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夏のヨーロッパ:レガシーキャリアの運賃比較(その2)

日本から欧州旅行する場合、利用航空会社は日系2社と欧州勢とは限りません。直行便が無い都市だと、乗継が必要。その乗継都市は広い範囲から選べます。料金と移動時間、利用しやすさやサービスなどを考慮して、航空会社を決めることになります。

 

中東勢と東南アジア勢は、北東アジアー欧州間の旅客も欲しいはずですが、会社によって少し温度差があります。それが料金の設定や接続の利便性に現れています。各社のマーケティングが透けて見えるようです。そこで前記事と同様、

・ウェブサイトで調べられるマイル積算最安値

・日本便は自社運行

・旅行期間は、A: 6月17-24日付近、B: 8月10-18日付近、C: 9月15-23日付近

・航空券が売切れているとか、例外的に高値になっている場合、前後の日付

という共通条件で比較してみました。以下に税込、燃料費込の円価格を示します。

 

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まず中東勢+トルコ航空を比較してみます。東京ーBudapestの往復です。

 私にはよくキャンペーンのお知らせが届くカタール航空(oneworld)から。移動時間は片道20時間30分ほどです。

QR  A: 83,530、B: 134,570、C: 82,930

Aeroflot並みの安さです。時期によっては10万円に達しません。ただしお盆の時期には少々値が上がります。QRはキャンペーンをこまめにやっています。値引き幅はそれほど大きく無いものの、トップシーズン以外はそういうキャンペーンで購入するのが良いと思います。

 次に一定の評判を築き上げたエミレーツ。移動時間は片道21時間45分ほどです。

EK  A: 104,010、B: 181,610、C: 128,310

比較的高い運賃設定です。それが可能なブランドイメージがあるのでしょう。確かにA380の大量発注(全世界で約320機のうち140機を発注)、シャワー付ファーストクラス、新興観光地ドバイと豪華さが付きまといます。欧州に傾倒する日本人には、成金の臭いで辟易する向きも多いと思います。しかし湾岸諸国=砂漠+石油のイメージを変えてしまった努力は、すばらしいと思います。そういう開拓者的な良さもあり、この会社に関しては適切な料金設定だと思います。

 

続いて航空会社の買収や出資で騒ぎを起こしがちなエティハド航空。BUDへはAUHの他、欧州内で乗継が必要となります。そのため片道26時間以上かかります。(AUHから直行便がある都市へは、21時間程度のはずです。)これは皮肉にも、他社の買収・出資によるネットワーク形成と密接に関係します。

EY  A: 96,720、B: 106,360、C: 106,360

 economy valueという料金。8月の料金は特筆もので、Aeroflotを凌ぎます。AUHから欧州へはMAD, GVA, VCE, DUB, MAN, BRU, STR, TXL, EDI, BEGなど、日本からの直行便がない都市への便もあります。これらの都市へ向かう場合、時間もそれほど余計にかかるわけではないので、考慮に値します。

 

中東経由は移動時間が大きくなります。これら3社が不利にならない移動は、欧州ー南アジア、欧州ーオセアニア、東アジアーアフリカ、東アジアー南米などです。欧州目当ての日本人には、魅力が乏しいのです。低価格が武器では持続性が無いため、リピーターを増やす工夫が重要なはずです。今後も各社、活発にイノベーションが行われると思います。目が離せません。

 

さて中東3社と一緒にした方が良いか、欧州勢に入れるべきか微妙なトルコ航空(Star Allianace)。移動時間は欧州の会社に近く、16時間ぐらいです。

TK  A: 108,790、B: 128,790、C: 128,790

これらはeconomy semi-flexibleという予約クラスです。8月の価格は格安の部類になります。欧州の就航地が非常に多いこと、サービスが好評なことから、Star AllianceのFFPにマイルを貯めている人には、TKの価値は高いのではないでしょうか。ただし欧州のどこに行くかによって、料金が大きく異なります。たとえばIST-NUE間は、需要が多く、競争が無いため、結構な値段がするはずです。こういう細かい情勢は、日本ではわかりにくいので、先入観を持たず、こまめに調べることが必要となります。

 

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多くの日本人にとって、中東より馴染み深い東南アジアの航空会社。BUDへ直行便をもつ会社はないので、東京ーFrankfurt (M)の往復で調べてみました。

 

まずは最強と称されることも多いシンガポール航空(Star Alliance)。

SQ  A: 196,090、B: 211,090、C: 211,090

となりました。これはエコノミークラスの料金です。ビジネスクラスではありません。所要時間は20時間30分ほど。SINは交通の要所ですが、欧州ーオセアニア、南アジアーオセアニア、東アジアーアフリカ間などに限ったこと。北東アジアー欧州間では地勢的に全く不利なのです。東京から欧州へ行く客向けへの、運賃の配慮はないと考えてよいでしょう。

 片道1万マイル。大抵のプログラムで100%加算になるため、何らかの理由でマイルを獲得する必要がある人は、考えても良いかもしれません。サービスは良く知られるとおり好評。日系2社に比較すると、IFEのチャンネルの数は桁違い。さまざまな言語の番組があるので、字幕が要りません。

 

次にタイ航空(Star Alliance)。

TG  A: 162,030、B: 178,030、C: 162,030

TGは、V/Wクラスという安い料金が常時設定されていますが、ほとんどマイル加算対象にならないのでQ/Hクラスの料金を示してあります。プログラムによっては100%加算です。所要時間はSQより短く、19時間30分ぐらいです。

 これも結構な値段がします。時間も、料金も、SQを一回り穏やかにした感じです。日欧間でわざわざ選択する人は少ないでしょうし、TGがマーケットとして考えているとも思えません。時間がかかる → 使う人が少なくなる → 商品開発の必要が無くなるという流れなのでしょうね。仕方がありません。

 

さてキャセイパシフィック(oneworld)ではどうかと言うと、

CX  A: 104,050、B: 195,550、C: 139,050

でした。A期間はL, S、B期間はH、C期間はV, Mという予約クラスです。メリハリ付き過ぎというのが第一印象です。日本ー欧州間の旅客需要を真面目に考えている証拠です。

 この例でもわかりますが、ある都市間の旅客需要を真剣に考えている会社が有利かというとそうでもありません。無頓着な会社は繁忙期でも料金をあまり上げないからです。EYの料金をみれば明らかです。ちなみに移動時間は、片道17時間から27時間と接続の都合により大きく変わります。注意が必要です。

 

マレーシア航空(oneworld)も調べてみました。日欧間ではビジネスクラスに割安感がありますが、エコノミーの(oneworld他社の)マイル積算運賃、MH Smartでは

MH  A: 136,220、B: 138,350、C: 136,220

でした。マイル積算がないpromotionという運賃だと8万円ぐらいです。東京からだと接続が悪く、KULでの接続時間が6~18時間にもなります。往路27時間、帰路36時間と言ったところです。中東の会社より時間がかかるので、何か事情が無いと、競争にならないでしょう。

 ベトナム航空SkyTeam)も同様の接続事情で、料金設定も割合似ています。ベトナムは、ビザなしでは30日以内に2回入国することができないので、気をつける必要があります。

 

以上、キャンペーンなしの料金、マイル加算料金という条件で、いろいろ調べてみましたが、レガシーキャリアといってもずいぶん差があります。大体いつも安い会社もありますが、時期によって大きく変動する会社がほとんどです。また料金を正当化できそうと思える航空会社や季節変動もある一方で、何で?という場合もあります。

 

私自身、個人で航空券をとる場合はリサーチが欠かせないことを再認識しました。