PECHEDENFERのブログ

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BA が Tier Points 積算期間を統一

 

現行の制度

BA のエグゼクティブクラブは搭乗実績を Tier Points で量り、Tier Points は

・会員別に定まった 1年間積算されます。会員により月が違い、通常 8日の締め

が共通します。エグゼクティブクラブに入会して、最初に Tier Points がアカウントに記録された月の 8日が毎年の締め日になると言われています。

 この制度は何かのきっかけで BA 搭乗が増えた会員に対して、利用パターンの開始時期による差を平準化する配慮に違いありません。

 

さて私の場合 12月 17日が入会日だそうで、10周年にお祝いメールが届きました。

アカウント上に Tier Points が初めて記録されたのは 1月初めでした。1月 8日が Tier Points 積算年度の最終日となり、これは会員を続ける限り変わらないはずでした。

 

なお会員ティアの有効期限は、

・継続の場合、Tier Points 積算年度終了日の翌々月から一年間(私は同年 3月~翌年 2月)

Tier Points 積算期間終了後、一月空けてその積算期間の搭乗状況が反映された会員期間一年間が始まります。ただし

・ティア上昇なら、基準到達時からTier Points 積算年度終了日の翌々月から一年後までの期間

です。つまり Tier Points 積算期間の半ばでも、会員レベルが上がるとすぐにその会員として扱われ、積算期間の搭乗状況が反映された会員期間一年間が終了するまで有効です。

 

つまりエグゼクティブクラブでは、(1) 入会日、(2) 活動期間、(3) 認知期間の月日が全て異なります。ややこしいかもしれません。(1) は 366通りあるはずですが、ほとんど意識されることはありません。Tier Points との関係で意味を持つこともありません。

 

この度 BA は (2) と (3) が12種類ある点を大幅に「改善」、簡素化します。

 

https://www.britishairways.com/content/executive-club/faqs/tier-point-collection-changes

 

 

Tier Points 積算は 4月開始3月終了

2025年 4月から (2) 活動期間と(3) 認知期間の相互関係は変わらず、会員別に設定する「月毎」という要素が排除されます。つまり

(a1) 全会員、Tier Points 積算開始は 4月 1日、終了は翌年 3月31日

(a2) その搭乗実績が反映される会員資格の期限は翌々年の4月30日

になります。

 

移行措置は 2024年 4月 1日に始まります。例えば 1月 8日に Tier Points 積算期間が終わる会員は、

(b1) 2025年1月8日までは今まで通りの扱い

(b2) 次の積算期間は 2025年 1月9日から 3月31日までの 82日間

(b3) Tier Points 調整:2024年4月1日から2025年1月8日の間の Tier Points (つまり前年度実績の一部) を加算

(b4) 2025年1月8日までに得た Tier Points による会員レベルは2026年2月末まで有効(現行制度の通り)

(b5) 移行期(82日間+前年度の調整該当期間:2024年4月1日から2025年1月8日の間)の合算 Tier Points による会員レベルはそれ以降、2026年4月末まで有効

 

ややこしいので、上記 BA のサイトで、月毎に計算された移行措置の紹介を確認するのがよいと思います。

 

会員ティアが上がる場合の取扱いの原則は従来通り。つまり上の例では

・2025年1月8日までに上がれば、2026年2月末までその会員ティアは有効

・2025年1月9日から3月31日までに上がれば、2026年4月末までその会員ティアは有効

 

影響

・駆け込みで Tier Points を獲得することが度々あった方は締切がずれるので、搭乗カレンダーをゼロから作り直す必要があります。

・毎年度、初期に搭乗を集中する会員も、ポイントサイクルと季節の組合せが変わるので同様。

・隔年修行する会員は、2年に一度の「修行期間」が 51~54 日から30日に減ります。

・その結果、隔年修行による会員ティアの維持は困難さを増し、Silver がやや忙しく、Gold が相当大変に、GGL はほとんど不可能になります。

・移行期の積算期間が終わった時 Tier Points が足りず、ソフトランディングした場合、下位の会員ティア期間はおそらく 1年に満たなくなります。

 

対策:いわゆる「お得」話

日本在住の場合、BA 4搭乗のための日程調整が行いやすい時期は人それぞれ。置かれた社会状況や生活パターンによってそれぞれの対応があります。人によって影響の大小とやるべきことがかなり異なるはずです。

 

しかし共通の「工夫のしどころ」も存在します。それは上記 (b3) の Tier Points 調整への対応です。見方を変えると (b3)

 

2024年4月 1日から現在の Tier Points 積算年度終了日までに積算される Tier Points は、現制度最後の会員ティア期間(その 1月後から 1年間)と移行措置による会員ティア期間(その後で2026年 4月末までの期間)の両方にカウントされる。

 

用語が長くなるので読みにくいのですが、Tier Points がダブルカウントされます。となると、会員ティアや Tier Points 積算終了日に関係なく、

 

2024年 4月 1日から現在の Tier Points 積算終了日までの期間に Tier Points 獲得を集中させるのが得

 

となります。

 Tier Points 積算期間が 4月 8日終了の会員だとこのボーナス期間は僅か 8日しかなく、ジタバタしてもできることは限られます。しかし 6月 8日の会員は 69日もあります。その分の頑張りは本来の 12カ月の会員ティアに加え、移行期の積算による会員ティア期間の 9カ月にも反映されます。頑張りがいがありませんか。

 一方、1-3月に Tier Points 積算期間が終了する会員では、ダブルカウントされる期間は長くなりますが、移行期の積算による会員ティアの期間は短くなります。1月8日終了の会員で 2か月。頑張りは薄く長くで、効果はたかが知れています。

 

必要な搭乗を後日に延期する戦略の問題は、搭乗を控える期間が現在から 2か月未満、すでに 50日強になっていることです。それでも 6月 8日、7月 8日、8月 8日、9月 8日が Tier Points 積算期間の終了日の会員はそこそこ節約できそうです。上記 BA のサイトでご自分の月の移行措置を読み、カレンダーを記録して対策を進めることをお勧めします。制度改革に伴う移行期にしばしば起きますが、メリットが得られそうです。