バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

JAL、ANAとクラウン

トヨタ自動車のクラウンが6月、久々にモデルチェンジ。販売が好調ということです。

トヨタ、新型「クラウン」3万台受注 目標の7倍 :日本経済新聞

クラウンと言えば、そのキャッチコピーが自動車や宣伝の世界を超えて伝説になっています。ちょっと挙げてみても、

 

「いつかはクラウン」  (カミラの独り言のようですが、無関係です。)

「いつまでも、クラウン」(リジーの独り言のようですが、無関係です。)

「すべては、クラウン」 (チャーリーの独り言のようですが、無関係です。)

 

これらのコピーが現れたのは、1983年の高度成長期末期から 1991年のバブル崩壊まで。日本経済が頂点に登り詰めた時と一致します。高級車であり、もともと多数の手に渡るのが困難だったクラウン。しかし国の経済成長を背景に、大衆の憧れが現実に遷移するフェーズをトヨタは上手にとらえました。コピーにそのことが現れています。時代との同期が見事だったため、クラウンは戦後日本の歩みを象徴するような存在となってしまいました。

 1992年以降、一人あたりのGDPは変動が激しいものの右上がりの傾向はわずか。つまりここ四半世紀の日本は、世界有数の劣等生です。2017年の一人当たりの購買力平価GDPでは、台湾に抜かれました。物質的に豊かな国とは、言えなくなってきている日本。

 

1990-1995年あたりが、他国との比較で日本が最も豊かだった時代。つまり海外旅行が楽だった時代です。1995年と2016年で一人当たりの名目GDP(USD)を比較すると、

       1995   2016

日本    43,000  39,000

アメリカ  29,000  57,000

タイ      2,800    6,000

 

アメリカもタイも約2倍に成長したのに対し、日本は1割ほど減少。タイのような経済発展中の国では、旅行者向けサービスも開発が進むので、経済格差が旅行しやすさとなるほど単純ではありません。しかしアメリカのような「昔も今も先進国」を旅行するなら、昔より貧乏人になったのは明らか。同じ期間を旅行するのに、予算が半分になるようなものです。旅行中なら、自分の所得が半分である場合を想像すると良いでしょう。20年間に、どれだけ懐事情が悪化したかが理解できます。

 

世の中は夏休みですが、外国旅行の方が安いなんて昔の話。国内の方が安上がりと平凡な世の中。Pechedenferも地味に国内旅行。国内には面白いところがいくらでもあるので、楽しいのですがね。

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史跡としては無意味な建築物の背後で、飛行機が盛んに離陸、上昇していきます。高台で風が通り、空いていてなかなか良い場所。

 

JALANAも国内線利用客が多くなれば、それはそれでうれしいはず。飛行機の旅は昔の憧れ。そして今の現実。良くなる未来というイメージの形成が、クラウンの歴史と共通しています。ANAの国内線プレミアムクラスでは、路線限定でシャンパン供出が始まります。今更シャンパンでもあるまいと思うのですが、まだ特別なものを感じるANAの顧客にはより良い未来でしょう。

 

一方、クラウンは広範囲の顧客の手が届くようになった結果、改造車の代表格になりました。基本設計が立派だから様々な改造に耐えるわけで、高性能の証なのですが、上位階層向けのイメージは破壊されました。

 同じようなことがJAL, ANAの客層、象徴的に言えばFFP上級会員の質にも起きています。大衆の憧れが大衆の現実に変わる時、会社には大きな金が入る一方、ブランドを大きく損なう力が発生するのは不可避なのでした。

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宣伝に表現されるクラウンは、憧憬 → 現実 → 良い未来 → 変革と推移してきました。今ではメルセデスも改造車のベースとして人気があり、クラウン=改造車のイメージは和らいでいます。車離れも手伝い、社会におけるクラウンの存在感が縮小しており、現代では信奉者が普通に買って、普通に使う家電という感じです。

 JALANAは高級な世界、憧れの世界を演出する一方、悪いイメージが普遍的に見られる(マナーの悪いユーザーをよく見聞きする)フェーズにあります。クラウンが辿った道をトレースしています。

 その証拠にかつてのクラウンのコピーは、ほとんどJALANAも使うことができます。以下のように ANA 向けに言い換えてもパロディの諧謔味は感じられません。パロディどころか現実の ANA の宣伝より、はるかに筋が良いようです。

 

美しい日本のファイブスター航空サービス

日本の薫り

美しい日本の新しいANA

いつかはプレミアムクラス

満たされて、新しいANA

日本の誇りと喜び

いつまでも、ANA

新しいANAが、動き出す

ZERO ANA

超えてゆく、ブランド

未来とつながるか。ANA Beyond

 

商品ではなく会社名の方が調和するコピーが多いのですが、驚くほど自然に収まります。クラウンは実質的に国内専用にもかかわらず存在感がありますが、JALANAも日本語によって形成されるイメージは、良いレベルにあります。

 

