(2) 日本から旅に出る時に得られるマイル
Delta Airlines、China Airlines、Alitalia、Air France、KLMを利用した時に、SkyMiles、Dynasty Flyer、MilleMiglia、Flying Blue会員がどれだけマイルを得られるかまとめてみました。積算率の一覧です。
Delta Airlinesの搭乗
SkyMilesは今年から航空券の購入金額基準になっており、ゴールド会員(DL ELPS)だと、1 USDが8milesとなります。このマイルの積算法、他のFFPよりたいてい率が悪いことは、調べ上げました。
デルタ航空のマイルはフライングブルーに入れるのが有利?(その1) - バス代わりの飛行機
デルタ航空のマイルはフライングブルーに入れるのが有利?(その2) - バス代わりの飛行機
しかしながら料金が大きく変わると、また状況は変わります。
SkyMiles以外のFFPでは、Alitalia MilleMigliaがX, Vなどの格安エコノミーでも50%と、良い数字をたたき出します。Delta のサイトでは、予約クラスを指定して航空券を購入できるので、少々高くてもマイルが欲しいとか、エコノミーでしか出張しない人でも、いろいろ条件をつけて高い予約クラスにするという手もあります。
比較している4社のFFPの中では、China Airlines Dynasty Flyerは、全ての予約クラスで最低の積算率でした。Deltaの側でFFPを4つのグループに区分しており、カテゴリーの低い会社のFFPの会員には、Delta便はあまり利用価値がありません。
アメリカの3大会社の中では、Delta Airlinesは現在最も評判が良いし、搭乗すれば質の高さは実感できます。各FFPでの特徴を押さえて、利用するというのが正しい付き合い方のようです。
China Airlinesの搭乗
マイル積算率の幅が小さい会社です。ただし
・ホノルル線のビジネスクラス
・欧州、オセアニア便の格安エコノミークラス(通常100%積算のみ)
は、航空券の料金が安く、支払い金額の割には多くのマイルが加算されます。どのFFP会員も、これらの航空券の利用を中心に考えるのが賢い利用法でしょう。
DL SkyMilesは最も積算率が悪く、あまり得なFFPとは言えません。Delta利用時のCI Dynasty Flyerへの積算率の悪さの裏返しのようです。Alitalia MilleMigliaでは、予約クラスDという格安ビジネスクラスでは、CI Dynasty Flyerより有利です。この航空券は最も安いビジネスクラスで、今だと東京から東南アジア各地の往復が10万円程度からあります。
AF-KLM Flying Blueへの積算率は、CI Dynasty Flyerと全く同じです。AZ, CI, AF-KLMのFFPでは最低でも50%の積算率ですから、近場に出かけた時でも何となくマイルが貯まります。欧州、オセアニアは、格安でも100%積算のようで、最低滞在日数の条件もないようです。ただし
AMSへはBKK経由
FCOへはDEL経由
AKLへはSYD経由
などと経由便が多いので、修行のようになってしまうかもしれません。VIEやFRA、SYD、BNEのようにTPEからの直行便もあります。
Alitaliaの搭乗(記事の最後に追記を加えました)
AZ MilleMigliaとAF-KL Flying Blueへの積算は、長距離便利用の場合です。近中距離国際線、国内線、FCO-LIN線では別の表が用意されています。
何と言っても目を引くのは、ビジネスクラス利用時のAZ MilleMigliaへの加算。全予約クラスで300%です。ビジネスクラスで300%は、かなり珍しい数字です。欧州はビジネスクラスで行く人だと、その頻度が年に一回でもAZ MilleMigliaが有利でしょう。それに加えてCIの東南アジアビジネスクラス往復でFreccia Alata会員(AZ ELPS)更新です。またこの会員レベルで50%のマイルボーナスが付きます。(たぶん実飛行距離の50%)何だか良い事づくめに見えます。
欠点らしい欠点を指摘すると、イタリアの国内法との関係でマイルに有効期限があります。時々法律が変わるようですが、今は5年だったと思います。160,000 milesで日欧のビジネスクラス往復ができるので、それほど問題にならないかもしれません。
Ettihadとの提携が実を結んだようで、今Alitaliaは攻勢に出ています。キャンペーンも数多くあります。航空券の価格は、2ヶ月程度の搭乗期間を対象にその1ヶ月前から行うようなパターンがこのところ続いています。またマイル積算についても4倍ボーナスキャンペーンなどと気前の良いことをやっています。
