エコノミーを多用する多くの人は、Executive Clubに入会して、羽田からLHR経由で欧州へ行けば、ほとんどの場合有利であることがわかりました。Silver会員だと調べた限り「常に」です。キャンペーンを除く、HND-LHRの今年の底値(サーチャージ込)は、81,000円だったそうです。イメージに反して料金も高くありません。
エコに乗って東南アジアのビジネス無料航空券を狙う時だけ、Miles+BonusとSK便の組合せが、Executive Club一般会員がBA搭乗する時より有利になります。
しかし「ヨーロッパ?ビジネスしか使わないよ」という方では、大きく事情が異なります。
日本―欧州便をビジネスで利用し、同区間のビジネスの特典無料航空券に替える場合の表も作ってみました。片道6,000 milesの旅程を何回往復すれば無料航空券になるかをビジネスで計算したものです。
衝撃的なのが、MilleMigliaとAZ搭乗の組合せです。アリタリアは自社のビジネスを異常にもてなしており、300%加算、160,000 milesで同区間同キャビンの特典無料搭乗券です。これは結構強力です。仮に片道6,700 milesの行程を往復するとします。すると加算されるマイルは40,200 milesですが、上級会員(Ulisse, 1年以内の搭乗には次回から25%マイルボーナスがつく)に到達です。そして「4回乗れば1回無料」です。
年に2回この旅行を実行すると、極端な事態になります。会員レベルはFreccia Alataになり、マイルボーナスが50%付きます。すると2往復で120,600 milesにもなります。ビジネスクラスのチケットが40万円だとすると、これをアメックスのスカイトラベラープレミアで買えば、2往復分を40,000 milesに変換できます。すべて合わせれば、160,000 milesを超え、「2回乗れば1回無料」になります。毎年3回渡航しなくてはならない人は、2回分の料金で済むとも言えます。ビジネスマンの経費削減にも有効なのでした。
BAは振るいません。というのも、マイルの積算率が125%で、マイルボーナスも66.6666...%に減るからです。
むしろ注目すべきは、Miles+BonusとSKの組合せ。ちなみにSKの搭乗は、プレミアムエコノミーでもビジネスと同じ200%の加算率です。面白い事実です。プレミアムエコノミーの料金はエコノミーのせいぜい2倍、通常200,000円程度からあります。NRT-CPHを往復すると22,400 milesも加算されます。5往復で112,000 milesになりますが、日本ー欧州往復の無料航空券に必要なマイル数は110,000 milesです。
「プレエコ5回利用でビジネス1回タダ」となります。
MilleMigliaとAZの組合せと違うところは、プレエコはビジネスより快適性に劣ること、1年に1回未満の渡航頻度でも良いこと、Miles+Bonusの上級会員になるためにはさらにわずかな条件が加わることぐらいでしょうか。
いずれにしても、この2つの組合せは強烈ですね。
上記の表を見ると、どの組合せも、エコノミー利用の時ほどの差はありません。ビジネス利用客だったら自分の贔屓の航空会社を優先しても損にはなりません。
次に日本―欧州便をビジネスで利用し、東南アジア便のビジネスの特典無料航空券に替える場合の表です。
まずは、
Miles+BonusとLH搭乗の組合せ
Miles+BonusとSK搭乗の組合せ
が強力です。これは、東南アジア便(日本からインドネシアも可)に必要なマイルが42,000 milesと少ないからです。ここでもSKはプレミアムエコノミーでOK、NRT-CPHの単純往復2回で42,000 milesに達します。LHはビジネスでないといけません。
上級会員だったらExecutive ClubとBA搭乗の組合せも同じレベルになりますが、実は東京ー欧州のエコノミーの旅程でも2往復でOKです。BAはエコノミーではマイル加算が突出していますが、ビジネスではそれほどでもありません。
SkyMilesとAZ搭乗の組合せは、3回往復と許容範囲になります。
ファーストも計算したのですが、表があまり埋まらないのと、無料航空券を他社に開放していないケースも多いので、省略します。
Flying Blue、JMB、AMCはかすりもしませんでした。少し残念な結果です。日系は飛び抜けて良いことはありませんが、非常に悪いということもありません。Flying BlueとSkyMilesはエコノミーに乗る限り、全くマイルの恩恵は受けられません。ビジネスでもぱっとしません。