バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

MH71:NRT-KUL ビジネススイート(その2)

マレーシア航空ビジネススイート。ビジネスクラスと何が違うのか、ファーストクラスと呼ぶには無理があるのか。検証の続きです。第二弾は客室乗務員が関与する部分に関して。

 

機内サービス(離陸前)

個別挨拶やシートへの案内は、ビジネスクラスでのサービスと同じ。ただし乗務員が担当する人数が少ないので、目が行き届いていることは肌感覚で伝わってきます。さすがプロ。

ウエルカムドリンク:シートに就くと、個々の搭乗客にドリンクの要望を聞きに来ます。そしてnibbleと一緒に持ってきます。これは紛れもなく、ファーストクラスのサービス

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3 種類の飲料を10 ~ 12 人分のグラスをトレイに載せて、乗務員がキャビンを周るビジネスクラスとは大きな違い。いわばヤクルトレディとホテルのティールームの差。

 

新聞雑誌など:用意されている新聞雑誌は、ビジネスクラスと同じようです。ただし現代ではファーストクラスのキャビン向けに新聞雑誌をそろえる会社は、ほとんどないと思います。The Guardian や Le Monde はもとより、FTもありません。

 

機内食とワインのメニュービジネスクラスと同様、メニューは簡素な紙の冊子。本革の表紙なんてありません。

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内容では、オードブルにキャビアがあります。メインはビジネスクラスと違うのかどうか判然としません。最近 MH71 のビジネスクラスは、デザートが無いので、デザートの存在は相対的にファーストクラスらしく見せます

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ワインはChampagneが2種。1種が Taittinger Comtes de Champagne 2007。これ自体はファーストクラスらしい泡ですが、実はマレーシア航空はオーストラリア路線のビジネスクラスでも出しています。こうなると評価が難しくなります。

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他の Champagne と Chapoutier の Viognier はビジネスクラスと共通。残りの白は興味を惹くものの、ファーストクラスらしいかと言われると、そうでもないというワイン。 

 

赤もラベルで判断する限り、ビジネスクラス以上、ファーストクラス未満という位置になりそうなワインが多いようです。

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残る問題は、これらが全て実際にサービスに出されるかどうかです。確認するには複数回ビジネススイートを利用する必要があります。散財のよい口実?

 

Wi-fi50 MB分のクーポンが配布されます。

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ビジネスクラスは、30 MB なのでこれはファーストクラスのものと評価できます。ワインに比べると、新参サービスですから相場感がはっきりせず、この程度の比較しか出来ません。

 

詳しく見ていないのですが、ヘッドホンは多分ビジネスクラスと同じものだと思います。

 

機内サービス(離陸後)

つきだし1:離陸後、シートベルト着用の警告灯が消えると、直ちに乗務員が持ってきます。

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ドリンクと容器に入ったピーナッツを一緒に持ってきます。客ごとにギャレーから「お持ちする」のが、ビジネスクラスとの大きな差。いかにもファーストクラス。それに加え、ナッツは容器に入っています。ビジネスクラスのナッツは、気圧減少のため、膨れ上がった袋菓子。ちなみにドリンクは、素直に Comtes de Champagne にしました。グラスがビジネスクラスとは異なり、多分 KLIA Golden Lounge のシャンパングラス。この点は非常に重要。

 

つきだし2:マレーシア航空では、サテの時間。サテもワゴンでごろごろなんてことはなく、構成をどうするか客に聞いた後、ギャレーで用意、皿を持ってきます。野菜串はリクエストしたわけではありませんが、2本。気に入りました。他に辛味のタレが付いて来るのがビジネスクラスとの差。魚ベースなので、獣肉に合わせるのはどうかと思いましたが、細かいことは言いっこなし。

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サテもサービス法はファーストクラス的でした。

 

オードブル:本当にキャビアが出るのか、半信半疑だったので、頼んでみました。キャビア自体の品質はともかく、周辺の配置はそれなりに整えてきました。

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ファーストクラスを象徴するキャビア。一応の形を見て、印象はファーストクラス以外の何者でもないとなります。

 なお皿はビジネスクラスのものと基本的に変わりません。フォークとナイフは異なります。

 

メイン:オードブルで稼いだ得点を一気に失ってしまうような皿でした。これはビジネスクラスで出てきても自然に感じます。差が感じられません。

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マレーシア航空の機内食メインディッシュは、常にインパクトに乏しいのですが何故でしょうか。

 

デザート:乗務員が希望を受け後、皿でお絵かきするもの。3年ぐらい前までは、ビジネスクラスでここまでやっていたのですが、古きよき時代になってしまいました。今はビジネスクラスでは、デザート消滅。つまり後方キャビンで今展開されているサービスより圧倒的に優れていますが、かつてはそこで行っていたレベルです。これをもってファーストクラスらしいとは言えません。

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コーヒーもマグカップと、ビジネスクラス並み。中身もビジネスクラスと差が感じられません

