バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

食器が変わったJAL国内線ファーストクラス

日本料理店、特に料亭では、料理そのもの以外に雰囲気を楽しむことが重要。立地で客入りや客層が異なるのは当然ですが、しつらえに工夫を凝らすのは初歩の初歩。そして立地やしつらえよりもさらに重要な要素は、何と言っても食器。

 

機内食や空港ラウンジは、ホテルのダイニングとほぼ同じものを目指しており、それは料亭やレストランとは全く異なります。しかし食器によって客に与える満足度が異なることは共通します。食器に鈍感だと、食の楽しみは半減すると言ってよいのではないでしょうか。

 

とは言うものの国際線ファーストクラスでさえ、若い新婚が揃える程度の食器しか使いません。要は安物ですが、レベルが低いなら低いなりに差が出るのも食器。注目に値します。

 

久しぶりに JAL 国内線ファーストクラスに搭乗したところ、お膳が全く変わっていました。驚いたので乗務員に聞いたところ、10月1日から変わったとのこと。

f:id:PECHEDENFER:20191007114848j:plain

筒形の小鉢3つ、主菜用の皿、米用の方形皿、下敷きの紙。これらが新調されていました。3つの小鉢は同じ形状で、デザインが全て違います。

 これまでは大人しい皿の一揃いだったのですが、ずいぶん幾何学的な構成になり、見た目はシャープになりました。ソーシャルメディアを意識したのかと疑いたくなるような見映え。

 

比較のため、以前のお膳の写真。下の写真から箸置きが変わっていますが、赤い折り鶴の箸置きも以前から使われています。味噌汁の容器も何種類かあるので、更新されていないと思います。カトラリー・ナプキンの束は、全く変わっていないように見えます。

f:id:PECHEDENFER:20191007115120j:plain

 

新しい食器セットになって、配膳は楽になったことでしょう。小鉢が入れ子になっていないだけでもずいぶん違うはずです。配膳の自由度は上がったので、乗務員によってはとんでもない配置で出してくる可能性もあります。そういう常識外れも搭乗の楽しみ。次回に期待してしまいます。

 

食べやすいかとか、触感はどうかというレベルでは、旧型の方が良かった気がします。ありふれた食器の持つ形は、長い年月に磨かれたもの。それなりに理由があるのだと再認識しました。

 

さて10月の夕食監修は、福井の開花亭(https://www.kaikatei.biz/)。色彩と盛り付けを頑張っています。味付けが非常にあっさりしており、印象に残る料理でした。白米も個性が光ります。「いちほまれ」は福井で最近開発されたコメのようです。

f:id:PECHEDENFER:20191007115836j:plain

 

JALはしつこく宣伝することはないものの、一貫して白米へのこだわりを見せます。日本酒も、その月の都道府県から選ばれているものが秀逸。肩の力が抜けたセレクトながら、違いは容易に分かるといった代物が出てきます。

 キモ甘活動家なら、デザートも要チェックのはずです。先月までは空港・駅でお土産として、きれいに箱詰めされる個別包装菓子(例えば北海道だと、マルセイバターケーキとか、霜だたみとか、チョコマロンのような菓子)のバラ出しでした。今日のデザート、豆乳プリン・黒蜜は、小鉢で出されています。今後ずっと小鉢に入れて出すことになるのかどうか、来月も要チェック。

 

ファーストクラスといっても、国内線は比較的簡単に手が届きます。+7,000円でしたっけ?それでいて月替わりで日本各地の米、日本酒、甘味がセットで楽しめます。決して高価な品は出てきませんが、味わいの時間はその地にトリップ。JAL国内線ファーストクラスの利用は価値ある「贅沢」です。

f:id:PECHEDENFER:20191007120312j:plain

 

アドリア航空の破綻

スロベニアフラッグキャリアにて、スターアライアンスのメンバー。マイレージプログラムは Miles & More と、見かけは一流の会社。今年 9月30日に破産申し立てを行いました。

La compagnie aérienne slovène Adria Airways dépose le bilan

 

この航空会社については、最近記事を書いています。それは、EU261に関する個人への不払いがウィーンで訴訟になり、敗訴、強制執行されそうだったので一便のフライトを中止したという奇妙なニュース。9月5日の出来事でした。