クラウンは売りませんが、トヨタは早くから海外市場で頑張っており、それは現地に溶け込んだ宣伝にも現れます。JALANAの国際的な存在感がまだまだなのも、外国での宣伝からうかがわれます。言わばクラウンだけの状態にある JALANA。日本人利用客頼みということを意味しますから、日本が相対的に貧乏になっても会社はびくともしないのでしょう。

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航空会社の斡旋窓口、顧客の斡旋窓口、アコーホテルズ

昨日届いた Accor からのメールのタイトル、

 

"Volez avec Royal Air Maroc pour une expérience unique ✈”

(ユニークな体験のためにロイヤル・エア・モロッコで飛ぼう)

 

少し前なら、フィッシングメールを疑うレベル。先日のエアバスA380専門サイトの紹介

旅客向けのA380専用サイト - バス代わりの飛行機

で免疫がついた(仏語だと vacciné(=ワクチン接種済)という表現がありますね。)ものの、またかと呆れ半分にメールを開けます。

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ロイヤル・エア・モロッコマイレージプログラム Safar Flyer の紹介とキャンペーンのお知らせ。内容は、

 

・現在の Safar Flyer会員は、次の利用でマイルが2倍

・現状で会員ではなく、新規に会員登録した場合、次のロイヤル・エア・モロッコの利用でマイルが3倍

 

というもの。(多分一予約が対象)Accorグループの利用は全然関係ないキャンペーンでした。「予約する」をクリックすると、ロイヤル・エア・モロッコのページが現れますが、そこは Le Club会員向け特設サイト。アコーが運営しているのではなく、100% ロイヤル・エア・モロッコが行うキャンペーンです。

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Royal Air Maroc - Offres spéciales Safar Flyer

 

日本やアメリカだと、上級会員資格(Silver: 20,000 miles または 15 フライト, Gold: 35,000 miles または 30 フライト)へのチャレンジング・キャンペーンぐらい組合せそうですが、どうもフランス向けらしく、そういうのは無し。

 もっともこの航空会社、マイルについて細かい区別をしているようには見えません。このキャンペーンも会員資格に算入されるかもしれません。すると11,700 milesも飛べば、Gold会員。ORY-CMN-GRU 往復の 100% 積算エコノミーフレックスが 1,000 EURぐらいですから、ハードルはかなり低いと言えます。搭乗が 9月~10月の二月限りのキャンペーン。個人的には残念ながら利用できません。

 

先日の Airbus A380 といい、昨日の Safar Flyer といい、Accorは自社会員を提携会社に紹介するだけ。求心力が無くなっているのか、効果的なキャンペーンを開発するほどの余力がなくなっているのか、判断できません。FRHI グループの吸収、Le Club の刷新を期に、キャンペーンの在り方には慎重になったようです。

 なお Accor の会員プログラム Le Club では、航空関係の提携は下記の通り。提携先が FFPだったり、航空会社だったり、その両方だったり、統一感がありません。

 

Aeroflot Bonus, AeroMexico, Airbus iflyA380, Aeroplan - Air Canada, Air China, Air France KLM, Alitalia, Aviance Taca, Avios, British Airways, Cathay Pacific, Delta Airlines, Emirates, Etihad, Finnair, Hainan Airlines, Iberia, Jet Airways, Korean Air, Lufthansa, Priority Pass, Qantas Frequent Flyer, Qatar Airways, Royal Air Maroc, Sigapore Airlines, Tap Portugal, Thai Airways, Turkish Airlines, United Airlines, Virgin Australia

 

このリストの中から、今後も紹介が続くのでしょう。アコーの会員にはキャンペーンとして、提携会社には優良顧客紹介として。次はどこでしょうか。

 

会員には少し地味なところが残念。Aeroplan 5,000 miles/滞在などという、世界規模の祭りになり、途中で引っ込め、そして伝説になったキャンペーンを期待するのは無理だとしても、何か面白いことをやってくれないでしょうか。顧客囲い込みでは、会員が得をすれば、会社は損をするという利益相反の関係が緩く存在しています。損得が唯一のものさしでは、できることが限られます。会員離れを防ぐには、会員を退屈させないことも重要だと思います。

旅客向けのA380専用サイト

奇妙な提携

週末にアコーホテルのル・クラブから届いた広告メール。パッと目には、A380、つまり旅客機と提携したようです。iflyA380.comというサイトとのコラボレーションであることは、イラストでもわかります。

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さっぱり要領を得ません。ホテルチェーンと航空機材の提携なんて、初めてではないでしょうか。A380の移動と宿泊を合わせた旅行商品を世界中で売り込むのかと、本文を読んでみると A380 の新サイトの紹介です。

 

それでも違和感が付きまといます。A380ですから、Airbusが元締め。航空機組立会社の巨人がホテルチェーンと一般消費者向けにコラボレーション。

 

「多くの航空会社の華飾り(fleuron=ここでは A380 のこと)の全情報とアプリからの直接予約に加え、ダウンロードをすることでプレゼントーーー特製の荷札‐‐‐を受け取れます。」