 

ベッドメイキング:乗務員が行ってくれます。適当な頃合になると、必要かどうか聞かれます。トイレに行っているうちにやってもらいました。

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客との間合いの取り方は絶妙。堂々たるファーストクラスのサービスです。

 

扉を開けたままで寝ていたところ、いつの間にか閉められていました。寝る時は閉めるのがデフォールトのようです。

 

その他

客層:4席全てに客がいました。MHupgradeでも売ることですし、ビジネススイートの搭乗率は高いようです。ブランド価値の維持よりも、少しでも売り上げを確保するマレーシア。

 1D席はここで述べるわけにはいきませんが、ある特殊な職業の方でした。正式には、Mr の代わりに専用の称号を使う職業です。客室乗務員が職業名・地位で呼んでいましたのでそう判断しました。称号を使わない理由は、おそらく古めかしいからでしょう。こういう客相手へのサービスは、要チェックです。

 

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1G、1Kは共に静かな女性で、Ms以外の称号を持つような雰囲気はありません。もちろん客室乗務員がぞんざいに扱うことはないのですが、特殊なケースへの対応力を見せることもありません。

コミュニケーション:客一人あたりの乗務員の割合が、ビジネスクラスと比べて圧倒的に高い (客4に対して、常時1人+時々責任者) ので、客の立場では必要な会話が増えます。あらゆる場面で希望を聞かれます。ビジネスクラスは流れ作業、ビジネススイートは個別サービスに傾きます。つまり基本中の基本のレベルでは、ファーストクラスの性格が色濃く出ます

 この点は一般に想像されるより重要です。コミュニケーションが上手な方なら、数々の見劣りする点にもかかわらず、満足が得られそうです。逆に口下手な方や英語の会話に不安がある方は、欠点の方に目が向きやすいのではないでしょうか。

 

一般的に言って、キャビンクラスが上になればなるほど、会社の個性が強くなります。カタール航空ほど無味無臭ではないものの、これぞマレーシアという個性はほどほどでした。最近彼らは ”Malaysian hospitality” を盛んに口にしますが、これが空虚な宣伝でないなら、もっと個性的なサービスを狙えばよいのにと思いました。

MH71:NRT-KUL ビジネススイート(その1)

マレーシア航空で最上のキャビンは、ビジネススイート。すったもんだで体験しました。

 

マレーシア航空は史上最大の旅客機 A380 を購入した時に、立派なファーストクラスを導入しました。一階最前部に2列8席が設けられました。21世紀の最初の10年。世界中の航空会社がイケイケだった時代。マレーシアだけが需要を見誤まったわけではありません。社長自らシートに座り、2名のサロンケバヤを伴ってプロモーションを行いましたが、その写真のドヤ顔が忘れられません。

Airbus A380 First Class Cabin Interior of Malaysia Airlines Aircraft Wallpaper 2789 - AERONEF.NET

その写真は、現在このサイトでダウンロードできます。多分2012年の写真ですが、この頃はマレーシア航空の社長 (職) も良い時代でしたね。

 

 Pechedenfer はビジネスクラスの客として、2度このキャビンを体験したことがあります。堂々たる空間でいかにもファーストクラスという感じでした。

MH88:KUL-NRT ビジネス マレーシアのA380 - バス代わりの飛行機

 

さらにマレーシア航空は 2017年12月、A350 を導入しました。やはりファーストクラスを設定。今度は1列4席。シート幅がかなり控え目で、「長距離ファーストクラスとしてはどうかな」と、使う人も使わない人も疑問に思うような内容でした。

 しかし A350 を12ヶ月運用した頃、マレーシア航空は自社のファーストクラスは廃止すると宣言しました。それでは A380A350 のファーストクラスはどうするのかと言うと、ビジネススイートに看板を架け替えます。サービスをダウングレードする、手の届き易い価格にすると誰でも予想します。彼らの正式な説明が面白くて、「ビジネス客は、ファーストクラスの利用が認められないケースが多い」という、本音なのか、言い訳なのかよく分からないことを言っていました。

マレーシア航空ビジネススイート - バス代わりの飛行機

しかしながら、マレーシア航空が宣伝しているビジネススイートのサービス内容は、世の平均的なファーストクラスのものです。

Business Suite

 

マレーシア航空独自のビジネススイート。極上ビジネスクラスなのか、劣化ファーストクラスなのか、それともその中間クラスを創造したものなのか、体験しないとわかりません。ということで、乗ってきました。有償Pで。(=MHupgradeではありません。)

 

搭乗まで

成田空港のチェックイン:ターミナル2でチェックイン。ビジネススイートのカウンターには赤カーペットが敷いてあります。しかしその隣にビジネス、荷物ドロップオフ組、エコノミーのカウンターが並んでいるわけですから、本来の客にしか対応しないというわけにはいきません。半世紀前ならいざ知らず、令和の御世では別のキャビンクラスの列でも相手をするのが普通です。今日は到着した時、折悪しく別クラスの客の対応をしていました。こんな場合は、レッドカーペットをドヤ顔で踏んづけるぐらいのメリットしかありません。