EU261の補償金支払いを渋るメジャーキャリア - バス代わりの飛行機

 

この時、「この規制の完全無視を宣言したようなもの」などと書きましたが、実際には数百ユーロ分の差し押さえでも途端に立ち行かなくなる状態だったようです。いやはや、何と申し上げて良いものか。会社の破綻に際しては、たいてい予兆がありますが、アドリア航空のしょぼくれた客対応、余裕のなさには呆れるしかありません。もちろん訴えた(元)乗客は、見事な骨折り損となりました。儲けたのは弁護士だけ。

 

フルサービスキャリア、LCCに係わらず、少し間違うと経営がすぐ危うくなるのがこの世界のようです。しかも経営リスクが非常に大きいと来ています。戦争、テロ、火山噴火、原発事故など世界中で耳目を集めるような出来事は、どこかの航空会社、あるいは航空旅客輸送全体に大きな影響を及ぼします。固定費が大きいので、旅客が数割も減ると利益は出ません。すぐにでも大赤字などという場合も多いようです。

 

どんな航空会社も破綻の可能性はある一方、破綻してもたいていの場合、代わりの交通サービスが出現するでしょう。時々しか利用しない人は、被害にあう可能性も、極端な不便を強いられる可能性も高くありません。リスクを過小評価しがちなのは、FFP会員ではないでしょうか。マイルの貯め過ぎは、一般的に言って危険。航空会社が破綻しても、ショックを受けない程度にお付き合いするというのが正しいようです。サービス提供者とサービス受容者の間には、そういう距離感が大切。

 

f:id:PECHEDENFER:20191001203936j:plain

 

ヨーロッパでは、国の威信も何となく手伝ってフルサービスキャリアを運営したがるのですが、国は多く、国当たりの人口が小さいため、航空会社が過剰になりやすいようです。構造的な問題です。気になる航空会社があれば、経営がおかしくなる前に搭乗しておくのがよろしいようで。破綻、消滅は世の慣い。

フライングブルーの改悪?改良?

通知はなかった気がしますが、フライングブルーがいつの間にか変わっていました。搭乗実績 xp の積算期間に関する部分です。結論を言えば、ずるがしこい顧客には改悪。前向きに評価すると、より公正なプログラムになりました*。

*:もしかすると xp の導入後、すぐに追加されていたかもしれません。当初は旧来の期間設定のまま、スタートしたと記憶しています。

 

近年の動き

フライングブルーと言えば、昨年の航空券購入価格基準の導入が一大改悪として記憶に残っています。しかし搭乗実績の算出法にも、以下のように手を入れました。

 

・搭乗実績はマイルから xp に。

・一年間の搭乗実績だけが問題で、エントリーから最上会員にもなれるシステムから、レベルの上下動は一度に一段階で、一段階ごとに搭乗実績はリセットに。

 

会員レベルの上下動を段階的にしたことは改悪ですが、マイルから xp になって搭乗量はかなり少なくて済むようになりました。

 この時点では、搭乗実績の積算期間は毎年1月から12月、会員資格期間は翌年1月から翌々年3月まで。期間の設定については、2005年にフライングブルー開始以来同じやり方を踏襲していました。期間の長さは変わらず、開始点・終了点が変動するシステムになったことが、表向きの変更点。

 

小さな変化の大きな効果

今、フライングブルーのサイトに書かれている説明をまとめると、

 

(1) 12か月の期間内に、一つ上の xp 基準に達したら、会員資格は一つ昇進。

(2) (1)でない場合、12か月の期間終了日に、現在の会員資格の xp 基準を超えていたら、会員資格は維持。

(3) (1), (2)でない場合、会員資格は1つ格落。

(4) (1) ~ (3)で会員レベルが決まった次の日から、新しい xp の積算年度が開始。

(5) 会員資格の有効期間は、前 xp 積算期間が終了した次の日から15か月間。

(6) xp 積算値は昇進、維持の場合、会員資格の xp 基準値を減算。格落ちの場合、ゼロに。

 

となっています。例えば、あなたが 2019年 1月からゴールド会員であったとします。すると

 