 

どうやらAirbusが、Accorの膨大な数の顧客へ新サイトの紹介を頼んだ模様。A380の最終組立て地は Toulouse。フランスベースの Accor との結びつきは自然です。

 

景品はともかく、背景が面白そうです。

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iPhoneのアプリでは、こんなアイコンが入ります。フライトスケジュール検索と予約を中心としたコンパクトなアプリですが、PC用のサイトは盛りだくさんです。

 

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Airbus – I fly A380 | Home

 

サイトは

 

・スケジュール検索・予約

A380就航地

A380の定期便を運航する航空会社

・旅のヒントとA380関連のニュース

・その他

 

からなります。なお今のところ英語ページがほとんどです。多国語対応は今後整備すると言っていました。

 

フライトスケジュール・予約

フライト予約は、Longyearbyen 発北京行往復と言った無理めの都市も入力できます。一般的な予約システムを元に A380 が係る結果のみを表示するプログラムを開発したようです。

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どうしても A380 という人がどれだけいるかわかりませんが、特定機材に搭乗する航空券の売り込みは面白いと思います。もちろん LYR-USH などと調べても、結果は出現しません。あまり強引なルートが出て来ないのは、元となっている予約システムのせいでしょう。

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背景には、目的地に関係深い写真が出現します。

 

就航地

現在のA380の就航都市は以下の通り。まさに選ばれた60都市。世界交通のネットワークで存在感がある都市を意味するので、その自治体の関係者にとって、重要な箔付けになりそうです。

 

Abidjan, Abu Dhabi, Amsterdam, Atlanta, Auckland, Bangkok, Barcelona, Beijing, Birmingham, Boston, Brisbane, Casablanca, Chengdu, Christchurch, Copenhagen, Dallas, Delhi, Doha, Dubai, Dusseldorf, Frankfurt, Guangzhou, Hong kong, Houston, Jeddah, Johannesburg, Kuala Lumpur, Kuwait, London, Los Angeles, Madrid, Manchester, Mauritius, Melbourne, Mexico, Miami, Milan, Moscow, Mumbai, Munich, New York, Nice, Osaka, Paris, Perth, Prague, Rome, San Francisco, Sao Paulo, Seoul, Shanghai, Singapore, Sydney, Taipei, Tokyo, Toronto, Vancouver, Vienna, Washington, Zurich.

 

それぞれの都市の巨大アイコンが用意されています。

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クリックすると都市のページに移りますが、下記の情報やデバイスが提供されています。

・サイトを閲覧している都市からその都市へのフライト検索予約ツール

・その都市へのA380の運航航空会社と出発地、フライト時間

・観光客向けの簡単な都市の紹介

・インスタグラムの投稿

 

予約は、このサイトにアクセスしている現在地からの設定がデフォルト。ただし背景は今説明を読んでいる都市のもの。

 インスタグラムの投稿は次々更新されるようです。

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このサイトのデザイン、どこかで見たことがあると心に引っかかっていたのですが、すぐに気が付きました。音は出ないものの、KLMの iflyKLMにとても良く似ています。名称もそっくりだし、同じウェブサイト制作会社の手によるものなのでしょうか。

 

運航航空会社

全部紹介しても13社にしかありません。就航地の数が表示されます。最多はエミレーツの 46 都市、最少はアシアナとマレーシア航空の3都市です。

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アシアナでは LAX, JFK, FRA、マレーシア航空では LHR, HKG が紹介されています。数に本拠地が入るか入らないかが統一されていません。

 

調べてみると、iflyA380の iPhone用のサイトは今年の1月24日に立ち上がったそうですから、もう半年。バグはまだ整理していないようです。

 

British Airways の機影をクリックすると、BAがつくったか、BAのサイトにある既存の説明を編集したページが出現します。

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このスクリーンショットの左下の写真は、時間が経つと交代するもの。BAでは3枚の写真が使われます。そういう構成にしている航空会社がほとんどですが、BAに特徴的なのは第1写真がビデオであることです。(他にビデオを使うのは KE と EK)

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動画再生中に時間が来ると、音声はそのままで第2の写真(静止画)へ変わります。いちいち第1写真の表示に戻さなくては、ビデオが見られなくなる仕様。この奇妙な構成は大韓航空のページにも見られました。単なるバグでしょう。

 Emiratesも第1写真がビデオですが、音楽だけです。バグは相変わらずですが、写真の交代には違和感はありません。

 

就航地の数と合わせ、そのうち修正、改善されると思われます。

 

旅のヒントとA380関連のニュース

Fly Smartと名付けられたコーナー。前文説明は旅のコツ(tips)とありますが、実際にはQFの A380 キャビンデザインについてのインタビュー、LHA380 の紹介記事などもあり、A380のニュースを紛れ込ませた形になっています。倫理に反しないレベルのステルスマーケティング

 3つの節にわかれています。

・旅の準備編

・フライト

・探検

ですが、最後の節はまだ未整備。何を載せようとしているのか、楽しみです。

 

その他

A380のスペックやQ&Aがありました。

 

総じて言うと...