 どこの会社のファーストクラスでも、本拠地ならチェックインは排他的な空間で行ったり、はたまた車で迎えに来てくれ、その場で行ったりしますが、就航先では独立カウンターを持つ程度。成田のビジネススイートもチェックインは、ファーストクラスの水準としてよいのではないでしょうか。

 今日の空港混雑はほどほど。セキュリティと出国はプライオリティレーンですぐに済みます。

 

成田空港で利用できるラウンジ:ビジネススイートの客が使えるラウンジが、ファーストクラスラウンジなのか、ビジネスクラスラウンジなのかは興味深いところです。しかしエメラルド会員だと、キャビンクラスに無関係にファーストクラスラウンジに案内されます。ということで、ビジネススイートがファーストクラス扱いなのかどうか不明です。

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エメラルド会員は、この調査には不適です。(追記) なお、Donさんから頂いたコメントをご覧下さい。

 

成田空港での優先搭乗:搭乗時、ビジネススイートの客は全く別に案内されます。地上係員(Swissport)が誘導します。優先搭乗のアナウンスの前、航空機の準備が整い次第ゲートを通れます。またクローズまで随時優先案内されます。ということで、堂々たるファーストクラスの扱い。本日は JAL ラウンジ長居しすぎたので、ゲートに付いたら、キャビン後方の客が搭乗中でした。

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おかげでさり気なく本日の機材の写真も撮れました。ドヤ顔で真っ先にゲートをくぐり、機材の写真をパシャパシャ撮っていたらオタク認定されます。大勢に紛れて搭乗していれば、目立たちません。

 なお Swissport によるハンドリング、サービスは今では安定しており、大変優秀です。

 

キャビン

シートの飾りつけ:一輪花が挿してあったり、手書きのメッセージが置いてあったりと、個別サービスに熱心なのがファーストクラスというもの。Selamat datang と担当の名前だけが手書きのようでしたが、メッセージがありました。ビジネスクラスの枠には収まりません。

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シート周り:ファーストクラスはビジネスクラスに比して、一人当たりの空間が大きいことが特徴です。シートも大きいのですが、シートに付属して収納スペースが確保できており、オーバーヘッドロッカーが無いのが普通。

 ビジネススイートのシートは、幅と奥行きがビジネスクラスより少し大きい程度。サイドに3つの大型収納スペースが並んでいます。ただし機内持込み手荷物の最大サイズには対応できず、オーバーヘッドロッカーが存在します

 

シート側の写真。

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オットマン側(個人スクリーン側)の写真。

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A350 は XWB という触れ込みですが、1-2-1 のシート配列では狭く、1-1-1では広すぎのようです。A350での国際線ファーストクラスの設定は、一般的ではありません。マレーシア航空以外に、ビジネスクラスを超えるキャビンを設けた航空会社はあったでしょうか。

 一番手前の収納の扉の裏面には、そこそこ使える鏡があります。

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テーブルは A380 のファーストクラスと比べると、やや小ぶり。

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シート横幅の制約を受けています。とはいうものの、ビジネスクラスではありえない広さで、しかもしっかりしています。

 

寸法を測れば、あらゆるもののサイズはビジネスクラスより、ファーストクラスに近いはずです。小さい差がファーストクラスの標準的な機能を損なっているようにも見えます。

 

一方、照明や内張りで雰囲気を高める工夫はそこそこ優れています。このシート横にある縁取りは、物入れと勘違いしそうですが、照明でした。

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機材のドアが閉まり、シートベルト着用のサインが出るとこの通り、勝手に点灯しました。

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人のいる空間はもとより、収納スペースにも内張りがなされています。こういう細かい点が居心地を大きく左右します。この点からは、確かにファーストクラスのシートです。

 

なおこのキャビンは不思議な配列をしていて、通路を挟んだシートは、前後にずれています。その結果、扉を開けていても隣の客は目に入りません。プライバシー重視型としては、最高レベルです。 

 

トイレ:A359のビジネスクラスのトイレを少し大きくした程度の違いしかありません。

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A380だとビジネスクラスでも、これより広いトイレが供されます。

 さらにもう一点。フレグランスがなくなりました。アメニティも一切無し。マレーシア航空では従来、ビジネスクラス以上でフレグランスを搭載していて、Acca Kappa だったのですが、現在ビジネスクラスでもビジネススイートでも消えています。

 さすがにこのトイレをファーストクラスと言うには、厳しいものがあります。Acca Kappa はコスト削減で消えたのでしょうか。マレーシアのことだから、調達をしくじり、たまたま空白期間が生じているような気もします。

MH71:NRT-KUL ビジネス(その2)

