそうなのでした。他の会員の荷札と同じ作りで、高級感がありませんし...。一方、Golden Ticketは濫発する予定です。クルー・メンバーが喜ぶと、こちらもうれしいので。

 

crewに係る形容詞ですが、”one of our gorgeous cabin crew members”とBAの新しい機内ビデオ(Youtube 公開版)では述べられていました。これをANAエクセレントキャビンクルー と対比させて、「gorgeous なら自然」と指摘するのはたぶん外れ。ANAのエクセレントに「自分たちに対して使うか!」という感覚は健康だと思いますが、BAの gorgeous はビデオの内容を受けたユーモアです。念のため。ANAを「糾弾する」なら、むしろcrewという集団を指す名詞を個々の従業員に関して使うことに違和感があります。Golden Ticket から、そんなどうでも良いことを思い出しました。

BAエグゼクティブクラブのGGL会員(その3)

How to be a GGL member

幸いoneworld各社の搭乗でも、tier points を得ることができます。アジアやアメリカでは旅客事情が相当異なるので、ヨーロッパとは段違いに容易な方法があります。ここはそんな話。

 

例えば、東京に家族を残して大阪に単身赴任するサラリーマンなら、BAの4搭乗さえ何とかなれば、日常生活で Gold会員にはなれます。週末の夜行バスでの帰宅をJALのクラスJにすれば、19往復で必要な tier points を超えます。出費の方は片道平均13,000~14,000 円ぐらいは必要でしょう。夜行バスに比べると相当費用がかかります。

 

GGLは日本に舞台を移してもそこそこ大変なのは事実で、tier pointsを5,000 得るためには

 

JAL普通席で羽田-伊丹250往復

JALクラスJで羽田-伊丹63往復

JALファーストクラスで羽田-伊丹42往復

 

となります。単身赴任者の週末帰宅でも、主にファーストクラスを利用する事になります。それ以外に、BA4搭乗のためロンドン巡礼も必要。何様と奥さんの実家に陰口を叩かれます。

 他に日本人で考えられそうなパターンとしては、何かにはまってバンコク通い。Malaysia 航空の KUL 経由便を利用して、

 

・MHビジネスクラスで成田-バンコク14往復

 

距離と費用は別にして、動機と頻度の関係は自然です。「何か」が何であれ、年間14回なんて言わず、もっと頻繁に訪れたいはず。直行便より遠回りな上、ビジネスクラスを誰が使うかとなることも見えています。

     « ich hab’ mein Herz in Krungthep verloren »という国際派は、同じ費用と時間でも数多く通えるエコノミー直行便を選ぶはず。なおMHの格安エコノミーは、加算対象外のことが多いようです。

 

以上、日本在住者が比較的簡単にGGL会員になる方法の例でした。足しげく通う動機のある人が、tier pointsのために最安最短ではない方法を選択する場合に、容易に達成できます。

 

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GGL会員の継続

GGL会員になる場合は5,000 pts必要ですが、継続には会員年度内に3,000 tier pointsです。

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BAの4搭乗も必要となっています。GGL会員はGold会員の特別版という位置づけで間違いありません。

 またこのグラフにあるレベルでは、The Concorde Room Cardは継続されないことに注意が必要です。その特典の継続には、年間5,000 ptsが必要です。

 

終身GGL会員

tier pointsを100,000 pts獲得したら、終身GGL会員になります。終身Gold会員の基準が35,000ですから、やはり3倍程度に設定されています。

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もし修行をするなら ...

期間が一番短くて済むのは、JALのファーストクラスで HND-ITM を単純往復することでしょう。1日に4往復8搭乗可能で、480 tier points積算されます。毎日行えば、11日目に5,000 pts獲得。GGL会員の基準を超えます。

 

4時起床-23時就寝。活動=飛行機の搭乗

 

で連続10日強という感じでしょうか。「沖縄の空、行き帰り同じクルー」はよく聞きますが、それを超越するばかばかしさ。まさに「修行」と呼ぶにふさわしい気がします。もちろん、BAの4搭乗は別の日に行ってください。

 