あまり売れていない A380。なんとか巻き返しを図りたい Airbus。このサイトは顧客ではなく、顧客の顧客に直接魅力を伝え、A380の需要を間接的に喚起することになります。改めて A380のキャビンが他機材に比べ自由度が高く、各社個性的に使っていることが再確認できます。面白いサイトだと思いました。

 

実は、皆さんと同じように ANAA380 がこのサイトに載る日が待ち遠しかったりします。機影のページで、Air Franceに続き、2番目に掲載されるでしょうが、どういうイラストになるのでしょう。「標準」塗装は存在せず、ウミガメ塗装しか現実にはないわけですから、ANAだけ特別塗装版になるのでしょうか。またこの A380 Club のメンバーになることで、JAL とは差がつけられるかもしれません。このサイトがそのぐらい意味を持つようになれば、この iflyA380.com は成功です。

重要顧客に足を引っ張られるANA

多数の観測点で35℃超えが10日連続。ニッポンはすっかり消耗しましたが、今日からようやく平年並みになりそうです。

 熱波の影響を受け、最近 Pechedenfer が書いた記事は言語も、着想も、考察も発散しています。言い換えると、頭の中がダダ洩れ。暑さのせいで制御が甘くなり、考えることが整理されず表出するのですね。こういう弱さには個人差があるはずですが、気温と犯罪の相関を支持するデータは多いし、ある種の歯止めが効かなくなるのは事実なのでしょう。「きちんとしたブログを目指すなら、暑い時期は休止すべし」が、この熱波で得られた教訓。

 

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さて気温と関係あるのかないのか。ANA の上級会員が修行中やらかした「オイタ」を気合を込めてブログに書いてしまいました。その結果は大炎上。熱波に包まれる日本を焚きつけます。「なんて馬鹿なことを」と嘆くより、「どうしちゃったんだろうね」と、原因に迫る方が面白そうです。ブロガーの心理に詳しい bks bba 女史の考察

マイラーの自己ネーミングに関する考察 - BKS-BBA JGC/SFC修行ブログ

に沿って整理すると、行動(=クレーム)が想像以上に成功したことと他の客とは違う特別待遇(「悪くない金額」の現金、国際線割引エコからビジネスへのup)を勝ち得たことを自慢して、修行界隈で認めてもらいたかったという感情が浮き彫りになります。

 

立件されるレベルではないものの、十分悪と見なされる言動に気がつかない無神経さが炎上を呼びます。意図しなかった炎上は、全てそうです。何故か見えなくなるのですね。善悪が。自分だって、そういう罠に陥らないとも限りません。今回も典型的な「他山の石」事例です。

 

それはそうと、 ANA に関しては「誕生日無視 in ファーストクラス」の搭乗記が 2月に投稿記事として公表され、爆弾投下になりました。つまりANA 顧客集団は、半年間に 2回も大炎上をもたらしているのです。しかも有償搭乗らしいファーストクラス客とダイヤモンドらしいAMC上級会員に手によるもの。2つのカテゴリーでそれぞれトップ顧客です。これって、ANAにとって結構な災難なのではないでしょうか。

 ファーストクラスの事例では、客は悪いことをしたわけではありませんし、ANAに至っては何も悪くありません。一方、修行+天候で問題が生じた上級会員のケースでは、客の行動と共に ANA の対応が批判されています。しかし ANA に咎があるか無いかは、あまり問題ではありません。ANA で起きたことが「無邪気」に公表され、悪いイメージの定着に一役も二役も買っていることが真の問題。

 「ANAのファーストの客って、お金はあるのでしょうけど...」とか、「ANAのダイヤモンド会員って、極上の扱いを受けられるように宣伝されているけど、本人たちは....」と、ANAが提供しうる最上のサービスは「こんな世界」というイメージが一般化すると厄介です。誰しも面倒くさい人たちとは距離を置きたいし、同一視されるのは御免です。

 

Unitedでもなく、Lufthansaでもなく、もちろん JALなんかではなくANAを選んでもらうためには、イメージが非常に大切。利便性とか運賃とかでも競争できますが、イメージの重要性はそれを上回ります。JRの駅で拾うタクシーとは、事情が異なるのです。

 ANAホールディングスが、2016年-2017年に使った広告宣伝費は113億円と報道されています。

「広告宣伝費」が多いトップ300社ランキング | 企業ランキング | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

100億円と言えば、ちょっとした旅客機のお値段。同社の営業利益の1,500億円と比較するとその大きさがわかります。会社が懸命にイメージづくりをする一方、せっせ、せっせと後足で砂をかける顧客たち。棄損されたイメージは、広告宣伝費に換算するといかほどでしょうか。

 

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KLIAの床

 