5か月ぶりの第2ターミナルですから、発見もあります。たとえば、これ。

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サテライトへの連絡通路に茶室が出現。こんな所に茶室?と思いますよね。誰がこんなところで茶を点てる?という当然の疑問ですが、外国人旅客の記念撮影用セットだと知り、それもありかなとなります。

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掛け軸は智慧や悟りを告げると疑わない半可通なら、記念撮りしますかね。ラテン語もいいけれど、漢字は読めるべきかなと思いました。

 これって実は、桃太郎、いぬ、サル、キジが描かれるベニア板で、顔の部分が穴になっている記念撮影用セットと同じですね。外国人が相手だと、機能は同じでも大掛かりになります。

 

前の月曜日には陸の孤島となった成田空港。1週間しか経っていないのですが、その時の困難を偲ばせる要素は何一つ見つかりません。国際空港は、物質的にも、精神的にも回復が速いと感心しました。

 

さて時刻通りにドアクローズする MH71 便。機材はいつもの A359。A350の導入が早かったマレーシア航空。東京路線では、この主力機材が惜しみなく投入されます。

 ウェルカムドリンクのカクテルは、味と量が通常からかけ離れていました。

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そして機内誌 Going Places の表紙は、MHの経営困難に対して突き放した発言を続けるこの方。ご機嫌とりという訳ではないでしょうが、少々驚き。

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Webでもインタビューは読めます。

EXCLUSIVE: Rock Star Prime Minister – Tun Dr Mahathir Mohamad | Going Places by Malaysia Airlines

この方ぐらいになると、広報担当に凄腕のフォトショップ師を雇っていそうです。スーツはなかなか良さそうな生地に見えます。

 

機内飲み食い関係では、白ワインのページが4ヶ月前に搭乗した時と変わらず。このリストのまま一年経過したのではないでしょうか。今時珍しいことです。

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一方で赤は入れ替えがあった模様。

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これらのワインを全部搭載しているなら種類については十分ですが、イスラム教国の航空会社なので、アルコール類のサービスに期待してはいけません。

 

New Straits Timesにキャセイ関係の記事。新規雇用を凍結したといっても、そのこと自体は珍しくありません。ただ本拠地香港の状況が良くないので、気になるところ。

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もう少ししたらいろいろな数字が出てくるでしょうが、あまり期待できません。

 

給食サービスはいつものとおり、つきだしの乾燥ベリーもしくは落花生の実からの選択。

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気密の袋は、機内では膨らんで出てきます。特殊人形*みたいなのですね。

*:"I'm not your type. I'm not inflatable." なんて T シャツ向けの秀逸なフレーズがありますが、機内で出てくるナッツ類、袋菓子の膨らんだ袋を見るたびに、このフレーズを思い出します。

 

サテーは鶏だけにしたら、2本。

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野菜の串をもう一本もらえると嬉しいのですが、変なリクエストになるでしょうか。

 

オードブルの飾りつけが、格段に良くなりました。航空券の値段の上昇をこうして合理化。

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ただ華麗なデザートがまだないのですね。何としても復活させていただきたいところ。

 

メインは Chef on Call で頼んでいた牛。すっかり忘れていました。

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注文時と気分が変わっています。この日は牛という気分ではなかったのですが、我慢するしかありません。機内食の事前注文は良し悪しです。ところでソースは、バルサミコ酢がふんだんに使われているようでした。

 

こんなものも配布されました。航空券価格が上がってきたマレーシア航空のビジネスクラスですが、サービスも充実してきています。

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料金を上げたら、会社、従業員、客それぞれに良いことがないといけません。

 

MHconnect 自体は始まってから月日がだいぶ経っています。前回の搭乗時には、この無料サービスはありませんでした。

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安全のしおりと同じ A4 版パウチに利用方法が詳しく出ていました。ご丁寧に日本語版があります。

 

就寝時など、みんなが Wi-fi を使いそうな時間帯だと、画像表示は厳しくなりますが、朝食前など空いている時はツイッターぐらいならストレスなく作業できそうです。その程度の性能。

 陸の孤島化した成田空港およびその周辺の状況、その後の経過について当てもなく調べていたら、良くお世話になるこの方のツイートを見つけました。

 

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このやり取りを行っているお二人は、下総がゆかりの地のようです。

 改めて考えると界隈で活躍中の方々には、房総のご出身(てっぺい氏、ネモP画伯など。他にもいらっしゃるはずだけれど、ど忘れしています。)が多いことに気がつきます。旅行ブロガー、旅行ツイッタラー揺籃の地、房総半島です。千葉郷友会を結成すると、房総コネクションの存在が際立つのではないかと思います。(それ故、結成しない方が良いとも言えます。)同郷人どうしでは情報を圧縮してコミュニケーションをとりますから、意識しなくてもつながりが太くなるのは自然。この界隈に房総出身者が多い理由は、成田空港があり、子供の時から海外旅行への関心が高かったためでしょうか。