どうせだったら、修行僧の皆さんは同じ調子で終身 GGL 会員になってみてはいかがでしょう。209日目に解脱します。

 6:30羽田発で始まり、21:30羽田着で終わる毎日が208日続くわけです。西行と東行の違いはあっても、1,667回の同一フライト。なかなかの苦行、荒行。家に帰らず、羽田空港に住まないと身体が持ちません。煩悩は自然と断つことが出来ます。

 しかし宗教家や予言者ではないPechedenferは、以下の問題点を指摘しなくてはなりません。

 

JAL国内線ファーストクラスでは機内食が出ます。ところで多数のブログから修行僧の表層心理を分析した結果、修行の動機の大部分は「豪華なフード、ドリンクサービス」のラウンジ利用で説明できることが明らかにされています。

 したがって眼前の機内食を逃すなんて、咎められるべき懈怠。しかし覚えておきたいのは、一食約550 kcalという熱量。つまり一日の摂取カロリーは合計4,400 kcal。毎日約2,200 kcal過剰となります。(成人男性の場合)

 修行中の魂のよりどころ、機内食。それが209日で460,000 kcalの余剰カロリーを生みます。46万kcal分の食品は、内臓脂肪、体脂肪に変換されます。ここでダイエット基本式、1 kg=7,000 kcal を用いると、

 

終身GGL解脱には、65 kgの体重増加を伴う

 

という結論が導かれます。

 「俺は基礎代謝が高いからこんなに増えないさ」という根拠なき楽観は、自分が神から選ばれた人間であるという妄想に等しく、相応しい結末が待っています。60 kgの人間は125 kgになり、「BMI40超え。渡辺直美の世界を重い汁が良い。」という天の声を聞くことになります。

 

破戒僧と罵られようが、機内食は無視して修行を続けないといけません。

BAエグゼクティブクラブのGGL会員(その2)

Gold会員を超えたサービス

oneworld Emerald会員は、国際線ファーストクラスラウンジに入り放題などと、「夢のような特典」的な紹介になりがちです。その基準を遥かに越えた会員レベルのGGL。サービス内容はどうなっているのか、気になるところです。

 

もちろんExecutive Clubの Blue, Silver, Gold会員の特典は全て享受できます。その他に明らかにされているものは、以下の通り。

 

(1) Aviosの使い勝手が、Goldより良くなります。

 特典枠が広がります。これは会員に加え、4名までの同行者について適用されます。2つの特典枠をExecutive Club加入記念日に得ることができ(合わせて4人分)、3つ目(2人分)を6,000 tier pointsに達した時に得ることができます。そんなにたくさんAviosを持っていませんと言う人にも、特典利用に、予約手数料などのサービス手数料を取られることがないことは嬉しいはず。

    下記コメントでご指摘がありましたが、特典航空券の変更にも手数料がかかりません。書き忘れていました。

 

(2) さらに獲得したtier pointsに対して特典が設定されます。

 年間に獲得した tier point が、7,000, 8,000, 9,000 pointsになるごとに、以下の3つからひとつの特典を選ぶことができます。

1. 2人用キャビンアップグレードのクーポン

2. 2人用のGGL特典枠をもう一つ

3. 50,000 Aviosのボーナス

 

(3) GGL会員用専用電話、Priority Assistance lineが利用できます。

 BAに関するサービスなら、何でもこの電話を遣えばOKなはず。いろいろと可能なサービスが眠っていそうです。

 

(4) 到着ラウンジを利用できます。

 長距離フライトの場合、ゲスト1名共に、アライバルラウンジを利用することができます。

 

(5) The Concorde Roomを利用できます。

 5,000 tier pointsに達すると、the Concorde Room Cardが発行されます。このBAファーストクラス利用者のためのラウンジは、LHRのTerminal 5と、JFKのTerminal 7にあります。BAで出発するゲスト1名を招待することができます。

 

(6) Hilton HHonors Diamond VIP cardが得られます。

 HiltonチェーンのHHonorsのトップ会員ティアであるDiamond会員になれます。

 

(7) Executive Clubの上級会員資格を与えることができます。

2つのSilverパートナーカードと、1つのGoldパートナーカードを家族や友達に与えることができます。Aviosの移動は無料です。Aviosを合算プールできる6会員までのHousehold Accountを設けることができます。

 

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個人的には...