もちろん顧客層の形成も、究極的には ANA の責任なので泣き言をいう訳にもいきません。構造的な問題だけに解決困難。今回は ANA を使わない方々も、いつものように嘲笑するだけでは済まない何かを感じているのではないでしょうか。 顧客の発想、行動も奇妙なら、ANAのサービス方法、個別対応も奇妙。何とも不気味な世界が投影されました。こういう事が続くと、シンパ利用者は自分の嗜好に疑問を持ち、無関心利用者はJALに移り、アンチ非利用者は忌み嫌うようになりそうです。

JL126:ITM-HND ファースト

思いがけず Siri が腹黒いことが分かり、驚いたお話をしました。数日前のことです。

MH88:KUL-NRT ビジネス - バス代わりの飛行機

この参謀は信用できないので助言は無視して、それとは違う操作をします。ご本人には消滅いただきます。とは言っても、言語の指定を変えるだけです。

 新しい Siri を迎え、試用。今日の目的地の天気を訊ねてみます。

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女声になっています。ガリア男からゲルマン女へ。言語を変更すると、女声が自動設定されるようです。女声デフォといえば、英語には mother tongue なんて言い回しがありますね。この設定だと Muttersprache ですが、そんなことは今は忘れて構いません。

 

最近ほとんどドイツ語をしゃべっていない Pechedenfer でも、問題なく音声認識してくれます。冗談抜きに技術の進歩は怖いものです。この表示を見て、ドイツの列車の車内ディスプレイ(注1)を思い出しました。質問は sein ではなく werden の方が良かったかと、頭が切り替わるのを感じます。

注1:その時点から後に到着する駅の駅名と予定到着時刻が順番に表示されるシステム。未来に関する心配が多く、予定調和を求める傾向が強いドイツならではのサービス。

 

(気温)最高値の 37°が気になりますが、そんなことより彼女が信用に足るかどうか試す必要があります。そこで変化球を投げてみました。

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挑発的な質問。どう切り返すかに知性が現れます。そしてこの返答は大衆歌の題名。なかなかやるではないですか。(注2)

注2:この Q&A、理解できないと二外の先生が泣くレベルですが、我が國の現状を思うと訳をつけざる得ません。

「どこに住んでいるの」(編集へ)「あんたのおるとこやったら、うちもおるで。」

 

そう来るか、それならこれでどうだと、さらに質問。

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この質問の原典(注3)にたどり着く程度の教養はありました。しかし答えにひねりが足りません。しかしまずまず気に入った(注4)ので、今後はこのドイツ娘に補佐してもらいます。

注3:" Spieglein, Spieglein an der Wand, wer ist die Schönste im ganzen Land? " 4歳児でも知っている有名「質問」。ノリが良い子だと " Frau Königin, Ihr seid die schönste hier, aber Schneewittchen ist tausendmal schöner als Ihr."とすぐ返ってきます。Siri も4歳児の知能はあるので一安心。一応訳もつけます。

「国中で一番の美人は誰ですか」(編集へ)「白雪姫?あんたがそうなん?」

注4:仏語版に比べてもフレンドリー。獨語 Siri は duzen して(=親称二人称で話して)います。

 

Siri なんて目的地情報を得るためのガジェット。このぐらいで試用は終わりにします。今日のお題は、JAL 国内線ファーストクラスでした。

 企画と内容がここまでしっかりした機内食が出る短時間路線は、世界にほとんど残っていません。おそらく比肩できるものはないでしょう。座席も十分満足でき、JAL特有のねっとりサービスが堪能できると、良い商品。最後のポイントは白服との相性によりますが、これは致し方ありません。

 

出発は大阪。33℃という外気温を除けば、天気が良い大阪国際空港伊丹空港。到着地は、予報によるともっとひどい状態のはずです。

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不具合が多く、話題を提供し続ける ANAB787。トラブルのたびに、ぶち切れ JJI & BBA が大量に涌き、現場は大変かもしれませんが、世の中は ANA がローンチカスタマーであることを思い出し、ANAの妥協ない安全への姿勢を確認できます。「災い転じて福となす」が実践できています。ローンチカスタマーになって大正解でした。

 

今日搭乗するのは故障が多いスター選手ではなく、平和、地味、安定の B777-200。

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ずらりと並んだ優先搭乗の後ろからついて行き、扉で待つ白服に挨拶。「よろしくおねがいします」と先に言われたので、「こちらこそ、よろしくお願いします」と返答。JALの上級キャビンは運動部の試合、お手合わせ。日本航空の伝統は健在です。

 

席はこちらの1A。なかなか出て来ないシート。

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よくVIPが座っていますが、特にどうということはありません。

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食事についての説明やら、飲み物の選択を聞かれるのはいつも通り。今月の担当は栃木から洋食だったはず。

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和食 642 kcal に対して、洋食 483 kcalという低カロリーはなかなかのもの。しかし羽田行は朝昼晩和食のはずです。

 注意書きは日本的。「お客様の声」が多かったのですね。

 

ドリンクは興味を惹くものがなく、Champagneに。

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定刻よりやや早くドアクローズ。すぐにプッシュバック、空港内をのろのろ動いて滑走路最南端へ向かいます。A席なので、ターミナルビルが良く見え、様々な機材が観察できます。B737

