読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

ビジネスクラスのシートの値段

昨年導入されたエールフランスビジネスクラスのシートは、今のところSkytraxのアワードにかすりもしませんが、質感といい、デザインといい、大変良く出来たシートです。

AF293:HND-CDG ビジネス(機内) - バス代わりの飛行機

そのシートのお値段ですが、なんと100,000 EUR

f:id:PECHEDENFER:20150729123235j:plain

VIDEO. Air France, la riposte de la "business class"

もちろんリモコンや個人用モニターなど周辺機器の全てを含んでいますが、なかなか壮絶な値段です。旅客1人当たり500 EURをシート代に当てたとしても、200回の利用が必要です。長距離便にしか使われないので、原価を回収するのに1年近くかかります。

 ライバルであるルフトハンザも新しいビジネスクラスのシートの導入を進めています。昨年日本でも発表された時、日本支社長が「1席の価格は小さなレクサスに匹敵する」と、ドイツ人らしく的外れな紹介をしていましたが(註)、エールフランスのシートはPorsche 911の価格です。

註:日本的にはKY、国際的には「攻撃的」と形容されるドイツ的なステートメントの良い例になっています。この発言は「レクサスはビジネスクラスのシートの価格しかしない」となります。自動車産業がイメージを大切にするのは、ドイツ人ならわかっているはずなので、大変失礼な発言です。乗用車との比較を止めるか、せめて自国を代表するマークを持ってくるのが正解です。しかし「ルフトハンザの親愛なるパートナー、メルセデスベンツのCクラスに匹敵する(営業用やタクシー用に装備を簡素にしたモデルが国内でかなり流通しており、当然安いのです。)」などと言わないのは、メルセデスのイメージの毀損を避けるためです。それが自分が今いる場所で一般化できないところに問題があります。

 彼らは他国にいることを考えた発言が本当に苦手なようで、Schindlerの事故の時もそうですが、責任者が「暴言」を吐くことが多いように思えます。こういうことを世界中で行って、いちいち企業イメージを下げているのですが、なぜ現地スタッフに任せないのか不思議です。

ルフトハンザ日本支社長、新ビジネスクラスは14年中に日本就航便導入完了へ | レスポンス

 

やはりAFは高コスト体質というべきでしょうか。最近フランスのメディアは、日々AFに危機が迫っているようなトーンになっています。実際のところ、国としてはこの会社を無くすわけにはいかないけれども、手が付けられないので放置。行き詰ったら一旦解体、再建という考えなのでしょうか。

 一方、経営が一緒になっているKLMでも、B787-9の導入に際して、新しいビジネスクラスのシートを導入するようです。

KLM lève le voile sur son Dreamliner (photos) | Air Journal

これは10月25日からAMS-BAH(ABU経由)便でお目見えする予定です。11月終わりにはDXB便もこの機材になります。現在KLMのビジネスクラスでは、中東が最重点地域というわけですね。2016年の2月にはGIG, FUKにも運航されると予告されています。つまり日本での実配置は福岡ということのようです。

 さてこれらのシートは、Cathay Pacificが有名にしたZodiac Aerospace社のCirrusです。CXの場合、コスト削減にはうるさいので、価格はかなり抑えているはず。AFのシートも、2013年頃には「Cirrusのデザインを元に云々」と報道されていましたが、それにしては価格が凄すぎ。自社でいろいろやったのではないでしょうか。

 KLの新シートも見たところAFモデルのマイナーチェンジのようです。新開発するとまた膨大な費用がかかりますから、どんどん使わないと損です。

 

シート価格が、顧客の満足に直結するかどうか微妙ですが、搭乗の際には思い起こすと旅行が味わい深くなるはず.....ありませんね。