Aviosの使い勝手が良くなると筆頭に説明されていますが、頻繁にお世話になることは無いはず。たとえそうだとしても、いざという時に力強い味方になるので歓迎。取りにくい便や混雑する季節には役立ちそうです。もともとAviosによる特典航空券は、日本の暦では大変取りやすく、GWでもばっちりとれるほどです。おそらくは特典航空券の獲得については、最上レベルになれるはずです。

 

6,000, 7,000, 8,000, 9,000 tier pointsごとの特典はそれなりに魅力ですが、到達も大変。あまり意識することは無いと思います。

 

GGL会員用専用電話もよさそうです。会員が少なければ、こういう万能電話は使い勝手が良いはずです。その分オペレーターも少ないのでは、意味がありませんが。

 

到着後はさっさと目的地に行くので、到着ラウンジの特典は利用しない可能性が高いのですが、覚えておくと助かる場面もあるかもしれません。

 

The Concorde Room Cardは使えます。このラウンジは、ずば抜けて居心地が良いのでうれしい特典。欧州内の移動では、BAを選択する理由になります。それからLHRは Terminal 5の発着便ですね。

 

Hilton HHonors Diamond VIP card は無用です。Hiltonは使わないので、そもそもHHonorsへの入会がunlikelyです。

 

Executive ClubのGold会員資格、Silver会員資格は有効に活用させてもらいます。まさにPrivilegeですが、対象者はBA Executive Clubにとって良い会員でないといけないので、少し重い話でもあります。

 

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BAエグゼクティブクラブのGGL会員(その1)

BAの最上級会員制度

British Airways(BA)のマイレージプログラム(FFP)は、Executive Club。私的団体が連想させるクラブとしたところに、英国臭がします。クラブの名称は、会員の属性または活動内容を端的に表します。しかし Executive Clubは、executive(大企業などの巨大組織で組織の意志決定を行う幹部等)でなくても、入会できます。bloody foreignersでもOK。(Japanese) salarymanも入会可能。

 

三大航空連合に加盟する会社の場合、マイル関係の特典と上級会員特典は共通化が図られています。BAがつくった航空連合 oneworldでは、上級会員は3種類あり、敷居が低い方から、Ruby, Sapphire, Emeraldとなります。一見、oneworldが会員別にサービスを提供しているように見えます。小さな加盟会社だとFFPも小さくなり、共通サービスを超えた独自サービスはほとんどありません。一方で大きなFFPの場合、自社会員向けサービスも充実しています。

 

BAは会社の規模が大きく、FFPは大きくありません。Executive Club独自のサービスは多くありませんが、4~5年前からGold会員を超えた上級会員制度の整備を行い、それなりに特徴が出ています。名前は Gold Guest List 会員(GGL)。Club内のリストです。会員種別としてBronze, Silver, Goldの上に来るものではなく、Gold会員の中の別扱い会員です。

 BAは今のところ大々的に宣伝する気はないようで、公式Websiteもありますが、会員専用です。

login

ログインしないとそのサイトにはアクセスできません。BAの控え目な態度に対して、FlyerTalkではGGLは1つの会員種別の扱いです。

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法外なのか妥当なのか判断が難しい基準

GGL会員はPremier会員と異なり、万民に開かれています。その会員資格に到達する基準は単純。会員別に定められた年度中に、Tier Pointsを5,000以上積算するだけです。Gold会員になっていることがおそらく前提です。

 Gold会員の基準Tier Pointsは1,500(会員年度内の積算)ですから、その3.3倍の搭乗が必要です。Gold会員になるためには、BA/IB便4搭乗も必要条件です。

 

これらの基準は、旅行者にとってどの程度の意味を持つでしょうか。

 

まずGold会員の1,500 pointsがどのぐらい大変か、イギリスの住民をモデルに考えてみます。

庶民的な場合:BAの格安エコノミーで欧州に出かけた時、加算されるTier Pointsは往復で10。1年に欧州150往復というのは、あまり普通の人生ではありません。