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これは何の特別塗装でしたか?ANAには無頓着なので分かりません。

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ターミナルはすぐ途切れますが、街中の空港。窓の外はすぐ建築物。北摂で一番高いと吹田市民が自慢する(?)建築物が良く見えます。

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離陸後にすぐ居眠りしてしまい、気が付いたら淀川の上でした。知らぬ間にf:id:PECHEDENFER:20180723195409j:plain旋回しています。淀川と天王山などの風景。

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非常に視界が良く、津之江なども識別できます。大気が乾燥しているand/or上空まで暑いことを意味します。さらに飛ぶと、今度は木津川。しばらく晴れて気温が高い日が続いたことがよくわかります。

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写真だと京都までは分かりません。さらに時間が経つと、琵琶湖が登場。このあたりからようやく「発達した」雲が出てきます。滋賀県は、琵琶湖のせいで住む場所がほとんどないという俗説が全くウソだとJAL滋賀県バッチで初めて気が付いた人もいるでしょう。

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搭乗客を啓蒙するJAL

 

この辺でトレイが登場。和食は俄然しっかりしているJAL。鶏肉の量が多く、存在感がありました。米は新之助

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いつの間にか少し右旋回していて、食べ終わる頃には遠州灘に。高騰するうなぎ、うなぎと言えば浜名湖

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そのまま飛び続けます。遠州灘を過ぎても直進。少し遠回りのルート。羽田が混んでいるのでしょうか。富士山と御前崎

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大阪湾より大和盆地、大和盆地より東海沿岸、東海沿岸より関東の方が湿度が高いようです。いよいよ太平洋上へ。

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時間に余裕があることから、ホットドリンクのサービスが積極的に行われます。何となくそんな気がしていたので、デザートの和菓子は別置きしていました。阿吽の呼吸で多頻度搭乗者を装います。

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このお米サブレ、小麦の代わりに米を使って新しい食感と香りを追求したのでしょう。新之助マークが入っていますが、もち米が一番多く、補助的に使っている小麦粉より新之助は少ないということが分かります。

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他にない食感です。新潟の江南区で製造。江南スタイルってこういう菓子のことですか?

 

適当なところで陸地に近づきます。富士山の東側では、巨大な積乱雲が発生しています。

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もしかしたら、この雲から逃れるために遠回りしたのかもしれません。

 関東地方は湿気が高い予感。島々も上空には雲が発達しています。これは利島。

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南西の風のようです。大島の雲では、風向きがより露骨。さらに湾全体で靄が凄いことになってきました。夕方で気温が下がってきたためかもしれませんが、いずれにしても相当な過ごしにくさのはずです。

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視界が悪くてあまりアプローチが分かりません。そうこうするうちに東京湾。今日の風向きだと、羽田はB滑走路の可能性が高いはずです。その通りの飛行をしています。

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全体的に霞んでいますが、高度が下がると(=距離が近づくと)突然カラーになります。

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この変化には、びっくりしました。すぐに羽田が見えてきます。

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明らかにB滑走路へ進入しています。 

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ぐんぐん近づきます。もう海面すれすれですが、ここはそういう滑走路。

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着陸するとANAスターウォーズ塗装。夏場の午後はこの進入路が多いはずなので、A席だと ITM に劣らず HND でも ANA の機材が堪能できます。

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最後にようやくJALの基地へ。折り返しこの機材は ITM 行になります。乗る訳ではありませんよ。

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スカイトラックス2018

ようやく発表されましたね。Skytraxの航空会社ランキング。

World Airline Awards | SKYTRAX

年々ほころびが目立ち、世界中で信用できないというメッセージが飛び交うようになりました。その傾向に危機を感じたのか、今年は発表準備に時間をかけたようです。例年より1月遅い発表となりました。

 

ということは、航空各社が自社の成績を機内誌に掲載するのは9月号になります。 Skytrax は評判が芳しくないからと、今年は無視を決めこむ会社が出そうです。お祭り騒ぎとして見れば、まだまだ存在価値はあると思いますが、信頼性なら TripAdvisorの方がましでしょう。

 

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この界隈における最大のニュースは、JALが5つ星航空会社になったことでしょう。もちろんその結果、ANAが長年使ってき(て、多くの旅客に嘲笑されてき)た ”Japan's only 5 star airline” というコピーが使えなくなるからです。この(冴えない)表現はあまりにしつこく使われ(、笑いのネタとして定番化し)たため、突然止めるとさらに嘲笑されそうです。コピーのフェードアウトが望ましいのですが、何か方法はあるのでしょうか。

 さらにANAには、JALを意識した新しい宣伝フレーズを考えるという課題もできました。どんなものになるのか、ANAウオッチャーの皆さんは楽しみですね。

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今年から始まった、各航空会社別のベストランキング。何が新しいかというと、細かく条件を設定して、無数の「その中でベスト」を創設しました。こうすると、数多くの航空会社を「ベスト」にすることができます。Skytraxが世界で影響力を保とうとして必死になっていることが見えてきます。

