前日は元旦。今年御世話になる予定の人への挨拶が鉄則。しかし今の世の中、大変ややこしい話であることに気が付きました。全ては、
私の年明けとあなたの年明けは違う
点に起因します。気分、身分、相対論の話ではなく、大地が球面上にあり、暦が地動説と相性が良いためです。
Pechedenferが今いる場所はFrankfurt am Main。0:00を迎えた時点で確かに乾杯・花火です。しかしリアルにHessischをしゃべるJJIだけ相手にしているわけにもいかず、新年挨拶(電子版)のために写真が必要。どこかのxxxxライターのように、ネットで拾った適当な写真を使うなんて恥知らずは考えられません。すると撮影のために朝を待つことになります。
一方、 der Sonnenaufgangは8:24。この時東京は16:24です。東京の日の入りは16:38。14分で電子ファイルを処理するのも難しく、年賀状を出すのは東京で日が沈んでから。挨拶として礼を失する程度に悠長な話。
これがアメリカ西海岸なら、事情はさらに深刻なはず。便利な時代に生じた解決困難な問題です。
以上、新年挨拶が本年2つ目の記事になったexcuse。ブログをお読み頂く全ての方へお伝え申し上げます。ガリレオの異端審判の時とはどれだけ世の中が異っているのか実感できるかなと思い、指摘した次第です。
「人を食った新年の挨拶に何をうだうだ言っているんだ。時期よりふざけた内容を反省しろ。」と18歳からカント一直線で何十年過ごした方なら思うでしょう。その辺はドイツ語普及のためだとご理解下さい。ジョークも楽しい国です。ドイツは。
さて以下が本文。本日は空港アクセスの料金の話です。
2017年Le Monde最終号
「1月1日から、身近なところでこんな料金が変わる」という新聞記事で見つけました。Paris交通公団 RATP(Râle Autant que Tu Possibleではなく、la Régie Autonome des Transports Parisiens)の乗り放題パス le passe Navigo の新カテゴリー、1日乗り放題。
記事は
「Le passe Navigoの料金は変わらず。一日移動し放題の Navigo Jourが設定され、料金は例えば2ゾーンの移動で7.5 EUR、3ゾーンなら10 EUR。」
とごく簡単な内容しか伝えていません。新聞記事、広告、告知を読んで関心が生じたら、詳細をウェブサイトで調べるというのが、現代人に期待される生き方。個人的に関係あることなのですぐ調べてみました。
Forfait Navigo Jourの料金
まず新たに設定される forfait の料金は以下の通り。
Forfait Navigo Jour - Tarifs et zones - Navigo
Zones | 料金 (euro) | |
2 zones | 1-2 / 2-3 / 4-3 / 4-5 | 7,50 € |
3 zones | 1-3 / 2-4 / 3-5 | 10 € |
4 zones | 1-4 / 2-5 | 12,40 € |
5 zones | 1-5 | 17,80 € |
Tarifs applicables au 1er janvier 2018
パリの訪問者が利用する場所は、たいてい中心部=ゾーン1にあると思います。そのゾーン内料金は1移動 1.90 EUR。つまり4回(2往復)使えば元が取れる計算。
除外路線は Orlyval, Bus Direct Paris-Aéroport, navettes VEA Disney, OpenTour, Cars Rouges です。
一方Navigoは、Charles-de-Gaulle空港(CDG)とParis-Opéra を結ぶ
Roissybus(通常片道12 EUR)
Orly空港(ORY)とParis-Denfert-Rochereau を結ぶ
Orlybus(通常片道8.3 EUR)
に使えます。CDGは5ゾーンで、ORYは4ゾーン。パリ中心部をつなぐ1日乗り放題料金は、17.8 EUR、12.4 EURとなるので、RoissybusやOrlybusでパリ中心部へ移動し、その日のうちに地下鉄なりバスなりを3回以上移動するなら、いきなり空港でチャージしても良いようです。
ただし最初にICカードを買う必要があるので、リピーター向けであることには違いありません。
Forfait Navigo Jour - Choix de la carte Navigo ou de la carte Navigo Découverte - Navigo
別にNavigoを使わなくても構いませんが...
よく調べてみたら、このNavigoの新しい料金区分、すでに存在するサービスの Fortfait Mobilis と変わりません。
Forfait Mobilis - Présentation - Navigo
つまりRATPは1月1日から、NavigoのICカードを持っている人にも Fortfait Mobilisのサービスを提供するということであした。
当然のことながら、まだNavigoのカードを持っていない旅行者には Fortfait Mobilis の方が良いということになります。
調べてみると、Forfait Paris Visiteなどというパリ観光向けの料金もありました。これもICカード不要。
Zones | 1 日 | 2 日 | 3 日 | 5 日 |
1-3 |
12 € |
19,50 € |
26,65 € |
38,35 € |
1-5 |
25,25 € |
38,35 € |
53,75 € |
65,80 € |
Navigoを使うメリットは、パリ住民と区別しにくくなり、旅行者狙いの犯罪を遠ざけられる点にもあります。ICカードをかざすか、紙の切符を挿入・回収するかの差は、誰の目にも一目瞭然。" Do you speak English? " などと、道を訊かれる可能性が高くなるかもしれません。
一方、Navigoのシステムは時々変更されるので、Paris在住ではない場合、多かれ少なかれ、事前のチェックが欠かせません。
チャージ機にも重要なことは表示されるので、それほど心配は要らないシステムになっています。
ついでにNavigoの主力料金体系
1週間乗り放題や1ヶ月乗り放題は、使えるならかなりお得です。というのも、利用期間(月曜日から日曜日、月初日から月終日)が設定されており、旅行者の場合、ネックになりうるからです。
利用ゾーンの設定(共に1-5, 2-3, 3-4 または 4-5の設定。つまりパリ中心部を使うなら、Ile-de-France全域利用しかない)は、一見意地悪に見えますが、料金を考えると実は問題になりません。地下鉄やバスをそれぞれ12回、40回を利用すると元が取れますから。
特にRoissybus、Orlybusを利用するとすぐに元が取れます。パリに月曜日から日曜日まで滞在、週半ばでCDGから航空機でどこか往復しなくてはならない時などは、非常に有利な展開になります。
総合案内のトップページも紹介しておきます。発展すると何でも複雑になりすぎるフランス社会が実感できます。
サイトは大変工夫されていますが、いかんせんいろいろやりすぎ。
英語のサイトは見つかりませんでした。RATPは、短期滞在する外国人にはあまり使って欲しくないのでしょう。