少し金回りがよい連中:バカンスの遠出(欧州外)は、格安エコノミー往復で40 points得られます。1年に南の島へ38回行く羽目になり、もはやバカンスではありません。

 

こんな旅行パターンだと、Gold会員は実質的に無理であることが分かります。一方、欧州の住民だと乗継がそのまま加算され、少し有利になります。例えば、

欧州内のビジネスマン:欧州内2都市間で強引にBAを使うと、ビジネスクラスで往復160稼げます。月1回出張で楽々Gold会員。

やり手のビジネスマン:北米出張にBAを使うと、ビジネスクラス欧州ーLondon ーアメリカ往復で360にもなりますから、年4、5回の大西洋横断でOK。

 このように欧州の住民が出張でビジネスクラスを使えば、Gold会員は無理なく維持できるような感じです。

 

特殊なケースですがロンドンの金融会社には、アムステルダムに住み、毎朝AMS-LCY線を利用して通勤する被雇用者がかなりいます。こういう人たちなら、エコノミー利用でも年間2,000 pointsぐらいわけありません。Brexitで根こそぎいなくなる人たちです。

 

遠い外国に住む会員は、さらに有利です。長距離の出張という線でBAと関係が深そうなのは、インドや中東に本拠地があるビジネスマンの北米出張でしょうか。BAが指名されても、全く自然です。この時ビジネスクラスを使うなら、1往復560 points、3往復でOK。こういう会員はかなりの数いるようです。

 

生活を大きく変えずに無理なくGold会員になったり、その会員レベルを維持できる条件は限られます。

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同じようにBAの利用でGGL会員になりたければ、1年間に

・格安エコノミーで英国-欧州500往復 (=毎日1.4往復)

・格安エコノミーで英国-欧州外125往復(=毎週2.4往復)

ビジネスクラスで欧州2都市32往復   (=毎月2.7往復)

ビジネスクラスで欧州-北米14往復   (=毎月1.2往復)

ビジネスクラスで中東・印度-北米 9往復

なんて旅行を行うことになります。これでは「フライトと共にある人生。」下手をするとBAの乗務員より飛ぶことになります。BAのみを利用する場合、Gold会員もなかなか大変ですが、GGLには普通ではない空気が漂います。

通常の会員種別の上にある上級会員(その2)

通常の上級会員との基準の違い

通常の種別を超える上級会員は、会員基準が別建であることが多く、達成はかなり困難です。別基準とは言え、普通の上級会員より簡単になるケースがあるなら、変な気がします。

 

Singapore Airlines の PPS Clubは、年間25,000 SGD以上のビジネスクラス、ファーストクラスの航空券を買わないといけません。これは約200万円。

 東京ーシンガポールをファーストクラスで往復すると、予約クラスAで約100万円。150%加算ですから、だいたい10,000 milesになります。ほぼ2往復でPPS Club会員になりますが、マイルの方は20,000 milesです。KrisflyerではSilver 会員の基準にも達しません。

 一方エコノミークラスで東京ーシンガポールを往復すると、大体10万円で100%加算、6,600 miles得られます。200万円軍資金があれば20往復でき、132,000 milesにもなります。これは Krisflyer Gold会員の基準の2.6倍。それなりに飛ぶことができます。PPS Club会員になる客、つまりたった2回で20回分の金を払う客は、いろいろオマケをつけても、Singapore Airlinesにとっては通常の上級会員よりありがたいわけです。

 

PPS Clubは優良顧客を「区別していますよ」と公言、誘引するからくりです。そして優良顧客とは、金を多く落とす客です。

 

それで特典は?