http://www.alitalia.com/jp_ja/millemiglia/promozioni/promo-accumula-miglia.html
ステータスマッチと合わせて、これを機にMilleMigliaの会員になってしまおうかと誘惑されるのですが...。う~んイタリア。今年もミラノ万博、史上最高齢ボンドガール、etc.と何かと話題に事欠かない国です。
CI Dynasty Flyerの積算率は、安い航空券では問題ありませんが、ビジネスクラスなどではあまり伸びません。
AF-KL Flying Blue会員には、格安プレミアムエコノミー利用がAZ MilleMigliaと同じ150%の積算率です。東京から欧州へビジネスクラスで行く場合、SUが最も安くなることが多いと思いますが、マイルの積算率は125%です。Flying Blueでは、Alitaliaのプレミアムエコノミーは最も手軽に資格マイルが稼げる方法だと思います。大体1往復20,000マイルです。これが通常期20万円ぐらい、キャンペーン時14万円ぐらいです。
格安航空券を買う場合、DL SkyMilesではAF-KL Flying Blueへの積算率を少し下げた程度のマイルが加算されますが、格安エコノミーでもMQMは100%です。ただ、あまり興味が持てる数字ではありません。
Air Franceへの搭乗
長距離便のマイル積算率です。
Delta SkyMilesとAF-KL Flying Blueの会員だと、ファーストクラス搭乗時のマイル加算率が300%になります。 万が一もし有償搭乗する機会があれば、Flying Blue入会が必須という程度にお勧め。東京-パリ往復で36,000 milesも加算されます。パリ経由欧州1都市往復で大体40,000 miles。Gold会員(AF ELPS)が更新できます。
不思議なことに、CI Dyansty Flyerでは130 %、AZ MilleMigliaでは100%しか加算されません。MilleMiglia会員は、AFのビジネスクラスの利用時も積算率が100%と低く、プレミアムエコノミーでの150%と逆転しています。自社会員に使われたくない気持ちがありありですね。素直にAlitaliaのビジネスクラスを利用すれば300%積算なのですから、あまりに露骨です。
その他の予約クラスに関しては、順当。ただCI Dynasty Flyerだと一番安い格安エコノミーでも50%積算されます。Dynasty Flyerはほとんどの航空会社の利用で50%が積算の下限のようです。エコノミークラスで長距離を移動することの多い人は、見逃せないポイントです。
KLMへの搭乗
面白いことに、DL SkyMilesでの積算率が悪くありません。AF-KL Flying Blueとほぼ同じか、むしろ凌ぎます。SkyMiles会員の欧州渡航はKLMで決まりですかね。なおアメリカ経由のDelta便も普通に買えるようですが...。
CI Dynasty Flyerでの積算率もまずまず。格安エコノミーしか使わない人はCIが有利となります。AZ MilleMigliaは、KLMをAFほど嫌っておらず、ビジネスクラスで150%の加算。ただ格安のエコノミーではマイルになりません。
(3) どうする?
Flying Blueを続けるなら、会員資格の更新にもマイルの加算でも
・AZのプレミアムエコノミーで欧州往復
・SUのビジネスでMAD往復(125%積算運賃が18万円程度)
・CIのビジネスでSIN, CGK往復
・CIのエコノミーでFRA往復
などが有利です。AlitaliaがFreccia Alataをくれるなら、AZのビジネス欧州往復+αでの資格更新も心惹かれます。FFPの切替も悪くありません。
日本に住んでいるとSkyMilesの会員が最も多いでしょうが、マイルを貯めて使うという意味では今一つという気がします。
アメリカでは(入会)キャンペーンで提供される巨大なポイント、クレジットカードによる浪費がマイルインフレを引き起こしているようです。こうした国情は、平均的な日本人にはハンディキャップとなります。
いろいろ数字を並べると、Dynasty Flyerはもっと注目されてよさそうです。中国語はもちろんわかりませんし、中華文化にも親しんでいないので、入会には二の足を踏んでいます。どなたか会員をしっかりやって、どんどん情報を発信してくれないでしょうか。
(Alitaliaに関する追記)
この記事をアップして24時間もしない内にAlitaliaからプロモーションのメールが届きました。
ビジネスクラスが290,000 JPY~とのことです。財務上の不安が消えたため、今後しばらく同様のパターンでプロモーションを行うと予想されます。上記のビジネスクラスの価格は、サービス、獲得マイル、上級会員資格到達の容易さを総合して考えると、かなり良いレベルではないでしょうか。