エールフランス・KLM の Flying Blue の新しいプログラム、Flying Blue Extra が11月に登場しました。これは年会費の前払制で、いろいろな特典が得られるという内容。Essential (€379/y) と Extended (€699/y) の2ランクが用意されています。有料なだけあって申し込みは簡単です。
https://www.flyingblue.com/en/flyingblue-extra
特典の一覧は以下の通り。

マイルのブースト、プロモ特典航空券の優待、マイル有効期限の停止、ラウンジ入場バウチャー、特典航空券のマイル割引、Extra XP などです。
マイルのブーストは航空券購入金額 €10あたり 5 (Essential) または 10 (Extended) なので、平会員 (航空券購入金額 €1 あたり 4 miles) では獲得マイルは最大25%アップしますが、プラチナ会員 (航空券購入金額 €1 あたり 8 miles) やultimate 会員 (航空券購入金額 €1 あたり 9 miles) では効果は薄く、魅力がありません。Flying Blue エリート会員のマイル有効期限はないし、ラウンジも有料 (Silver 会員) か無料で利用できます。むしろ Flying Blue Extra は、Silver 会員以上の特典を年会費を支払うことにより享受できる制度という位置づけのようです。
Extra XP は Extended 会員の特典でレートが 20%で固定。Platinum 会員更新の場合、300 XP/y 獲得するところが 250 XP/y で済みます。Platinum 会員には Flying Blue Extra の他の特典はあまり役立たないので、€ 699 で 50 XP 買ったと考えると、単価は €13.98 /XP になります。これは SAF を購入するより悪く、よい方法になりません。2年に一度隔年修行で600 XP 獲得して Platinum 会員を維持する場合を除き、選択肢になりません。Gold 会員の場合はさらに割高な買い物になります。
以上の比較から、この新プログラムは Flying Blue の平会員 (Explorer 会員) のために新設されたものだと判断できます。

2つのことが言えます。
1. Flying Blue の社長 Benjamin Lipsey は今年2月に支払金額制の要素を取り入れることを検討していると発表しました。この Flying Blue Extra がそれであることは間違いありません。
https://pechedenfer.hatenablog.com/entry/2025/02/27/170500
2. フルサービスキャリアは、多様なサービスパッケージを多様な顧客層に提供しています。したがって新サービスは、使ってもらえそうな層を狙って導入することが重要です。Extra のターゲットは明らかに Explorer 会員で、年に何度か搭乗する客です。この層は相当分厚いのでしょう。逆にFlying Blue はエリート会員が多すぎるとは思っていないようです。