PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

エーゲ航空の機内 Wifi:Aegean Stream

海外旅行の経験者なら、3時間を超えるフライトを前にすると、機内の過ごし方に思いをめぐらせるのではないでしょうか。日本に就航するレガシーキャリアは個人モニター完備の IFE システムをほとんど搭載しており、機内手ぶらでも暇を持て余すことはありません。しかし LCC の興隆により、再びこの問題が重要になりました。

 

世界的に見ると、A320B737 などの小さく簡単な機材による5時間程度のフライトは結構あります。個人モニターを備えた IFE を装備するのは無理ではなく、事実装備した機材も多いのですが、機体重量は大きくなり、スペースを圧迫するので航空会社はやりたくないでしょう。

 そこで最近の流行になっているのが、Wifi を用いた機内ネット。プログラムは各社が開発、ソフトは厳選して搭載。搭乗客は自分のタブレットスマホを利用して「受信」することになります。機内 Wifi があろうが無かろうが、携帯情報機器と一緒に旅行する客がほとんどです。IFEシステムの重量が軽減されるだけでも、航空会社はありがたいはず。

 

エーゲ航空は、機材がA319、A320、A321のみの地域航空会社です。個人モニター装備の IFEはなかったはずです。運航路線はヨーロッパ、北アフリカ、中近東に限られますが、Lisbon, Edinburgh, Dublin線では距離は 1,800 milesに近く、フライト時間は4時間を超えてきます。これは、東京ー香港の移動で IFEが無いことに匹敵します。安全のビデオを上映するための天井モニターがある機材では、飛行中ギリシャの観光ビデオなんぞ流しています。

 そういう事情により、Wifiによる IFE の導入が望まれる会社の一つでした。

 

実現したのは、Aegean Streamというシステム。

el.aegeanair.com

一年前はなかったはずです。長い距離の路線から順次導入しているようです。事前にAegeanのアプリをダウンロードして使います。

 

まずは Wifi を探します。上空ですから、これしか検出できません。

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AEGEAN Streamを選択すると、画面が変わります。

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型通り言語選択。これによりプログラムがスタートします。

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何故か、国籍、年齢、性別を入力しなくてはいけません。商品向上のためのフィードバックに使うようです。

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 ともかく、これでスタート。

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エーゲ航空の紹介、就航地の観光案内、エーゲ航空のニュースなどもありますが、エンターテイメントらしきものはさらに下に隠れています。キッズ、音楽、新聞、雑誌の順に出てきます。

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何故か Le Figaro, L'Equipe の順に出てきます。フランス語の新聞は2紙。その後はDaily Mail など。ギリシャ語の新聞もあります。しかしスマホで新聞はかなり苦しいと思います。タブレットが欲しいところ。

 新聞の下は雑誌です。文字が多い有名どころが並びます。

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フランス語では、Le Point と Paris Match。Le Pointは一般記事を読みたければ、タブレットが必要だと思います。ビジュアル系の Paris Match も画面は大きな方がよろしいようです。

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しかしながら、20行ぐらいまでの小さな記事なら無問題。絶好調の人たちの寸評(と不調の人たちの寸評)の欄。Air Franceの新社長(49)も美人で登場。こんなコーナーならスマホで十分。

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またこうした週刊誌によくある「驚愕の数字」も十分読めます。というより、スマホの画面にピッタリ。

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人口自然減が深刻になりつつある極東の島国の住民には、1980年からフランスの人口が25%も増えているという方が驚きでした。(日本は同時期 8%増大)

 

他社の状況を見てみると、Air Franceでは出発30時間前から新聞・雑誌、ビデオ、音楽を楽しめるサービス、Air France Playを4年ぐらい前に開始しました。新聞・雑誌は種類も多く、ダウンロードしたらいつまでも保持できます。

Air France Play

活字中毒者には、食べ放題ラウンジへのアクセスより嬉しいサービスとなっているはずです。

 

Aegean Streamでは、新聞雑誌の種類はここまで多くありません。一方でゲームや、キッズ向けプログラムなどと、小規模ながらも多彩なエンターテイメントを提供しています。この航空会社の利用客の実情にあわせたものと思われます。

 日本でもJALの国内線では Wifi 利用の IFE が運用されています。この JAL In-flight Connetivity では航行地図表示やインターネット接続機能があります。これも搭乗客の嗜好に合わせたものなのでしょう。機内 Wifi の内容が各社バラバラなのが興味深いところ。

 

もしエーゲ航空を利用する機会があれば、タブレットPCを用意しておくと良いかもしれません。4時間のフライトに手ぶらで搭乗すると退屈する可能性大です。タブレットがあれば、Aegean Streamをいじっているうちに到着しそうです。

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