SQの場合、収益に寄与する客を厚くもてなす発想が露骨です。初めに修行ありきという人には、PPS Clubは楽勝プログラム。ほぼシンガポール2往復で解脱です。期間は1週間必要ありません。

https://www.singaporeair.com/ja_JP/jp/ppsclub-krisflyer/ppsclub/

 

PPS Clubの会員は、Krisflyer Gold会員の全特典に加えて、支払い金額に応じて

・クリスフライヤーダブルマイル特典

・50,000クリスフライヤーマイル割引特典

・空席待ちアップグレード特典

・事前アップグレード特典

などの特典が受けられます。

特典一覧は

https://www.singaporeair.com/ja_JP/jp/ppsclub-krisflyer/ppsclub/privileges-at-a-glance/

 

特典がすばらしいかどうかは、その人次第。Pechedenferの感覚では、特殊な事情がないと特典のためにPPS Clubを選択する人はいないと思います。つまりSingapore や Singapore Airlines に強い思い入れがあったり、PPS Club 会員であることが社交やビジネスで意味を持つ場合でないと、動機にはならないでしょう。普通の Krisflyer Gold でも、サロンケバヤが十分大切にしてくれるはずです。

 

結局のところ、考慮する価値があるか

金と動機が十分ある人なら、PPS Clubは良い体験になりそうです。ファーストクラス2往復は、お金を払う価値がある「お手軽な」世界です。

 

このように、その人の出自、経歴、立場、経済状況によって、利用の意味が大きく異なります。これは強調しておく必要があると思っています。というのも、これこそこの「通常の会員種別の上にある上級会員」の一番の特質だと思うからです。

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その他の会社

欧州の3大会社も、この会員制度を運用しています。欧州の「マスを対象としたビジネス」は、ブランド化に重点を置かざる得ません。サービスのスペクトルを広げること、ブランドイメージ向上の2点に対して、この「通常の種別の上」という会員制度はよく機能すると思います。

 

一番しっかりしているのが、Lufthans Miles & Moreの HON Circle。これは2年間で600,000 miles(Miles & More会社が運航するビジネス、ファーストなどのみ対象)を飛ばないといけません。恐らく誰でもアクセス可能な会員資格としては、最も困難なもの。ファーストクラスラウンジ*、ファーストクラスターミナルを使える、車の移動サービスなどの特典が有名ですが、普段の生活では年会費を肩代わりしてくれる専用クレジットカードがあったと思います。

*上級会員の話題で、タダ飯系特典に関心が集まるのは場違いな気がします。航空券を買う金で、2ブロック先のPizza Hutにお気に入りのピザを毎日10枚届けさせる方が合理的な行動です。世界には、場に適当な行動という感覚が欠落している人が多い気がします。そういう人が書いた英語のサイトに影響される人が少ないことを願います。

 

二番目は British Airways Executive Club の Gold Guest List。これは Gold 会員の選抜組のような位置づけですが、到達基準がGold会員の3.3倍と格段に困難になっていること、任意の人間を選んでGold会員やSilver会員にできるという特殊な特典があるため、このカテゴリーに入ります。Gold会員全体が格式あるクラブを構成、その役員になったような印象を与えるところがポイント。

 様々な階層が厚みを持って存在するイギリス社会で、それぞれの階層の嗜好にあった(=他の階層の人間には理解できない良さを持った)サービスを適切に提供できるのがBA。どんな人でも居場所が見つかるので良い会社。

 BAとしては難しいことは抜きにして、どんどん世界中の人に搭乗して欲しいはず、Executive Clubを有効利用して欲しいはずですが、イギリス流の考え方が感覚的に分からないと良さは十分理解できません。しかし良さが分かるようでは、頭の中はイギリス流フォーマットが済んでいます。

 これを良しとするか、悪しとするか考えること自体、無駄な抵抗です。イギリスは彼らに必要な人間を上手に取り込み、使うシステムを世界に構築していますから。結局なるようにしかなりません。BAだって、自分のビジネスのために世界を変えようと思っても打つ手がありません。

 

一番新しくて、一番頼りないのが、Air France Flying Blue の Platnium Ultimate。AF-KLMは存在を知って欲しいが、基準は公式発表していないという立場。結局整備不足、経験不足です。今のところ招待制になっています。ただし社会の中での Flying Blue の位置づけを考えると、HON Circleのように情報をオープンにして機械的に処理できるような方向に変わらざる得ません。

