全く個人的な感想にしかなりませんが、シンガポール航空のマイレージプログラム Krisflyer はショッピングが魅力的。もちろん購入して、機内で受け取ったこともあります。
KrisShop はシンガポールドルでも、マイルでも購入できる物品販売サイトで、ANA の A-Style とか、JAL の JALショッピングが対応します。
Krisflyer は、これとは別に Spree という外部の商店を集めたサイトを持ちます。ANA マイレージモールとか、JALマイレージパークのような存在。楽天市場のような仕組みなのでしょう。
最近の流行なのでしょうか。先験的には航空会社がこういうマーケットを運営する必然性はありません。会員組織としてマイレージプログラムが強力であり、その会員の嗜好がマーケットへの出店の鍵となるのなら理解できます。しかし現実はどうでしょうか。単純にネット通販業者のプラットフォームを提供するだけで、楽天市場と明確な差が見出しにくい気がします。
それはともかく、Krisflyer のアカウント情報を入力、ログインすると、購入金額と獲得できるマイルのレートが表示され、その後は個別の出店企業のネットショップに接続できます。日本から撤退した SEPHORA もこのとおり。
服飾ファッションだけで出店者は 1,200 になります。三越伊勢丹もあり、日本国内で接続すると日本語のページが表示されました。ビックカメラ、藤巻百貨店を含め、日本のサイトは27あり、楽天市場すら出店してます。楽天の買い物はKrisflyer のマイルにもつけられると言うことでした。
出店者のサイトまで行ってしまえば、普通のネットショッピング。日本在住者が日本のサイトで買い物をすることになります。Krisflyer milesを貯めたければ、強力な味方になりそうです。
注意すべき点は KrisShop と異なり、機内受取りのオプションはなさそうなこと、海外の業者では海外のインターネット通販と同じ状況になることぐらいでしょうか。
ANA と JAL は、それぞれのやり方でマイレージを中心としたビジネスの再構築を急いでいることになっています。しかし商品をハンドリングするサイトと出店プラットフォームを持つ点は全く同じ。外から見るとほとんど違いがありません。
抱え込んだプログラム会員の財布の紐をいかに緩めるかという課題はどこでも共通します。しかし ANA と JAL は SQ のように世界中の顧客を相手に事業を展開する必要はないので、この課題への取り組みは容易なはずです。
Krisflyer のショッピングをなぜ記事にしたかというと、界隈で Krisflyer が嗜みであり、動向追跡に価値があるからではありません。Spree という名前を見て、瞬時にベルリンにいる感覚に包まれたというプルースト的展開に陥ったためです。本拠地には最長でも 10 km の川しかないとはいえ、よりによってこの川の名を選ぶとは罪作りなシンガポール航空。
自分も結構病んでいる?