 

フライト情報を良く見ると、不気味な予告が出ています。

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早着の予定。ただでさえ朝早すぎるスケジュールから 35分の繰上りです。機長のアナウンスでも、3時半。一般的に MH71 便はあまり遅着せず、時々早着します。

 

実際の着陸はさらに少し早まりました。KLIAでは、夜明けが迫っている感じはしません。深夜そのもの。

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MH71は時々利用し、早着はよくあるので慣れています。しかし何をするにしても少し無理がある時間なので、慣れは大した意味を持ちません。

MH71:NRT-KUL ビジネス(その1)

 

マレーシア航空の東京路線は現在、昼便(MH89)と夜便(MH71)の2便体制です。後者は現在、火、水、木、金、日曜日運航で、週末アジアに良さそうだと考えがちですが、さすがに到着4:05は早すぎ。成田出発も 21:30 頃なので、首都圏の多くの勤労者は17:00に仕事を終えて、急いで空港へ向かう必要があります。2時間遅い出発だったら、ちょうど良いフライトになるのに残念です。しかしこれは旅行者の勝手な願望。騒音被害軽減のための協定なり、規則は尊重するのが当然。

 

第2ターミナルからの出発。母屋の 4階 JALラウンジが完成して以来、初めての利用です。ついに話題のラウンジの体験。

 

アプローチは平凡なエスカレーターのままでした。内部はレイアウトが刷新。ダイニングエリアが広くなり、厨房・準備室を三方から取り囲んでいます。インテリアの味付けが、三方で異なるように工夫した後が出ています。ワイン置き場は二箇所。

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置く場所により Champagne が異なります。しかし Champagne の違いに注意を惹きつけられていては、目くらましに会ったも同然。このコーナーに置いてあるグラスは Riedel のようです。少々質が高いグラスでした。他方のコーナーでは、改装前と同じ「まあまあ普通の」ワイングラスでした。

 同じ機能を持つコーナーが二箇所ある場合、細かい違いをつけるのは良いことだと思います。

 ワインのセレクションは上々。改装前より種類が増えています。Rias Baxias、Langhe nebbiolo など、非フランスのワインに見るべきものがありました。ちなみにフランス勢では Verget の Chablis "Terre de Pierres" があり、そちらも頑張っています。総じて言えば、内容はアジアのファーストクラスラウンジとして適当なレベル、種類はやや多い方だと感じました。

 

さて「飯盛り女」は、「死ぬほど嫌そうに寿司を握る職人」の反対側で字面通りの仕事をしています。成田のように海から遠い場所で握られる寿司は遠慮したいので、飯盛り側でサラダを頼んでみます。

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フォークの位置が変ですが、それはそうと自分で盛るより、はるかに美しく見えことは明らか。JALの新しい試みは成功しているように見えました。ただしこのシステムは、社員食堂のような趣になります。ファーストクラスラウンジのダイニングですから、安っぽいと感じる人も多いことでしょう。JAL とて多くの客が喜ぶサービスを提供しなくては、生き残れません。肩が凝らないサービスを尊ぶ客が増えているのでしょう。一方こういうサービスを貧相に感じるのが、むしろ本来の客。営業効率と格式維持の調整は、難しい問題を孕んでいます。

 

食べ放題の品目は非常に少なくなりました。腹にたまりそうなものは、カレー、スープとパンぐらい。カレーのコーナーは飯盛りコーナーの隣。

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もちろん人気は健在。ひっきりなしに人が訪れます。

 

Pechedenferも写真映えするよう、十分な量をよそってきました。改装記念に、これは撮っておかないと...。

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生産者サイドから積極的な提案があるような気がしてならないのですが、相変わらず米はよくセレクトされています。素直に素晴らしいと思います。

 

麺コーナーは完全に見落としていました。どこにあるのか未確認。前日まで意気込んでいても、現地で忘れています。普段の関心が低いことがバレバレ。

 

JALカレーの次に流行になるとしたら、JALたい焼になると思うのですが、今のままでは少しキャラが弱いようです。JAL側での企画に加え、キモ甘系の顧客群による定点観測のサポートが必要です。

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ラウンジの何かが評判になるのは良いこと。カレーの評判に胡坐をかかず、新機軸を打ち出してくれることを期待します。

 

内装・建具は、安物だけれども工夫で勝負。 JAL らしい頑張りが感じられました。今日は空いていたので、大型テーブル(12人掛け?)を一人で占拠。このテーブルに大勢座っているようだと、まさに社員食堂です。混んでおらず幸運でした。

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このテーブルは曲者で、ワイングラスに白ワインを入れて置くとこの通り。宙に浮いて見えます。

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光と表面加工の織り成すマジック。

 