・今年中に 300 xpに達したら、次の日から15か月間プラチナ会員。貯めた xpは300減。

・今年の実績が 180 ≦ xp < 300 なら、2021年3月末までゴールド会員。貯めた xpは180減。

・今年の実績が xp < 180 なら、2021年3月末までシルバー会員。xpはゼロに。

・会員レベルが決まった次の日から新しい xp の積算期間(12か月)が開始。

 

搭乗実績の積算期間が暦年、会員資格期間がそれに+3か月という旧システムから変わり、会員レベルが上がった時だけ、翌日が次の積算期間の開始日に変わります。特に改悪ではなかろうと思う人が多いと思います。しかしこの変更により、隔年修行は完全に封じられました。隔年修行については、以下に記事にしました。

隔年修行(その1) - バス代わりの飛行機

隔年修行(その2) - バス代わりの飛行機

これは

 

・積算期間の途中で、搭乗実績が上位会員レベルに達したら、即会員レベルを上げ、残りの積算期間中もこのレベルで過ごしてもらおうというプログラム側の配慮

・毎年会員レベルの有効期間は、搭乗実績の積算期間から後ろへずれること

 

を利用しています。ここでは、最初の条件が消えています。

 

「会員レベルを保ちたいなら、2年に一度と言わず、毎年修行に励んでください。」というメッセージかどうかは別にして、制度の欠陥を正したことには間違いありません。そこはプロ。よく検討していはずなので、欠陥が多くの会員に影響を与えるものであれば手を入れてきます*。そういうことなのですね。

 

*: ごく一部の人にしか利用できない抜け穴だと、改訂のコストを考え運用側は放置します。こういう点を利用するのが、海外のFFPを利用するコツ。

f:id:PECHEDENFER:20191001171316j:plain

会員資格の (見せかけの) 連続維持のために隔年修行の考え方で挑んでも、人が5回更新する間に4回の更新で済むのが精一杯。最大で2割の節約。


結局これは Marco Polo Clubと同じシステム?それはともかく、今回の変更では誠実な会員には何も影響しないところが鍵です。

 

大きなメリット? 

記載忘れの可能性も少しありますが、今まであった制限が見つかりません。もし廃止されたとしたら大きな改良です。その制限とは、

 

・年度の移行時における残存 xp の上限

 

です。従来、プラチナ会員が次年度に持ち越せる xp は、最大で 300でした。この下駄で xp 積算年度をスタートします。これは全然搭乗しないのに、何年も会員レベルを保つことを防止したかったためでしょう。この制限が今見つかりません。

 

f:id:PECHEDENFER:20191001180445j:plain

 

もしその通りになるなら、生涯プラチナ会員資格の継続が比較的楽になります。例えば、プラチナ会員になってから集中して搭乗、2,700 xp たたき出してしまえば、後は全く搭乗しなくても10年後には生涯プラチナです。大雑把に言って、かかる総費用は280万円ぐらい、搭乗回数は 220 ぐらいで済みます。10年連続でプラチナ会員を続けて生涯会員という条件は、2005年から変わっていませんが、これまでは年度が替わるごとに資格マイルは 70,000 減 and 70,000以下に、xp は 300 減 and 300 以下になりました。

f:id:PECHEDENFER:20191001180544j:plain

払う金が一時期に集中するか、10年に分散するかの差ではないかと考えた方は、過去のフライングブルーの来歴を無視しています。xp が導入される以前、効率よい搭乗方法は、1、2年で見直す必要がありました。「わずかな変更が楽な方法を根絶する」、この繰り返しがフライングブルーの歩んできた道。今回もその片鱗がうかがわれます。オランダ商人を甘く見てもらっては困ります。一つの切り方でまとめて稼げるなんて、滅多にないチャンス。

 

記載すべき場所で、落ちただけかもしれません。また Ultimate Platnium 会員との関係は全くわかりません。繰越 xp 上限なしが10年間続く保証もありません。短期集中で生涯プラチナ修行をするなら、事前に確認すべきことはいくつかあります。

コンコルドルームカードは流れ作業で発送?

