PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

ベルリンの博物館めぐり

 

観光地としてベルリンを見た場合、美術館、博物館が充実しており、文化的な催物が多いことに気がつきます。大都市、しかも首都ですからある意味で当然です。どんな国でも外国人には見栄え良くなるよう努力するし、首都が人口集積地の場合、特にその傾向が強くなります。

 

ということで、博物館めぐりと観劇というのが正しいベルリン滞在法。

 

植物園

Home | Botanischer Garten Berlin

改修中で Königin-Luise-Platz の入口しか開いていないとの情報を得たので、U-bahn U3 の Podbielskiallee から徒歩でアクセス。

 

敷地は広いのですが、充実しているのは温室 (地図では Gewächshäuser) であり、そちらは通常通り開館している模様。下の地図では左側が入口。

屋外は、三分の一ぐらいが立入不可になっているようです。

 

受付小屋を出て、温室に向かうと少し上り坂。森でよく見る樹木が立派なのに対して、高分子性のバリケードはいかにも安っぽくて文明をあざ笑うかのよう。

 

温室はセクションごとに異なる温湿度を保ち、世界中の様々な植物が生育しています。花にこだわっておらず、咲き誇っていて華やかというわけではありません。学術性が高い施設です。

 

ただし、この訪問はたまたまツバキの開花期にあたりました。20種以上あるツバキが咲き誇る様は圧巻でした。

ここでは1枚アップロードします。Camellia japonica "Contessa Lavinia Maggi" という品種。

 

ツバキはアジアで春の象徴だそうです。言われてみれば、漢字は木ヘンに春です。

 

外はドイツの森と野原を再現したもの、地中海北沿岸の野原を再現した地区などです。

 

ほどほどの散歩ができます。植物園ですから、派手さはありません。森歩きならベルリン郊外に森林はいくらでもあるので、本物を体験すればよいのでしょう。

外国人が訪問して、ベルリン流の植物園を知るには良い施設。ベルリン市民にとっては、教育啓蒙活動の基地になっていそうです。

 

ドイツ技術博物館

Stiftung Deutsches Technikmuseum Berlin

Potsdamer Platz と Anhalter Bahnhof をつなぐ線を北東の限界として、南西部はかつて広大な鉄道用地でした。現在では線路は大部分除去、必要な鉄道は地下化して、地区の再開発が行われていますが、大部分が公園です。この博物館は再開発の一部。蒸気機関車の方向転換台2つがそのまま残り、鉄道車両コレクションは相当なもの。鉄道車両以外でも輸送技術の装置の保存に特徴がありました。

 全技術分野が対象になるようでしたが、他の技術 (砂糖、繊維、計算器、写真、鞄、宝石 etc.) の選択は、かなり任意性が高いように感じられました。

 

手に入ったものを有りったけ並べているようにも見えます。

 

説明はほとんどなく、見てまわるだけ。個人的に何かを知識がある場合、特定の展示物に感激するのではないかと思います。

 

テラスからの眺望はなかなかのもので、これも見逃しなく。

 

南西部に広がる公園には、使えない状態になっている線路が少し残されており、散策とセットにするとよいかもしれません。

2箇所でうさぎを見かけました。

 

シュパンダウ城塞

https://www.zitadelle-berlin.de/

U-bahn U7 Zitadelle 下車。地図で見てもらえばすぐに分かりますが、いわゆる城塞です。近くで現物を見るより航空写真の方が印象的ですね。

 

いずれにしても 20世紀以降、軍事的にほとんど意味がない基地。

 

大都市から近い城塞となると、イベント会場に使われることは容易に予想できます。周辺で行われる 2024年の「歴史祭り」と「歴史市」の予定。

訪問当日はこの城塞内でイースター騎士祭りがおこなわれていました。

 

到着して20分後にショーが始まるという絶好のタイミング。

イングランドの Henry V と同じ軍旗、紋章を使っているようですが、考証を求めるのは場違い。

 

甲冑に身を包み、乗馬で行進。

 

大部分のアトラクションは、騎馬であるものの、甲冑は外して行われました。

それぞれの「騎士」の乗馬の癖が強く、見ていて飽きません。

 

次世代を担う若者。

 

この種の中世イベントのもう一つの見どころは、コスプレ!仮装でくる観客が多いのです。Dr. ペストの格好もいました。

 

飲食物と簡単なおみやげ物の販売テントは一日中営業。ドイツ的な休日が過ごせます。

 

シュパンダウは旧市街が一応残っています。帰りはそこを横切り S-bahn の Spandau 駅から乗車しました。旧市街に見るべきものがあるようには思えませんでした。

 

サムライ博物館

Europas einziges Samurai Museum in Berlin Mitte

ヨーロッパ唯一のサムライ博物館という触れ込み。U-bahn U8 Rosenthaler Platz, U6 Oranienburger Tor、S-bahn Hackescher Markt 等が近いのですが、歩くことを厭わなければ中央駅からでも 2 kmぐらいです。

 

主に日本の甲冑が展示されています。

私的なコレクションを展示のために配置したという風情。説明はほとんどなく、質がそこそこのモノも、レプリカも雑然と並んでいます。

 

箱と共に展示しているのは良い点。

箱書きの内容はいつもそうですが、どこまで信用できるかです。

 

中にはなかなか見事な工芸品もありました。

 

他は鉄砲、日本刀などが数多く見られます。

 

井筒の半透明スクリーンへの投影上映は、無幻能の雰囲気をよく伝えます。外国で日本文化を紹介する点では秀逸です。

 

博物館

Startseite | Museum für Naturkunde

中央駅から徒歩10分。Museum für Naturkunde は翻訳すると博物館にしかならないのですが、こういう施設は動物と鉱物が対象となります。植物は別になることが多いようです。人気があるのは恐竜の化石や骨格模型。

 

入口正面の大ホールにいくつも鎮座しています。子供たちは大喜び。

 

ベルリン動物園でかつて大変な人気を集めたクヌートは若くして死亡しましたが、剥製になって展示されていました。

ただこれは彼の一部の毛皮を使ったようで、明らかに死亡時の体長ではありません。手足と胴のバランスも不自然です。

 

この博物館も不思議なぐらい説明がありません。