 あくまでPlatinum 会員の上のレベルと言う位置づけですが、

Air France, KLMの便の利用だけで、Platinum会員の基準の2倍のマイル

が必要と噂されています。Platinum会員はSkyTeam各社の搭乗でよかったわけですから、格段に困難になります。サービス内容の詳細は不明ですが、実は開発中と言った方が正しいのではないでしょうか。Air Franceの労使紛争が長引いていたため、新たなサービスの開発を行う余裕が無く、ライバルに後れを取っています。労使関係はある程度落ち着いてきたので、他の商品開発と同様、Ultimateも軌道に乗ると思います。

 

小じんまりやっているのが、SAS Eurobonus。Pandionという会員種別は完全招待制です。小じんまりは会員の規模であり、内容はハードです。漏れ聞こえるところによると、従業員より飛んでいるとか、毎日飛んでいるとかいう会員が招待され、会員数は1,500人程度ということです。

 

ヨーロッパを離れると、話題づくりが好きな Emirates Skywardsに iO という会員種別を持っています。会員基準とサービスに関する情報は、共に流出しています。

Inside Emirates iO: a secret invitation-only club for VIP flyers - Australian Business Traveller

招待制になっていますが、フル運賃のビジネスクラスまたはファーストクラス年間50回搭乗というレベルだそうです。この条件だと、会員数はかなり多くなりそうです。

 他にもCathay Pacific Marco Polo Clubでは、Diamond会員の中でも上1%をDiamond Plusという種別にして区別しています。これも達成が非常に困難だろうことは容易に想像ができます。

 

米系は、欧州より遅れています。一番進んでいる United の Global Services だって、基準はよく分からず、サービスもよくわからずです。American の Concierge Key は存在とカードの存在は知られていますが、基準、サービスともに実体は不明。Delta 360はさらによくわかりません。

 アメリカでは、もともとサービスとしての需要が小さいのかもしれません。ただしメンバーシップを欲しがる、憧れるアメリカ人は非常に多いので、存在だけは明らかにして、ボロが出ないように内容は隠しておくのが賢い方法なのでしょう。

 

総じて見ると

多くの会社では、特典はSQに比べてもさらに地味です。特典を目的に修行するのは、どういう観点から見ても割に合いません。Sapphire会員や*G会員に対する見方から離れる必要がありそうです。

通常の会員種別の上にある上級会員(その1)

個人の事情

年頭にBritish Airways Executive Clubでは Gold Guest List 会員になったようなので、幸か不幸かこのテーマが避けられなくなりました。

 ついでの愚痴は、「結局イギリス。」普段は意識できないくせに、公でも私でも重要なポイントでは強引に目立つのは何故。

 

GGL会員(右)のカードは一般 Gold会員(左)と大きく変わりませんが、多くの人に馴染みが薄かろうニッチな制度。まさにブログ向け。

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光背のイラストは仏具のようです。他にはGLという文字が目立つぐらいですが、実は背景の色調が少し濃くなっています。また会員情報の行が少し下方になりました。これはデザイン上の要請でしょうか。専門家でないので、わかりません。縦横比も少し変わっていますが、これは会員種別とは関係ない現象だと思います。

 

一般的な話から始められるので、ネタとしては秀逸。愚痴を言うより、機会として使うのが前向きな生き方。

 

よく知られる上級会員制度

この「通常の会員種別の上に来る会員ランク」は、航空会社の上級会員制度を基本から説明した後に付記するのが分かりやすいのです。しかし上級会員制度の説明なんて、今さらながらの感があります。JAL

ご搭乗の多いお客さまへ - JALマイレージバンク

ANA

ひとつ上の空の旅へ | ANAマイレージクラブ

の宣伝・解説も(JGCSFCの部分を除くと)標準的なものなので、それらと対比してかまわないと思います。

 

簡単に個人的な理解を加えます。

 マイレージプログラム上級会員は、多頻度利用する御得意様に一見さんとは異なるサービスを提供する制度です。お得意様は搭乗便、料金が同一の航空券を買っても、受けられるサービスが全く違うのですから一般の話題にもなります。一見さん向けサービスに加え、

・無料預入手荷物の追加(大雑把に言って100%増し)

