PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

MH71:NRT-KUL ビジネス(その1)

 

マレーシア航空の東京路線は現在、昼便(MH89)と夜便(MH71)の2便体制です。後者は現在、火、水、木、金、日曜日運航で、週末アジアに良さそうだと考えがちですが、さすがに到着4:05は早すぎ。成田出発も 21:30 頃なので、首都圏の多くの勤労者は17:00に仕事を終えて、急いで空港へ向かう必要があります。2時間遅い出発だったら、ちょうど良いフライトになるのに残念です。しかしこれは旅行者の勝手な願望。騒音被害軽減のための協定なり、規則は尊重するのが当然。

 

第2ターミナルからの出発。母屋の 4階 JALラウンジが完成して以来、初めての利用です。ついに話題のラウンジの体験。

 

アプローチは平凡なエスカレーターのままでした。内部はレイアウトが刷新。ダイニングエリアが広くなり、厨房・準備室を三方から取り囲んでいます。インテリアの味付けが、三方で異なるように工夫した後が出ています。ワイン置き場は二箇所。

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置く場所により Champagne が異なります。しかし Champagne の違いに注意を惹きつけられていては、目くらましに会ったも同然。このコーナーに置いてあるグラスは Riedel のようです。少々質が高いグラスでした。他方のコーナーでは、改装前と同じ「まあまあ普通の」ワイングラスでした。

 同じ機能を持つコーナーが二箇所ある場合、細かい違いをつけるのは良いことだと思います。

 ワインのセレクションは上々。改装前より種類が増えています。Rias Baxias、Langhe nebbiolo など、非フランスのワインに見るべきものがありました。ちなみにフランス勢では Verget の Chablis "Terre de Pierres" があり、そちらも頑張っています。総じて言えば、内容はアジアのファーストクラスラウンジとして適当なレベル、種類はやや多い方だと感じました。

 

さて「飯盛り女」は、「死ぬほど嫌そうに寿司を握る職人」の反対側で字面通りの仕事をしています。成田のように海から遠い場所で握られる寿司は遠慮したいので、飯盛り側でサラダを頼んでみます。

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フォークの位置が変ですが、それはそうと自分で盛るより、はるかに美しく見えことは明らか。JALの新しい試みは成功しているように見えました。ただしこのシステムは、社員食堂のような趣になります。ファーストクラスラウンジのダイニングですから、安っぽいと感じる人も多いことでしょう。JAL とて多くの客が喜ぶサービスを提供しなくては、生き残れません。肩が凝らないサービスを尊ぶ客が増えているのでしょう。一方こういうサービスを貧相に感じるのが、むしろ本来の客。営業効率と格式維持の調整は、難しい問題を孕んでいます。

 

食べ放題の品目は非常に少なくなりました。腹にたまりそうなものは、カレー、スープとパンぐらい。カレーのコーナーは飯盛りコーナーの隣。

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もちろん人気は健在。ひっきりなしに人が訪れます。

 

Pechedenferも写真映えするよう、十分な量をよそってきました。改装記念に、これは撮っておかないと...。

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生産者サイドから積極的な提案があるような気がしてならないのですが、相変わらず米はよくセレクトされています。素直に素晴らしいと思います。

 

麺コーナーは完全に見落としていました。どこにあるのか未確認。前日まで意気込んでいても、現地で忘れています。普段の関心が低いことがバレバレ。

 

JALカレーの次に流行になるとしたら、JALたい焼になると思うのですが、今のままでは少しキャラが弱いようです。JAL側での企画に加え、キモ甘系の顧客群による定点観測のサポートが必要です。

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ラウンジの何かが評判になるのは良いこと。カレーの評判に胡坐をかかず、新機軸を打ち出してくれることを期待します。

 

内装・建具は、安物だけれども工夫で勝負。 JAL らしい頑張りが感じられました。今日は空いていたので、大型テーブル(12人掛け?)を一人で占拠。このテーブルに大勢座っているようだと、まさに社員食堂です。混んでおらず幸運でした。

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このテーブルは曲者で、ワイングラスに白ワインを入れて置くとこの通り。宙に浮いて見えます。

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光と表面加工の織り成すマジック。

 

このラウンジの明らかな難点は、シャワーが 3階にあることでしょう。ラウンジ入室後にシャワーを利用するには、

① 3階に降りてカウンターで予約

② 4階ラウンジに戻って順番待ち

③ 携帯ブザーを受けて3階に降り、利用

④ 利用後は 4階に昇り、ラウンジにて「休憩」継続

というプロセスが待っています。降りが2回、昇りが2回、シャワーだけのために移動が生じます。垢ぬけないこと、この上ありません。

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ラウンジの外経由という動線が、問題を起こしているのは明らか。

 

現在、3階ラウンジは改装中。そして「ご不便をおかけします」の斉射にて客の文句・クレームを制圧中。成田のJALラウンジは最終的にどういう姿になるのでしょうか。