偉そうに語るほど良く調べていませんが、気がついたポイントを整理します。
1-1.上級会員資格のための基準は、飛行距離と搭乗・予約クラスに応じたtier pointsで決まります。基本設計はQFやQRのFFPと同じです。BAの場合、距離に対するtier pointsの増加に特徴があり、ほぼ直線的に増加するQFのtier pointsと比較するとその癖は明らかです。(当然、実際は階段関数です。)
(QFも単純な「階段状」ではなく、実情への配慮をうかがわせます。)
図はdiscounted economy(全ての割引料金)に関する値ですが、tier pointsは
eco flex (普通料金)で2.0倍
premium ecoで2.5倍
businessで4.0倍
firstで6.0倍
になります。途中の寄港に関係なく、便ごとに計算されるようです。
oneworld各社の便への搭乗だったら、BA搭乗における少しの例外を除き、得られるtier pointsに差はありません。
1-2.登録時の会員種別はBlueです。
会員別に定められた1年間(tier pointsが最初に加算される予約の最後の便の搭乗日が誕生日)にtier points を300、600、1500集めると、それが認識されて1-2日内に、それぞれBronze, Silver, Gold会員になります。ただしBronzeは2回、SilverとGoldは4回のBAの搭乗を必要とします。この会員別の1年間が経つと、tier pointsはゼロにリセットされます。
会員資格期間は、会員別の1年間の中で残った月プラス13ヶ月です。リセットを受けた後、1年以内に再び1500 tier points集めると、Gold会員資格も1年期限が延びます。
1-3.Bronze, Silver, Gold会員のoneworldでのステータスは、Ruby, Sapphire, Emeraldです。
2.ただちに計算できますが、BAの安いチケットで東京-ロンドンを行き来する場合、7往復半でSilver、18往復半でGold会員になります。BAにとっては結構なお得意様、客にとっては結構な出費です。
JLの国内線でも、CXの東京-香港便と同じtier pointsが貯まるのは良いことですが、BAの4搭乗を別にして、Silverまで28往復、Goldまで73往復必要だったりします。こんなやり方もステータス狙いには向いていません。
3-1.考え方の一つ目は、tier pointsの上がり目を狙えです。特に2000マイルでの上がり幅は3.5倍と大きい上、oneworld各社で供給される席の絶対数が多いので、2000マイル強のフライトを探します。BAのフライトに限っては、1200マイルを境に2倍になるので、BA"長距離"ヨーロッパ便も狙い目です。
3-2.考え方の二つ目は、安いビジネスクラスを探せです。2000マイルを超えても、割引エコでは1つ飛んで35ポイントですから、上級会員へは大変です。ビジネスクラスだと、4倍の勢いでtier pointsが増えます。サーチャージのせいで、割引エコノミーの2倍から3倍程度でビジネスのチケットが買えることが多々あり、明らかに効率が良いわけです。
ファーストを買う場合は、tier pointsが6倍ですので、それが価格の目安になります。供給数が少ないことと、ビジネスのように、tierに対して価格が有利になるほど下がらないことが問題です。
3-3.「乗り継ぎはマイル稼ぎ、搭乗回数稼ぎに効果的」は一般則ですが、Executive Clubの場合、各便が2000マイルを切るとtier pointsが減るので注意が必要です。NRT-KULはHKG経由より直行便の方がtier pointsが大きくなります。
4-1.こう考えてくると、候補が絞れます。航空会社としてそういう便が多いのはCX。香港を起点に札幌、インドネシア各都市、南インド各都市、コロンボなどまでが2000マイルを少し超えたフライトになります。これらの中から2つの便を香港で繋いだ経路のビジネスクラスが高効率になります。
4-2.CXのビジネスクラスは、決して高くありませんし、相当先までの価格が発表されます。また渡航地域によってはキャンペーンが時々あります。常時情報収集をするとより安く利用できます。
4-3.BKK発券だとCXのビジネスクラスはキャンペーン価格並ですが、BKK-HKGは2000マイルありません。香港乗継ぎでジャカルタ、バリ、スラバヤなどへ飛べば往復360 tier pointsになります。
4-4.時々ビジネスクラスのキャンペーンを行うQRは狙い目です。
まずドーハに行くことになりますが、NRTからもKIXからもDOHまで140 tier points、そこから先は、欧州の大部分が2000マイル以上になるので、「QRを利用した欧州旅行」では、560 tier pointsが稼げます。ただし最低滞在日数の条件がある時は、全体で5日+α必要になり、修行僧より一般旅行者向けです。
NRT-DOH-CDGのQRビジネス往復に加え、例えばCDG-LHR-DUBをBAエコノミーで往復すれば、BA4搭乗もクリア、Silver会員です。キャッチフレーズ風に言い換えると、「アイルランド旅行には、BA利用でパリ滞在を付けると、BAがSilver会員資格をあげちゃいます。 」
となります。
4-5.JAL国内線クラスJもビジネスクラスです。往復で80 tier points積算されます。国内線の予約クラスは不透明なのですが、特便割引1や先特割引Aではしっかりカウントされました。
4-6.補足(というのは使ってないから)ですが、MHはサーチャージを含めた料金表示に変え、キャンペーンがやりやすくなったのか、ビジネスクラスの価格競争力が出てきたように思われます。KUL経由の東京-西欧の経路では、tier pointsが片道300になります。
5.私の場合、渡航方面別に航空券の数(フライトの数)を表すと、
欧州1(4)、欧州内1(4)、東南アジア1(4)、東南アジア内1(4)、国内2(4)
でGold会員になりました。これは欧州周遊旅行1回、東南アジア周遊旅行1回、国内の雑事2回に相当します。修行のいらないoneworld Emeraldです。
6. Executive Clubの場合、上級会員資格の容易さが、搭乗者の状況に大きく依存するような気がします。
例えば、豊中に家族を置いて品川区に勤務している方には、1500 tier pointsを得るのは生活の中の選択でしかありません。家への往復をクラスJ(プラス1000円!)にして、年間19往復、さらにBAエコノミー割引運賃利用の欧州旅行(日本からLHR経由でもよいし、LHR接続欧州2都市往復でもよい)を挙行すれば、oneworld Emeraldです。同じフライトをJALのJMBに登録すれば、FFP本来のフライトが多いのにもかかわらず、クリスタル(oneworld Ruby:2ランク下)が得られるぐらいではないでしょうか。
他のFFPでも多かれ少なかれそうなのでしょうが、癖があります。BAが好きかどうかとは無関係に、向き不向きがあることは少し残念です。