このラウンジの明らかな難点は、シャワーが 3階にあることでしょう。ラウンジ入室後にシャワーを利用するには、

① 3階に降りてカウンターで予約

② 4階ラウンジに戻って順番待ち

③ 携帯ブザーを受けて3階に降り、利用

④ 利用後は 4階に昇り、ラウンジにて「休憩」継続

というプロセスが待っています。降りが2回、昇りが2回、シャワーだけのために移動が生じます。垢ぬけないこと、この上ありません。

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ラウンジの外経由という動線が、問題を起こしているのは明らか。

 

現在、3階ラウンジは改装中。そして「ご不便をおかけします」の斉射にて客の文句・クレームを制圧中。成田のJALラウンジは最終的にどういう姿になるのでしょうか。

隔年修行(その2)

ある年度の会員資格の期間が、次年度の資格を決めるための搭乗積算期間より遅れている、あるいは長く続くために出来た抜け道。それが隔年修行。期間のズレは長くても 3ヶ月ですが、二年に一度その期間に一年分の搭乗を集中して行い、二年間の会員資格の連続維持を可能にします。これはマイレージプログラムが顧客囲い込みに努力する中に咲いたあだ花で、航空会社にとっては嬉しくない搭乗パターン。しかし身から出た錆のような話なので、ほどほどに放置しているように見えます。

 

海外の会社の場合

Flying Blueでは、その年に余剰となる XP は次年に繰り越されます。隔年修行を行うとこの余剰 XP は利用されることなく消滅します。さらにフランス、オランダ住民向けには、毎年 XP を付与するクレジットカードや有料会員制度があります。合計すると 80XP/年になったりします。こうした状況では、隔年修行は流行りそうにありません。ANAの事前サービスや、JALのダイヤ三段仕込のようなややこしい仕組みもないようです。

 逆に言うと、日本ではフライングブルーの隔年修行に価値があるかもしれません。狙い目は、XPに余剰を出さずに到達する Gold 会員。CIのビジネスクラスの利用で、NRT-TPE-HKG を3往復。かかる費用は30万円強 for 2 years。欧州内で時間が取れるなら、AFのパリ乗継ビジネスクラスを利用。3往復(12搭乗)でかかる費用は、15万円強 for 2 years。

 生涯プラチナ会員をめざすなら、隔年での 300 XP 獲得は無意味です。毎年 300 XP、あるいは隔年で 600 XP 獲得する必要があります。会員資格が続いている状態は、会員資格を途切れなく更新していることとは異なります。

 

ブリティッシュ・エアウェイズの Executive Club でも、早期に資格に到達した会員を処遇する時の「特典削減」はなかったはずです。搭乗とデータ処理が終わったら、即会員資格を享受できます。この会社は Flying Blue と同じ (2) のパターンなのですが、avios の初積算が起きた月によって、会員年度が異なります。積算終了は常に8日のようです。(前年度の)会員資格はその次の月まで有効。つまり隔年修行で会員資格を持続させる場合、修行搭乗期間は約7週間。ゴールド会員の場合、この短期間に BA4搭乗を含めた 1,500 の tier points を積算することになります。無理ではありませんが、かなり忙しくなりそうです。

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欧州の三極を構成するこれら二つのFFPは、隔年修行僧への対策は考えていないように見えます。そんな発想をする会員は少ないのでしょう。極東の一部の会員がそんなことを行っていても見逃されそうです。制度全体に手を入れるのは大変ですから。

 

デルタ航空の SkyMiles では、搭乗積算の期間は毎年1月1日から12月31日。そこで到達した会員資格は翌 1月 1日から翌々年 1月31日まで有効です。確かここも基準に達したら、データ処理後すぐに会員資格がもらえたと思います。すると隔年修行ができますね。2年に一度とはいえ、30日以内に15,000ドル以上航空券を買い、デルタで140回飛び回るなんて強烈。実践している方がいらっしゃったら、尊敬します。

 

文化的な側面

隔年修行。一部の人(Pro)にとっては真剣な考慮に値する興味深い方法、あるいはすでに実践している優れた方法なのでしょう。憧れの会員が、バカ正直な連中の半分の出費で維持できるなんて、究極のPP単価抑制法に見えます。

 一部の人(Anti)にとっては、様々なレベルでバカな発想に見えることでしょう。普通に乗りまくっている修行僧やそれに近い人たちには、余裕なさ過ぎ、血眼になり過ぎに見えるはずで、搭乗を楽しまず何のため?となりそうです。業務で年間150回も搭乗させられる社蓄フライヤーには、会員というステータスにしか自分の価値を見つけられない哀れな連中と映るかもしれません。知識があり、他人と異なるやり方、自分自身の工夫を尊ぶ高踏派は、実は隔年修行僧とメンタリティに似たところがありますが、はるかに辛辣なことを言い出しそうです。

 その他の大多数(Muggle)にとっては、第一に奇妙であり、メカニズムを理解すると世の中の知識が増えたと感じられるような内容。そもそも修行自体が馬鹿げていて、心情的には全く理解できない発想のはずです。〆の言葉は、おそらく「まあ、趣味の世界だから...。」

