成田空港ではここ1月の間に、目に見える大きな変化が3つありました。
・検問の廃止(3月30日)
・第3ターミナルの開業(4月8日)
・第2ターミナルの本館ーサテライト間通路の開業(4月24日)
開港以来行ってきた検問の廃止が、もっとも大きな出来事でしょうが、何も無くなった所の写真を撮っても記事にならないので、ここは新しく開業した第2ターミナルの通路を見てきました。
第2ターミナルの本館とサテライトをつなぐシャトルの通路だった所です。この「水平エレベーター」は、歩行通路が完成すると、廃止されました。跡地に出現したこの通路は、壁がガラス。天井からも光が注ぎ込む明るい設計です。
通路出口の部分が一番印象的でした。美術館のような空間です。
壁に絵画や彫刻が並ぶとそれらしいのですが、美術館に比べると建材のコストは抑えてあるようです。将来、展示スペースとして使われるかもしれません。
どこまで定着するかわかりませんが、Sky Lounge和と命名されました。本館からの通路入口には源吉兆庵が店舗を構えます。ここの和菓子をつまみながら搭乗を待つのは、今までにない時間の過ごし方です。
ちなみにこの開店祝いの花束、どこでも2つのペアで現れます。セントレアではないので、花束が形を保っています。
さらに進むと、上がりにたたみ敷き?と見まがう着席スペースが現れます。和菓子は、すぐ食べられますね。
着物+マネキン+屏風は展示。「レンタル着物で空港散策」などというサービスはありません。
しかし、さらに進んだところにある人力車は展示のみならず、乗車もできます。期間限定で午後の数時間だけとさびしい次第です。あちこちの国際空港にある電動カート、「成田は人力だ」ということでかなり売りになると思います。
その先に行くと、オットマンつきのチェアが並ぶ、espace détente(くつろぎ空間)が現れます。
半個室風のマッサージチェアが並びますが、同じ空間の半数をチェア+オットマンのだけのコーナーが占めます。
壁には遮音効果もあるようでした。居眠りを想定しているのでしょうか。
その先には軽食を提供する場所があり、飲食も不自由しません。
この連絡通路、外側を到着客が、内側を出発客が往来する構造となっていますが、壁が全てガラスです。したがってこの空間に腰掛けると通りを行き来する人を眺めながら、喫茶、読書、居眠り、ブログ書きをすることになります。まるで街中のcaféのようです。しかし背景は駐機中のoneworldの航空機。面白い空間です。
先には壁つきのチェアが、点々と並ぶ空間があります。
PCなどの作業用テーブルも忘れていません。
さらに、茶屋のような腰掛けがいくつも出現します。
ここまでやると、完全に和風。
花もあります。生花かどうかチェックするのを忘れました。
長方形の腰掛は、通路に対して平行か垂直に配置されています。様式を統一したアーチも同様です。
開業してから日が浅いのか、利用している人はあまりいませんでした。またゲートへ急ぐ人が多いため、将来も混雑しないかもしれません。デザインは良いし、意外とのんびり過ごせるかもしれません。
もちろん飲食物は無料ではありませんが、狭苦しく、デザインもぱっとしない航空会社のラウンジよりよさそうです。
この先はサテライトビル。この通路のデザインは、サテライトビルを一気に老けさせました。ですが、そこそこ賑わっています。通路の出口は、CGの完成予想図のように見えます。
そういえばサテライト出発階には、シャワーと一時休憩のサービスがあるのでした。他店と同じくNAAから贈られた花が開店を祝っていました。ここも新規開業?
空港全体として、空間的に余裕があるし、新しく完成した場所はデザインも良いし、有料ながらもさまざまなサービスが充実しているしと、成田もがんばっています。変わり映えしないラウンジに気が進まない場合、公共スペースで十分楽しめます。