ブリティッシュエアウェイズの Executive Club の最高 tier は、一応ゴールドとなっています。一年間に tier points を1,500 積算、BA便に4搭乗すればゴールド会員を更新できます。(新規も同じ条件。)

 しかし会員がそこで BA の搭乗を中止、その後はスカイマイルマイレージプラスに浮気では困ります。そこで BA はさらに獲得される tier points に応じて、資格や特典を上積みします。カード発行を伴う段階では、何かと違いが感じられるはずです。個人ページに電子クーポンが一行加わるのとは、全然印象が違います。そんな工夫で、お得意様を離さないのですね。

f:id:PECHEDENFER:20190930175739j:plain

tier points が 3,000 を越えると、Gold Guest List 会員が更新できます。(新規は 5,000 必要。) GGL 会員になるとかなり特典が加わりますが、カードもほんの少し違います。当然、新カードが発行されます。そして tier points が 5,000 を越えると、Concorde Room カードが発行されます。このカードは、

 

London Heathrow Terminal 5

New York JFK Terminal 7

 

の Concorde Room へのアクセスを可能にします。もちろん(そのターミナルから)BA 便で出発する場合にだけ利用でき、キャビンクラスは問いません。また同じ日に BA 便で出発する人を一人招待できます。これも上積み特典だと理解されています。カードの有効期限は、次年度の会員資格の終了日。

 

要求される tier points の多さから、Concorde Room カードを更新する時には、GGL会員資格も更新できています。

 

会員カードは更新の場合、会員年度切替え時に送られてきます。一方で Concorde Room Card は、tier points が 5,000を超えた時点で、カード印刷、梱包、郵送の一連のプロセスが機械的に開始するようです。個人アカウントが条件に達した日から、7日後にカードが届きます。(東京の場合)

 しばらくの間、この上積み特典のカードの期限は、会員カードの期限より1年長くなります。これがちぐはぐな感じを与えます。

 

さて今年は tier points 5,000 超えが怪しくなった頃から、毎日ログイン。超えた日をしっかり捉え、到着日を予想して待っていたのですが、まさにその予定日に郵便が届きました。そっけない封筒です。

f:id:PECHEDENFER:20190926202120j:plain

 

中には、送り状と紙のカードホルダー、カードしか入っていません。BAはプレスティージャスだと書いていますが、お届け物はいたってシンプル。

 ただし100周年記念カードは、永久保存版ですね。

f:id:PECHEDENFER:20190926202230j:plain

 

ふとカードの裏を見ると、今年までは無かった注意書きが加わっています。

f:id:PECHEDENFER:20190926202425j:plain

つまりシンガポールとドバイの The Bar や、サンフランシスコのファーストダイニングは、このカードの資格では入室できません。それが明記されたことになります。以前はファーストクラスにだけ用意された空間も使えたのですが、混雑してしまって本来の客が使えない事態になり、ダメになったようです。何だかんだ言って、このカードを持つ人は大勢いるということを示唆します。

 余談ですが、シンガポールチャンギ空港では Qantas が11月にファーストクラスラウンジをオープンする予定です。エメラルド会員の資格でも入室できるようです。

Qantas First Class Lounge Singapore: Photo Tour & First Impressions - Executive Traveller

なかなか期待できそうで、隣にある BA ラウンジを使っていた GGL 会員も、11月からは Qantas ラウンジを使うことが多くなりそうです。

 

さてLHRJFK にある本来の The Concorde Rooms。ワンワールドの「空港ラウンジ案内」では、利用者の欄に First Class としか表示されなくなりました。

 

f:id:PECHEDENFER:20190927133421j:plain

ゴールド会員やエメラルド会員の資格で入ろうとする(主に米国人)客を追っ払うのに疲れたのでしょうか。確かにいつ行ってもその光景を見かけます。粘る人もいて、受付嬢 (50代の方が多いようです) は一仕事。Concorde Room も含めてラウンジなんて、そこまで無理して入ることはない気がしますが、英語文化圏ではメンバーシップとリンクする排他空間をありがたがる人が多いのでしょう。中にはダメ元でチャレンジしているように見える者さえいます。

 ウェブ上のラウンジ案内ではファーストクラス対象と告知し、Concorde Room カードを持つ人(と Premier 会員)にのみ、「あなたは、入ることができますよ。」と通知することにしたと思われます。

