昨日 7月 1日は富士山開き。観光では節目となる日ですが、今年はあらゆる面で例外的。山開きはなく、全登山道、施設が閉鎖されています。今年の夏は霊峰富士には登山できません。
一方この日 EU は、日本を含む15カ国に対して国境を開けました。アルジェリア、オーストラリア、カナダ、ジョージア、日本、モンテネグロ、モロッコ、ニュージーランド、ルワンダ、セルビア、大韓民国、タイ、チュニジア、ウルグアイが対象です。
こういう話は厳密さが要求されるので、この数の外にアンドラ、モナコ、バチカン、サンマリノが含まれることははっきりさせておかなければなりません。中国は相互入国可の条件付きです。
すでに EU はどの国の観光客に対して国境を開けるかについて、2つの方針を発表しています。一つは新規感染件数がその時の EU の数に比べて低いこと。もう一つが2週間に一度見直すことです。
つまりここで上がった15カ国はヨーロッパが認めた COVID-19 低汚染国。逆に言うと、これらの国の住民はヨーロッパに出かけたら、新型肺炎に罹患する確率が上がります。住民百万人当たり二週間で 160 件という EU の感染発生数が現在の基準です。日本の新規発生数が、再び 100 を超えたと大問題になっていますが、それでも百万人当たり一日1人です。(6月30日) つまり二週間では14人にしかなりません。
インフルエンザよりはるかに厄介な病気に11倍も感染しやすい土地が観光に向いていると思いますか?
彼我の汚染度の違いは、外務省の渡航情報にも反映されます。EUは全域レベル3(渡航中止勧告)のままです。彼らがどう判断し、どう行動しようとも、数字で判断する限り、行ってはならない土地という事実は変わりません。先方は歓迎してくれるかもしれませんが、日本に戻ってきたら14日の自宅謹慎による経過観察が要請されます。自主性に任されているとはいえ、社会的な圧力が強いため、ほとんど強制されることはよく知られる通り。
日本も自粛要請が引き上げられ、感染を避けながら社会活動を元に戻すことが強く求められるようになりましたが、新規感染者の数が増えています。しかしヨーロッパと比べると一桁小さいのが現実。彼らがリスクをとって社会活動を戻しているのに、はるかに安全な日本が自粛するのは無理筋でしょう。むしろ抜群に衛生的な国であることの恩恵を受けて頑張る方が建設的な気がします。
いずれにしても、ヨーロッパが日本並みに新規感染件数が小さくならないと、渡航はほとんど無理。さらに日本が感染爆発を起こさないことも必要。大陸は人の流動性が大きいし、EUが(渡航するには)手軽な訪問地になったことから、とても2、3か月で感染が収束するとは思えません。
Gott hat die Erde nur einmal geküsst, genau an dieser Stelle, wo jetzt Deutschland ist.
オーストラリア、ニュージーランド、ベトナム、タイなどは日本よりも清浄なので、こちらから行くには問題ありませんが、先方が入れてくれません。近所の台湾、中国、韓国とは協議を始める段階で、しかもビジネス客の流動化が当面の目標。
また渡航を認めると言っても、健康証明が入国条件になったりして、観光にはハードルが高めです。Lufthansa は Frankfurt/Main 空港での感染検査を始めました。渡航先における隔離監禁を避けるための健康証明を得るためです。またドイツ入国にあたっての健康証明としても使えます。
このサービスは、各社・各国が追従するかもしれません。
モルディブは 7月半ばに感染検査なしで入国できるようになりそうですが、観光地にCOVID-19が蔓延するかもしれません。多島列島であり、観光地が一般国民の生活から隔離できるという特殊性から可能になる政策ですね。
Les Maldives rouvriront leurs hôtels aux touristes mi-juillet
新しい動きは次々出てきますが、正常化への道は遠い気がします。夏季の海外渡航はあきらめた方がすっきりして、良いシーズンを過ごせるかも知れません。今年は10 万円のお小遣いを手にして、国内に出かけるのがよろしいようで。