PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

拡大するワンワールド

鬱陶しい価格上昇

ふと調べてみると、Prieuré Roch のワインの価格は凄いことになっていますね。10年ぐらい購入していないので、全く知りませんでした。最近の Clos de Bèze の価格は、2005が出た時の4倍にもなっています。もし 2005 が今(信用がおける筋から)出たら驚異の価格になります。現在の価格を投影すると、前の記事が金持ちの道楽のように誤解されてしまいます。価格を調べそこなったのは、痛恨のミス。

 「安いうちに買う、安いうちに楽しむ」が高級*ワインへ近づくための基本。無理がない程度の贅沢を越えることはありません。

*:ワインの場合、高級には基準があります。産地、品種、栽培法、製造法が保証される(あるいは透明化される)ことです。ここでもこの意味で使っています。Bourgogneだったら、AC Bourgogne pinot noir は高級ワインです。この意味での高級ワインの反意語はデイリーワイン。

 

少しビビりつつ、また在庫整理で Prieuré Roch。自粛ばかりだと気が滅入りますから、少々派手にやるのも必要。さてこれも最近の年の品は、価格3倍。それを考えると萎えますが、心を鬼にして開栓。 

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Clos de Vougeot だとすぐわかる香りを放ちます。cerise や cassis、reglisse、そして特徴的なviolette。おそらく Clos de Vougeot の中でも、中腹付近の区画が多いと思います。そして固い芯を感じさせます。見事な Roch 節です。

 Côte de Nuits の 2006は出た当初、奇妙なワインでした。多くのワインが、最初から熟成しているような感じなのです。それを除くとバランスがとれており、1997、1998、2002のように早くから飲めるかもと予想していましたが、このワインは14年経ってもまだまだ若々しさが残ります。バランスは良いままです。

 

こういう熟成したワインは、基本的に機内食では出せません。長期熟成させるとどうしても一本一本に差が生じますが、品質のばらつきは機内食では最も嫌われるところ。機内食が目指すのはダイニングであり、レストランではありません。熟成の頂点にあるグランクリュなどは不適切なのです。

 

本題

さて武漢肺炎-コロナウイルスによる空前の災禍の中、ロイヤルエアモロッコ(Royal Air Maroc, RAM)が oneworld に正式加盟しました。4月1日のことですからそろそろ2か月になります。

Royal Air Maroc est membre de l’alliance Oneworld | Air Journal

この加盟により、oneworld の路線網に 39 の就航地が新たに加わります。RAMはカサブランカを本拠地とし、50国以上100以上の就航地を持ちます。路線網はアフリカ西部と西欧が充実しており、その他にアメリ東海岸とブラジル、中東の都市が加わります。FFPもプラチナ会員を加えて拡充したようです。

 

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ロイヤルエアモロッコの加盟はその後全く話題に上がりませんが、これは自粛ではなく当然の現象。目の前の疫病でみんな頭がいっぱい。それに加えて、飛行機が飛んでいないのですから。

 エイプリルフールが加盟日なんて、縁起でもない日取りを選ぶから...なんて非難じみたことを言ってはかわいそうです。東京オリンピックで軌道に乗るはずだった ANA と Virgin Australia との提携*のように、加盟が十分機能する前に会社が破綻という展開はないはずですが、oneworldの別の会社の破綻はありえますね。

 

**ANAとしてはオリンピックを足掛かりに日豪路線を JAL-カンタスから奪おうと準備万端だったのに、全てが吹き飛びました。恐るべしコロナウイルス

 

さてもう一つの強力な加盟会社はアラスカ航空アラスカ航空はとても積極的で、加盟のスケジュールを会社のウェブサイトで宣伝しています。

https://www.alaskaair.com/content/oneworld/alaska-airlines-to-join-oneworld

アメリカン航空にべったり協力して、その先に oneworld がある感じです。加盟時期は来年夏を予定しています。

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アメリカンとしては 現金をたんまり持つデルタに LATAM を取られ、南米は弱くなったのですが、本拠地で一本返した形。

 JALoneworld に加盟した原因も、結局アメリカンとの提携にたどり着きます。あれがデルタだったら、今頃 JALSkyteam だったかもしれません。oneworld といえば、AA以外は BA の旧植民地-英連合が基礎になっている印象が強いのですが、AAの影響力が再認識できるようなお話です。

 アメリカで残る大手はハワイアン。現在 JAL との提携を強める一方なので、条件が整えば素直に oneworld 加盟につながりそうです。oneworld はすでにフィジー航空を oneworld connect 会員として迎えています。もしハワイアンが加わると太平洋は oneworld が制覇することになります。

 LATAM が落ちたのは、人によっては痛かったと思いますが、oneworld は南米と東アフリカを除き、世界全域をカバーすることになりそうです。CX や MH の状況は不安ですが、今のところ oneworld はますます便利になる予定です。