    JALだったらイラスト付きの入室条件を入口付近に掲示、非資格者を追っ払う工夫をしそうですが、そうしないのはお国柄ですね。彼らの社会では、そんなことをしたら無粋に見え、ブランド価値を損ないそうです。

f:id:PECHEDENFER:20190927132551j:plain

 

さて2021年 2月まで17か月もの間 Concorde Room が使い放題。と言っても、そこへ行かない限り何の意味もないカードです。そしてそこは東京から 10,000 km も離れています。

 海外のマイレージプログラムを利用する場合、会員としては少数派になるため、抜け穴的なメリットがいろいろと享受できることがあります。その一方で、地理的なデメリットが出やすいのは理の当然。東アジアの会員にとって Concorde Room カードが使いにくいのは、このデメリットの良い例です。

MH783:BKK-KUL ビジネス

大混雑のチェックインで搭乗券をもらい、ガラガラのプライオリティ・レーンを抜けたら、搭乗開始まで1時間弱。まずまず良い移動です。何となく胸騒ぎがしたので、搭乗開始時刻にゲートに到着します。ちょうど MH782(この空港で折り返し。MH783 として KUL へ移動。)がゲートに到着する所でした。

 

いつもの B767 より、明らかに大きな機材。A330-300のようです。これは MH782 と MH783 がオーバーブッキングになりそうだったから、そのまま販売、故意にあふれさせてしてしまったということですね。

f:id:PECHEDENFER:20190923140930j:plain

調べてみると、双方向とも前便キャンセルして2便まとめて運んだわけではありません。

 

基本は B737-800 で運航するバンコク線ですが、事実上 MH の全機材が往復しています。良く言えば柔軟な、悪く言えば締まりのない売り方をするからですが、客にとってもマレーシア航空にとっても間違いなく良いことです。問題はバンコク側のチェックインですね。委託なので機材変更に対応するのは無理。大型機材に変更になるようだと、混んで時間がかかることになります。今日の混雑もここで納得。

 

この空港のゲート前待合室は、得体のしれない雑誌が数多く置いてあります。

f:id:PECHEDENFER:20190923141916j:plain

手に取る人はほとんどいません。

 

子供、赤ん坊、妊婦、車いすなどの優先はありません。ビジネスクラスと上級会員が先です。機内に乗り込むと、良く知る A330-300 のキャビンが待っていました。

f:id:PECHEDENFER:20190923142318j:plain

 

シートはこちら、1K。広い脚入れと、両側にサイドテーブルがある優等席です。

f:id:PECHEDENFER:20190923143144j:plain

グラスは白ワインではなく、リンゴジュース。この路線では、ワインは搭載しないようです。

 

メニューが配布されます。バンコク発は機内食の質が高いので、特に言うことはありません。

f:id:PECHEDENFER:20190923142440j:plain

バンコク搭載⇨タイ料理という線だと、パッタイグリーンカレーの選択になります。しかしデザートがタロイモであること、パンが配られることの2点を考慮する必要があります。そうです。炭水化物ばかりになります。そこで牛肉グラシュにしました。


Pechedenferは、常々「グラシュは牛肉料理」だと思っていました。わざわざ牛肉グラシュと言うところを見ると、マレーシアやタイでは別の肉を使うことが多いようです。カエルグラシュなのか、ネズミグラシュなのか、ダチョウグラシュなのかその辺は知りませんが、面白そうです。それにグラシュは赤ワインを加えて厚みを出すことが多いのですが、それではハラムになってしまいます。ハラルを徹底するマレーシア航空は、当然赤ワイン抜きのはず。ウィーンで食べられる料理から乖離したものが出されるのは既定路線。

 

そうこうしているうちに搭乗完了。滑走路はそれなりに混雑しているので、待機。機内にハエを発見。

f:id:PECHEDENFER:20190923143707j:plain

このハエは、バンコクで機体整備の最中に紛れ込んだのでしょうか。マレーシアへ追放ですね。ただし着陸の前には、マレーシア航空名物の殺虫スプレー。昇天が待っています。もしかするとクアラルンプールで搭乗、到着便と同じ機材で折り返す修行僧のようなことになっているのかもしれません。どちらにしても殺虫剤の餌食になる運命。

