PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

自己紹介にFFP会員レベル?

マイレージプログラム上級会員の話が続きます。一つの話題は関連する話を呼び込みやすいのでした。ブログを続ける人なら理解できると思います。

 

¿予を何と心得る?

ソーシャルメディアの自分ページのトップには、このブログのように副題を添える場合があります。書く動機や目的、茫漠としたモットーを表示する人もいます。そんな中、「同業者」に多いパターンが、マイレージプログラム (FFP) や宿泊プログラム (FSP) の会員レベルを並べたもの。

 

Pechedenferなら、

A3-G/ AF-G/ BA-GGL/ Accor-Sil/ SPG-Plt*

となりますが、恥ずかしいのでできません。遊びまくっていて、非生産的な人間に見えそうだからです。積極的に表示する人たちはそう感じていないはず。感覚には個人差が大きいのですが、その心理は推理していました。しかし最初考えたよりはるかに複雑であることに最近気が付きました。

*この ”/ ” は、現代的な用法。発音して(もちろんslashと読む)、ニュアンスを加えることが多いようです。例えば、開業医に雇われる assistant/ receptionnist。これを自己紹介で” I'm his..."と言う時、少しコミカル、自虐的な言い回しになります。(日本女性だったら、tea ladyも加えるとさらに効果的?)職業の顔/ 趣味の顔という風に使うなら、barrister/ drummer のようにギャップが激しいと面白くなります。最近先進国の大都市で増えているのは、職業1/ 職業2/ 職業3というパターン。短時間雇用の仕事が溢れる一方、一つ一つの仕事は低収入なので、関連の薄い仕事をかけ持つ人が増加しています。Anglosphere(英語圏)ではそういう”/ " ですが、会員資格の略号を区切る場合、面白みはありません。

 

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3つの動機

そもそもこういう表示を行う動機は、3つに分類できるのではないかと思います。

(1) 見映え、見栄

(2) 信用、箔付

(3) 内容紹介、自己紹介

いろいろな方の書かれた内容を見ても、(1)~(3)の要素が混ざっているようです。どれが強く現れるかは、個人によります。

 

(1) 見映え、見栄

生身の自分が見えない事をいい事に、ひたすらカッコ良い俺、カッコ良い私を演出しようという努力。綺羅星のように並ぶ記号は、少なくとも実社会での真実。動機は同じでも、自分盛りが過ぎる連中とは根本的に違うという信念があります。

 そこまで確信犯ではなくても、実社会の煩わしさから逃れて、SNSに居場所を求める人は多いはず。名刺に載らない「地位」を示すことで、居場所を確実にできるという感覚は理解できます。昭和のサラリーマンが通った飲み屋が、SNSにとって替わられています。気持ちの問題ですね。

 

しかしこの動機が強い人は、

①周囲に認めてもらいたいという願望があり、

②実社会の地位は、FFP上級会員資格ですら意味がある程度**

である可能性が高いようです。外見はともかく、内面は格好良くありません。性向は盛っている連中と五十歩百歩。ステータスマッチなどで次々項目を増やすに至っては、「肩書が増えると忙殺されるだけ」という実社会の一般則から無縁なのでしょう。そういうこともあり、この動機は感覚的に受け入れられません。やや距離をおいた感じで眺めていました。

**社会的な影響力が強い人にFFP上級会員を配る航空会社は、珍しくありません。そんなVIPには、会員であることを公言する気は起きにくいはず。

 

(2) 信用、箔付

自分の書くものが、インターネットの世界で埋もれないためには、資質があることを示すと有利。これならしっかりした発言をするはずと、通りがかりの読者も識別してくれるという期待。上級会員になるほどの経験が、書いた物の価値や信用を示すという発想です。「ダイヤ様のご発言、心して聞くがよい。」という不遜な気持ちがなければ、この発想には一理あります。

 ただしステマとかキャンペーンで得ただけの上級会員資格(最近の例だとAF・KL-G)、大して利用せずアメックスで維持するDL-G、Hilton-G、SPG-Gなどまで示しては、この目的から外れます***。そういう人にはこの動機は希薄か、自分盛りが過ぎただけです。

***「あちこちで上級会員なので、旅行サービス全般に詳しいconnoisseurだ」と印象付ける目的で、ステマ系、キャンペーン系の資格まで示すことは「自分盛り」。Pechedenferが「当方、(BAW-GGL に付属する)Hilton-dia 会員に加え、(SPG-Pltでマッチングできる)Mariott-Plt会員」などと言うようになったら、「盛っていやがる」と笑って下さい。HiltonもMariottも全く使わないので...。

 このことを意識していて、ちゃんとステマ系、アメックス系は分かるように書く人もいます。

 

内容を読めばレベルは判断できるので、上級会員の表示は不要だと、Pechedenferはずっと思っていました。しかし会員レベルを列記する多くのブログ、つぶやきを見て、この発想が不遜であることに気が付きました。現代では信用に足る情報がそこにあるかどうか、素早く見極める必要があります。「10記事も読めば、信用できるかどうか判断できる」と書き手が思うのは、あまりに不親切で傲慢。考え方が変わりました。

 

(3) 内容紹介、自己紹介

仮に JL-dia, NH-dia, Hilton-Gとあるブログやツイッターで、エールフランスやブリティッシュエアウェイズの情報を得ようとは誰も思いません。会員資格の表示は書かれた内容を端的に示すことに気が付きました。認識にかかる時間はわずかなので、サイト全体の紹介として優れています。

 JL-dia, NH-diaなら、日本ドメスティックな発想をし、国内の変化への関心が高い人だろうということも予想がつきます。つまり自己紹介としても秀逸。極端なことを言うと、(1)の動機も、書き手の自己紹介になります。嘲笑されるだけであっても、十分意義深い気がしてきました。

 ただステマ、キャンペーンで得た会員資格を表示、実際にはあまり利用していないという場合、内容と乖離するリスクがあります。常連の皮をかぶっていて、その実、体験不足だと、ろくな記事が書けません。一見さんの記事は良い結果になりえますが、その可能性を自分で潰しています。

 その航空会社やホテルの記事が無いとか、あっても期待外れでは、表示は逆効果です。

SPGの情報を求める人が、SPG-Gとトップに書いてあるサイトにたどり着き、内容をいろいろ見てみたけれどほとんど情報がないなんて、どう思います?

 

要注意は書き手の方?

FFPFSPに限らず、非生産的な活動の証を自ら暴露しているアカウントは結構あります。「TOEIC何点****」とか、「どこそこ(英語圏)に留学経験****あり」などは典型的。示すのは構わないのですが、具体的に何か記事にしたり、ツイートしたら、外国語の能力なんて一瞬でばれてしまいます。FFPFSPにおいても同じ。一事が万事、そういうことです。

****勉強に励むことは時に大切ですが、それは非生産的な活動。あくまで社会から施される側ですから。