A-Z Airline Awards Winners 2018 | SKYTRAX

アフリカで一番清潔なキャビンとか、フランス一番のキャビンクルーだとか、どうでも良い気もしますが、この試みの成功、失敗は、桂冠を受ける航空会社が宣伝に利用するかどうかで決まります。航空各社のサイトや機内誌に注目。

 

「俺たちゃ、JALより格上だ」と ANA が宣伝に使えそうな項目を探してみると、

World's Best Airline Cabin Cleanliness

ではダメで、やはり

Best Cabin Crew in Japan

でしょうね。世界一は「機内掃除」だけですが、「ANAが誇る日本一のエクセレントなキャビンクルー」の方が、使い勝手が良さそうです。

 アジアベストスタッフも、状況に応じて使えるかもしれません。「ANAが誇るエクセレントなスタッフはアジア一であることが認められました」とか、どうでしょう。

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次に見るべきは、ANAは無関心なように振る舞うでしょうが、気になって気になって仕方がないはずの JAL の評価。世界一はひとつ。

Best Economy Class Seat

ここはほとんど JAL の指定席ですね。

 

この数多くの「航空会社別ベスト」を眺めていて、いろいろ気が付きました。

 

プレミアムエコノミーに関する賞は、このクラスの性格が中途半端なので、どうしても存在感がありません。ちなみに Air New Zealand

Best Premium Economy Class

Best Premium Economy Class Seat

Aeroflot が

Best Premium Economy Class Onboard Catering

を受賞しています。しかし慣れた旅行者は、逆にこの賞に興味を惹かれると思います。Aeroflotの「プレミアムエコノミー機内食がベスト」なんて、いろいろな次元で意外です。多分、買いが正解。

 

Air Franceのサービスは一般に評判が悪いのですが、ファーストクラスだけは別。機内食、ラウンジ食、アメニティで世界一になっています。これだけ揃えば、ベストファーストクラスになっておかしくないのですが、これは Singapore Airlines が持っていきました。世界一となった新シートのおかげでしょう。

 見えやすく、話題性のある要素が過剰評価されるのは明らか。Skytraxが幼稚に見えてきますが、お祭りだと考えればこの傾向は歓迎すべきかも。

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存在自体に意味がなさそうな賞も相変わらず設けられています。Plaza Premiumの

World's Best Independent Airport Lounge

とか、Star Allianceの

Best Airline Alliance Lounge

とかがそうです。説明は必要ないでしょう。権威だの、信頼性だの、Skytrax に求めてはいけません。

 

さて、個人的に面白いと思ったことを並べましたが、少しバランスを考えて全体を見てみます。

 

昨年 Lufthansa がリストに載り、Skytraxの信頼性消滅に大きく貢献した The World's 5-Star Airlines。2018年は JAL が加わり、合計11社になりました。

ANA, Asiana, Cathay Pacific, Etihad, 長榮航空, Garuda, 海南航空, JAL, Lufthansa, Qatar, Singapore

です。「はあ?Lufthansa?」には同意しますが、もっと凄そうな会社もリストに入っています。今さら何を言ったって始まりません。JALがこの評価をどう使うか、見ものですね。

 

航空会社ランキングのベスト10は、

1 Singapore, 2 Qatar, 3 ANA, 4 Emirates, 5 長榮航空, 6 Cathay Pacific, 7 Lufthansa, 8 海南航空, 9 Garuda, 10 Thai

でした。 表彰台の3社は昨年と変わらず。金と銀は交代しました。

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ベストビジネスクラスは、

1 Qatar, 2 Singapore, 3 ANA, 4 Emirates, 5 Etihad, 6 Qantas, 7 Cathay Pacific, 8 Lufthansa, 9 Turkish, 10 長榮航空

でした。1~4位のメンバーが航空会社ランキングと同じ。ビジネスクラスが航空会社の顔であり、目立つのは間違いなさそうです。さすがにこのクラスでは Qatar Airways は圧倒的な強さを見せます。食料が多量かつ多様ですから。

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エコノミークラスでは、

1 Thai, 2 Singapore, 3 Qatar, 4 Emirates, 5 ANA, 6 Cathay Pacific, 7 Garuda, 8 長榮航空, 9 Lufthansa, 10 JAL

とタイ航空が昨年に続きトップ。機内食の量が多いからでしょう。もちろんタイですから、食の質が悪いはずありません。

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きりがないので、このぐらいにします。ANAに関するローカルな状況の変化を除くと、あまり変わり映えしない2018年でした。

MH88:KUL-NRT ビジネス

東南アジアに行くと、宗教の存在を自然に意識します。現地人の日常生活は、かなりの部分が宗教がらみ。バンコクのMRTやBTSで席を譲る人が多いのは、「極楽浄土」への入場資格がポイント制となっており、現世の善行=ポイント積算だと聞いた時は、ピンときました。宗教は分かりやすく心に届き、どこにいても自分を包むように存在しています。