 

4機程度並んでいる滑走路。このキャセイの次に離陸です。CX656 (定刻16:20) は、とうに出発しているので、これは CX708 (定刻17:30)。MH783は定刻17:15発なので、抜かれました。

f:id:PECHEDENFER:20190923144331j:plain

気にしない、気にしない。自動車みたいにあおり運転なんて、絶対できませんから。

 

ここのところ北向きに離陸、北向きに着陸ばかりなのですが、そういう季節なのですか?

f:id:PECHEDENFER:20190923144923j:plain

 

右旋回をします。海岸線に沿って飛ぶようです。

f:id:PECHEDENFER:20190923145448j:plain

 

コンパスもこの通り、機体の姿勢と方位がはっきり現れます。

f:id:PECHEDENFER:20190923145506p:plain

 

シートベルト着用サインが消えたので、テーブルを出します。つい最近搭乗した A350 のビジネススイートのテーブルとは圧倒的な違いがあります。

f:id:PECHEDENFER:20190923145752j:plain

 

だいぶ陽が傾いてきました。

f:id:PECHEDENFER:20190923150010j:plain

 

方位もそれらしく。

f:id:PECHEDENFER:20190923150052p:plain

 

この辺で機内食。前述の通りグラシュを選んだら、幸いありました。一番前から順番に配膳したので、普通は希望通りのものが選べるはずです。

f:id:PECHEDENFER:20190923150142j:plain

炭水化物祭りは避けます。マレーシア航空には一つ意見があります。赤ワインはともかく、良いパプリカを使って下さい。

 

食べ終わるともう日が沈みます。雲が多いので、夕焼けらしい空はほとんど現れませんでした。

f:id:PECHEDENFER:20190923150439j:plain

このフライトで日没観測したければ、季節を選ぶ必要があります。

 

春分秋分近くはこれが見もの。1日でもずれると極地の夜昼がはっきり出て、どちらの半球が冬でどちらが夏かわかります。

f:id:PECHEDENFER:20190923145036j:plain

 

窓の外の光景が、画面と一致しているかどうか確かめます。

f:id:PECHEDENFER:20190923145257j:plain

 

少々仕事をしていたら、あっという間にコクピットから到着準備の放送。

f:id:PECHEDENFER:20190923150704j:plain

何もすることがないと少し退屈しますが、何か行うと時間が全然足りないフライトです。

地上は夜。機材がA330-300に変更になったおかげで、到着ターミナルは大型機用のサテライト。

f:id:PECHEDENFER:20190923150911j:plain

予想外の展開だったのか、ターミナル内を大急ぎで走っていく降機客が出ました。しかもよりによってターミナルの先端部分のゲートに到着しています。彼には不運の機材変更だったようでした。

MH784:KUL-BKK ビジネス

久々のKUL-BKK。マレーシア航空だけで 1日 7便もある路線の朝一番の便。高密度路線ですが、9:00発とゆっくりした出発。この路線、基本は近距離国際線の標準機材のB737-800が用いられますが、機材変更が頻繁に起き、A380A330-300、A330-200と様々な機材が使われます。「油断もすきもありゃしない」のですが、朝一番の MH784 に限って言えば、まずは基本どおりのB737-800です。KLIA では母屋からの出発。

 

今日はoneworld塗装。

f:id:PECHEDENFER:20190915215751j:plain

大気が白く曇っていることがお分かりでしょうか。PM2.5が上昇していることが新聞でも報道されていました。調べてみると200ぐらいで、「とても悪い」状態。焼畑の影響による広域大気汚染とされています。

 

時間通りにドアクローズするものの、離陸までに時間がかかり、途中で寝落ちしてしまいます。個人的にはよくある出発になってしまいました。30分ほど経過してようやく空の人。

 雲が切れて地上が見えても、霞んでいます。明らかに普段とは異なる大気の状態。

f:id:PECHEDENFER:20190915220734j:plain

 

機内食は朝飯。ナシレマ、スクランブルエッグ、Wanton Noodlesから選択。最後のは雲呑(wonton)麵ではありません。要注意。

f:id:PECHEDENFER:20190915220455j:plain

 