・優先あるいは専用チェックイン

・座席指定の大きな自由度

・優先の手荷物検査、出入国審査

・優先搭乗

・空港ラウンジの利用

・予約キャビンが過剰予約の場合の上位アップグレード

・空席待ちでの優先

・ボーナスマイルの加算

などが自動的に加わります。エコノミークラスの利用でもビジネスクラスのサービスの一部を受けるような事になりますが、ずっと広範な優待になるべきですし、できればそうしたいと航空会社は知恵を絞っています。(会社もカード-cards to play-は数多くあった方が良いに決まっています。)

 

航空運送の場合、多数の顧客に対して、多数の従業員が対応するため、御得意様度にランク付けをして、ランク別に規格化したサービスを提供すると言う、業務の平準化と効率化という観点も必要です。

 

小さな会社だと、登録だけでなれる平会員を合わせて、3ランクです。例えばエーゲ航空は、Blue会員、Silver会員、Gold会員と言う構成。JALANAぐらいの規模になると基本は4ランクとなります。平会員でも非会員より優遇されるという事実は、忘れがちですが重要です。

 会員ランクは過去1年か2年の搭乗実績で決定します。また会員ランクの有効期限も1年か2年です。その評価指数は搭乗マイルが基本でしたが、今では複雑化しています。

 

それを超越する制度

さて本題です。

 上級会員になるためには、年間30,000 miles ~ 100,000 miles移動するとか、年間30~100回搭乗するとかいう利用が必要です。御得意様はそういうレベル。しかしながら、この利用度を大幅に超える会員をもてなす制度を持つ会社が存在します。一番分かりやすいのが Singapore Airlines。その制度は PPS Club。

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Singapore Airlinesのマイレージプログラム Krisflyer には

 

1 平会員: 入会すれば誰でも

2 Silver会員: 年間25,000 miles以上の搭乗が条件

3 Gold会員: 年間50,000 miles以上の搭乗が条件

 

という会員種別があります。しかしこれとは別に PPS Clubという Krisflyer 内組織を持っており、会員になるためには

 

年間 25,000 SGD以上のビジネス、ファースト、スィートクラスの航空券購入

 

が条件です。継続も同じ。基準が飛んだ距離ではなく、支払い金額(+キャビンクラス)となっています。そしてSQは PPS Club の会員とは異なるサービスを提供しています。

 

これが本記事で取り上げる「通常の会員種別の上にある上級会員」です。

 

こういう会員は多くなるはずありません。独立したサービスを開発、提供するのは、コスト的にどうかという話になります。どうもサービス商品の開発、サービス商品の試行、ブランドの向上と保持という点から維持されているようなのです。彼らの立場からは、そこそこボリュームがある通常の上級会員とは位置づけが異なります。

 対象となる顧客が少ないので、はっきり明言されている制度から、存在は認めているものの謎に包まれる制度まで、会社によって開きがあります。例えば

 

サービス内容も会員基準も公表している(SQ, LH

サービス内容も会員基準も限定発表している(BA: 会員にだけ)

サービス内容も会員基準も新聞発表したが、はっきりした数字は噂レベル(AF)

会員制度の存在は認めているものの、サービスも基準も噂レベル(UA, AA, DL)

 

明らかに出来ないのは、商品開発の難しさと経営効率の問題で、謎めいた姿に止めておくことで、ブランド価値を維持するという意図は弱いのでしょう。会社の能力不足か、顧客層に対してそうしたサービスが適当ではないかのどちらかという気がします。

 

基本的には誰でも対象となる会員制度の一つです。会社の立場では、VIP会員、終身会員、元従業員などの顧客分類も存在し、平行して業務を展開しています。この「通常の会員種別の上にある上級会員」も、さまざまな顧客分類の一つにすぎません。

 

ここでは、

 

・制度の存在を会社が公表している、あるいは公に認めている

・国籍、身分、職業、性別に関係なくその会員になれる

・基準はほぼ公表され、通常の上級会員とは質的に違うか、圧倒的に困難なレベル(最上級の2倍超)

 

の条件を満たした会員制度を対象にします。