正直なところ、この航空会社の利用で映画を見た記憶がありません。読書の方が様になるような気がします。もちろんこんなことは個人の印象に過ぎず、機内で没頭している人も大勢います。
こういう状況はともかく、ユニークだと思ったのは、機内誌High Lifeの1ページ。
プログラムの案内は今ひとつですが、お勧めメニューが存在します。
・フライト時間が4、8、12時間の3種類、
・成人向け、コメディ、世界からの3コース、
計9種類のパターンに沿って、お勧めの組合せを紹介しています。イギリス人は、選択肢が多いとサービスの供給者に選択させるという「奇妙な」行動をとりますが、この習性に見事に答えているというところ。こんなところにもお国柄が出ているのでした。
シンガポール航空のように、IFE専用に立派な冊子を用意して全作品を網羅するより、客に都合よく、自分たちも手を抜ける形にまとめてしまうのは、ある意味賢いのですが、外国人搭乗客のことは二の次のようです。
しかし日本人も外食時に、「おすすめは?」などと訊くことが普通に見られます。これはフランスのレストランでは、理解してもらえないでしょう。何で俺がお前の食べたいものが分かる?ということになります。こういう「奇妙な」行動は、島国の住民に共通するのかもしれません。
ということは、このHigh Life誌のお勧めメニューは日本人にも向いているのかもしれません。特に私のように、趣味があるのか無いのかよくわからない受動的な人間には、ピッタリかもと思って機内誌を閉じ、読書を続けました。