Air Franceはリストラを巡って労使対立が悪化し、2015年~2016年には会社存続も危ぶまれるほどでした。このブログでも紹介しています。例えば、
Frédéric Gageyの"le plan B" - バス代わりの飛行機
ところが2016年 7月にトップが交代して以来、妙に調子がよくなりました。
新PDGの Jean-Marc Janaillac 氏の腕前か、先代PDGの努力がようやく実を結び始めたのかはよくわかりません。とにかく2017年には、V字回復とでも言ってもよいほどの絶好調。
理由は何であれ、会社がごたごたしていると、何となく搭乗したくなくなるものです。会社安定の証拠とも言うべき業績回復は、喜ばしい限りです。
AF-KLMは「特定目的のために」Transaviaを持っていますが、2017年12月 1日 Air Franceは、Joonという新会社を4路線に就航させました。Transaviaが典型的な欧州内LCCになるのに対して、Joonは中長距離路線の運航会社。今のところ Berlin, Lisbonne, Porto, Barceloneと、路線は全て欧州内ですが、2018年 4月 1日から Cape Town(South Africa)、5月 5日から Mahé(Seychelles)と Fortaleza(Brazil)という長距離路線にいよいよ就航する予定。
3月25日から、Oslo、Romeが就航都市に加わり、さらに Istanbul、Cairo という中距離路線も本格的に運航が始まります。グループの中では、Air Franceの35%の路線を置き換える会社という位置づけになります。
Joon - nouvelle compagnie d'Air France
パイロットを除き、従業員は Air France とは異なった労働条件で採用され、コストが抑えられています。
こういう経営努力が実を結んだ感じですが、AF-KLMはグループ(AF, KL, HOP!, Transavia)全体で、2017年に 5.6 %の旅客増、9,870万人という結果を出しました。
Air France-KLM: nombre de passagers en hausse
北米路線が6.3 %増と大幅に増えた他、アフリカ・中東路線 4.1 %増、アジア路線 3.2 %増が好調を物語ります。カリブ海・インド洋路線 2 %増、ラテンアメリカ 路線1.9 %増は、多少見劣りするものの、全方面で成長しています。Transaviaは、+11.2 %もの増大。SKO(siège au kilomètre offert、座席キロ)は、グループで 3.3 %増。相当な数の Champagne の栓が開いたことと思います。
カーゴはそこまで良くはありませんが、同様に伸びています。
ライバルの IAG(BA, IB, Aer Lingus, Vueling)は 2017年に 4.1%の旅客増、1億500万人を運びました。結局、欧州の空全体が好調だったということですが、それでも喜ばしい成績には変わりありません。