大混雑のチェックインで搭乗券をもらい、ガラガラのプライオリティ・レーンを抜けたら、搭乗開始まで1時間弱。まずまず良い移動です。何となく胸騒ぎがしたので、搭乗開始時刻にゲートに到着します。ちょうど MH782(この空港で折り返し。MH783 として KUL へ移動。)がゲートに到着する所でした。
いつもの B767 より、明らかに大きな機材。A330-300のようです。これは MH782 と MH783 がオーバーブッキングになりそうだったから、そのまま販売、故意にあふれさせてしてしまったということですね。
調べてみると、双方向とも前便キャンセルして2便まとめて運んだわけではありません。
基本は B737-800 で運航するバンコク線ですが、事実上 MH の全機材が往復しています。良く言えば柔軟な、悪く言えば締まりのない売り方をするからですが、客にとってもマレーシア航空にとっても間違いなく良いことです。問題はバンコク側のチェックインですね。委託なので機材変更に対応するのは無理。大型機材に変更になるようだと、混んで時間がかかることになります。今日の混雑もここで納得。
この空港のゲート前待合室は、得体のしれない雑誌が数多く置いてあります。
手に取る人はほとんどいません。
子供、赤ん坊、妊婦、車いすなどの優先はありません。ビジネスクラスと上級会員が先です。機内に乗り込むと、良く知る A330-300 のキャビンが待っていました。
シートはこちら、1K。広い脚入れと、両側にサイドテーブルがある優等席です。
グラスは白ワインではなく、リンゴジュース。この路線では、ワインは搭載しないようです。
メニューが配布されます。バンコク発は機内食の質が高いので、特に言うことはありません。
バンコク搭載⇨タイ料理という線だと、パッタイかグリーンカレーの選択になります。しかしデザートがタロイモであること、パンが配られることの2点を考慮する必要があります。そうです。炭水化物ばかりになります。そこで牛肉グラシュにしました。
Pechedenferは、常々「グラシュは牛肉料理」だと思っていました。わざわざ牛肉グラシュと言うところを見ると、マレーシアやタイでは別の肉を使うことが多いようです。カエルグラシュなのか、ネズミグラシュなのか、ダチョウグラシュなのかその辺は知りませんが、面白そうです。それにグラシュは赤ワインを加えて厚みを出すことが多いのですが、それではハラムになってしまいます。ハラルを徹底するマレーシア航空は、当然赤ワイン抜きのはず。ウィーンで食べられる料理から乖離したものが出されるのは既定路線。
そうこうしているうちに搭乗完了。滑走路はそれなりに混雑しているので、待機。機内にハエを発見。
このハエは、バンコクで機体整備の最中に紛れ込んだのでしょうか。マレーシアへ追放ですね。ただし着陸の前には、マレーシア航空名物の殺虫スプレー。昇天が待っています。もしかするとクアラルンプールで搭乗、到着便と同じ機材で折り返す修行僧のようなことになっているのかもしれません。どちらにしても殺虫剤の餌食になる運命。
4機程度並んでいる滑走路。このキャセイの次に離陸です。CX656 (定刻16:20) は、とうに出発しているので、これは CX708 (定刻17:30)。MH783は定刻17:15発なので、抜かれました。
気にしない、気にしない。自動車みたいにあおり運転なんて、絶対できませんから。
ここのところ北向きに離陸、北向きに着陸ばかりなのですが、そういう季節なのですか?
右旋回をします。海岸線に沿って飛ぶようです。
コンパスもこの通り、機体の姿勢と方位がはっきり現れます。
シートベルト着用サインが消えたので、テーブルを出します。つい最近搭乗した A350 のビジネススイートのテーブルとは圧倒的な違いがあります。
だいぶ陽が傾いてきました。
方位もそれらしく。
この辺で機内食。前述の通りグラシュを選んだら、幸いありました。一番前から順番に配膳したので、普通は希望通りのものが選べるはずです。
炭水化物祭りは避けます。マレーシア航空には一つ意見があります。赤ワインはともかく、良いパプリカを使って下さい。
食べ終わるともう日が沈みます。雲が多いので、夕焼けらしい空はほとんど現れませんでした。
このフライトで日没観測したければ、季節を選ぶ必要があります。
春分、秋分近くはこれが見もの。1日でもずれると極地の夜昼がはっきり出て、どちらの半球が冬でどちらが夏かわかります。
窓の外の光景が、画面と一致しているかどうか確かめます。
少々仕事をしていたら、あっという間にコクピットから到着準備の放送。
何もすることがないと少し退屈しますが、何か行うと時間が全然足りないフライトです。
地上は夜。機材がA330-300に変更になったおかげで、到着ターミナルは大型機用のサテライト。
予想外の展開だったのか、ターミナル内を大急ぎで走っていく降機客が出ました。しかもよりによってターミナルの先端部分のゲートに到着しています。彼には不運の機材変更だったようでした。