 

「2年に一度、1月から3月間集中して搭乗し、その他の20ヶ月以上の期間は何をしているのか?」は、立場の違いを超えて共通して抱く疑問だと思います。それ以外の期間に搭乗がないのでは、会員の資格の維持自体が目的となっており、本末転倒です。

 本当にそうなら、会員であることだけが自己を肯定する拠り所になっており、つまらない人生を送っている可能性が高いと思います。しかし大部分の隔年修行僧は、おそらく違います。

 二年に一度、集中搭乗する以外は、単なる旅好きが多いのではないでしょうか。普通にエコノミークラスで、年に1、2度の海外旅行を楽にするため、隔年修行もするというケースは結構ありそうです。こういう場合に、金銭的な合理性を持ち出してあれこれ言っても意味がありません。

 マイル収集のみに集中する生活に疲れを感じ始めた陸マイラーたちが、人生に潤いを見つけるために隔年修行を始め、そこに見事に「はまった」みたいな展開もありそうです。こんな場合、隔年修行時以外は平凡な陸マイラー。貯めたマイルで年に数回ハワイ旅行でしょう。

 

経済合理性を欠く奇妙な行動も、広く見られるようになれば文化です。隔年修行も日本の空を特徴付ける個性。他人に危害を加えるようなことがない限り、ポジティブに捉えた方が良いはず。

 

理論と実際

ところで隔年修行を理論にとどめず、実践する人はどのぐらいいるのでしょうか。修行僧は JAL マイレージバンクと ANA マイレージクラブが多いと考えられます。すると隔年修行僧の活動期は、1月から3月になります。

 

羽田朝第一便の到着先のゲートで、乗継案内に羽田行きがある率を数値化

 

して、問題の四半期を他の四半期と比較すれば、隔年修行に実在性があるのかどうかぐらいの判断はできます。

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人数まで書いてあったら、修行僧全体に対する隔年修行僧の割合まで予想できるのですが、ちょっとそれは難しそうです。隔年修行の実態を浮き彫りにする方法は、何か他にあるでしょうか。

隔年修行(その1)

プログラムの年度

マイレージプログラムでは、搭乗の多い会員に上級資格を与えて区別し、厚遇します。搭乗量を定量化する方法は、プログラムによって大きく異なります。搭乗距離と予約クラスの二因子を掛け合わせたもの、この搭乗距離の基準に支払総額の基準が加わるもの、ビジネスクラス以上の支払い総額だけのものと、これでもかと言うぐらい違います。この搭乗実績を計るパラメータは、細かく見ていくと会社によってさらに異なります。この複雑さはブログやら、掲示板やらが乱立する原因になっています。

 一方で搭乗実績のパラメータの積算期間は、比較的単純。多くのプログラムが

 

今年度の搭乗実績で、次年度の会員資格が決まる

 

というシステムを採用しています。この単年周期のプログラムでは、会員資格の期間と次年度のための搭乗積算期間の関係についてバリエーションがあります。大きく分類すると次の3つのパターンになります。

 

(1) 資格期間と次年度のための搭乗実績積算期間は同じ

エーゲ航空 Miles + Bonus のパターン。11月23日に(次年度のための)搭乗積算は終了、(今年度の)会員資格も終了。旧プログラム Miles & Bonus 時代からゴールド会員を継続している古狸の場合、このパターンを毎年繰り返します。Miles + Bonus 時代の新規会員は、人によりサイクルの終了日が異なります。

 

(2) 資格期間は、次年度の搭乗実績積算と同時に開始、遅れて終了

エールフランス Flying Blue のパターン。(次年度の評価のための)搭乗積算は 1月 1日に開始、12月31日終了。一方で会員資格は、1月から次年 3月までの14ヶ月続きます。Flying Blueでは、基本的には全会員に共通の期間が適用されますが、これは会員によって異なるプログラムもあります。

 

(3) 資格期間は、次年度の搭乗実績積算期間同じ長さ、数ヶ月の遅れ

ANA マイレージクラブのパターン。その年の搭乗実績は1月1日から12月31日に積算されますが、その実績による会員資格期間は、次年 4月から次々年 3月です。基本的には全会員に共通の期間が適用されます。

 

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制度はできる限り単純であるべしという基本からすると、(1) が優れています。しかし会員数の大きいプログラムでは、(2) もしくは (3) のパターンが主流。その理由は、恐らく以下の通り。

 資格期間の開始・終了日を次年度の積算期間と一致させると、年度開始からしばらくの間、資格エラーが多数発生します。マイル加算の遅れ、マイル誤処理の修正、クレームの処理などは、マイレージプログラムでは不可避ですが、(1)のやり方だと、年度替わりにこれらの処理を待たずして会員資格を決めます。するとある一定割合で、一度出した資格を後日修正することになります。航空会社が二度カードを送ると、不正使用の原因になります。またエラーの状態で搭乗した場合、本来提供されるサービスが提供されないことがあります。航空会社はさらにこのクレーム処理が必要となり、泥沼にはまります。期間を後にずらせば、修正する余裕ができます。