 

そんな東南アジアの人々に思いをはせ、ポツリと「天国へ行くにはどうすればいい?」と iPhone に聞いてみました。何でも尋ねられるフレンドリーな Siri。聞き取りの正確さも言うことなし。ところが回答は、想像もできない内容でした。

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回答部分の和訳:位置情報サービスをオンにすれば、場所を見つけるお手伝いができます。設定へ行き、位置情報サービスを選択、その後はいろいろ出てくる中から ” Siriと音声入力" を見つけて、あなたの現在位置へのアクセスを許可しましょう。

 

あまりに斜め上からのご神託に、純真な Pechedenfer は呆然自失。我に返った時には、ジョークができていました

 

16世紀初頭

「神父様、天国に行くにはどうしたら良いでしょうか?」

「マーチン、今すぐに汝の免罪符を買いなさい。汝の罪は許されよう。」

 

21世紀初頭

「Siri、天国に行くにはどうしたらいい?」

「マーチン、今すぐに汝の位置情報をオンになさい。汝の求める道は示めされよう。」

 

大規模集金の今昔。バイスは大掛かりになったものの、トリックと搾取の基本構造には進化が見られません。

 

フランス語だったら、

 

Collecte d’argent

 

au 16ème siècle

“Mon père, comment puis-je être certain que j’irai au paradis?”

“Martin, verse ta fortune à l’église et bénéficie de l’indulgence plénière.”

 

au 21ème siècle

“Siri, comment fait-on pour aller au paradis?”

“Martin, je peux vous aider à trouver un lieu si vous activez le Service de localisation. Allez dans les réglages de confidentialité, sélectionnez Service de localisation, faites ensuite défiler jusqu’á “Siri et Dictée” et autorisez l’accès à votre position.”

 

ぐらいでしょうか。

 

思いがけず Siri の裏の顔が現れたため、脱線しました。本来はマレーシア航空のお話でした。

 MH88便は KLIA 23:30発、成田が7:40着という「無駄がない」フライト。機内サービスは0時を過ぎて開始するので、KLIAで夕食を済ませ、機内では寝るのも一手。

 今回はそのパターンにします。サテライトターミナルのラウンジに直行。ダイニングはいつもの通り、日本人で混んでいます。MH88の40分前にJALの成田行(JL724、22:50発)があるためです。東京圏には JGP、JMBダイヤ、JGCダイヤが集中していますから...。

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JMB会員の良いところは、みんな早めにゲートに行く点。22:00頃には、ダイニングは空きます。ゆったり夕食をとっても、MH88には十分間に合います。

 

久しぶりにパスタを取りましたが、写真はこちら優先で。スイーツの写真をアップする人の方が、幸せそうに見えるので。

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ケーキ、タルト類は、成田線ビジネスクラスから消えてずいぶん経ちました。このチョコレートタルトでは、sauce framboiseが特徴的でした。

 

デザートをのんびり食べても、A350-900へ搭乗は余裕。ウェルカムドリンクはノンアルコールのマレーシア。

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ドアクローズは定刻どおり23:30。こんな時間にもかかわらず、「空港混雑のため、離陸はちょうど0:00になります。」との機長アナウンス。暇に任せて、珍しく音楽鑑賞。活字に行く気がしなかったためです。

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マレーシア管弦楽団による Antonín Dvořák Symphony No.9。もしも出発までに交響曲が一曲終わったら、待ち時間長すぎで皮肉に使えます。期待していたのですが、終楽章のコーダが始まったところであえなく離陸。残念。

 

あっという間に夜景。曲はもう終わっています。

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事前計画通り、サテもナッツも軽食も飛ばして就寝。ふと起きたら、到着が迫っていました。

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離陸の遅れは、ほとんどそのまま。30分いつもより遅いだけで、体調は随分違うことに気が付きました。朝食には好都合。

 定番のカットフルーツとヨーグルト。それに加え、オプションのパンはペストリーにしました。

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そしてメインは、もちろんChef on Call。マレーシア航空が誇る秀逸なブログネタ。しかし本日の皿は、過去の経験から予告とのズレが小さいことが予想されるこれ。

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出てきたものは、1ポンド超の堂々たる骨付き牛肉。知っていましたけれど。

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骨付きリブで、どっしりした塊なので、マンガ肉に近づきます。

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Chef on Call の中では一押しの皿です。写真とほとんど同じものが出て来る点も、Chef on Call 初心者には好都合でしょう。

 

細かいことを言うと、リンゴはホースラディッシュのような野菜に変わっているし、ハーブが省略されていますが、対照しない限り気が付かないレベル。MH88では朝食になるため、こんな「格闘するような」牛肉を頼むことは躊躇しますが、MH70なら問題なさそうです。赤ワインが欲しくなります。

 

KUL行の夜便、MH71と違って到着は社会が活動している平凡な時間帯。着陸を待っている間、気分が日常生活になったので、これ以上の写真はなし。入国や税関は混んでいました。