ほらこのとおり。

f:id:PECHEDENFER:20190915221325j:plain

日本のスーパーで売っている生焼きそばのような麵。餡と麵の組合せに必然性が感じられないことが問題ですが、味付け自体は中庸で悪くありません。

 

そんなことより、このフライトで報告する必要があるのは、Bonne Maman の confiture。

f:id:PECHEDENFER:20190915221625j:plain

中身が宙に浮いていることがわかるでしょうか。カップヌードルの容器のように底が空です。

 

これは不作為によるもの、つまり工程に何らかの異常があり、たまたま底が空気、上に中身という瓶詰めのロットが出荷されたのかもしれません。もしそうならば、フランスの食品産業も大分質が落ちたものです。しかし失敗にしては出来すぎています。

 作為の結果という可能性も捨て切れません。機内で利用される量は非常に少ないので、瓶に入れる量を減らした方が食物の廃棄物が減り、地球環境にやさしいという発想。一方で蓋を開けた時にしっかり中身が詰まって見えるために、底上げという工夫。これを可能にするには苦労したはず。目に見える技術の進歩。

 

後者の場合、平均的な発想をする人なら、いつまでも重いガラス瓶なんて使わず、ラミネートチューブにでも入れれば良いと考えます。軽くなって、炭素排出量も減るというもの。しかし保存食品では、伝統的な容器にこだわるフランス人。ワインの瓶詰めでコルクが延々と使われ続ける彼の地では、容器の変更には度胸が必要です。しかしそこまでガラス容器にこだわるなら、高さを半分にすれば、工程をそれほど変える事もなく生産できるし、軽量化も実現します。

 

前者の製造エラーなら、そのままでは売り物にならないので、マレーシア航空が輸送費用だけで引き取ったという線が強そうです。マレーシア航空はコストを削減でき、Bonne Maman は損失を最小化でき、地球環境の負担は最小限に抑えられます。このストーリーが正しければ、まずまずの解決法でした。


この Bonne Maman の中空には、関係者にしか分からない、マジメでどうでも良い理由が存在しそうです。こういう場合、事情を理解してもたぶん疲れるだけです。ただマレーシア航空の定番でもあるので、Bonne Maman の小瓶はとりあえず追跡してみます。

 MH同様、この少しくたびれた食品会社も、confiture mi-figues mi-raisins をラインアップに載せると見直すのですが...。

 

窓側シートだったのにもかかわらず、どこを飛んでいるのか全くわからないまま、飛行が続きます。全ては霞のせい。地上が見える頃には、最終ストレッチ。Suvarnabhumi の滑走路に向けて一直線に飛んでいました。

 

AFの隣に到着。

f:id:PECHEDENFER:20190915223132j:plain

 

久しぶりに来た気がするのですが、数えてみると前回ここを通ってから 4ヶ月しか経っていません。

f:id:PECHEDENFER:20190915223448j:plain

 

MH71:NRT-KUL ビジネススイート(その3)

名前はビジネスで中身はファーストなのか、ファーストを名乗れないほど簡略したサービスなのか、それとも何か新しいことを始めたのか----マレーシア航空独自のビジネススイートは、搭乗しないとわかりません。検証の最終章です。

 

アメニティ

パジャマ:MH71は午後 9:40 頃成田を出発して、早朝4:00過ぎにクアラルンプールに到着します。(冬場はそれぞれ50分ほど遅くなります。)大雑把に言うと機内サービスは、①離陸後大急ぎで夕食を出す、②到着30分前に叩き起こすです。フライトの時間帯から、搭乗客の睡眠は前提。理想を言えば、寝衣に着替えて就寝するのが望ましいのですが、全キャビンの客がそれを行うのは物理的に無理。幸いなことに現代の客の多くは、着替えなくても寝る程度にはものぐさなので、問題にはなっていません。

 

ファーストクラスでは、できることは何でもサービスするという思想の下、夜便ではパジャマを配布します。マレーシア航空のビジネススイートでも、パジャマは配布されます。

f:id:PECHEDENFER:20190922125326j:plain

単純なデザインながら赤がアクセントに入っていて、エコバッグにも使えそうな袋。中身はパジャマ上下、スリッパ、アイマスクでした。

f:id:PECHEDENFER:20190922125558j:plain

 