 

年度のズレを搭乗の節約に利用する修行僧たち

ところで殆ど全てのプログラムで、

 

搭乗実績の積算年度途中に基準に到達すると、データ処理後すぐその会員資格が発生

 

する制度が採用されています。年度の残存期間、別の会社に搭乗が移ることを防止するためだろうと思います。

 これは当然の措置です。もともとマイレージプログラムは、自社を継続して利用してもらうことが目的。それこそが存在理由です。一年というサイクルは意味を持ちませんし、会員実績を評価する単位が、僅かたりとも会員離れを起す原因になってはいけません。「今年は虎年だったから、タイガーエアにしか乗らなかった」とか、「来年は辰年だからキャセイドラゴンだけの利用だ」などという客を縁起担ぎから解放し、自社だけを利用させるための道具なので、年度の切り替わりが影響しては本末転倒なのです。

 

以上のシステムはマイレージプログラムの性質から生じたわけですが、会員資格を毎年維持したい人には奇妙な事実が出現します。上に書いた (2)、(3) の年度パターンのプログラムでは、本来単年サイクルにもかかわらず、二年に一度の集中修行で会員資格が連続維持できることになります。プログラムが想定する会員資格を年度更新する場合に比べ、搭乗量は半分で済みます。

 Flying Blueを例に挙げて説明します。平会員(Blue会員)が 2019年 1月 1日から 3月中旬までに 100 XPの搭乗を行うと、データ処理後 (普通は搭乗の約1週間以内に) Silver 会員になります。これは本来 2020年 1月から 2021年 3月までの会員資格を前倒しで獲得することになります。その結果、 2年間会員資格が続きます。次の搭乗は 2021年の 1~3月になり、再び 2年の会員資格をゲット。確かに毎年更新する場合比べ、搭乗量は半分になります。

 

「二年に一度の修行で、ダイアモンド会員を維持」などという見出しは、こういう方法を解説した内容を伴っているだろうと想像します。

 

下に抜け駆けあらば、上に対策あり

完全に制度の裏をかいています。ダイヤモンド会員(以下会員)維持ともなると、普通は年100万円を超える航空券を買う羽目になります。これが二年に一度で済むなら、平均で年間50万円以上節約。一方会社の立場では、一人あたり年間50万円超の売上げが消えます。こんなことが流行したら一大事です。当然のことながら、すでに隔年修行への対策は実施されています。

 

ANA では、搭乗実績が資格達成基準を超えた場合でも、資格年度の開始以前(翌年4月)には、プレミアムメンバー事前サービスを提供するに留めます。事前サービスでは、その会員資格で受けられるサービスの一部が留保されます。

 とは言っても、アップグレードポイントとライフスタイルマガジンを除くと、年に一回贈与されるタイプの特典が「おあずけ」になる程度。隔年会員修行と毎年マジメに会員更新とでは、かかる費用は大幅に違いますが、特典の差は小さいのでした。

 また細かいことですが、毎年 4月中旬までは事前サービスは行われません。事前サービス中でも会員であると強弁を振るう人でも、隔年修行では会員の空白期間が必ず生じます。「二年に一度の修行で会員を維持」には、少しウソが混じります。

 

JALのアンチ隔年修行オペレーションはさらに徹底しています。この会社、三期間を設けて、サービスを増やす特典熟成法を考案しました。言ってみれば、ダイヤ三段仕込 (サファイア三段仕込、クリスタル三段仕込)。FOPが基準に到達した栄光の日から、1週間後より 1S (ファーストサービス) が開始します。そしてステータスカードが到着した記念の日から、 2S (セカンドサービス) も加わります。さらに本来の資格期間が開始する晴れの日から 3S (サードサービス) も始まり、ようやく一人前の Fly on ステータス会員となり、世に顔を向けられるわけです。

サービスステイタス一覧 - JALマイレージバンク

 

JALが狡猾なのは、本来明確であるはずの資格期間ー特典内容の対応を完全に崩した点に現れます。つまり隔年修行なんて概念は、マイレージバンクには存在しないように見えます。あからさまに隔年修行へ対策しましたとは見えないところがミソ。

 

なお JAL の場合、前年度 Fly on ステータスがあった会員には、国内線のFOP 2倍キャンペーンを行っています。会員が指定する一月に JAL グループ国内線に搭乗した場合、FOPが2倍になるという例のあれです。乗る気を起した前歴がある会員の乗る気を呼び起こそう、持続させようとすることが目的ですが、これは隔年修行への対策にはならず、むしろ助長するかもしれません。(meganeさんご指摘ありがとうございました。)

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このテーマ、書き始める前には短くなり過ぎることを心配していたのですが、予期に反して長くなりました。分割します。