やはり赤がポイントカラー。この品は約 4,000円で一般販売されていたはず。力が入った製品なのでした。この点は十分ファーストクラスで通用します

 

マレーシア航空のビジネスクラスでは、体験した限りではパジャマの配布はありません。

 

余談ですが、日本路線のビジネスクラスでは時々スリッパが配布されます。上の写真のものと異なり、畳んだ厚さ2、3 mmとペラペラです。日本人のアテンダントが乗務している時は、ほぼ確実に配布されるので、配るか配らないかの差は、覚えているか忘れているかの差なのでしょう。この辺は気まぐれなマレーシア。

 

アメニティとその袋:ビジネススイートでもビジネスクラスでも化粧品、身づくろい用品が入ったアメニティが配布されます。二つのキャビンでどう違うか比較する必要があります。

 実は最近、両キャビンともアメニティを刷新しています。Business Traveller 9月号で紹介されていました。

f:id:PECHEDENFER:20190923132249j:plain


ケースは共に Aspinal of London になりました。ビジネスクラスは昔々の集金カバンの形状、ビジネススイートはカステラの形状と、差をつけています。

f:id:PECHEDENFER:20190923132337j:plain


開けてみて、内容を改めます。ビジネススイートのもの

f:id:PECHEDENFER:20190923132354j:plain
 

ビジネスクラスのもの

f:id:PECHEDENFER:20190923132410j:plain

全く同じに見えます。一品ずつ細かく見ると、共に

 

・米油配合ボディクリーム, PAYOT (Paris)

・保水リップクリーム, PAYOT (Paris)

・マウスウォッシュ, Hager & Werken

・歯磨きキット, マレーシア航空 (例のあれ)

・靴下, 不明

アイマスク, 同上

・耳栓, 同上

・クシ, 同上

 

となっています。実は靴下の長さが少し違いますが、無視してよいでしょう。まさかの共通アメニティ。2つのキャビンクラスで中身が同じだという事に驚くがあまり忘れてしまいがちですが、その辺にあるもので間に合わせました感も一級です。

 

ビジネススイートでは、アイマスクが重複しますね。さすがマレーシア航空。何だか安心しました。

 

ネガティブな点を暴露

マレーシア航空には都合が悪いことを暴露しましょう。東京(成田)路線は週 5日 2往復です。往復共に昼便と夜便がありますが、機内食のメニューは全部で3種類。何と成田発クアラルンプール行は、昼便(MH89, 10:20発)のランチ

f:id:PECHEDENFER:20190923135316j:plain

でも、夜便(MH71, 21:40発)のディナー

f:id:PECHEDENFER:20190923135408j:plain

でも、メニューが同じです。

 

成田搭載の機内食では、昼飯と晩餐が同じ。これはコスト削減には有効でしょう。しかし「こんな上級キャビンで、それはありか?」という気になりませんか?

 マレーシア航空の機内食は、全てハラルです。ハラル機内食を非イスラム国で用意するのは大変。この辺の事情もくみ取って、ここは「食べ物の恨みは、何たら」系の文句は無しということでお願いします。それからメインは chef on call も利用できます。万が一、NRT-KULを毎月往復する人生を送るようになったら、そちらも挑戦してみてください。

 

結局どうなのか

大抵の場面で、ファーストクラスと考えて何の問題もありません。一方で世の標準的なビジネスクラス並みか、それ以下に感じられる要素も少数見つかりました。安かろう悪かろうの「ファーストクラス」より、ビジネスを超えるキャビンと位置付けた方がイメージの点でも、販売の点でも良いのでしょう。

 

しかしマレーシア航空のことです。頑張ってファーストクラスを運用しても、結局こんな感じに落ち着くと思うのです。格式をかなり意識するのに、間が抜けているのはどうしようもありません。逆に言えば、カジュアルではないのに肩がこらないのが彼らの個性。このキャラが良いのです。

 

ここでは、

 

ビジネスの皮を被ったファースト。ただしマレーシア航空なので 、(以下略。お察し下さい。)

 

という結論にしておきます。

f:id:PECHEDENFER:20190923151549j:plain